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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」
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印刷2012/12/06 18:23

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」

真・三國無双6 Empires」のエディットモードによって生み出された著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」
 私はいちご大福が大好き。

 いちごはいちごで,まあ好きだし,大福だって嫌いではない。つまり,単品だと,いちごも大福も大好物ってほどではないのね。しかーし! その二つが合体し,いちご大福となったとき!
 いちごのほのかな酸味を仮に織姫としましょうか。そして大福の優しい甘味を彦星と呼びましょう。その織姫と彦星が,口の中にある唾液という名の天の川で出会い,それはそれは甘美で至福のスイーツ七夕祭りが繰り広げられるわけ。
 つまり,いちご大福なら甘さと酸っぱさが同時に味わえるわけね。この二刀流ぶりは,まさにスイーツ界の宮本武蔵と呼ぶにふさわしいわ。

 ところで。プロレスにはタッグマッチという,まか不思議な試合形式があるの。2対2で戦うんだけどね。私はもう,プロレス業界に入ってそこそこ経つから,いつしか受け入れてしまっているものだけれど,よくよく考えたらおかしいことだらけなのよ。
 権利を持っている人同士でしか試合を終わらせることが出来ないっていうのが,イマイチよく分かんない。どっちも戦えばいいのに。そして,相手を倒したくて倒したくて仕方無いはずのプロレスラーが,権利の無いときには大人しくリングの端っこに控えているっていうのも,冷静に見てみたらなんだかマヌケじゃない?
 というかその前に,そもそもなぜ正々堂々と1対1でヤらないのか。考えれば考えるほど,腑に落ちないのよね。……とか言いながらぶっちゃけ,それらの疑問に対する答えは,あるといえばあるんだけども,それはまた別の機会に語るとしましょうぞ。
 ともかく,プロレスにはタッグマッチという試合形式があるってことが言いたかったのよ,あたしゃ。で,こういう形式の試合がある以上,その道のスペシャリストも存在する,と。業界用語で“タッグ屋”と呼ばれる人達が,それね。シングルマッチではさほどいい成績を残せなくても,タッグチームとしては無類の強さを誇る選手がそう呼ばれるの。
 もちろん,シングルマッチで強い選手同士が組んで,名タッグと呼ばれるチームになることもある。でも,シングルが強い選手同士のチームが,必ずしもタッグマッチでいい成績を残せるかというと,それはまた別問題。野球でもサッカーでも,スター選手を集めれば強いチームになるかと思いきや,必ずしもそうとは限らないのと一緒で。要は,チームとしてのまとまりが重要となるわけね。

 ここでさらに話は変わりまして。人間ってのは,意味が無いと分かってはいても,ついつい比べてしまうってことがよくあるじゃない? メッシとクリスティアーノロナウドはどっちがいい選手なんだ? とか。文系と理系はどっちが優れているのか? とか。同窓会に出たときに,安定した職についてる友人と,自由で先の見えない仕事で食いつないでる自分と,どちらが幸せなんだ? とか。
 そんなもんね,比べる意味すら無いじゃない。比べたところで,どうなるもんでもないし。そういう意味では「仕事と私とどっちが大事なの?」という,定番の問いも同じよね。比べたくなってしまうこと自体は,仕方が無いわ。人間とはそういうものだから。ただ,世の中には答えを出さなきゃいけないものもあるし,逆に答え自体がない,もしくは不確かなものもあるってことだけは,頭に入れてなきゃいかんと思うのですよ。

画像集#004のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」
 ……もうお分かりでしょ。今週紹介するタイトルは「レイトン教授VS逆転裁判」よ。簡単に説明すると,「レイトン教授」シリーズと「逆転裁判」シリーズが一つになった作品ね。
 レイトンも逆転裁判も好きな私としては,発表されたときからずっと楽しみにしてきたタイトルなの。だから今年のゲイムショウでも試遊したんだけど,そこはあくまで試遊なんで,堪能するまでは至らなかったのよ。それがついに発売されたんだけど,そらまあ,面白いわよ。レイトンと逆転裁判が両方楽しめるんだから。
 まだプレイするべきか迷ってる人は,きっと2作品が絡んで大丈夫なのかっていう部分を気にしていると思うのよ。そんな疑問にお答えしましょう。

