連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第164回「あの日の約束」
ブログが流行り出した頃からそういう傾向は目立ち始めていたんだけど,Twitterをはじめとしたソーシャルメディアの隆盛によって,それはより確固たるものになったと思う。要するに,ネット上で文字化されることによって,自分の意見が世の中に反映されやすくなったってこと。
面と向かって言いにくいことでも,ネットの文字でなら言える。現実では口下手な人が,ネットでは雄弁に自分の意見を語ることができる。そういう時代になったのよね。別に良いとか悪いとかの話じゃないわ。新しく生まれてくる文化どう使われるかで,どちらにも転ぶ。それだけのことよ。
ただ,ネットで積極的に意見を発する人ばかりかというと,そういうわけでもない。割合は知らないけど。ただそういう状況下,ネットで自分の意見を述べることができる人のほうが,ネットで意見を述べない人に比べて高い評価を受けやすい世の中なんじゃなかろうか? という私個人の見解が,冒頭の「声のでかい人のほうが得をする」ということにつながるわけね。
簡単に言いましょうか。例えば,何かミスした人がいるとする。その人がネットで「反省してます」と言えばそれを見た周囲は「反省しているんだな」と思うわけです。逆に,いくら反省していても,ネットで発信することをしない人は,周囲からは「反省してるかどうか分からない」と思われてしまう,もしくは何とも思われない。
こういう点を見ても,やはり「声がでかい人のほうが得」と言うことができるんじゃないでしょうか。繰り返すけど,良し悪しの問題じゃないのよ。それが電脳社会の持っている特性なの。うまく使うかどうかは本人次第。現実社会ではユーモアに欠ける印象を持たれていても,ネット上ではめちゃくちゃ面白いっていう人は確実に存在するわよ。
ところで,私はゲイムの連載を持っております。あなたが今読んでる,コレのことです。この連載も,まあ言うなれば「私の声を出せる場」と言えなくもないでしょう。先々週のこの連載で,私は約束しました。Xbox 360の「迷宮クロスブラッド リローデッド」とPlayStation Vitaの「アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-」を取り上げる,と。
私には,今までいくつか前科がございます。取り上げると言いつつも,結局今の今まで取り上げていない,という前科が。いや,まだ取り上げる気はあるのよ「金色のコルダ 3」(PSP / PlayStation 2)。ただ,時期を見てるというか,一番いいタイミングで投入しようとしているだけであって。
ほら,よく笑い話に出るアレ。高校の部活で,監督に「お前は秘密兵器だ」と言われて3年間秘密にされっぱなしだった,とか言うアレ。アレに近い感じ。……ダメじゃん。ともかく! 金色のコルダはいつか取り上げますので! 待っててね。いつまでも。
……というように,取り上げると言いながら今のところ取り上げていないゲイムがいっぱいあるのです。もしくは,ヤったはいいが取り上げるタイミングを逸したゲイム。で,迷宮クロスブラッド リローデッドやアンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-も,男色ゲイムヒヒョー墓場に送り込まれ,リングで戦死した超人達が生命の玉を四つ集めないと復活できないようになるかもしれなかったわけです。
今のところ,ミキサー大帝に火事場のクソ力を封印されて,まだ生きてはいるけども墓場に行ってしまっている状態。……私はまだ続けてもいいのよ,超人墓場についての話を。ちなみに私は王位争奪編が一番好き。バイクマンのキャラクターのやっつけっぷりったらないわ。まあいいや。
早い話が! 迷宮クロスブラッド リローデッドとアンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-は,このままずるずると取り上げない可能性が高い,という勢いだったのだけれども,そこを何とか取り上げます。頑張りました私は。約束を守る男だ。貴様らもっと崇めろひれ伏せ拝めフハハハハ! っていう話。また伸ばしやがったと思った人,残念だったわね。
イヤ,取り上げると予告したタイトルを取り上げるだけだから,偉くも何ともないばかりか,むしろ当たり前なんだけど,こうやって文章でもったいつけることによって,仰々しくすることができますっていう。これが自分の意思を文章によって比較的気軽に反映させられるネットワークの威力なのです。
ただ,ダンジョンRPGって,ホント好き嫌いが分かれるのよ。これも,ハッキリ言って万人に向けて「絶対面白いからダマされたと思ってヤってみて!」ってな具合にオススメできるものではないわ。ただ,「ウィザードリィ」以外認めない! っていう人じゃないダンジョンRPGファンは,プレイしてもいいと思う。
