男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第627回「私はゲイムに救われている」

著者近影

　さて，いよいよ精神的に追い込まれてまいりました。
　先週もお話ししましたが，私，今週の日曜日（2021年4月11日）に大一番を迎えます。タイトルマッチですよ。こんなにも勝ちたい試合が今までにあっただろうか。
　こういう具合に思いつめているときって運の巡りも悪いもので，一向に引っ越しの準備も進まないし，PlayStation 5の抽選販売も当たりゃしないし，なんならPlayStation 4のDUALSHOCK4も壊れたよね。で，新たにコントローラを買おうと思っても，品切れ続出で手に入りゃしない。どうも男色ディーノです。どうぞよろしく。
　要するに精神的に追い詰められているよ，私はって話です。ただのぼやきです。とはいえ，これを読んでいる皆さんに何か情報を与えられるとするならば，大一番を前に追い詰められた43歳の中年が現実逃避として選ぶ行動は，ただひたすらゲイムをプレイするというものなのですね。超厳密に言うと，ただひたすらゾンビを撃つという。

　てなわけで，今週紹介するゲイムは，PlayStation Plusの4月のフリープレイで遊べる（Xbox Game Passでも遊べる）「Zombie Army 4: Dead War」（PC / PlayStation 4 / Xbox One）。これはもう，何も考えずにゾンビを撃ち続けることができるTPSです。
　いや，もちろんキャンペーンモードにはストーリーもあるにはあるんだけど。今の私にとってはストーリーなど関係なく。ただひたすらゾンビを撃つゲイムなのですよこれは。どうやらオンラインでの協力プレイが面白いという話のようだけど，それすら関係ない。一人でただひたすらゾンビを撃つゲイム。それでいいじゃないか。
　PCやゲーム機のスペックが上がって，表現方法の選択肢も幅広くなっているこの時代に，ただひたすらゾンビを撃つことができるゲイムって，潔いと思うのよ。そもそもこのゲイムは，遠距離から狙撃するTPSの雄「Sniper Elite」シリーズから派生したタイトルなのね。だから，いい狙撃ができたときにスローモーションで頭蓋骨が破壊されるという，あのシリーズならではの演出もガンガン出てくる。それがいい。ゲイムやってるわーって気になれる。
　私，人を撃つタイプのFPSやTPSって実は苦手なのよね。とくに近年，ハードウェアのスペックが向上したからこそ，リアルな表現が突き詰められているものだから，人を撃つ感覚が怖くて相手を撃てないのよ。リアルであるがゆえの弊害といいますか。だけど，ゾンビだったら話は別。いくらリアルな描写でも，ゾンビであればゲイムだって思えるから，ただひたすら撃ち続けられるの。
　ゾンビが出てくるゲイムは数あれど，ただひたすらゾンビを撃つゲイムってなかなかないじゃない。もしゾンビを描いているゲイムがあったとしても，ストーリーを重視しているような（いや，繰り返すけどこの作品にもストーリーはあるんだけどね），映画的な見せ方のものが多いと思うの。だから，なんだかんだで何も考えずひたすらゾンビを撃ち続けられる本作は，本当にありがたい。少なくとも，今の私は救われてる。


　これがPlayStation Plusに加入していると，無料でダウンロードして遊べるのよね。ホント，PlayStation Plusに加入しておいて良かったわ。フリープレイのラインナップも絶妙で。ちなみに今月はこのほかに「Days Gone」も無料で遊べるわ。こちらもゲイム内でゾンビとは呼ばれてないけども，フリーカーと呼ばれる感染者がはびこっている世界を描いたゲイム。ま，ゾンビに近いですわな。
　で，このDays Goneはオープンワールドのサバイバルゲイムなんだけど，特徴としてはものすごく大量のフリーカーがけっこうなダッシュで襲ってくるってところ。今月どうしたんだろうね？　言うなればポストアポカリプス月間ですよ。Days Goneはそれこそストーリー重視の作品のようだけどやっぱりPlayStation Plusに加入していれば無料で遊べるから，断然オススメ。発売当時にスルーしていた人もぜひに。


　今週はPlayStation Plusに加入していれば無料で遊べるゲイムを紹介してきたわけですが。あらためて思うのは，やっぱり私はゲイムに助けられているってことね。ゲイムって仮想の世界で楽しむものだから，現実には何も残らないと思われがちなのよ。ゲイムにハマっても一銭の得にもならないって。でもそれは違って。そもそも趣味って，何かを残すためにハマるわけじゃないの。あー楽しいなって思うためのものでしょ。現実世界でも頑張るために，趣味を頑張るんじゃないか。私はそう思っておるのです。
　もし，私が今週末の試合でタイトルを奪えた場合，それはゲイムが私を支えたからだと言い切っていいでしょうね。ただひたすらゾンビを撃ち続けていた時間が，私にタイトルをもたらした。それくらい，ゲイムは人を救えるんだって話です。
　もちろんZombie Army 4を作った人達は，このゲイムに43歳ゲイレスラーが救われているなんて知らないでしょう。でも，世の中きっとそんなもんなのですよ。自分の仕事が，知らない誰かを知らないうちに救っている。いろんなところでそれがたくさん起こって，世の中知らず知らずに助け，助けられている。そう思うと，やはり頑張らないとなと思うのですね。私が知らない誰かのために，私は週末タイトルマッチを戦ってきます。自分が助けられた恩を返すために。どこかにいるかもしれない，誰かが私の試合見て頑張ろうって思ってもらえるように。巡り巡って，自分のために。
　ただひたすらゾンビを撃たせてくれてありがとうZombie Army 4。では，いい報告ができることを祈りつつ，また来週お会いしましょう。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4：「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」「Zombie Army 4:Dead War」
Nintendo Switch：「モンスターハンターライズ」
iOS：「龍が如く ONLINE」
iOS：「ハンドレッドソウル」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，今週末の4月11日に東京・後楽園ホール大会「April Fool 2021」を開催します。本文でも触れているとおり，当日のディーノ選手は秋山 準選手が保持するKO-D無差別級のベルトに挑戦します。「これだけゾンビを撃ち続けているんだから，勝たなきゃゾンビに悪いと思う」そうです。なお，この大会の模様は動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」で生配信予定です。