連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第334回「モテるとかモテないとか」
だから,一応の選択肢が人々に用意されている日本という国が,私は好きなの。日本でなければ,私が職業としているプロレスで飯は食えていないだろうし,その中でもゲイの選手としてそれなりに受け入れてもらえなかったと思うのよね。
もちろん,風当りや偏見がないとは言わない。でも,日本という国は「その選択」が,そもそもできない社会ではない。覚悟さえ決めてしまえば,知らない人から眉をひそめられる程度。パフォーマンスによっては,喜んでくれる人が圧倒的に多いわ。だから私は,選択肢がすべて奪われない程度の格差は,あってしかるべきだと思っているの。
冒頭からカタい話で恐縮だけど,要はこれが言いたいのよ。モテる人とモテない人の違いって何なんだろう? って。これこそが格差社会の最たるもんだと私は思うのよね。だって,好き嫌いって理屈じゃないじゃない。好きなもんは好きだし,嫌いなもんは嫌い。そして,好きでも嫌いでもどっちでもない場合だってある。
モテる人はモテるし,モテない人はモテない。もちろん,努力で埋められるポイントもあるんだろうけど,モテるために努力する気を出せるかどうかすらも,結局は才能な気がするのよね。プロレスラーはモテそうだとか,芸人さんはモテそうだとか,そういうイメージがあると思うんだけど,そう思ってる人に言ってやりたい。人によるわそんなもん! と。
……ハイ! ここです! 今週のテーマはここなんです。「モテるモテないは人による」。私,今そう言いました。これまでそう思ってきたからです。で,最近ちょっと考えました。本当にそうなのか? と。
もちろん,モテるモテないは人によります。ここは正しい。でもね,そもそもなんで芸人さんやプロレスラーがモテるイメージを持たれているのか。これを解明しないことには,ただの格差で終わってしまうのではないか,と思ったのよ。
モデルさんならともかく,芸人さんやプロレスラーは別にルックスで勝負している職業ではないわけ。でも,なぜかモテそうというイメージがなくはない。なぜか。その答えは実は簡単でね,人前に出ているからなのよ。要は,目立っているから。人間,みんなから注目を集めているものに興味がわくのは当然でね。
逆に言うと,興味を持ってもらうには,目を引かなきゃいけないわけ。これすなわち,派手か地味かって話。思い返してみて。派手な人って,基本的にはモテるじゃない。あまりにも派手が行き過ぎるとちょっと別の話になっちゃうけど,それでも興味を持ってもらえるのは事実。地味だと,そもそも存在が気付かれにくいわけで。
だから,人目を浴びている人はモテてると思われがちなの! 特殊な世界じゃなく,一般の世界でもそうよ。基本的には仕事ができる人はモテるでしょ。もちろん,人当たりによって左右される部分もあるでしょうけど。それは「仕事ができる」という注目を浴びている,もしくは役職によって周りへの影響力が生じて,結果目立つ存在になっているから。
つまり,周囲からいい意味で注目を浴びている人は,好意を抱かれやすい=モテやすいってことね。
とはいえ,モテる人が必ずしもいい恋愛ができてるとも限らないんだけどね。それこそモテる人は選択肢が増えるってだけで,逆に言うと数多い選択肢の中からいい選択をするための目が必要となるから,ヘタすりゃ相性が悪い人を選んでしまう可能性も少なくない。
一方で,モテない人は選択肢がない状態だから,一件一件に全力で取り組めるわよね。そのひたむきさは,いっそ武器だとも思う。合うか合わないかは,モテるモテないとはまた別の問題ってことね。
派手なゲイムがある一方で,地味なゲイムもあるわ。でもそれは,決してそのゲイムの優劣を決める要素ではないの。モテる人が誰とでも相性が良いわけでないように,派手なゲイムが必ずしも万人にとって面白いゲイムというわけでもない。結局はプレイした人と合うか合わないかでしょ。
こう書いたあとに紹介すると,ちょっと誤解されそうなんだけど,今週紹介するのは「STELLA GLOW」。ジャンルとしてはシミュレーションRPG。
ケツ論から言うと,凄く面白いわ。まったくもって難しくないし,ストレスがない。1ステージも長くないし,あらすじを簡単に見ることもできるからストーリーを見失うこともない。敵も強すぎるわけでもなく,かといって弱いわけでもない。めちゃくちゃていねいに作られたんだろうなと思うわ。
このゲイムのいいところは,ズバリ誠実なところだと私は思うの。奇をてらっていない。ストーリーの展開上,善悪の位置付けはされているけれど,とくに思想的に押しつけがましい部分もない。イメージとしては,プレイヤーに尽くしているって感じかしらね。
私から言わせれば,どっちも方法論の一つなんだけどね。最終的にエインターテイメントの商品性って,感動させることがゴールだから。派手な技を使って感動させるのか,地味な技を使って感動させるのか。だから,派手なほうがモテやすくはあるけど,別にそれがすべてではない。ゴールさえブレなければ,どちらでもいいのよね。まあ,ビジネスの面を考えると派手なほうが売りやすいけど,それはあくまで売り方の戦略,戦術の話。
何が言いたいかというと,STELLA GLOWは決して派手ではないけど面白い,いい選手……いいゲイムだってことですよ。こういうゲイムが売れてくれたら嬉しいわよね。こういうゲイムが増えるってことだから。
売りが唯一無二でハッキリしているゲイムもいいけど,こういう隙のないゲイムも出続けてほしいのよね。プロレスにはいろんな選手がいるから面白く,ゲイムもいろんな楽しさを味わえるゲイムが選択できるから面白いわけで。自分が好きなものを選択できる日本であってほしいわよね。
というわけでSTELLA GLOW,ていねいなゲイムをプレイしたい場合はオススメです。
そんな感じで今週は,モテる人は確かにモテるべき何かは持っているんだろうけど,だからといってモテないことが悪いことではない,断じてない! ということを伝えたく筆を執らせていただきました。
ま,モテない人はモテる人と比べたら当然モテないんだから,マニュアルではなく,自分なりの人との接し方をショーアップというかブラッシュアップすればモテやすくなるんじゃない? っていうか,モテるとかモテないとか,気にしてるからモテないんだよ! まず人がいっぱいいる場所に行くところから始めようか!
と,最近母親から「私が死ぬまでには孫の顔を……」と泣きつかれた未婚でゲイのプロレスラーが,貴様らに上から目線でアドバイスしつつ今週はこの辺で。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「トロピコ 5」
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「剣の街の異邦人 〜黒の宮殿〜」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ゼルダ無双」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「STELLA GLOW」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
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- 関連タイトル:
STELLA GLOW
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