連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第318回「復帰は続編」
ここ3か月ほど,椎間板ヘルニアでプロレスを休んでいたんだけど,先週の日曜日(2015年2月15日)にさいたまスーパーアリーナで復帰したの。やっぱりプロレスラーはプロレスをヤるのが本分だからね。これでようやく,またこの連載でも堂々とプロレスとゲイムの共通点をこじつけて話ができるってもんよ。
で,突然だけど“続編”って,何なんでしょうね。いや,もちろん続編という言葉の意味自体は分かるわよ。ただ,どんな意図があって続編というものが作られるのか,という話。
単純に考えるならば,ある作品があったとして,その作品に人気があった場合に続編は作られることが多いわよね。でも,それって商業的な意味合いが強いと思うわけ。続編を作れば,前作を購入してくれた消費者の何割かが,もう一度購入してくれるだろうという計算が立つから。つまり,売れやすいから,売りやすいから,作られることが多いんじゃないかと思うのよね。ここまでは大丈夫よね。
で,ここからが私の本題。商業的な意味合いを抜いた場合の続編には,どんな意図が込められているのかしら? もちろん,そもそもビジネスである以上,商業的な意味合いを抜きにすることはできないんだけどね。それはオリジナルタイトルだろうが続編だろうが同じなわけで。
ただ,クリエイターも人間だから「ビジネスとして作らなきゃいけない」という状況でも,作るための動機って大事だと思うの。ゲイム産業って極論,“プログラミングされたデータ”を消費者に売る商売なわけじゃない?
でも,消費者にそのまま言うわけにもいかない。なぜなら,消費者はデータではなく夢やサービスに対してお金を払うものだから。売る側からしてみれば“データ”。消費者からしてみれば“夢”。同じ商品でも,売る側と買う側でとらえ方が違うわけ。で,言い方はアレだけど,その差をぼやかすのが“作り手”なわけね。売り手側ではあるんだけど,商品であるデータに,夢という価値を乗せなければならない。
それを踏まえて,続編って何なんだろう? と。私がゲイムクリエイターを尊敬してやまないのには理由があって,ちゃんと“ゲイムを作る動機”を自身に設定できるからなの。本当にハッキリ言うわよ。ゲイムクリエイターの中でも,自分が作りたいゲイムを作れる人ってほとんどいないと思うのね。なぜなら作っているのは商品であり,ビジネスとして取り組んでいるわけだから。
そりゃもう,いろんな事情があると思うの。予算,人事,世論,時間などなど……,多かれ少なかれ,どこかで妥協しなきゃいけない。そもそも,大きな会社に所属している場合,作りたいゲイムを担当できるわけでもないかもしれない。それでもデータを夢に変えなければならない。自分のヤりたいこと,そうでないことに関わらず,消費者のことを考えてモノを作る。これができるプロなのよ。そこが凄い。
作る以上,最高に楽しんでもらう。制限のある状況下でも,ベストを尽くす。そのメンタリティを持っていないと,ゲイムという商品は成立しないと思うのよ。なぜなら,現代のゲイムの多くは個人の才能というよりも,チームで作るものになっているから。
「戦国無双」シリーズの正統な第4弾というナンバリングタイトルの,第2弾っていう,続編中の続編だったからこういった紹介をしただけなの。よくもまあここまで「戦国無双4」(PlayStation 4 / PlayStation 3 / PlayStation Vita)にこだわったな,と。そういう印象なのね。
そこからはもう,作り手の愛しか感じない。だって,ヤり残したことがあったのであれば,次の5に盛り込めばいい話じゃない。でもあえて4の延長としてこの作品は発売された。
そう。このタイトルはあくまで戦国無双4なの。そのII。確かに戦国無双4は,このシリーズの中でも評価が高い作品よ。でも,それで4のまま続編を出すっていうのは,ある種の自信と勇気があったからこそなんだと思うわ。
もちろん,私にはコーエーテクモゲームスの経営方針なんて知る由もない。ひょっとしたら,最初から4→4-IIと発売する予定だったのかもしれない。でも,一人の消費者として考えると,そんなことはどうでもいいことなのかな,と思っていて。
戦国無双4って,私なりにアホほど楽しんだ自覚があるのね。で,先日発売された4-IIについては,まだプレイ時間は短いけれども,これもこの先かなり楽しめるという予感がしている。いやもう,楽しめるはずだという自信と言ってもいいかもしれない。なぜなら,私が与えてもらっているのはデータではなく,夢だから。ゲイムを作る人がどういうつもりで作ったのかは知らないけど,少なくともちゃんと楽しめるものに変換してもらってる。
消費者にとっては,「楽しめるか楽しめないか」が重要で,そこで自分なりにゲイムを評価するしかないの。だから,戦国無双4が好きだった人は安心してプレイしていいんじゃないかと思っているわ。4をプレイしたから4-IIはいいや……っていうのも考え方の一つだけど,4を楽しんだんだったら4-IIも追加で楽しめるよっていう考え方もアリだと思う。実際,追加ストーリー以外にも成長要素とか4からの変化はあるしね。
売り手にとっての続編のメリットに,売れやすいという点があるのは前述のとおり。裏を返すとそれは,消費者から見た続編のメリットにもつながっているのよ。だって,プレイするこちら側からしてみても「ゲイム性がイメージしやすい」部分があるわけだから。
繰り返すけど戦国無双4を楽しめた人にとって,戦国無双4-IIが面白いことはもう確定してると言ってもいいでしょう。そういう人はプレイしていいんじゃないかなと,そう思う次第であります。もちろん,4の評判を聞いて気になってはいたんだけど,タイミングが合わなかったという人は,これを機会にぜひ。
続編と復帰って,似てるのかもしれないわね。本質は変わらないんだけど,再出発。自分を見つめ直して,消費者に提供する商品を再検討する。いい部分を残して,改良するところは改良して。続編って,たぶん面白いと思うよ。なぜなら,作る側も続編を作るなりの覚悟があるからね。夢を売る商売で続編が発売されるのはね,続編を作る動機を見出しているからこそ。ご期待くださいな!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「戦国無双4-II」
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認
PlayStation Vita:「剣の街の異邦人 〜黒の宮殿〜」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ゼルダ無双」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「レジェンド オブ レガシー」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
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(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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