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    男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第714回「『ハーヴェステラ』という挑戦」
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    印刷2022/12/15 11:00

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    男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第714回「『ハーヴェステラ』という挑戦」

    画像集 No.001のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第714回「『ハーヴェステラ』という挑戦」

    著者近影
    画像集 No.012のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第714回「『ハーヴェステラ』という挑戦」
     挑戦は難しい
     大人はね,若い人に言うんですよ。「挑戦しろ」って。でも,実際に若い人が挑戦したときに潰しに来るのも,だいたいは大人。この構造について,私も昔は理不尽に思っていたもんですよ。ただ,冷静になって考えてみると,何も間違ってないんですよね。結局のところ,大人が若者を対等な存在として見るかどうかって話なのですよ。対等な存在として見ているならば,そりゃまあ手心は加えないよね。潰しに行くよね。それは正しい。自由競争の範囲だからね。そうやって勝ち取ったものに価値があるのだから。
     問題は,大人が若者に挑戦させないこと。ルールや常識や慣習を盾に若者の挑戦の道をふさぐのは,違うのかなと思うんですよ。とはいえ,ここもさらに難しく紙一重な部分があって。大人だからこそ,反対してあげられることもあるんじゃないかとも思うのです。
     言うまでもなく,挑戦は失敗のリスクが付きまといます。すべての挑戦が成功するなんて,そんな甘い話はありません。挑戦するからには成功してほしい気持ちもありますが,世の中に数少ないものを手に入れようとする場合など,失敗する確率のほうが高くなります。挑戦する側は,自分が成功した姿をイメージしながら挑戦します。だから,失敗するリスクを教えてあげる大人は必要だと思います。
     私もプロレスラーという特殊な職業に就いているので実感するのですが,「親が反対する」ケースは多々あります。親は,子供に不幸せになってほしいわけではありません。成功する確率と失敗する確率を天秤にかけて反対しているのです。例えばプロレスラーの場合,成功が何かと問われると,自分の夢を叶えること。つまり,人生の充実が挙げられます。でも,失敗は何かというとケガをすることです。一生治らないケガをしてしまう危険が,プロレスには付きまといます。厳密に言えば,ほかの職業でもその職業なりの危険はあるのですが,それでも確率論的にプロレスはケガを避けては通れません。親が反対する気持ちは分かります。
     今から私は極端なことを言いますね。真に受けないでください。「反対されてその挑戦をやめるのであれば,その程度の覚悟だった」ってことです。挑戦した奴しか挑戦の結果は得られない。ただし,その成功は多くの失敗の可能性の上に成り立っている。それでも挑戦しますか? って話なのです。
     そして挑戦する場合,反対した人を屈服させなければなりません。まず,挑戦権を勝ち取らなければならないのです。反対する人が挑戦を邪魔するならば,反対する理由を潰してください。だいたいはルール,慣習,常識を盾にしてきます。なぜならだいたいはみんな,そこで諦めるからです。
     諦めたくない人は,ルールや慣習が理由なのであれば,それを変える道はないか探してください。法を犯してはいけません。だったら,法を変えるしかないのです。ルールも同じ。社内なのか家庭内なのかで難度は変わるかもしれません。ですが,メリットを提示できればルールを変えることはできるかもしれません。
     常識が反対理由だと,もっと簡単です。明文化されてないわけだから。逆にルールを突きつけてやればいい。エジソンは偉い人,そんなの常識。だけど,エジソンより今の時代に合った合理的なことを自分が成し遂げると言ってしまえばいいんですよ。

    画像集 No.002のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第714回「『ハーヴェステラ』という挑戦」
     で,今週は「ハーヴェステラ」PC / Nintendo Switch)です。ファンタジーRPGとスローライフ生活シミュレーションが合わさった作品です。「ルーンファクトリー」シリーズに近い雰囲気と言えるでしょうか。
     ただし,ここでのポイントは,スクウェア・エニックスが手掛けた作品ということです。ゲイム会社にはイメージがついて回ります。これは勝手にプレイヤーが抱いているものではあるんですが,それでもやはりイメージというものは存在します。
     任天堂が人を殺めるゲイムを作らないように。レベルファイブが子供達目線で作品を作るように。逆もあるね。作品からゲイム会社をイメージしてしまうケースもある。硬派なシミュレーションを手掛けるのがコーエーテクモであるように。「龍が如く」シリーズのようなとがった作品をいとわないのがセガであるように。ゲイム会社と作品のイメージというのは,ついて回るものなのです。もちろんイメージとは違う例外もあったりするのですが。

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     私は今回のハーヴェステラをスクウェア・エニックスが発売したというのが,すごいことだと思うのですね。社内でどれだけの反対にあったのかは分からない。もしくは,反対などなかったのかもしれない。でも。老舗が今までのイメージにない作品を,しかもすでにジャンルとしてはほかのパブリッシャが一定の地位を確立しているところに,新たに挑んだわけです。エジソンは偉い人だけど,俺だって偉業を達成してやる。そういう気概を感じたのですね。
     内容としても,ちゃんとRPG部分とシミュレーション部分が両立できています。どちらが犠牲になるというわけでもない。そして,出てくるキャラクターの掘り下げもできている。ケツ論を言うと,面白いですよ。この手のゲイムとして遊んでも,普通にゲイムとしてプレイしたとしても。
     もっとも,“この手のゲイム”って考え方が難しいんですよ。ただ農作業を続ける日々を楽しむ一面もあれば,かといって目的が欲しくなる一面もある。だから,牧歌的な世界を楽しみたいのであれば,少々騒々しいゲイムかもしれない。ただ,ゲイムから目的を提示されてそれを達成するのが好きなのであれば,このゲイムはちょうどいい。ま,結局何を求めるかですな。
     このゲイムだけに関して言えば,RPGとしても生活シミュレーションとしてもどちらの切り口でも抜かりなく面白い,とだけは言えると思います。

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     挑戦って,難しいよね。何が難しいって,踏み込むのが難しい。挑戦したいことに対しては,人間,頑張れるんですよ。好きだから。ヤりたいことなわけだから。だけど,自分をその挑戦モードに持っていくまでが難しい。周りの環境もそうだろうし,自分自身も。その環境を整えるのが挑戦における一番の壁なのかもしれないね。
     というわけで,私は「牧場物語」シリーズやルーンファクトリーシリーズも好きだけど,同じようにハーヴェステラの挑戦の姿勢も応援したいと思ってます。成し遂げた人も成し遂げようとする人も,どちらも偉い人。それが私にとっての常識。そんな感じでまた来週。

    今週のハマりゲイム
    PlayStation 5:「eFootball 2023
    Nintendo Switch:「ハーヴェステラ」
    iOS:「ロードモバイル
    iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

    ■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
    ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の12月17日(土)17:00より,熊本・熊本市流通情報会館大会「Road to NEVER MIND 2022 in KUMAMOTO」を,翌18日(日)15:00より福岡・ピヴォーレ福岡大会「Road to NEVER MIND 2022 in FUKUOKA」を,そして21日(水)18:30からは,東京・後楽園ホール大会「男色ディーノ20周年書籍出版記念(予定)大会」を開催します。ディーノ選手は「九州で自著を売るためには来場者への図書カード配布も検討したい」と語っておりました。「イロモノの野望 透明人間と戦ってわかった自分の商品価値の上げ方」は12月28日の発売です。
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