男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第779回「桐生さんのエンディングノート」

著者近影

　ハイ，つかまりました。「龍が如く8」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One）の寄り道要素です。
　今，8章なんですが，ネタバレしない程度に説明すると，ゲイムを進めていくうちに仲間がどんどん増えていくんですよ。で，その仲間の好みとかのちょっとした情報が手に入る「絆ビンゴ」「絆ドラマ」といった要素があります。その条件っていうのが，街の所定の場所で発生するんですね。
　どこに行けば発生するかがマップに表示されているんで，そりゃあ行っちゃいます。で，仲間が増えるということは，それだけ行かなきゃいけない場所が増えるという。
　桐生さんに関しては「エンディングノート」っていう要素があって，シリーズの思い出の場所に行けば，過去の話が当時の画像と共に紹介されるという内容なんです。これ，シリーズを通してプレイしている私からすると，感慨深くなっちゃいますよね。桐生一馬の人生を回収させられてる感覚。ただ，これって現実の自分にも必要なんじゃないかなって思わされました。

　ちょっと真面目というか，重めの話になってしまうかもしれないけど，人生ってどこで何が起こるかは分かりません。突然の災害なんて予測できませんから。事故だって起こる可能性はあるし，突然の病気に襲われることだってあります。
　ちなみに今，私の所属するDDTプロレスリングの同僚である岡田佑介選手は抗がん剤治療を行っています。31歳にして命の最前線で戦っているのです。頑張って戻って来てね。
　だからってわけでもないけど，人間の生命は力強いと同時に脆くもあるのです。そして，どのタイミングであれ，死は必ず迎えます。そのときのために，生きている時間を有効に使うことが大切なのかもしれません。


　私は今，死ねません。愛犬ハクがいるから。私が死んだら，ハクが文字通り，放り出されてしまいます。だから死ねない。でも，死はそんな事情を乗り越えてきます。残りの時間を数えるのではなく，今の生きている時間でできることを探す。これは，余命いくばくもない桐生さんだけのことでもないのかな，と思うのですよ。
　自分の人生を振り返りつつ，やりたいこと，まだやれてないことを書き出す。そして，それをできるだけ実現させる。大谷翔平選手がマンダラチャートと呼ばれる目標達成シートを書き出していたのは，彼がまだ高校生のとき。それも似たようなものだ，と私は考えます。


　大谷選手ほどではないですが，私もプロレスラーになったときに自分のパラメータを紙に書き出していたことがあります。それはゲイム的な発想からのパラメータ付けだったのですが，結果として役に立ったと思っています。何が役に立ったかって，目標や自分の現時点での能力が可視化されることなんです。
　この可視化ってのが，すごく重要で。人間，自分が思ってるだけでは補正をかけてしまうんですよ。あるときは都合のいいように。あるときは過小評価して。物事を達成するには過大評価と過小評価，どちらもよろしくありません。謙遜しているほうが得することはやや多いのですが，できるだけ正確に現状を把握したほうが，自分の目標や仕事に正確なアプローチができます。
　例えば敵の数100人，自分の戦力120人の場合，こちらのほうが有利じゃないですか。勝つ確率も上がります。ただ，実はそれが勝手な見積もりで，本当は敵の数150人あるいは自分の戦力80人だったら，勝つ確率が下がります。そんな状態で正面からぶつかるのは愚の骨頂です。その戦力差で勝つには別の努力が必要になるので，戦力の把握はとても大切なのです。


　ただ，世の中は可視化できないことのほうが多い。人間の成績は数字として可視化できますが，能力は可視化できません。だから，可視化できるように書き出すのです。すると「何をすればいいか」「今するべきことの優先順位」が分かってきます。ちょっと違った場合は書き足せばいいんですよ。書き直せばいいんです。人生がそうなんだから。
　桐生さんのエンディングノートをプレイしていたら，自分のこれまでの人生も含めて考えさせられることが多かったです。まだ途中だけどな。時計の針を戻すことはできない。ならば，残っている時間に何ができるかをまとめたほうがいい。強くそう思いました。
　私もエンディングノート，付けてみようかな。公開はしないけど。こういうのってね，書いてるときも楽しいもんなんですよ。で，あとから冷静に修正するのもまた楽しい。自分のことだからね。

　というわけで，今週も「龍が如く8」に翻弄された1週間でした。でも，よくよく考えたら，ゲイムの詳しい情報をこの連載に求めてる人なんていないよね。ここまで来たら，とことん「龍が如く8」に向き合ってみようかな，と現時点では思っています。待ってろ，「ユニコーンオーバーロード」（PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / PS4）。
　あ，そう言えば，先週紹介したアニメ師匠こと納谷幸男選手に「話，盛り過ぎっすよ」って言われました。ただ「エピソードをさらすな」的なことは言われなかったので，今後も彼の常人離れしたエピソードを擦っていければなと思います。
　そんな感じでまた来週。明日は「Winning Post 10 2024」（PC / PlayStation 5 / Nintendo Switch / PlayStation 4）の発売日だよなあ……。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5：「eFootball 2024」
PlayStation 5：「龍が如く8」
PlayStation 5：「Football Manager 2024」
Nintendo Switch：「不思議のダンジョン 風来のシレン６　とぐろ島探検録」
Nintendo Switch：「ドラゴンクエストモンスターズ3　魔族の王子とエルフの旅」
iOS：「ロードモバイル」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，3月30日（土）17：00より神奈川・横浜ラジアントホール大会「April Fool 2024 TOUR in YOKOHAMA」を開催します。ディーノ選手はアントーニオ本多選手とのタッグで，平田一喜選手＆須見和馬選手と対戦予定。「エンディングノートに書けるような試合にする」とのことです。