何がいいか具体的に言うと,戦闘のテンポがいい。ダンジョンに潜っていくゲイムである以上,ダンジョン内で戦闘が頻繁に起こるわけ。それが,全体的に長くならないのがいいわ。この手のゲイムって,今風にアレンジしようとした結果,どうしても演出とかシステムとかに凝り過ぎちゃって戦闘が長くなりそうなもの。だけど,作り手がそこのエゴを押し通さなかったというのが凄いわね。
そもそも私,ダンジョンRPGの醍醐味って,ダンジョンを探索して方眼紙を埋めていくような作業感にこそあると思ってるのね。その作業感を味わわせてくれた上で,ちょっと難しめの戦闘シーンがサクサク進む。このバランスは,よほどの偏屈な人でない限り,だいたいのダンジョンRPG好きには受け入れられるでしょう。
もちろん,このゲイムならではのクロスブラッドシステム(メインのスキルとサブのスキルを使い分けられる)も良くできているんだけど,そこを説明したところで好きじゃない人にはわけ分かんないだろうから割愛するわ。
ただ,このクロスブラッドシステムは新しいシステムだからといって押し付けがましくなく,全然嫌味じゃないとだけは言っておくわね。
要するに,ダンジョンRPGやちょっと難しめのRPGをプレイしてみたい人は,是非プレイしてみてもよろしいのでは。最初の導入部分の世界観に関しては,このゲイム内での専門用語が多いから我慢が必要かもしれないけど,そこを乗り越えれば,だんだん楽しくなってくるわ。スルメゲイムね。
それは,「PS Vitaの一番凄い点は,グラフィックスの綺麗さなんじゃないか」ってこと。誤解を恐れずに言ってしまうと,グラフィックスがめちゃくちゃ綺麗であることだけで,PS Vitaは買いなのかもしれない。
というのも,アンチャーテッドシリーズの売りでもある「B級映画のようなノリ」が完全に携帯ゲイム機で楽しめるのよ。考えてみて。映画のノリを携帯ゲイム機で再現するには,どうしたってグラフィックスが映画のようなものでなければ,興がそがれてしまうわけじゃない。それが,違和感なく映画っぽいのよ。もっと言うと,ちゃんとアンチャーっぽい。だから,面白い。PS Vitaを持ってない人にゲイム画面を見せたら,きっと興味を持ってもらえるはず。それくらい綺麗。
加えて,前面タッチスクリーンや背面タッチパッドによって,プレイヤーのゲイムへの介入度も上がるし,モーションセンサーを使った操作もPS Vitaらしさよね。個人的には,感情移入度に関しては,PS Vita版のアンチャーがシリーズで一番上かもしれないわ。それくらい,面白い。
「みんなのGOLF 6」も「塊魂 ノ・ビ〜タ」も普通以上に面白かったけど,PS Vitaの凄さを一気に味わおうとするなら,これが一番ね。そういう意味では,PS Vita本体を持っているならば,シリーズ未プレイの人も一度遊んでみるといいと思うわ。
そんな感じで,繰り返すけども取り上げましたよ守りましたよ約束をちゃんと! 実はほかにも,ニンテンドー3DSの「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」も同時期にプレイしていたんだけれども。これはこれで語るべきことが多そうなタイトルだから,こちらは来週お伝えするとしましょうかね。
先に言っておくと,これもちゃんと面白いわよ。先にプレイして来週この連載を読むもよし,来週のこの連載を読んで検討するもよし。っていう風呂敷を広げといて,今週はここら辺でお開きにします。ちゃんと取り上げるわよ! フリじゃないわよ! また来週!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)」
PlayStation Vita:「アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-」
PSP:「俺の屍を越えてゆけ」
ニンテンドー3DS:「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」
Wii:「いただきストリートWii」
Xbox 360:「迷宮クロスブラッド リローデッド」
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アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-
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迷宮クロスブラッド リローデッド
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(C)Experience Inc. Published by KADOKAWA GAMES
- アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり- PlayStation Vita the Best
- ビデオゲーム
- 発売日:2013/10/10
- 価格:¥5,780円(Amazon) / 3190円(Yahoo)