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  • 発売日:2010/11/25
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印刷2010/12/02 10:30

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第108回:「ダンショクロンパ」

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ
第108回:「ダンショクロンパ」

 

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著者近影

 珍しく前置きなしでヤったゲイムを紹介するわ。それぐらいの勢いで面白かったっていうのが伝わるとこれ幸い。

 タイトルはPSPの「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」。このゲイムに関しては,どの切り口から素晴らしさを紹介していいのか分かんない。それほど凄い。端的にいえば推理ゲイムなんだけどもね。
 キャラクター設定とか物語の背景は,フィクション過ぎるほどフィクション。でも,フィクションまみれの世界観の中で,結局のところの話の整合性はついている。まずはそこのバランスが素晴らしい。

 そして,声優さんが素晴らしい。大山のぶ代さんのネコ型ボイスもさることながら,ほかのキャラクターの声優さんもスゲーなぁ,と思ったわ。ぶっ飛んだキャラ設定に声が負けてない。
 声優さんのお仕事って,意味や意図があるとき以外はキャラクターよりも声が勝ちすぎてもダメだと思うのよ。あ,でもそれこそドラえもんやタラちゃんくらいのレベルになると,もう別次元の話になるんだけどね。妖精みたいなもんだから,アレは。そういう意味で,このゲイムに出演している声優さんは,目立ちすぎず,かといっておとなしすぎもしないという,キャラクターぴったりの声であると私は感じたわ。
 とはいっても,私は声優さんについて詳しいわけじゃないから,そこら辺の機微まで完全に理解してるわけじゃないんだけどね。だから,上手いか上手くないかといった技術的なことは分かんないけど,それでも声優さんって凄いんだなぁと心から思えたってことだけはいえる。

 

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 さて,世界観,声優さんときて,もう一つ凄いと感じた部分を述べるとすると,“開発する人の覚悟”ね。もう思い切っていってしまうと,この手の推理ゲイムって今はもう「逆転裁判」シリーズと比較されがちだと思うのよ。でも,ダンガンロンパの場合,同じ方向を向きながらも違う表現方法を提示してみせた。これってものすごくエネルギーのいることだと思うの。
 厳密には逆転裁判だけじゃなく,さまざまな方面のエッセンスを取り入れている……パロっている感じで,とにかくウォーズマンか! ってくらい,色々とパロってる。そして最終的に,そのパロってることが,このゲイムのパワーになっている。パワーにしている。
 もちろん,パロってるとはいえ,それだけで成立してるわけじゃないわ。むしろパロスペシャルすらも絶妙な味付けの一つ。ベアークローだって,ちゃんと用意されているのよ。
 そりゃまあ,「なぜかリズムゲイムの要素まで入っているハイスピード推理アクション」とか「2.5Dで表現されたグラフィックス」とか,このゲイムならではのオリジナルの要素はいっぱいあるわ。
 しかーし! 私にとってのベアークローはそこではないの。というのも全体的にプレイした結果,私としてはそこら辺のシステムまわり自体は割りとどうでもよくて,むしろこれを作った人の志の高さに感動したのね。

 

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 誤解のないようにいっておくと,オリジナルの要素が面白くないってわけじゃないわよ。ただ,オリジナル要素が凄いんじゃなくて,志の高さがその要素を生んでいるってことを伝えたいの。何というか,批判を恐れていない感じ。その姿勢に感銘を受けたってことね。
 正直,このゲイムは好き嫌いが分かれると思う。それは,残酷な表現があるからってことでは決してなくて。このゲイムに何を求めるかというところで。このゲイムには,ゲイムを通じて伝えようとしているメッセージがあるのね。それもけっこうハッキリと露骨に。
 説教臭さすら感じてしまうほどストレートに,「絶望の中に希望を見いだせるか?」っていうメッセージを伝えてくるの。これをどう捉えるかで,このゲイムの評価は変わってくると思うわ。

 リング上での“グレート・アーティスト・野郎”略してGAYである私としては,メッセージ性があるゲイムは嫌いじゃない。でも,もちろん,そんな難しいことを考えなくともちゃんと楽しめるゲイムだし,何より,どこからどう見ても意欲作であるのは確かなので,是非プレイしたうえで,合うか合わないかを判断してほしいわね。
 このゲイムに関しては,食わず嫌いはもったいない。嫌いなら嫌いで一度口にしてみるべきよ。

 

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 さて,今週は一つしか紹介できなかったけど,実はプレイしているタイトルはけっこうあるのよ。でも,それにも増して,手をつけられていないゲイムが多い。いわゆる積みゲイってやつね。それが増えてきたのが最近の悩み。
 ざっと挙げるだけでも「コール オブ デューティ ブラックオプス」(PlayStation 3/Xbox 360)「TRINITY Zill O’ll Zero」「Solatorobo それからCODAへ」「パワプロクンポケット13」。私としては,とても気持ち悪いのよ積みゲイって。だって,なんかゲイムに対して申し訳ないじゃない? 感覚としては借金してる感じなのよね。私は借金しないタチだから,本当に気持ちが悪い。
 今こんな状態で,「モンスターハンターポータブル 3rd」を綺麗な身体で迎えられるのか? ま,無理か無理でないかでいったら,明らかに無理なんだけど。まあ,よくよく考えたら「金色のコルダ3」の借金も返せてないし……。いや,そもそもコルダはあんまり借金のように感じてない。……あ。いつかは返すよ? 返すけどホラ,コルダとは近い関係だからいつでもいいというかなんというか。

 ……何言ってんの,もみ消しなんかしないわよ! ソフトが見当たらないなんて,そんなわけないじゃない! まずい! また来週!

 

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
先週のこの連載は,ディーノ選手が「維新の嵐 疾風龍馬伝」をきっかけに幕末に興味を持ち始めたというお話でしたが,その熱は現在も継続中とのこと。現在,「遺跡巡りでもしようかと思ってる」そうです。やはり巡業の多いプロレスラーといえば,遺跡巡りかパチンコですよね。「そうそう,プロレスラーとしてはパチンコもやらなきゃいけないわね。ええい,二つ合わせてパチンコ巡りをしてくれるわ!」。う,うん。
  • 関連タイトル:

    ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

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