連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第213回「『ZombiU』の発明感につきまして」
意味などないと分かっていながら,意地になっちゃうことってあるわよね。相手が何か言ってくるまでこっちからは何も言わないとか,あのおっさんが出るまではこのサウナ室からは出ないとか,パチンコでどハマりしてるけど当たるまでやめないとか。生産性はないし建設的でもないと分かってはいても,引くに引けないときっていうのがあるのよ,人には。
それにね,諦めることなんて,いつでもできるの。自分に嘘をつけばいいんだから。でもそれでいいのか? 否! 人間として生まれてきたからには! 自分のこだわりに嘘をつきたくない!
……これが2012年までの私。でもね,今年で36歳になる2013年になって,気付いちゃったの。これまで,この手のこだわりによって「得もしないけど損もしてない」と思っていたけど,実はそこそこの割合で損しているってことに。
金銭的にも時間的にも労力的にも。得していないだけだったら,別に好きなだけこだわりを貫けばいいじゃんって思えるんだけど,損してるとなったら話は別で,やめたほうがいいんじゃね? 意地張るの。……ってケツ論に至った男色ディーノ巳年年男です。今年もよろしくお願いします。
一体何の話だって? Wii Uよ。私,年末にWii Uを買ったのね。担当さんが代金を立て替えてくれて。で,いまだにそのお金を払っていないの。ということで,今いわばWii Uを担当さんから借りている状態なわけね。さすがの私もね,そこまでの恥知らずじゃない。借りているものをあたかも自分のものであるかのように振る舞うなんてできないわ。なので,お金を払うまではWii Uのソフトをこの連載で取り上げない! そう心に決めたの。……これが2012年までの私。
でもね,今年で36歳になる2013年になって,私,気付いちゃったの。このこだわりは,何も生み出さないばかりか,むしろ損失なんじゃないかって。Wii Uのソフトを取り上げないことが,自分の心に対して正直にいることなのか? いや,違う。違う違うそうじゃ,そうじゃない。君を逃がせない。
お前……面白いゲイムを紹介したいんだろ? 読んでいる人にちょっとでも興味を持ってもらって,その面白さを体験してもらいたいんだろ? 買おうかどうか迷っている人に,ちょっとでも参考にしてもらおうと思っているんだろ? お前のちっぽけな意地が,担当さんの立て替えた代金が,その大きな理念を邪魔してどうするんだ!
昨年末,Wii Uが発売されたよ。そして,まだ手を出せないでいる人はいっぱいいるよ! なのに,持っているお前が口を閉ざしてどうするんだよ! まだ買ってなくても,気になるソフトがありゃみんながWii Uに興味を持つよ! そうやって,興味を持たせる手伝いをするのが,この連載におけるお前の一番大きなこだわりなんじゃねえのか! あ? そんなよ,代金を払っただの払ってないだのなんて,そんなこと読んでる人にとっちゃあどうでもいいんだよ! 違うか?
……そう。私が間違っていたのよ。確かにあんたの言うとおりよ。私の意地で取り上げるべきものを取り上げないなんて,むしろマイナスでしかないわ。ありがとう。目が覚めた。私,取り上げる。お金を払っていなくても,Wii Uのソフトを取り上げるわ。
分かればいいんだよ。あとは,分かるな? Wii Uというハードの良さを,ソフトがどう引き出しているか。それをメインに書けばいいんだよ。いつもどおりにな。そこに,代金なんて関係ねえ。お金を払わなくても,書いていいんだよ。お金なんて,払わなくていいんだよ(※編注:代金は払ってください)。
……分かったわ! 私,頑張る! 頑張って,いつもどおりに書く! そして,お金は払わない! あなたの手の届かない存在になって,あなたを後悔させてやるんだから!
……こーいつぅ! 言ったな? あははははは!
Wii Uって,液晶画面を備えたWii U GamePadというコントローラーが標準装備なのね。WiiリモコンとかWii U PROコントローラーとかクラシックコントローラとかクラシックコントローラPROも使えるんだけど,ことZombiUの,それもシングルプレイに関しては,Wii U GamePadだけを使うことになるのね。
で,そうするとプレイするときに画面が二つあるわけ。TVとWii U GamePadの画面の二つが。この二つの画面の使い分け方が抜群に面白いのよ。
ゲイムの内容を平たく言ってしまうと,ゾンビだらけになった街で生き抜くアクションゲイムなんだけど,さっき言ったように二つある画面が今までのゲイムにないポイントとなっているの。
ことが起こっているのはTVのほう。で,Wii U GamePadの画面は地図であったり,鍵であったりのサバイバルキットとして使うのね。ゲイムを進めていくにはサバイバルキットを使わなきゃいけないんだけど,サバイバルキットの画面に没頭していると,TV画面のほうではゾンビに襲われるかもしれない。この緊張感が恐ろしいのよ,実際に。
Wii Uを持っていない人のために例えるならば,携帯電話で攻略サイトを見ながら,ポーズ機能のないホラーアクションゲイムをプレイしている感じかしら。攻略サイトを見ている間に襲われるかもしれない。そういう恐怖。これだけでも怖いっていうのに,加えて一撃死が多いときたら,本当にたまったもんじゃないわ。ゾンビに噛まれると,ほぼ死亡。だから,本当に目が離せない。
でも,ゲイムを進めるために目を離さなきゃいけない。全部計算されていて逆にムカついてくる。それくらい緊張感が高いの。今までのホラーゲイムだったら,音であったりグラフィックスであったり,ゲイム内だけで恐怖を突き詰めていたわ。でもZombiUはそうじゃなくて,実際に肉眼でどちらを見るか,目を離すかどうかっていう,実際の自分の判断が反映された恐怖,言うなればゲイム外にまで恐怖を提示しているわけ。
そして,TVとWii U GamePadのどちらを見るかという現実の選択こそが,Wii Uの提示する新しい遊びなんだろうな,と。そんなことを,このゲイムをプレイして思ったわ。
Wii Uを買ったならば,ぜひプレイしてほしいソフトね。今までのゲイムでは味わえなかった恐怖がそこにある,そう言い切っても差し支えないでしょうね。
こういった感覚が,今後,どのようにスポーツゲイムだったりRPGだったりその他だったりに反映されるのか。想像するだけでワクワクしてくるわね。……と,Wii U用ゲイムに対するハードルを上げさせてもらうわ。それくらい,ZombiUの発明感は凄かったのよ。Wii Uの自己紹介ソフトとして,オススメよ。
えー,ただいま紹介があったように,今週からこの連載に加わる,Wii U君です。しかしながら,新しいからといってそれだけで無条件で面白がるわけではありませんよ。今までのゲイム機にも,それぞれいいところがありますからね。ケンカなどしないように。
こんな感じで今後ともより一層,私のセンサーに引っ掛かったいろいろなハードのゲイムをプレイしていきますので,どうぞよしなに。また来週。
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「WHITE ALBUM2 幸せの向こう側」
PlayStation Vita:「地球防衛軍3 PORTABLE」
PSP:「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ファンタジーライフ」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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ZombiU(ゾンビ U)
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