連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第231回「『ヴァルハラナイツ3』の弱点について」
誰だって,どこかしら足りない部分はある。
ただね。自分で思っている弱点って,本当に弱点でしかないのかしら?
例えば,世の男性は女性の胸に興味を抱くわけじゃない。私としては,それが豊満だろうがそうでもなかろうがどうでもいいというか,知ったことではないんだけども,一般的には大きいほうがもてはやされる傾向にあるわよね。実際には,大きいほうが好きな人もいりゃ,逆に小さいほうが好きな人もいるのに。
つまるところ,大きかろうが小さかろうが,どうだっていいのよ。もちろん,好みってものがあるし,こだわる人はこだわるっていうのも確かなんだけど,たいていの場合は評価項目の一つぐらいでしかないわけ。しかも何をもって評価するかは,人それぞれっていう,非常にあいまいな。でも聞くところによると,女性が抱くコンプレックスは,一つの評価項目どころじゃない重大さだったりするらしいわけ。これもまあ,人によりけりなんだけどね。
で,そういったことを考えていくと,冒頭に書いたような「自分で思っている弱点って,本当に弱点でしかないのか?」という疑問にぶち当たるわけ。この問題って突き詰めて行くと,悩みと現実のバランスが不釣り合いなことから生まれると思うのよ。あっ,胸だけの話じゃないわよ。
悩みなんてたいてい,悪い妄想なわけ。それが原因で悪い結果になるかもしれない,自分が足りていないのかもしれない,そういう思い込み。でも現実って往々にして,自分が常々抱いていたコンプレックスが原因で起こることよりも,自分が思いもよらない,想像だにしていなかったことが悪い結果を招くことのほうが多いわ。
そらそうよ。最初から予想できていたら,悪い結果を避けるために先回りできるもん。最悪の結果が予想できていたら,悪いことが起きてもなんとかして,予想できる範囲での最悪を回避しようとするもんだしね。
そして,自分にとってダメージの残る悪いことっていうのは,たいがいは予想だにしないアクシデントによって引き起こされてしまうの。そういうときに,その原因も自分が持っているコンプレックスのせいにしてしまいがちだけど,たぶん本当はそうじゃないのね。
本当はほかに原因がある。でも,コンプレックスのせいにしておけば自分の中で何となく話がまとまる。結局のところ,コンプレックスに自分が悩まされてるんじゃなくて,そのコンプレックスを自分が利用しているという側面があるわけ。
とはいえ,コンプレックスっていうのは,どうしたってついて回るものでもあるわ。だって人間だもの。完璧な人間なんていないじゃない? 自分の好きなところや嫌いなところがあるのは仕方がない。でも,それによって物事の原因や本質を見失わないようにしたいものね。だからね。胸の大小なんて,女性がコンプレックスを持つほど男の側は気にしてないってことよ。
まあ,根本的に人間が持つ悩みってそんなもんだけどな。そもそもだ。見た目なんてただの器。もちろんそれが美しいに越したことはないけども,本当に重要なのは中に入っているもの。
だから,胸の大小で価値を判断するような人間は,見る目がないの。中身を吟味せず,包装にこだわってるってだけだから。人間,見た目は劣化するし,上には上がいるしね。包装には包装以上の意味はない。そのことを老若男女問わず,認識したほうがいいんじゃないかな? って思うわけ。目に見えないものをどう見るか。ここですよ,人間にとって大切なのは。きっと
ヴァルハラナイツ3はアクションRPGで,いろんな種族がいる監獄の街で使命を帯びた主人公が生きていくっていうゲイムなのね。何が秀逸って,その世界観。さっき簡単に「いろんな種族がいる監獄の街」って表現をしたけども,この荒廃感,自由感たるや半端じゃない。まさにゲイムならでは。ワクワク感もあるし,ゲイム開始当初はいい感じで不自由な部分もある。
この連載で何度となく書いていると思うんだけど,ゲイムって,不毛なのよ。ゲイム内でステータスが上がったからといって,現実の自分のステータスが上がるわけじゃない。ゲイム内でいくらお金を稼いだところで,現実にお金が儲かるわけではない。でも,現実世界においては何の役にも立たないことに一生懸命になれるのが,ゲイムのいいところだと思っているのね。ともかくゲイムって不毛なのよ。結局は仮想の世界だから。
ただ,不毛だからこそ,現実ではないながらも,どこかしらリアルに感じさせなきゃいけない部分があると思うの。つまり,不毛だということに気付かせちゃいけない。プレイしている間は,プレイヤーにゲイムの世界を現実だと思わせなきゃいけない。
そういう意味で,ヴァルハラナイツ3の世界観は非常に魅力的。ゲイムならではのリアルがそこにある。だから,面白い。
序盤の敵が妙に強いのも許せる。全滅してゲイムオーバーになっても,いい感じでやり直せるからね。これが,セーブしたポイントからの再開だったら気力も失せてしまうけど,ホントに適度なポイントからリスタートできるのは素敵だわ。だからゲイムオーバーになっても,ついつい続けてヤっちゃう。
細かいところだと,未鑑定アイテムの正体が分かるときのドキドキもいいわね。結果,たとえ大したアイテムじゃなくても,ドキドキできた瞬間って,ゲイムで遊んでいるからこそ味わえる,かけがえのないものだと思うし。
というのも! このゲイムは! チャンネーに! 媚を売らなきゃいかんから!
