連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第128回:「釣りのミニゲイムが面白いゲイムは名作」
著者近影
はーい沖縄からこんにちは! 愛と幸せを運ぶ男色ディーノだよ!
……プロレスで日本各地を回る生活をし始めて,早10年くらい,とうとう沖縄にまでプロレスで行くようになっちまったわ。
というわけで今,沖縄に来ておる次第です。いやー,さすがに東京に比べて沖縄は暑いわよ。とはいえ,何のやる気も起きないほど暑いわけではなく,むしろ夜は涼しいくらいの快適空間!
時期的に,梅雨に入る前だからジメジメもしていないし,冬じゃないから海に入ることもできて,ハッキリいって沖縄に来るならばこの時期が一番いいんじゃないか。…って,地元の人が言っていたわ。多分,観光客にはどの季節でも似たようなことを言ってるんだろうけどね。
そんな沖縄は,パチンコ店が23:59まで営業している恐ろしい土地。ま,日が落ちるのが遅いのも関係してるんでしょうけどね。ともかく沖縄は,3日でファイトマネーの数倍の金額を消費してしまうほど,開放的な場所なのであります!
開放的といえば,ゲイムとは関係ない小話をさらに一つ。
私が所属しているDDTというプロレス団体に,中澤マイケルというプロレスラーがいるの。会場がどれだけ盛り上がっていようとも,彼が出るとピタッと空間が凍りついてしまうという,文字通り泣く子も黙るプロレスラーなの。いわば,スキル「ドン引き」を持っているってわけ。
そのスキルの威力は本当に破壊的で,この沖縄大会でも炸裂したわ。いや,大会自体は大層盛り上がったのよ。大会後にDDTコールが起きるくらい。
で,そんな熱狂的なお客さんの声に,中澤マイケルもテンションが上がったんでしょうね……。アンコールに応える的なニュアンスで,彼が客前に姿を現した瞬間,それまで会場中に響き渡っていたDDTコールがスパッと止んで,帰り始めるお客さんがちらほら出る……という奇跡を起こしたのよ。人前に出る仕事に就いている人間が,決して持っていてはいけない類のスキルを持つ男なのよね,中澤マイケルって。
そうそう,彼にはもう一つ,常人には理解しがたい特殊技能があるの。それは,サプリメントから痛み止めまで,古今東西あらゆる薬に精通しているというもの。いわば,クレイジーメディシンレスラーでもあるのね。
どれぐらいクレイジーかというと,何年も前,とあるご夫婦に食事をごちそうしてもらったときに,お礼として真顔でバイ●グラを差し上げようとして,スキル「ドン引き」を発動させたぐらい。変な薬をやってなきゃいいんだけどネ! そんな彼の口癖は「薬の副作用を薬で治す」。
さて,なぜ私がここで中澤マイケルの話をしたかというと,彼は沖縄にいる間,釣りに興じすぎていたからにほかならないの。
いや,釣りが趣味っていうのはいいのよ。東京から沖縄に釣り竿を持って行って,空き時間に釣りを楽しむっていうのも,まあ趣があっていいんじゃないかと思う。
でもね? 寝過ごさないように徹夜して朝イチの飛行機に乗って沖縄まで移動し,昼から試合をして,夜にまた試合をして,それから徹夜で釣りに行くって……ホント意味が分からないわ。
試合の次の日はオフなのよ? なのに,わざわざ寝ていない状態で2試合したあと,釣りに行って釣り竿折ってボウズ。理解不能。
変な薬やってなきゃいいんだけどネ! そんな彼の口癖は「日本では合法ですよ日本では」。
そんなこんなで(?),「ガチトラ! 〜暴れん坊教師 in High School〜」(以下,ガチトラ!)のお話なのです。
イヤ,私の中でちょっとした格言があってね,それは「釣りのミニゲイムが面白いゲイムは名作」っていうものなんだけど。要は,“ミニゲイムとしての釣りゲイムが面白いゲイムは,いいゲイム”って意味なんだけど……繰り返しただけねコレ。
でも,実際そう思ってるのよ。「じゃあ最初から釣りゲイムを遊んどけよ」って声が聞こえてきそうなんだけど,そうじゃないのよね。あくまで,ゲイム内ミニゲイムとしての釣りゲイムが重要なの。
「龍が如く」シリーズしかり,「どうぶつの森」シリーズしかり,釣りがゲイムのメインじゃなくても,釣りが面白いゲイムは,ゲイム全体がちゃんと面白いことが多いのよ。
私が思うに,これは単なる偶然やオカルトじゃないわ。なぜなら,実は釣りの面白さの本質って,ゲイムにしづらいと思うから。
だって,釣りって本来,時間はかかるし,餌つけにくいし,条件が合わないと釣れないことも多いし,とにかく苦労が多いじゃない。
そんな釣りの面白味を,ゲイムとしてどのように表現するか。リアルじゃなくても,奥深くなくても,釣りとして面白いものにするとなると……そりゃ,ここで作り手のセンスが問われてくるわけよ。
つまり,どの部分で嘘をついて,どの部分を大げさに表現しなきゃいけないかという,取捨選択の正確さが求められるの。そしてこれは,ミニゲイムだけじゃない本筋のゲイムをどう面白くするかっていう,作り手のセンスや姿勢にも繋がってくると思うのよ。
その点,ガチトラ! の釣りは,本当に素晴らしい。ついついダラダラとヤってしまうのよ。そしてもちろん,メインのゲイムも面白いわよ。
言ってしまえば「喧嘩番長」シリーズっぽいアクションゲイムなんだけど,喧嘩番長よりも矢継ぎ早に事件が起きるから飽きないのよ。たぶん,スパイクさんが喧嘩番長の何が面白くて,逆に何が悪いのかっていうのをしっかり研究して作ったんだと思う。
ストーリーがかっちりと決まっている分,喧嘩番長よりも自由度は減ったのかもしれないけど,それでも私としてはこの進化は歓迎するわ。
キャラクターもしっかりしてるし,ノリもゲイムっぽくて悪くない。エンターテイメントとして上質だと感じたわね。
教師モノのドラマが好きな人なら,このガチトラ! も絶対に気に入るはず。ほら,教師モノのドラマって,正直見ていて恥ずかしくなるじゃない。でも結局,教師モノのドラマが昔からすたれないのは,その恥ずかしさが視聴者に受け入れられているからだと思うのね。要するに,恥ずかしいくらいがちょうどいいってこと。
そしてガチトラ! は,ゲイムなわけだから,当然キャラクターを人間が演じているわけではないので(見た目の話ね),演技としての恥ずかしさは感じないの。結果,教師のドラマとしてちょうどいい,心地よい適度な恥ずかしさだけが残ってるわけ。ま,要はストーリー自体がちゃんと面白いってことなんだけど。
それに加えて,釣りのミニゲイムにも表れているとおり,ゲイムとしても面白いので本当に穴がないゲイムに仕上がっているわ。
意外と……なんて言ったら失礼かもしれないけど,多分プレイする前のイメージよりは数段面白いと思うわ。是非に。
というわけで,青い海,輝く太陽,澄んだ空気の沖縄よりお届けいたしました! 先ほど中澤マイケルさんが,女性に「釣り竿は折れても俺の釣り竿は折れないぜ」と,例のスキルを発動させたところで現場よりお別れしたいと思います。
薬は合法でも別件で捕まらないといいネ! また来週。
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