連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第426回「人間は想像を超えるから面白い」
これは今までこの連載で繰り返し述べてきて,きっとこれからもそういうフィルターで各種エンターテイメントを見ていくと思うので,いわば私の辞世の句みたいなものなのです。いや,死んだわけじゃないけど。たぶん,死ぬまでそう思っているんじゃないかなあ。
というのも,人間って想像を超えてくるのよね。他人もそうだし,自分でもそう。冷静なときにはヤらないようなことも,テンションが上がったときにヤってしまうことってあるでしょ? 人間は想像する生き物なの。で,その想像を超えてくるのも人間。想像していないことが起こるから面白いわけ。
よくゲイムの発売前情報で「言えること」「言えないこと」みたいな概念があるでしょ? あれって,我々ファンからしてみたら「その情報を隠さなくても,出せば売れるかもしれないのに」って思うことがあると思うの。確かに,なんで隠すんだろ? って思うこともなくはないけど,あれってこっちが勝手な想像をしないようにっていう配慮だと私は思っていて。
私も一応エンターテイメント提供者の顔も持っているから分かるんだけど,例えばプロレスで「入場にものすごい演出をします!」って先に言ってしまうと,観客は一人一人,どんなすごい演出なのかを想像してしまうのよね。で,普通にすごい演出であっても,先に言ってしまったがゆえに想像を下回ってしまい,結果満足度が下がるという現象が起こってしまうのよ。何も言わなかった場合,すごい演出の入場を見ることができれば,いいものを見た気がして満足度が上がるのに。
こんな風に,同じことをしたはずなのに,先に情報解禁することで損をしてしまうってケースが出てくるわけね。なので基本的に,観客の想像をはるかに超えるものを提供できる場合にだけ,事前に情報を解禁するのが筋なの。
あとは,中途半端に情報を出してしまうことで,ミスリードを防ぐって意味もあるわよね。こちらの場合も,人間には想像するって機能があるから,過度な想像をさせないようにそうしてるわけね。……っていうのは,あくまで私の想像なんだけど。
で,何が言いたいかというとですよ。人間は想像する生き物だってことと,そして自分でも想像を超えることをたまにしでかすので注意が必要だってこと。そしてその先には,想像していなかった結果が起こるからやはり人生は面白いってことなのです。
ていねいに説明しましょうか。私が「モンスターハンターダブルクロス」(以下,MHXX)にハマっているのは先週説明したとおり。で,今週も引き続きモンハン熱は冷めていないわけですよ。それには実は理由があってですね。
今までこういった場では内緒にしていたんだけど,モンハン友達とでも言うべき存在が何人かおりまして。夜になるとグループ通話で会話をしながらオンラインで集まって狩りをする,というのがここ数週間の余暇の過ごし方なの。それがね,楽しいわけですよ。人間とコミュニケーションしながら目的を達成していくという,ゲイム自体の面白さにプラスして,生の人間と触れ合うっていう,そういう楽しさ。
やっぱりゲイムっていいなあ,今の時代は離れていても一緒に遊んで楽しい時間を共有できるから,そういうツールとしてもゲイムって秀逸だよね……なんて思っていたわけですよ。ここ数週間は。
もうね。ゲイムで世界平和が実現できるんじゃないか。そんなことすら思っていた。言うなれば,のぼせてた。もっと言えば,どうかしていたのよね。勘違いしていた。何を思ったか,強いて言えば平和を実現しようとでも思っていたのかな。
人間関係って難しいよね。私がマリオスポーツ スーパースターズを買ったからって,モンハン友達がモンハンを辞めるかといったら,そういうわけじゃない。というか,モンハン友達はモンハンをヤっている。で,何を思ったか私,みんなでヤったら面白いだろうなって思ってマリオスポーツ スーパースターズを買ってプレイしている。でも,マリオスポーツ友達はいない。一人で平和にプレイしている。
でね,この場合何がツラいって,一人でプレイしてもマリオスポーツ スーパースターズが面白いっていう事実。サッカー,野球,テニス,ゴルフ,乗馬レース。面白くないわけがない。だって,マリオって昔っから多彩なジャンルをこなすキャラクターの日本代表なわけじゃない。
で,実際に「マリオゴルフ」だったり「マリオテニス」だったり,単品でも面白いゲイムが発売されていて。それらを一本に集めたわけだから,コストパフォーマンスとしては抜群なのよね。それぐらい,どのゲイムもちゃんとプレイしやすくて面白い。一人でプレイしても面白いのは,さすが任天堂ブランドよね。ついついプレイし続けちゃう。一人で。……ってのが,泣ける。いや,後悔はしていないわよ。実際に買った金額以上に楽しんでいるわけだから。
……違うんすよ! マリオスポーツに罪はないの。むしろスゲー面白い。一緒にプレイする友達がいるんだったら間違いなく買ったほうがいいし,家族でも楽しめると断言できるわ。ただ,私が勝手にみんなとワイワイヤっている姿を想像して購入してしまったがゆえに起きた悲劇なのよ,今のこの文字を打つキーボードが濡れている水害は。どこで間違っちまったんだろうなァ私の友達のいなさは……。
確かに20年前には想像できなかったわ。あの頃はNINTENDO 64を買って,コントローラも四つそろえて,プロレス研究会のメンバーと「実況パワフルプロ野球」「実況ワールドサッカー」「ゴールデンアイ 007」「バーチャルプロレスリング」「スターフォックス」「ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ」「マリオカート64」なんかを毎日のようにプレイしていた。楽しかった。ゲイムっていいなって思っていた。
気付いたら20年経って,プロレス研究会のメンバーのほとんどは結婚して,家族もできて。私は一人でマリオスポーツ スーパースターズをプレイしている。でも。何がタチ悪いって,これはこれで悪い気はしていないってこと。ゲイムを楽しめているってこと。ゲイムだけでなく,人生もこれはこれで楽しいってこと。一人で,だけどな……。
とはいえ,想像もしていないことになるのが人生であり,だからこそ楽しいのですよ。人間なんだから,想像すればいいよ。それ自体も楽しいしな。で,その想像した以上のことって起こるから。もしくは,例えば10年経って振り返ったとき,絶対に想像していた自分じゃない自分がそこにはいるから。それを含め楽しめばいいんじゃないかな,と私は思っている次第です。
……まあ,一緒に楽しんでくれる友達なり家族なりがいれば,それはそれでいいんだろうけどね。というバッドエンドなんだかグッドエンドなんだか分からない温度感で今週は締めようと思います。実際,今の私がそういうテンションなんだから仕方がない! ではまた来週!
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「三國志13 with パワーアップキット」
PlayStation Vita:「レイジングループ」
Nintendo Switch:「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」
ニンテンドー3DS:「マリオスポーツ スーパースターズ」
iOS:「実況パワフルサッカー」
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マリオスポーツ スーパースターズ
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