そうなの。たぶん,このヴァルハラナイツ3の大きな売りの一つだと思われる要素に,キャストと仲良くなる,というものがあるの。簡単にいえば,街の各種施設はキャストと呼ばれる女性がその機能を担っているのね。例えば,道具の売買をするのもキャストを指名してからでないと行えないし,クエストを受けるのにもキャストを指名しなければいけない。
で,そのキャストにはプレゼントができて,ある程度,仲が良くなったらそのキャストとホテルにしけこめるのね。……嬉しくない。世の男性はどう感じるのか分かんない。でも! でも! 私にとっては……。
しかもよりによって! ゲイムを作ってる人がけっこうキャストにこだわってるっぽいのよ。ここで肝になるのが最初に紹介した「いろんな種族」ってところ。人間だけでなくエルフとかそういう,結局は人間の男が好みそうな感じの女性キャラがいっぱいいやがるのよ。まったく浮かれやがって! この要素は,私にとってヴァルハラナイツ3の弱点でしかないわ!
……なので,私としてはこの部分をどのように評価するかによって,私自身のデカさが測られてしまうんじゃないかと思うわけ。で,結果,面白いしずっと遊んでるんだけど,なんとなく悔しいからおススメはしない,というところに落ち着きました。こんな私も,けっこう嫌いじゃないでしょう?
そうそう,ロード時間が長めという点もちょっと気になってはいるわ。内容自体は非常に面白いがゆえに,ここにも目をつぶれるかどうか。弱点っちゃあ弱点だし,そうでもないって思えばそうでもない。人によりけりかな,と。
まあ,最終的にヤリ込み度も高そうだし,気になるならば手を出してもいいんじゃないですかね。と吐き捨てるように言ってみる。
そんなわけで,「良いところなのか悪いところなのかは多くの場合,気になるか気にならないかってことに落ち着くし,細かいことを気にしないほうが人間的にデカい感じがする」というぼんやりした結論に至った今回ですが,いかがでしたでしょうか?
最初の話に戻すと,コンプレックスなんてのは,最終的には「本人がどう思うか」と「本人でない人がどう思うか」のどちらを重視するんだ? という選択になると思うのですね。まあ,選ぶのはコンプレックスを抱いている本人なんだけど。
相手が気にしてないことでも,自分が気にしすぎるとそれはそれで問題だし,相手が気にしてることに対して自分は無頓着っていうのも,いろいろと具合が悪いし,どの選択をするにせよ,ある程度の自己客観視能力は必要なのかなーと思うわけであります。
繰り返すけど,コンプレックスを持つことは仕方がない。でも,それを他人にどう影響させるのか,それが器なのです。私としては,何事にも動じない,デカい人間に思われたいなとは思っておるわけです。
ん? デカいのは重要よ? そこはこだわりたいじゃない。私はどうあれ,デカいほうがいいに決まってるわ! 大は小を兼ねるっていうし! 男は中身っていうけど,見た目は重要よ! 入り口は見た目なんだから! デカいの最高! あぶないデカ最高! デカ貴族! また来週!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「TOMB RAIDER」
PlayStation Vita:「ヴァルハラナイツ3」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「三國志DS 3」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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ヴァルハラナイツ3
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