連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第116回:「●すぞ,お前らルールを守れ!」
著者近影
「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」が好きなことは,ちょっと前の連載で触れたとおり。ということは,ダンガンロンパの中で流れるCMも気になってくるわけね。ええ,簡単にいえば「喧嘩番長5 漢の法則」を買ってみたよってことなんだけども。
簡単に書いてるけど,コレ相当勇気がいる行為だったのよ。先週,「ぞんびだいすき」に触れたけど,それはニンテンドーDSのタイトルなわけ。私のPSP界では,現在,空前の「モンスターハンターポータブル 3rd」(以下,MHP3)ブームが到来しているわけだから,喧嘩番長5をプレイするには,PSPのUMDスロットからMHP3を抜いて,喧嘩番長5を差し込む必要があるのよ。
これって要するに,ずっと使っていた太刀から弓へと乗り換えるようなもの。または,マジックミラー号がいつの間にかハイパーマジックミラー号に変わっていたようなもの。もしくは,なんばまで行くのに御堂筋線を使わず,大阪までJRで行って,そこから四つ橋線を使うようなもの。
……ウン,分かりづらい上に間違ってるな,たぶん二つめと三つめの例えは。
私が言いたかったのは,MHP3からの卒業,そんなことが可能なのか,と。そういうこと。ケツ論から言えば意外と簡単に可能だったわけだけどね。
いや,決して卒業したわけではないんだけど。ホラ,村クエ最後のクエストは太刀じゃどうやっても時間切れになってしまって……。そういうタイミングも手伝ってね。そして喧嘩番長5がちゃんと面白かったのよ!
私,喧嘩番長シリーズは1しかプレイしてなかったのよ。だから「だいたいこんなもんだろうな」っていうイメージでしか,これまでの進化を感じていなかったのね。
で,今回ダンガンロンパさんの強い推薦もあって,久しぶりにプレイしてみたら,私が勝手にしていたイメージよりも,進化の度合いがはるかに強かったわ。
まず,プレイしやすい。前はどちらかというと「熱血硬派くにおくん」的というか,学園物の世界観に投げっぱなされていた感があったんだけど,今作はちゃんとストーリー性が備わっているというか,プレイヤーが次に何をするべきなのかがハッキリ提示されているの。かといって,寄り道をしようと思えばできる自由度もあって,ストーリーに縛られてる感じはそこまでしない。
一方で,覚えた技を自分の好きなように装備できたり,キャラクターを好きなようにエディットできたりする要素は残っている。
新作が出るにつれて着実に洗練されてきたんだなーというのが,プレイした最初の感想ね。
ホント,きっと今までこのシリーズをプレイしたことのない人が持っているであろうイメージよりは,ずっととっつきやすいわよ。
そして,私が個人的に気に入ったというか,いい意味で引っかかった部分は,ゲイムから伝わってくるメッセージ性。厳密には,ゲイムを通してメッセージを伝えようとする作り手の姿勢がいい。それは何も,単純にストーリーがいいっていうことでははなくね。そもそも,クリアにまで至っていないから,ストーリーについてはまだ良いか悪いかなんて語れないし。
私が言いたいのは,ストーリー以外にもプレイヤーにメッセージを伝える方法はあって,喧嘩番長5の場合,ゲイムのルールがすでにメッセージの一つになっているってことなの。
例えば,喧嘩をするとき,メンチを切ってタンカを切ったあとにヤらないと,ゲイム内でシャバい男として扱われてしまうのね。これって,「自由に生きてもいいけど,最低限のルールは守れよ」というメッセージだと思うのよ。
ついでに言うと,ゲイム内では喧嘩が終わったあと,相手とダチになれるんだけど,これも喧嘩っていうのは相手を傷つける手段ではなく,相手と分かり合うための手段なんだよ,だから「喧嘩したあとは水に流して友達になりなさい」というメッセージだと思うのね。
要は,そういうゲイムデザインなわけ。現実の世界には,そんなルールはないんだけど,喧嘩番長5の世界は,そういうルールになっている,と。
これはゲイムが不良を推奨するものでは決してなく,むしろ「ルールを守れ」と言っているんだと私は捉えたわ。実際,ゲイムの世界だけでなく現実世界でも,自分のルールに従って生きていたらカッコいいしね。だから大げさに言えば,「カッコ良く生きようよ」っていうメッセージでもあるんでしょうね。
あ,これは私が勝手に感じたことだから,違ったらごめん。っていうか,違ってたら恥ずかしい。ま,少なくともそう感じ取れるゲイムだってことは確かね。そこまで堅苦しいことを考えなくても普通に面白いし,ヤってみて損はしないと思うわ。
ただ,MHP3の操作に慣れていると,視点合わせのつもりでLボタンを押してしまって,ついつい道行く人を掴んでしまうので要注意。それはシャバいんで。
いやーそれにしても,ぶっちゃけスパイクといえば最近まで私の中で「ファイヤープロレスリング」シリーズと「デコトラ伝説」シリーズと「侍道」シリーズのイメージしかなかったんだけど,ダンガンロンパと喧嘩番長5のおかげで,印象がグッと変わったわね。
私は,自分の人生を豊かにするためにゲイをやってるし,ゲイをやったままプロレスもやってるし,ゲイムもプレイしているわけだけど,こういった何かを感じさせてくれるゲイムに触れると,ゲイムをヤってきてホントに良かったって思えるわ。
そういう意味で,スパイクはここにきて好きなゲイム会社になってきたわ。これからも私の人生を豊かにしてほしいものね。今やスパイクは,私にとって「幸せ請負会社」でもあるわけだから。
……イヤイヤイヤイヤ,ヨイショしてるわけじゃないですって! ファイプロの続編作ってくれっていってるわけじゃないですって! 私に似たキャラクターの「2丁目ビーノ」をまた出してくれなんて思ってませんって! ついでにその続編に経営モード付けてくれってお願いしてるわけじゃ決してありませんって! 全然気にしなくていいですよ,ねえ私の幸せ請負会社さん!
PlayStation 3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2011」
ニンテンドーDS:「ぞんびだいすき」
PSP:「喧嘩番長5 漢の法則」
Wii:「Wii Fit」
Xbox 360:約1年5か月にわたるRed Ring of Death
|
- 関連タイトル:
喧嘩番長5 漢の法則
- この記事のURL:
キーワード
(C) Spike All Rights Reserved.