ズバリ,2作品はケンカしてない。

 というのもね,アドベンチャーパートと裁判パートを交互にプレイするだけだから。もちろん,世界観がクロスすることもあるんだけど,基本的に2作品の従来の進め方で話は展開していくの。ストーリーも,無理やり作品がミックスされていて訳が分かんない! なんてことはない。お互いがお互いの邪魔をしていない感じ。“VS”の部分を深読みして殺伐とした潰し合いになるんじゃないかと期待していた人は,拍子抜けしちゃうかもしれないぐらい,綺麗にまとまっているわ。
 でもね,「“VS”と言っておきながら,潰し合わないんじゃ,ちょっと……」と思っちゃった人でも,プレイする価値はあるんじゃないかしら。だって,レイトンと逆転裁判が一本のソフトで楽しめるのよ? お互いの新作をプレイする感覚で遊べば,これほどコストパフォーマンスの高いソフトも珍しいとも思う。レイトンが好きな人,逆転裁判が好きな人,そのどちらが遊んでもガッカリすることなんてないわ。
 ゲイム界の七夕祭りがちゃんと起こっているし,タッグチームとしてもよくまとまっているし,どちらの作品のほうが素晴らしいかなんて比べなくても,両方面白い。お互いの持ち味を出した,いい作品になっているわよ。

画像集#005のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」 画像集#006のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」
画像集#007のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」 画像集#008のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」

画像集#009のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」
 って,これじゃあぼんやりしすぎかしら? じゃあ,もう少し掘り下げてみるわね。
 レイトンファン視点で見てみると,シリーズ恒例の“ナゾ”は従来の作品に比べてパズル的なものが多く,なぞなぞ的なナゾは少ない印象ね。それだけに,難度自体はさほど高くないように感じたわ。ちゃんとヒントのコインもあるしね。
 逆転裁判ファンの視点で見てみると,いつもの逆転裁判の感じでとくに違和感がないわね。キャラクターも一人一人が立っているし,裁判の逆転具合もいつも通り。コインのヒントはここでも使えるので,そういう意味では,こちらも難度は下がっているかもしれない。
 で,ストーリーに関しては全部終わってないから内容については踏み込まないけれども……,基本的にはレイトン寄りなのかなあ? という印象ね。ただ,この作品の何が凄いって,実はストーリーなんじゃないかと私は思っているの。
 ゲイム自体は,お互いのパートを交互にプレイしていくというシステムになっているんだけど,さっきも言ったとおり,そこでシステム同士のケンカが起こってないのよ。こんな個性的な作品二つを,無理なく一つの作品にまとめることができているのは,ストーリーでうまくつないでいるからだと思うのよね。
 何の違和感も無く,この異なる作品同士をつなぎ合わせることに成功しているストーリーって,実は単に“ストーリーが面白い”という以上に凄いものなんじゃないかと。

画像集#010のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」 画像集#011のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」
画像集#012のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」 画像集#013のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第207回「レイ判」

 というわけでケツ論としては,レイトン教授VS逆転裁判は,自信を持ってオススメできる! ってことでいかがでしょうか。迷ってるくらいなら,ヤっといていいのよ。
 ただ,一つだけ難点……ってわけじゃないけど,この作品について困っていることがあるのよね。それは,どうやって略せばいいのかという問題。だって,ざっと考えてみただけでもいろいろなパターンがあるじゃない。
 その中で一番しっくりきたのが「逆トン裁判」。ただ,これだとちょっと逆転裁判の風味が強くて作品間のバランスが悪い。だったら逆に「レイ転教授」か。んー,これだとあんまり優秀に見えないよねー。もういっそ「逆転教授」にする? なんか語呂が悪いなー。……ってな感じで自分の中で迷っていて,現在の暫定的な略し方は「レイ判」で落ち着いております。サングラスっぽいのはご愛敬。

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2013
PlayStation Vita:「地球防衛軍3 PORTABLE
PSP:「スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「レイトン教授VS逆転裁判
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
男色ディーノ,西へ! ということで今週末のディーノ選手は,12月8日(土)に広島県・福山ビッグローズで開催される「DDTウエストサイドストーリーシリーズ2012 in FUKUYAMA」,12月9日(日)に島根県・浜田市石見武道館で開催される「DDTウエストサイドストーリーシリーズ2012 in HAMADA 〜MIKAMI凱旋興行〜」に出場します。このタイミングで広島の実家に寄るかどうかで悩みつつも,「中澤マイケルの『賢者の贈り物』というエピソードで頭がいっぱいなの」だそうです。詳細は聞きましたが,今はまだ書けない。
  • 関連タイトル:

    レイトン教授VS逆転裁判

  • 関連タイトル:

    真・三國無双6 Empires

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