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  • 発売日:2018/03/24
  • 価格:通常版:8000円(税抜)
    初回限定版「COMPLETE EDITION」:1万円(税抜)
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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第475回「嘘との付き合い方」
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印刷2018/04/05 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第475回「嘘との付き合い方」

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著者近影
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 気付いたらもう4月なのね。
 4月1日はエイプリルフールという,嘘をついてもいい日だったわけだけど,この文化ってどうなんでしょうかね。誤解と批判を恐れず言っちゃうんだけど,そもそも嘘をつくのって悪いことなのかしら? 子供のころ,「嘘をついてはいけません」って教わったじゃない。あれって本当に正しい教え方なのか,いまだに疑問なの。
 というのも,“嘘”が無条件で悪いことだと決めつけるのも,ちょっと危険な考え方なんじゃないかと私は思っていて。嘘って,辞書的には「事実でないこと。また,人をだますために言う,事実とは違う言葉」のことでしょう? もちろん,自分が不当に利益を得るためだったり,保身を図ったりするためだったり,誰かを陥れるためだったりといった嘘は良くないわ。
 でも,いい嘘っていうのもこの世には存在すると思うのよね。そうでなければフィクションって成立しないじゃない。ゲイムだってそう。この世には魔法なんて存在しないわけで,でもその“嘘”があるからこそ楽しい体験ができるわけで。嘘って,結局は使い方次第なわけ。だって,人間が扱うわけだから。ダイナマイトを発明して,それを人を殺すために使うのか採掘作業等のために使うのか。それは使う人次第。ダイナマイトが悪いわけじゃない。それと同じ。
 だから,「嘘をついちゃいけません」という教え方って「ダイナマイトは悪いものです」に等しい教え方だと思うの。だから,「ダイナマイトって人を殺せるほど危ないものだから,ちゃんと扱わなきゃいけません」「人を楽しませる嘘はいいけど,人を傷つける嘘もあるから嘘はていねいに扱いなさい」って教え方のほうが建設的だと私は思うわけ。絶対悪のように扱うのは雑だし,子供の考える機会を奪う気がする。
 ……と,子供のいない私が語ってみました。ゲイレスラーの男色ディーノです。年度替わりで環境ごと変わる方も多いと思いますが,今後ともよろしくお願いします。


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 さて,今週も「二ノ国II レヴァナントキングダム」PC / PlayStation 4)について。ストーリーはクリアしました。クリア後の感想としては,この作品って国作りや同盟によって国を統一するという面では「三国志」であり,多くの仲間を集めていくという面では「水滸伝」であり,異国を旅する途中に魔物たちと戦っていくという面では「西遊記」であり。そういうゲイムだったなという印象ね。
 ストーリー的には,おそらくあえてそう作ったんだと思うんだけど,二転三転はしないの。「種族を超えて,みんなが笑い合える国を作る」という軸のまま突き進むの。そんなストーリーについて,私はうまく嘘をついたな,という印象を持ったわ。
 どういうことかというと,主人公が相対するのはあくまで魔物なのよね。国と国の葛藤を描くのに,最終的には人間 vs. 人間としては描かれない(あ,ゲーム内の設定では種族的に人間ではないんだけど)。もちろん,例えば虐げたほうや虐げられたほう,過去の歴史に対する葛藤は描かれている。
 けれども,最終的には共通の敵を作ることでその葛藤がいわばうやむやになってしまう。とはいえ私は,それが悪いとは思わないの。だって,言い方は悪いけど,それは誰かが判定を下すものではないから。二ノ国の世界の住人が出すべき答えだから。具体的にはニャウ族とマーウ族,それぞれが乗り越え,これからの歴史を作るべきだと思うから。なので,うやむやにするという嘘のつき方で話をまとめてくれたのは,後味を悪くさせないためのいい嘘だったのかな? と私は捉えているのね。

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 ところで,これは長年レベルファイブ作品を愛してきたファンとして勝手に感じていることなんだけど……。どの作品でも,絶対善 vs. 絶対悪の図式を描くとき,主人公の敵は人間ではないのよ。妖怪であったり,魔物であったり。仮に人間であったとしても,それは魔物が取り憑いていたりするわけ。人間だったら,一見すると悪であっても,相手には相手の正義があってその主張があるだろうから。
 人間って,確かに自分の価値観で動くものなのよ。そして,価値観の合う合わないはどうしても存在する。でも,法というルールを守ったうえであれば,どちらが悪いというわけではないの。自分から見たら正義でも,相手から見たら悪ということは往々にしてある。だから,レベルファイブ作品は絶対善と絶対悪を表現するために,敵を人間ではない魔物のような存在にするんでしょうね。これは作り手の隠れたこだわりだったりするのかな? と想像しているわ。

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 繰り返すけど,嘘って必ずしも悪いもんじゃないわ。というか,人間の一生って嘘との付き合いだとさえ思うの。自分に正直な人が得てして周囲に迷惑をかけるってこともある。我慢するってことも,ある種,自分に嘘をついているわけで。
 でも,その嘘が必要なときだってある。ゲイムをはじめとするエンターテイメントだって,嘘だと分かったうえで,それを楽しむ面がある。そういう意味で,私は嘘をつくのがそのまま悪いことだとは思っていないのね。私はいい嘘で世の中に笑顔があふれればいいなと思っているわ。それこそ二ノ国の王,エバンが作りたかった笑顔の絶えない国。
 いい嘘と悪い嘘。ちゃんと使い分けて,なるべく人を幸せにする。これが,私にとっての嘘との付き合い方なのかなと思っているわ。この連載も,これからも適度な嘘を織り交ぜるわよ。なぜなら,楽しんでもらいたいから! 最後に。私は,これを読んでくれてる人,みんなのことが無条件で大好きです!

 ……もちろん嘘だけど。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「二ノ国II レヴァナントキングダム
PlayStation Vita:「GOD WARS 〜時をこえて〜
Nintendo Switch:「ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ
ニンテンドー3DS:「牧場物語 ふたごの村+
iOS:「ドラゴンクエストライバルズ」「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手がプロデューサーを務めるDDTプロレスは,4月8日(日)に埼玉・春日部ふれあいキューブ大会「日曜カスカビアン!2018」を,10日に新木場1stRING大会「DDT LIVE! マジ卍 #1」を開催します。なお,マジ卍は毎週火曜日に開催される,AbemaTVの新番組で,視聴者参加型の企画でもあります。その初回となる10日の大会には,ゲストとして最上もがさんも来場するということで,ディーノ選手は「プロレスを見たことがないというゲストに,『これこそがプロレスだ』というものを見せつけてやるわ」と意気込みを語っていました。
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