男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第518回「人生を楽しむためのコツ」

著者近影

　皆さん，何のために生きてます？
　私は「楽しむために生きている」って，この連載ではよく述べているんですけども。どうも。ゲイレスラー男色ディーノです。

　この，人間が何のために生きているかって疑問は，何歳になっても付きまとうのよね。まあ，ハッキリと答えを出せる人がいないから，そういう疑問を持ち続けるんだろうけど。
　例えば，忙しくて自分の時間を持てない人は得てして「自分は何のために生きているんだろう」って思うわな。または頑張っても成果が出ない人。あとは現時点で目的がない人も，かしら。
　要は，現状を楽しめていない人は往々にして「何のために生きているのか」って思っちゃうんでしょうね。一方，楽しめている人はそういう疑問があっても気にせず日々を重ねているんでしょう。だって楽しいんだもん。
　あ，どちらが悪いと言ってるんじゃないわよ。どっちも人生。悪いことなんてない。まあ，考え方ですよ。私は，自分で悪くはない人生だなって思っているから，楽しくない人にとっては「楽しんでるお前に言われても」ってところでしょうけど。
　そこそこ楽しめてる私には世の中の詳しいことはよく分かんない。でも，そんな私が偉そうに人生を楽しむコツを教えるならば。ムキになることじゃないかしらね。ちょっと綺麗な言い方をすれば，一生懸命何かをするってこと。それが仕事でもいいし，趣味でもいい。
　何かを一生懸命やっているのに，それで人生がまったく楽しくないんだったら，違うことをヤったほうがいいんじゃないかって思うのよね。潰れる前に。絶望って，希望がまったくない状態だからね。希望が少しでも残っているならば，それは絶望ではないのですよ。
　そりゃ，一時的に絶望を感じることはあるよ。失恋したときとか，仕事で大きなミスをしたときとか。でも，楽しかったときもあるでしょ？　今回結果がついてこなかっただけ。そこは気にすんな。
　次があるか分からない？　だから，あのときに頑張らなきゃいけなかったんだよ。でもまあ，もう済んだことだ。もうちょい寝かしといてやるから，もうちょっとしたら立ち上がれ。そして前向け。寝てる間は次は来ない。
　だから，一生懸命やって将来の希望が持てるようなら続けて頑張れ。頑張ってもうちょいヤッていたら楽しくなりそうだと思えるかもしれないし，思えなければその道が向いてない。もしくはまだ変な余裕があるんだと思うよ。
　自分の生活のうちの何でもいいんですよ。仕事でも趣味でも。世の中って自分だけじゃなく他人もいるから，思うようにならないことのほうが多いよ。でも，それ込みで楽しめるかどうか。無駄なことでもいいんです。むしろ，どうでもいいことに全力を出してるのってなんか面白いじゃない。
　そういう意味で，私はお祭りが好きなのよね。お祭りの種類にもよるけど，あれってよく分からない利害で成り立ってるじゃない。もちろん儲けている人もいるんでしょうけど。でも，祭りの場ってそういう儲けってどうでもよくて，楽しみたい感じで参加するじゃない。そこがいい。おみこしとか，花火とか，雪まつりだったら雪像とか。ああいう，一生懸命クオリティを上げていこうとする姿が楽しさを生むんですよ。あれヤってる人，本当に楽しいんだと思う。

　さて，今週は「ネルケと伝説の錬金術士たち ～新たな大地のアトリエ～」（PlayStation 4 / PlayStation Vita / Nintendo Switch）について。これは，「アトリエ」シリーズのお祭り的タイトルですね。文字通り，歴代のキャラクター達が大集合して街づくりをしていくというゲイムよ。
　これ，面白いです。一つ注意するべきなのは，アトリエシリーズの世界観はそのままなんだけど，ゲイム性が違うという点かしら。アトリエシリーズって最初は錬金術で色んなアイテムを作成していくRPGで，作品を追うごとにだんだんRPG色が強くなっていったイメージがあるのね。
　ただ，今作は今までとはちょっと違うテイストで作られているの。だから，今までのノリでプレイしたらちょっと面食らうかもしれないわね。今作はかなりシミュレーションゲイムの色が濃いわよ。ただ，そこさえ注意すれば，ゲイム自体は非常に面白いモノに仕上がっていると思う。
　シリーズのキャラ大集合！　が魅力のゲイムかと思いきや！　お祭りタイトルとは思えない面白さを提供してくれている。いや，お祭りだからこそ全力で作ってきてるってのが正しいんでしょうね。お茶を濁してはないわ。それは断言できる。
　新作をシリーズとは違う切り口で全力で作って，プレイヤーからの評価を待っている感じ。私は正直なところ，近年の作品は買ったり買わなかったりで，買った場合もさらっとプレイする程度だったのね。だから，熱心なファンだとは言えない。
　だけど，そんな私でもゲイムとして面白くプレイできているの。私がシミュレーションゲイム好きってのもあるけど，新作として勝負に来た全力の姿勢が心を打ったのよね。もちろん，このタイトルだけでなくどのゲイムも全力で作っているとは思うわよ。ただ，シリーズもののお祭りタイトルでこんな全力を見せつけられるとは思わなんだ。これだけ楽しませようとしてくれてるんだったら，そら楽しいよ。


　シリーズものって，いつしか主にシリーズファンに向けた作品になっていきがちじゃない。確かに，シリーズを支えてくれているファンと向き合うのも必要よ。売り上げ的にも安定するし。でも，最初って「多くの人に楽しんでもらいたい」って気持ちで作られるじゃない。そこが，シリーズを重ねていくうちにずれていっちゃうのよね。
　それが悪いことだと言ってるんじゃないの。ただ，それだと先細っちゃう。どこかでシリーズファンと新規ファン獲得のバランスをとらなきゃいけない。その点，今作は勝負したなって思うわね。少なくとも私は，面白いと思ったわ。そして，この方向でのアトリエシリーズもプレイしてみたいとも思った。
　今後のシリーズがどうなっていくかは制作側が決めることだけど，それでも私は今作の攻撃的な姿勢を支持したい。当然アトリエシリーズをプレイしていなくても楽しめるんで，経営シミュレーションゲイム好きはぜひ。複雑すぎず，簡単すぎず。チクチク進めていたら気付けばずいぶん時間が経っているという，この手のゲイムのだいご味が味わえるわよ。


　てなわけで，今週はお祭りだからこそ全力で取り組まなきゃいけないよねってお話でした。毎日一生懸命がベストだけど，そう生きられないこともある。だったら，先に一生懸命になれる瞬間ってのを作ればいい。そうやって人生を楽しくしていくの。なんでもいい。一瞬でいいから，未来に一生懸命を。
　ひとまず私は今週土曜日と日曜日に両国国技館でプロレスのお祭り大会があるから，そこくらいは一生懸命やってみます。そちらもぜひ。では。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4：「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」
Nintendo Switch：「ネルケと伝説の錬金術士たち ～新たな大地のアトリエ～」
iOS：「龍が如く ONLINE」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手は今週末の2月16日，両国国技館で開催される「マッスルマニア2019 in 両国～俺たちのセカンドキャリア」と，翌17日に同じく両国国技館で開催される「Judgement2019～DDT旗揚げ22周年記念大会～」に出場します。久々の試合ということで意気込みを聞いてみると，「とにかくケガにだけは気をつけます」とのことでした。