芸能
大網亜矢乃の構成要素:第14回「繭」
前々回と前回の2回に分けてお送りしてきた「夢つき兎」も終了し,今回からは通常営業に戻る本連載ですが……。そもそも通常とは何か? というのが難しいところ。とはいえまあ,大網さんの頭の中がけったいなことになっていることは,今回もまたご理解いただけるのではないかと思います。果たしてこれは夢なのでしょうか,それとも白昼の妄想なのでしょうか……。
ドアを開けて入った部屋で目に映るのは,白い壁に,枠が木でできた四角形の窓。そして色トリドリの積み木。
懐かしさを覚えながら積木に触れようとすると,四角形の窓に赤ちゃんがへばりついていた。
危ない! と思ってその赤ちゃんを抱こうと触ると,
くるんと丸まり,繭のような柔らかさになった。
確かに人間の顔をした赤ちゃんが,
繭の中にくるまれているのが見える。
ふと時計を見て,何の時間かは分からないけど,私は時間に遅れる! と思い,赤ちゃんにバイバイをして,色あせた赤い貨物列車に飛び乗った。
周りの乗客は,なぜかみんな色トリドリの帽子をかぶっていた。
私の前に座っている,黒いベレー帽のおじさんがパレットを持ち,絵の具のついた筆を窓に向かって「ピッ」とはらうと,
そこに風景が現れた。
水色の絵の具は湖になり,
緑の絵の具は原っぱを創り,
白い絵の具はヤギになった。
流れていく風景に目を奪われていると,隣の車両から悲鳴が聞こえる。
窓から顔を出してみると,前方の車両からモクモクと煙のようなものが青空高く伸びている。
それを見た瞬間,私は窓から飛び降りた。
すると絵描きのおじさんが,藍色の絵の具を投げてくれた。
それは一瞬にして大きな葡萄になり,私はそれをクッションにして外に転がり出た。
葡萄はぶちょっと潰れ,私は葡萄の香水を全身に浴び,そのまま繭の赤ちゃんの元へ帰った。
赤ちゃんは私の葡萄の匂いに気付き,猛ダッシュで駆け寄ってくると,繭で葡萄の汁を吸い取った。
私は真ん丸の赤ちゃんを抱きしめた。
しばらくして,赤ちゃんの体温で温かくなった自分の体をふと見ると,腕の部分が溶け始めていた。
私も風景の一部だったらしい。
繭でくるまれた赤ちゃんって,可愛らしさと気味の悪さが同居した不思議なモチーフですね。ん? 可愛らしさと気味の悪さが同居した赤ちゃん……? そんなゲームが確かあったはず。なんて気付いた方は,ご名答。今回紹介するのは,エキサイトがサービス中のオンラインレースゲーム「カモンベイビー!」。韓国では大人気という,インパクト抜群なツラをした赤ちゃん達が,カートに乗ってレースをするというタイトルです。ヒゲやゴリラやカメの化け物が登場するカートゲームが好きな方も,一度こちらをプレイしてみてはいかがでしょうか。
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