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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第349回「自分の世界を広げる」
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印刷2015/10/01 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第349回「自分の世界を広げる」

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 “気になったゲイムはヤる!”
 コレを旗印に書かせていただいておりますこの連載ですが,これは嘘偽りなく私の信条でしてね。気になったゲイムはとりあえずヤってから考えようと。
 でもね,これには一つジレンマがあって。“気になるゲイム”というのは,つまるところ“自分が興味を持ちやすいゲイム”のことであって,これって要は“好きなタイプのゲイム”ってことになるわけです。そうすると,自分の好きなゲイムだけヤってればいいってことになる。
 ところがそうなると,私のまた別の信条から外れることになってしまうのね。これすなわち“できるだけ自分の世界を広げたほうが人生は楽しい”
 ね? 矛盾が生じているでしょ? 一方では“自分の好きなゲイム”を欠かさずヤって,一方では“自分の世界を広げる”。確かに,自分の好きなものだけヤってれば楽しいことは楽しいわ。ゲイムなんてあくまで趣味であって,楽しくなることが目的なんだから,そのスタンスも全然間違っちゃいない。
 でも,自分の世界が広がるのもまた楽しいものでしょ。それによって交友関係も広がったりして,二次的な楽しみも増える。それもそれで真実。どちらも間違ってないのよ。だからこそのジレンマ。

 ただね,このジレンマを打破する方法が一つだけあるの。それがね,“興味がないゲイムにこそアンテナを立てる”ってこと。
 要は,自分が興味を持っているゲイムって,ほっといても興味が失われることはないのよ。たとえ発売直後に購入するまでには至らなくても,興味があればいつかプレイするかもしれない。発売されたあとの評判によって,購入したくなるかもしれない。
 でも,興味すら持っていなければプレイするきっかけがまったくなくなってしまうのね。そこで。興味がないタイトルに無理やり興味を持ってみてはどうか? というのが,今回紹介するジレンマ打破方法なのです。
 分かってます。その論法で言ってしまうと,発売されたすべてのゲイムをプレイしなければならなくなってしまう。そんなことは不可能だということは私も分かっている。そんなことを言ってるんじゃないのよ。だって,ゲイムをプレイする大前提には,“ゲイムをプレイすることで自分の人生をいかに楽しく過ごすか”というものがあるわけじゃない。プロゲイマーはまた別かもしれないけど。
 人生にとって,何かしらの形でプラスになるものが,趣味の良さだと私は思うの。だから,自分が楽しめる範囲でアンテナを立てればいい。そこで無理をして苦しくなってしまったら,本末転倒よ。

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 もうね,ここまでオブラートに包んでおきながら,ここで本音を吐いてしまうけど,要は今週,私は「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN」PC / PlayStation 4 / PlayStation 3 / Xbox One / Xbox 360。以下,MGSV:TPP)をプレイしましたって話なんだけどね。
 正直私,このシリーズにはそこまで興味があるわけじゃないのよ。基本的にミリタリーものに対する苦手意識があって。殺されるのも怖いし,なんなら殺すのも怖い。最近はどんどんグラフィックスがリアルになっているから,より怖い。だから,あんまり興味が持てない。
 最後にプレイしたシリーズはPSPの「METAL GEAR SOLID PORTABLE OPS」かしら。いや,これはこれで面白かったんだけどね。で,先日,この連載の担当さんと話したのよ。

「最近発売したゲイムで面白そうなやつある?」
「まずはMGSV:TPPですかね。あと男色さん好みでいうと,『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村DX』あたりですかねぇ」
「アイルー村は確実にヤるんだけど,MGSV:TPPって,私好きそう?」
「面白いのは確実です。ただ,銃で人を撃ったりするのは確かあまり好みではなかったかなと」

