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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第809回「私,まだ生まれとらん……」
当然,大山のぶ代さんの代表作は「ドラえもん」ではありますが。私的には「ダンガンロンパ」シリーズのモノクマでもあります。思えば,ダンガンロンパのモノクマ役の方はどちらも亡くなってしまったんですね。やはりショックです。
おそらくドラえもんは私の心の中で,そして世の中的にもこれから半永久的に日本に夢を与えてくれる存在です。それでも,やはりその声を担った方が亡くなってしまうのは,現実を突きつけられている気がしますね。
さて,だからってわけではないのですが,今週は「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」(Nintendo Switch / iOS / Android / PC)について。これ,私の大好きなカイロソフトの作品なんですが,カイロソフトにしては珍しくタイアップ作品なんですよ。
ドラえもんのキャラクター……というか,多くの藤子不二雄作品のキャラクターがゲイム内に登場します。肝心のゲイム内容ですが,やはりそこはカイロソフトと言うべきか,経営シミュレーションゲイム。今回は和菓子屋を大きくしていくというテーマです。
ドラえまーであり,カイロソフターでもある私としては,タイアップ作品,しかも国民的アニメをどのように融合させるのか。めちゃめちゃ興味がありました。
で,上から目線で恐縮ですが,「見事!」というのがプレイした第一印象です。ストーリーに無理がない。いや,超厳密に言えば無理はあるんですけども,そこはちゃんとドラえもんらしい無理なんですよね。
ホラ,大長編ドラえもんって,めちゃくちゃ面白いんだけれども現実味はないじゃないですか。あのノリ。恐竜時代でタイムマシンが壊れてしまい,歩いて日本まで行かないといけないっていうあのノリ。
そんな感じで,のび太がどら焼き屋さんを手伝うことになっています。
売り上げを伸ばしつつ,新しいどら焼きや和菓子を開発していくんですが,そのプロセスがちゃんとカイロソフトのシミュレーションのリズムなんですよ。ドラえもんをはじめ,藤子キャラがドット絵にも映えますし。
なので,ドラえもんファンもカイロソフトファンもまったくソンをしていないコラボになっています。だから,見事だと感じたんですね。
ドラえもんに遠慮するばかりにカイロソフトの良さが失われたのでは意味がないし,シミュレーション要素が強すぎてドラえもんである必要がないというのも悲しい。その点でどちらのファンも楽しめる作品に仕上げたのは,カイロソフトのすごみでもあるなと感じました。
ところで,「じゃあ,今作の面白みはコラボしたってところなのか?」という疑問を抱くカイロソフターもいるかもしれません。今までのカイロソフト作品と今作の違いについて,私なりに解説してみましょう。
先ほども述べましたが,この作品には「ドラえもん」だけが出るわけではないんです。多くの藤子不二雄作品のキャラクターが登場します。
で,そのほとんどはのび太が手伝うことになるどら焼き屋さんのお客さんとして登場しますが,キャラクターや作品を図鑑として埋めていく要素があります。あくまでもお楽しみ要素なんですよ。
藤子不二雄作品のキャラクターがお客さんとして来てくれるってだけでもなんだか嬉しいのに,その作品を集めるコレクション要素も遊びとして加わってます。
でも,申し訳ないけども知らんよ。「ぞうくんとりすちゃん」は。
どうやら昭和49年から約1年間,幼児向け漫画雑誌「めばえ」に連載された漫画で絵本にもなった作品らしいです。私,まだ生まれとらん……。
たぶん藤子不二雄偏差値は55以上あると自認する私でさえ,まだ知らない作品を数多く生み出している藤子先生はやっぱり偉大ですね。絶対にその都度,読者に夢と希望を与えてるわけですから。
あと,ストーリーも従来のカイロソフト作品と比べて強めかもしれません。基本的にカイロソフトのシミュレーションゲイムは,ノルマだったり条件だったりをクリアしていって次の展開に進むことが多いです。
もちろん本作もそうなのですが,クリアすべき条件がほかの作品より緩い気がします。結果的にそれでキャラクターたちが次々とセリフを展開していくので,キャラクターの存在感が増すことにつながっています。
これもおそらくはコラボ効果なのでしょう。ただ,これはこれでアリです。普段のカイロソフト作品よりもテンポがいい印象ですね。シミュレーションゲイムは自分のペースで進めたいもんですが,ドラえもんの作品となれば,やはりキャラの掛け合いが欲しくなってきます。
その意味で,こちらもいい落としどころだったのではないでしょうか。
というわけで,今週は「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」を紹介いたしました。ケツ論を言うと,かなりのおすすめ作品です。カイロソフト作品はシミュレーションゲイムとはいえ,そこまで難しいルールはないです。
ですが,ドラえもんを絡めることによって,分かりやすさととっつきやすさが数段増しています。それでいて,お菓子を開発するというカイロソフトらしい楽しみ方もできるし,ドラえもんとしてのストーリーも楽しめます。
ジャンルの好き嫌いはあれど,どんな人でも面白く感じられると思いますので,ぜひ一度遊んでみてほしいですね。
そして,カイロソフトというゲイムメーカーを多くの人に知ってもらいたいです。そうすれば,どんどん作品がリリースされますので。
最後になりましたが,大山のぶ代さん,私の時代のドラえもんに命を吹き込んでくれてありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「EA SPORTS FC 24」
Nintendo Switch:「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」
Nintendo Switch:「パワフルプロ野球2024-2025」
iOS:「プロレスリング物語」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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