連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第336回「ダジャレの功罪」
20年前の私は,20年後の自分がこうなっていると想像もつかなかったでしょうね。プロレスとゲイム。趣味の二つが20年後に仕事になっていようとは。それはいいのよ。けっこう楽しいし。ただね,あの頃憧れていた大人に,私はなれているんだろうか。
いや,何になりたかったかなんて,ハッキリしてなかったわ。漠然とクリエイティブな仕事をしたいとだけ思っていたあの頃。恥ずかしいわよね。クリエイトとは何なのかすら知らないくせに。まあ,知らないこと自体は悪いことではないけども。世の中,知ってることのほうが少ないからね。何なら,今でも分かってないことのほうが多いわ。
ともあれ,何となく世の中を知っているふりをしてたあの頃。なりたい自分の将来像はおぼろげだったけれど,なりたくない自分だけはハッキリしていた。これすなわち,「ダジャレを言う大人にはなるまい」。
今から思うと,ダジャレは悪ではない。でも,あの頃の私には,ダジャレって笑いとしては安易なものに映っちゃってたのね。いや,確かに安易ではあるんだけど。でも,安易だから悪いということにはならないじゃない。あの頃の私は,それが分かってなかった。難しいものに価値があると思い込んでいた。
違うよね。ゲイムでも同じことが言えるわよね。軽くて簡単なゲイムより,重厚で難しいゲイムのほうが価値はあるのか? そんなことはないわけで。人それぞれ,好みによる,としか言えないわよね。軽いゲイムを望んでいる人もいれば,ガッツリしたゲイムを望んでいる人もいる。同じ人の場合でも,そのときどきの気分によってヤりたいゲイムは変化するわ。
私はお笑いのプロじゃないから厳密には分かんないけど,身近な範囲での笑いで言うと,きっと同じだと思う。難しい笑いが心に響くときもあれば,安易なダジャレで気分が軽くなったりするときもある。
根本的に,人間が何のために笑うかというと,人生を楽しく生きるためじゃない。だから,我々素人は,笑いを難しく考える必要なんてないのよね。気楽に思いついたことをしゃべって,会話をしている相手が笑ってくれれば,それでいいのよ。
だから「ダジャレを言う大人になりたくない」って思っていたあの頃の自分のことが,今では恥ずかしく思うの。20年前の自分にちょっと考え方の修正を促すならば,「ダジャレで笑いを強要する大人になりたくない」が正解。ダジャレは何も悪くない。
ただ,ダジャレにも悪しき側面はあって,それはダジャレを披露することで笑いを強要してしまう一面があるということ。おっさんのダジャレがきついのは,立場が上の場合が多いから。立場が上の人のダジャレは,周囲が笑わないと空気が悪くなりがちじゃない。それがイヤだったんじゃないかな,18歳の男色青年は。その強要性を苦々しく思っていたんでしょうね。だから,ダジャレ自体は悪くないってことは時を超えて伝えたい。あの頃の私に。
そもそも,ダジャレを言える人ってポジティブなのよね。ネガティブな人がダジャレってるとこって,あまり見たことないでしょ。だから,ネガティブで悩みがちな人がいたら,私は「常にダジャレを探しながら生きろ」ってアドバイスをするのよ。それだけでだいぶ改善するわ。ノルマとしては,1日5ダジャレ。これを続けたらビビるくらいポジティブになれるわよ。おススメ。
で,なぜダジャレの話をしたか。ここまで必死に説明したことで察していただきたいんだけど,私は基本的にダジャレで笑いを強要したくない思想の持ち主なのね。でも,世の中には不可抗力というものがありまして。こちらが意図していない言葉の事故が起こることもあるわけですよ。
「桜が咲くらしいよ」とか,「ナイスじゃないっす」とか,「池に行けない」とか。言ってる自分が気付かない場合だってあるわよね。でも,相手はアレ? って感じになってる。この時のいたたまれなさたるや。でも,ダジャレは悪くない。言葉によるコミュニケーションって,そういう面白さも含んでるから。
思えば言葉って難しいわよね。相手を傷つけたり,逆に喜ばせたり。言葉は毒にも薬にもなる。言葉って,地球上で人間だけに許された特権だと思うのよね。ほかの動物には,(たぶんだけど)自分の感情を正確に伝える術がないのよ。だから,自分が生きていくことだけに集中できる。でも,人間はそうじゃない。言葉を使って,情報を他者に送ることができるわけ。それによって誤解を含む利害や悲喜こもごもが起こるわけね。
だから言葉はとても難しく,普通にしゃべっていたつもりが結果的にダジャレになって空気がねじれるっていう状況が起こることもあるって話。こういうのって,別にどうってことないと分かっていながら,気になりだしたら気になりっぱなしだったりするじゃない。
先に言っておくけど,これから取り上げるタイトルは,別にそのゲイム自体が悪いわけではないのよ。ダジャレが直接悪いことではないのと同様に。実際,面白いか面白くないのかで言えば断トツで面白い。中毒性の塊。リメイクではあるから新鮮味にこそ欠けるものの,それは決して大きな問題ではない。
昔,凄く好きで面白くプレイしたことのあるゲイムを,今またプレイしたらやっぱり面白かったって話だからね。もちろん今風にアレンジされている部分もあるし,遊びやすく改良もされているわ。
ただ,リメイク作品としてちょっと異質なのは,懐かしさはとくに感じない点かしらね。元々面白いゲイムだから。今にして思うと,元の作品が発売された時点で,驚異の完成度だったんでしょうね。なので,あえて新作じゃなくリメイクにしたのは,これはこれでアリな気がするわ。
ただ,この連載で正々堂々と紹介するには気になって気になって仕方がない部分がある,っていうことなの。確か前作が出たときにはこの連載でも普通に紹介した覚えもあるんだけど,リメイク版になると状況がやや変わるのよ。
繰り返すけど,別に内容がどうこうってわけじゃないわ。完全に,私が気付いてしまっているというか,この気になってる部分に触れるべきか触れないべきかで悩んでるわけ。
いやー。思っちゃったというか,頭に浮かんでしまったから仕方がないのよ。でも,事故になるって分かっててあえて言う必要はないの。でも,このシリーズ自体はもう過去に何回か紹介してきたし。でも,みんなが分かっているのに私だけ黙っているのも変だし,かと言って口にすることで変な感じになるのも嫌だし……。
でもなー。言わないのも手なんだけど,結局しこりになるのもなー。今さら感もあるしなー。このタイミングで言うのもなー。でも実際に頭に浮かんじゃったからなー……。
えーい!
分かったわ! もう腹くくった。誤解を恐れず言っちゃう! しょうがないよ! だって別にそういうつもりじゃないんだから! これで笑いを,なんてみじんも思ってないし,ウン! そうだ! 気にするからいけないんだ。思ったことを書く。それもまた言葉をお届けする側の責任なのかな。なので! このゲイムプレイしてみて! 真っ先に浮かんだ感想を言います!
……今回はとくに内容が無いようで申し訳……あっ! 「不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス」のことだから!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「トロピコ 5」
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ゼルダ無双」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「STELLA GLOW」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
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- 関連タイトル:
不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス
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