連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第48回:「ディーノとスローンとマクヘールの謎の物語2」
著者近影
「中澤マイケルというプロレスラーがいる。彼は,帰国子女で英語も堪能。アメリカでスポーツトレーナーの資格を取るほど,優秀なインストラクターでもある。しかしある日,そんな彼の胸から母乳が出るという事件が起こった。なぜそんなことが起こったのか?」
いかがでしたか? お客様。え? 意味が分からない? それは当然です。ご覧いただいたのは,とても奇妙な物語のケツ末だけ。なぜ,そんなケツ末になってしまったのか,もちろん理由があります。ケツ末から推理して,何が起きたのかを探り出す。それが「謎の物語」なのです。ここは,謎の物語の数々をお届けする劇場……お客様には,一つ一つの物語を解き明かしていただきます。
心配なさることはありません。私は「物語」に関するどんな質問にもお答えいたします。質問は何度でもどうぞ。そう,物語のすべてが姿を現すまで。示されているケツ末から,すべての出来事を明らかにしたとき,あなたは,その豊かな物語に驚かれることでしょう。
そして言うまでもなく,ここまでの文章は「スローンとマクヘールの謎の物語2」の冒頭をパクったものです。もちろん,謎の物語自体は,実際に私の身の周りに起きたオリジナルストーリーなのですが。
謎といえば,そもそも,スローンとマクヘールって誰? っていうところから謎ではあるのですが,その謎を含めてこのゲイムは多くを語りません。最小限の情報から,謎を解き明かすゲイムなのです。情報過多のこの時代に,非常にクールだと思いませんか? ゲイムの知識も経験も必要ない。当然,操作が難しいなんてこともまったくない。そういう,いわばコアゲイマー向けではない部分も込みで,今作は非常におしゃれなゲイムだと私は思うのです。ゲイム初心者にこそオススメ。
さて,今回はシリーズ2作目ですが,まだ1も2もプレイしたことのない人にゲイムの雰囲気が少しでも伝わればいいなと思い,ここでは男色ディーノオリジナルの「謎の物語」をお届けしたいと思います。もちろんこの物語自体,スローンとマクヘールの謎の物語2とは何の関係もありません。あくまで,私から見たゲイムの雰囲気をお伝えできれば,と。 ……え? さっきの物語の謎を知りたいのですか? 実を言いますと,あの物語はとても難しいのです。謎の物語の解き明かし方を身につけるまでは……ですが。
まずは,簡単な物語から始めてみましょう。先ほどの「母乳を出す男」も後ほど出てまいります。さあ,案内係が参りました。では,またお会いいたしましょう。
この連鎖は毎週木曜日に更新されます。つまり,毎週ここに来れば私と会えるわけですが,約束していても会えないことが世の中にはあるのです。
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第一幕「失踪癖」
「とある年末に,半年間失踪していた大家 健というプロレスラーが,何の予告もなく忘年会にやってきた。涙ながらに復帰を直訴した大家 健の鬼気迫る訴えに一同は感動。『今までのことは水に流すから,明日の試合に来い!』という話がまとまったのだが,次の日に大家 健は姿を現さなかった。いったいなぜ?」
大家 健 →→→ 足
Q:大家 健の足は腐っていた?
「関係ない」
怪我してから若干腐ってはいますが,事件には関係ありません
プロレスラー →→→ 失踪
Q:プロレスラーはよく失踪する?
「いいえ」
たまにそういう人もいますが,基本的にはしません
忘年会 →→→ 酒 →→→ 勢い
Q:忘年会の酒の勢いで復帰を決めた?
良い質問です!
「はい」
大家 健は場の勢いに流されやすいようです
失踪 →→→ 大家 健 →→→ 十八番
Q:大家 健は失踪癖を持っていた?
すばらしい質問です!!
