連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第511回「『龍が如く』の芯」
こう取り上げておいてなんだけど,私,メモリアルというか記念日が苦手なのよね。とはいえ,他人の記念日を祝うのはまったく問題ないんだけど。自分の記念日ってのがどうにも。
意図があればいいのよ。例えば,記念することで経済効果があるものはいくらでもヤッたらいいと思うわ。個人が開くパーティでも,その分お金を使えば何もしないよりは経済回るから。でも,とくに経済に寄与するでもない記念って,一体何なんだろう? って天邪鬼な私は思っちゃうのよね。
この連載で例えれば,今後1000回記念があったとして,その1000回と1001回ではなんでこうも扱いが違うんだろう? って疑問に思っちゃうの。これって「1000回もよく頑張ったね」っていう記念なわけじゃない。でも,よく考えてみて。1000回と1001回ではどちらのほうが歴史を重ねてますか? どちらかというと,1001回のほうが凄くないですか? っていう。
それなのに,ちやほやされるのは1000回のほう。なんでだよ! 納得いかないわ! 1回1回を大切にしようよ! イチロー選手が日米4000本安打を達成した会見で「次の目標は?」と聞かれたときに言った「4001本です」っていう,まさにそれ! 私も連載1000回記念記者会見で「次の目標は?」って聞かれたらちゃんと答えるよ? 「原稿料を上げてもらうことです」って。
……いや,違うんだって! 一見マヌケな答えのようだけど,これね,意外と深い話なんですよ! 私,雇われて書かせていただいている立場だから。4Gamerとして考えたとき,極論私じゃなくてもいいんですよ。この連載の枠は。でも,けっこう長い間書かせていただいている。これって,きっと費用対効果がそこそこだってことなの。飛び抜けて良いわけでもないし,見逃せないほど悪いわけじゃない。……私は数字知らないから,たぶんではあるけど。知らないだけで費用対効果が悪かったらそれはゴメン。そこは目をつぶる。私が。
話を戻しましょう。原稿料を上げるには費用対効果を高める必要があって,そのために毎回ゆるく頑張らなければならないわけで。結果,1000回目だろうが1038回目だろうがしっかり取り組まねばならない。そういう気持ちがこもった「原稿料上げる」という会見コメントなわけです。ありていに言うと,クビにならないよう今後とも頑張って毒にも薬にもならない内容の連載を続けていきたいってことです。で,ここまで総合して何が言いたいかというと,2018年も終わるねってことです。
細かく言えば, バンダイナムコエンターテインメントから非常に桃鉄テイストなボードゲイム「ビリオンロード」というタイトルがちょっと前に発売されてはいるんだけど,それはまた年明けにでも触れるとして。この季節は龍が如くスタジオの作品に触れていて,今年もご多分に漏れずちゃんと堪能してますよって話ですな。しかも2タイトル。「JUDGE EYES:死神の遺言」と「龍が如く ONLINE」(PC / iOS / Android)。
JUDGE EYESは地上波のTVCMでもガンガン流れているし,まだクリアしていないし……ということでひとまず置いておくとして,今回は龍が如く ONLINEについて語らせていただこうかしらね。
龍が如くファンからすると,「実際どうなのよ?」っていう気持ちがあると思うの。龍が如く ONLINEに対しては。否定でもなんでもなく,純粋な疑問としてね。かくいう私もそうだったから。結局のところ,ソーシャルゲイムなんでしょ? と。そこでちゃんと龍が如くの本領が発揮できるんですか? と。
ケツ論から言うとね,龍が如くなんですよコレ。最初は戸惑うかもしれないわ。主人公と,あと全体的なビジュアルが違うから。ただね,ヤってみたら分かるんだけど,テイストはしっかりと龍が如く。不思議なことに。もちろん,ゲイムに込められた物量的なものだけで言うと,PlayStation 4のゲイムほどではないわよ。
ただ,例えばPlayStation 4の龍が如くが物量的に10だとすると,そこから引き算して残った4がこの龍が如く ONLINE。あ,誤解しないでほしいんだけど,今出した数値は単純にゲイムとしての物量の話であって,面白さではないわよ。むしろ,ボリュームを絞ったのに,なぜ龍が如くでいられるのかが不思議なくらい。
そして,さらにハッキリ言ってしまいましょうか。とにもかくにも面白い。この面白さも,これまでの龍が如くと同じ方向の面白さなのよね。
これはJUDGE EYESに関しても同じことが言えるんだけど,龍が如くスタジオの作品は,“作り手が描きたいモノ,プレイヤーに伝えたいモノ”がまずあるのね。で,明確にあるそれを,ゲイム部分で包んでいく。世間にフックさせる要素……例えば有名人の起用も,歌舞伎町を再現するのも,実は包んでいるものの一つに過ぎない。正確に言えば,龍が如くで実現したことはどの要素もすべて龍が如くなんでしょうけど。
でも,今回の龍が如く ONLINEで龍が如くの芯を再確認したわ。あくまで私が勝手に思っていることだから真偽のほどは分からないけど,それでもこのアプリもまたれっきとした龍が如くであると思えたの。
そういう意味では,これまで龍が如くシリーズを避けていた人は,龍が如く ONLINEから入っていい気がするわね。一番シンプルかつフラットにこのゲイムをオススメするならば,「話がダントツに面白いからヤッてみ」に尽きる。据え置き機の龍が如くとは違って,ゲイムのボリュームが絞られているのも遊びやすさにつながっていると思うから。オススメです。
というわけで,今週は冬の風物詩である龍が如くシリーズの最新作について触れてみました。やっぱり冬はいいねえ。ゲイムの季節ですよ。昔はクリスマスに対して嫌悪感もあったもんよ。でも最近では,世の中が浮かれる結果,ゲイムメーカーがこの時期に合わせてゲイムを発売してくれるわけだから,クリスマスも悪いもんではないなと思うようになりました。ビバクリスマス! ハッピーニューイヤー!
そんなこんなで皆さんも,家族や恋人と浮かれるもよし,一人ゲイムで浮かれるもよし。各々のクリスマスを楽しもうではありませんか! というわけで,私も原稿料上げてもらえるよう頑張ります! ……実際にこの流れで原稿料上がったらプレッシャーがとんでもなくなるから据え置きでお願いします。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「ゆらぎ荘の幽奈さん 湯けむり迷宮」
Nintendo Switch:「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」
iOS:「龍が如く ONLINE」
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