 どう? この,どうしてわざわざ文字に起こしたのか分からないくらい,まったく面白味のない会話。ええ,いつもこんな感じですよ? でもね,この会話があったことで私,思っちゃったのよ。私はこうして,プレイする前から可能性を潰しているんじゃないか? と。
 で,調べたのね。MGSV:TPPについて。そして,思い出したの。このシリーズは,敵を殺さなくても先に進めるゲイムだった! と。そうなのよ。殺さなくても,気絶させればいいのよ。今回はオープンワールドらしい。それが意味するのは自由度がさらに高くなってるってことなわけで。ということは,殺さなくてもいい方法がいくらでもあるんじゃないか? それに,敵を回収することでマザーベースが発展するっていう,シミュレーションぽい要素もある。これは愛せる!
 そう思って,あまり興味のなかったMGSV:TPPをヤってみたの。

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 面白いよねー。そして,敵に見つかるわよねー。そうすると殺しちゃうわよねー。
 まあそれはさておき,今までこのシリーズに抱いていたイメージを軽く覆すくらい自由。オープンワールドってすごい。本当に世界がそこにあるのよ。もちろんルールはあるんだけどね,そのルールの中で自由なの。これがシリーズファンの間でどういう評価のかは知らない。でも,シリーズファンじゃない私からすると,単純にすごいなって思えたわ。
 またしても話がそれるけれども,ファンじゃない人に“すごい”って思わせるのは,作り手視点からしても難しいことだと思う。冒頭に自分の信条の一つとして“世界を広げる”があるって書いたけども,それは一人の人間としてもそうだし,職業人の私としてもそうなの。
 ファンを増やしていく,つまり自分の世界観を大きくするには,やはりファンじゃない人をどうやってファンにするかだからね。人間としてもそうだしプロレスラーの私,どちらからしてもこの作品はすごいと思うわ。
 何だかんだで殺したり殺されたりっていうタイプのゲイムではあるので,やっぱり私の好きなジャンルではないんだけど,それでも素直にリスペクトできる。海外にまでファンが多いのも納得できる。ヤってみて後悔してないどころか,ヤって良かったとすら思えるタイトルね。
 いや,本当に思ってるわよ。ジャンルとしてはやっぱりそうでもないけど,作品の概念としてはファンになったもん。これも,ヤってみなければ分からなかった話で。こうやって世界が広がるのはやっぱり楽しいわ。このジャンルが好きな人には,文句なくオススメするし,面白いゲイムをプレイしてみたい人にもオススメできる。それだけの器を持ったタイトルですな。

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 そんなこんなで今週はこんな感じなのですが,そういえば忘れてた。“興味のないゲイムにこそアンテナを立てる”ことの説明を。要は,そのタイトルの情報で引っかからなければそれはもうしょうがない。言い方はアレだけど,引っかかりがなかったそのゲイムとは,縁がなかっただけで。でも,ちょっとでも引っかかって,そのうえで「あ,これ興味がないな」って思ってしまったタイトルこそ,もうちょい踏ん張って調べてみるってことかな,と。で,面白そうなポイントがあればヤってみる。
 こういうスタンスでいけば,“気になるゲイムはヤる”と“自分の世界を広げる”を両立できるんじゃないかと。そう思った秋の夜長でした。
 そういえば,殺されるのがイヤっていう感覚は,どんどんリアルになっていくFPSやTPSにとって,ゲイムとしても情操教育的にも重要な要素だなーと思いつつ,その話はまた別の機会に。また来週。

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「不思議のクロニクル 振リ返リマセン勝ツマデハ
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「Splatoon(スプラトゥーン)
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
今週末のディーノ選手は,結婚式でプロレスをするとのこと。「うちの団体はそういうこともヤってるから,興味のある人ならぜひ。あんた達の幸せを誠意を持ってぶちこわしてやる」そうです。なお,ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,10月7日(水)に後楽園ホールにて「DDTドラマティック総選挙2015結果発表大会」を開催します。選挙結果が気になるところですね。気になるといえば,ディーノ選手が金髪にした理由を聞いたところ,「モテたい以外に理由なんてないでしょうが! 分かったら出てけ!」と電話口で怒鳴られました。
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