「はい」
いつもどうやったら現状から逃げ出せるかを考えています
回答:
なんとなく忘年会に来た→酒を飲んだ→復帰してみたくなった→家に帰って冷静になった→再失踪
あなたの導き出した真実は…
正しいようです。
回答の解説:
偶然出会った後輩レスラーに誘われて,なんとなく忘年会に参加した大家 健は,酒の力も手伝ってその場で復帰をブチ上げた。しかし,家に帰って冷静になった大家 健は,周りが温かく迎えてくれるか急に不安になり,「やっぱり今日は行けません」と後輩にメールを送り,再び数か月失踪したのであった。
今では獣神サンダーライガーとシングルマッチが組まれるほどに周囲から面白がられている大家 健ですが,そういう男であるのは今も昔も変わりません。ただし,昔と違って今は昼夜問わず大家 健を働かせ,貢がせるような悪い彼女はいないようですが……。
プロレスラーは超人である,とはよく言われていることですが,文字通り人知を超えた肉体を誇るプロレスラーがいます。彼の身体は,もはや常人が手に入れられるレベルのそれをはるかに超えているのです。
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第二幕「母乳を出す男」
「中澤マイケルというプロレスラーがいる。彼は,帰国子女で英語も堪能。アメリカでスポーツトレーナーの資格を取るほど,優秀なインストラクターでもある。しかしある日,そんな彼の胸から母乳が出るという事件が起こった。なぜそんなことが起こったのか?」
中澤マイケル →→→ 性別 →→→ 女
Q:中澤マイケルは女だった?
「いいえ」
れっきとした男で,ついでに言うなら女性と結婚もしています
プロレスラー →→→ 母乳
Q:プロレスラーはよく母乳が出る?
「いいえ」
ひょっとしたら出る人だっているかもしれませんが,聞いたことがありません
中澤マイケル →→→ 変態
Q:中澤マイケルは変態野郎?
「関係ない」
火がついたロウソクをみるだけで興奮するなど,確かに変態ですが,母乳と性癖の関連性はありません
スポーツトレーナー →→→ トレーニング
Q:スポーツトレーナーはトレーニングで身体を鍛えている?
すばらしい質問です!!
「はい」
中澤マイケルは自分の身体の筋肉を維持するためには手段を選びません
※シークレットワード「筋肉の維持」が開錠されました。次から「筋肉の維持」が選択できるようになります。
筋肉の維持 →→→ 薬物
Q:筋肉の維持のために薬物を使用していた?
すばらしい質問です!!
「はい」
常に何かしらの薬物を摂取しています。しかし,一応は違法のものではないようです。少なくとも日本国内では
回答:
肉体に対するこだわり→海外から薬を仕入れる→二時間おきに摂取→女性ホルモン増加
あなたの導き出した真実は……
正しいようです。
回答の解説:
プロレスラーである前にジムのインストラクターでもある中澤マイケルは,自分の筋肉に異常なこだわりを持っていた。米国での留学経験を生かし,日本では市販されていないサプリメントを仕入れては摂取を繰り返しているうちに,自らの体が「男性なのに女性ホルモンが男性ホルモンより多い」状態へと変化していったのだ。女性ホルモンが多くなってしまったがゆえ,男性に出るはずのない母乳が出るという奇跡を生み出したのである。
彼の所属するDDTプロレスで変態キャラとしての地位を確立している中澤マイケルですが,最近,男性力が落ち気味という悩みを抱えているようです。変態なのに。これも女性ホルモンの増加が影響しているのでしょうか……。
昔と違って,最近のプロレス会場には男性だけでなく,女性の姿を見ることも少なくありません。それでも,やはり「血の気の多い人」が見にくることはいまだにあります。とくに地方では??
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第三幕「普段着の男」
「あるゲイレスラーが,地方巡業に行った。そのゲイレスラーは,入場時にお客さんにキスをすることで有名だったが,その地方では『黒服を着た強面の男達には触れるな』というお達しがあったため,黒服にはちょっとしかキスしなかった。その分,別の普段着の男に濃厚にキスしたのだが,自分がキスされたときには怒らなかった黒服が急に激怒し始めた。いったいなぜ?」
ゲイレスラー →→→ 連載
Q:ゲイレスラーはゲームサイトに連載を持っている?
「関係ない」
持っているかもしれませんが,関係ありません
地方巡業 →→→ 楽しみ
Q:地方巡業を楽しみにしていた?
「関係ない」
たいがいは日帰りで,そのゲイレスラーはバスに弱い上にそんな事件が起こったのでつらい思い出になったようです
黒服 →→→ 座席 →→→ 大勢
Q:黒服は大勢で座っていた?
良い質問です!
「はい」
ある一帯は黒服だらけでした
ゲイレスラー →→→ いいこと →→→ なにもない
Q:ゲイレスラーをやってて今までいいことは何もなかった?
「関係ない」
ほっといてください
回答:
……回答はまた来週!
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スローンとマクヘールの謎の物語2
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