連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第35回:「ゲイムにデビュー」
著者近影
久々にPSPを起動したわ。
モンハンのデータを誤って消去してから2か月弱,なんとなく触れる機会がなくなったっていうか,触れたくないぐらいの気分だったのね。このまま脱PSPしてしまうのか? なんて思ったりもしていたんだけど,面白そうなゲイムがあったから立ち上げてみたわよ,埃をかぶっていたPSPを。
その面白そうなゲイムってのは,「銃声とダイヤモンド」。
まあ要するに読み物系ゲイムなんだけれども,もし読み物系が好きなら悪いことは言わん,ヤっときなさい。私の中で「アナタヲユルサナイ」をきっかけに生まれた,“読み物系ゲイムはPSP”という定説を裏切ることのない,非常に面白いゲイムに仕上がってるわ。
これ,交渉人の話なのね。内容を詳しく書こうとするとネタバレになりかねないから割愛するけど,タイトルの付け方と本編のバランスみたいなものが,なんとなく小説的。ゲイムとしては中身を想像しづらいネーミングだと思うし,ジャケ買いにつながらなそうなのは非常に惜しい。でも志の高さは感じるわね。そんな感じ。
最後までプレイすればタイトルの意味も,私が言ってることの意味も分かると思うんだけど,プレイしてないことには何のことやら……って感じかもしれないわね。申し訳ありません。
ただまあ,要するに小説的なゲイムなんだけど,ゲイムにしかできない読ませ方っていうのかな,これはこれでもはや新しい文学の形なんだなと思わされたということだけは,断言しておきたい。
私,ケータイ小説って読んだことないんだけど,あれはあれで文学の形なわけじゃない? そしてこれも,画面に対するフォントの大きさとか,文字が流れてくるテンポだとか,誰がどのタイミングで喋っただとか,ゲイムにしか表現できない方法が効果的に使われている。たぶん,作った人のセンスが凄くいいんだと思うわ。
あと,特筆すべきはボタンを押したときの効果音。これが心地いいから,読み進めるのに必要な「ボタンを押すだけ」といういわば単純な作業が苦にならない。細かいことだけれども,すごくプレイヤーを意識してるなぁと感心させられたの。
このジャンルが苦手な人に無理矢理おすすめしようとは思わないけど,とくに苦手じゃなければ是非ヤってみるといいわ。面白いから。
さて,提灯が終わったついでに,今度は気になるPSPのタイトルを。
……イヤ,銃声とダイヤモンドのほかにもニンテンドーDSの「無限航路」とかXbox 360の「Mass Effect」とかプレイしたんだけど,どうせならこの機会に「PSP縛り」に挑戦したいじゃない? 自分への挑戦よこうなったら。初志貫徹。提灯上等。モンハン無くてもこんなに元気なんだぞPSP! ってところを書いて,初めて提灯成立なわけです。「勇者30」はプレイしてないけども!
で,気になっているタイトルってのは,まだ発売されてない「ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団『ボクと秘密の地図』」。これまで「ぼくのなつやすみ」シリーズはノーマークで,プレイしようと思ったこともなかったのに,今作に限ってはどうしても気になって仕方がないのよ。
それはなぜかというとですね,ナニを隠そう,私が瀬戸内海の島で生まれ育ったから。しかもこのゲイムで描かれている1980年代って,まんま私の小学生時代に当てはまるのね。
造船業が盛んな島,そして橋で島と島がつながっていて,でも泳いで島と島を渡ることができなくもない感じで,カブトムシやらクワガタが採れて,ゲイム中では「モンケシ」ってなってるみたいだけどキンケシやビックリマンシール集めてて……は!! ま,まさか! 今,凄いことに気がついてもうた! コレ主人公私だな。私をモデルにしとるな。わし,ゲイムデビューか!
ということは,このゲイムの主人公は,みかん畑からエロ本を持ったおっさんが「ふー」と言いながら一仕事終えたかのような風情で出てくるのを目撃したり,山のほら穴っぽいところに4畳くらいの秘密基地を作ったら次の日には犬の糞がこんもり盛られててげんなりしたり,なんとか糞を除去した翌日には糞どころか犬が住み着いていたり,その犬は足を怪我してたから見よう見まねで治療してやったり,でもたぶん治療の方法が間違っていて噛まれかけたり,その犬がそろそろなついてきたかなーって思ったら足の上に糞されたり,その次の日から犬も糞も見なくなったり,それから一週間後ぐらいに秘密基地の近くでその犬の亡きがらを発見してしまって泣きたいのになぜか泣けなかったり,秘密基地に犬を埋めてその日から秘密基地ではなく秘密墓地になっちゃったなーって思ったり,その帰り道になぜだか分かんないけど涙があふれてきたり……そういう経験をできるのかなぁ,このゲイム。
まあ,なんだ。というわけで私が主人公といっても差し支えないぼくのなつやすみ4に,注目していこうと思う次第であります!
いかがでしたでしょうか今回の提灯は。
久しぶりにプレイしてみたけれども,PSPってとってもいいもんですね。それでは皆さん,さいなら,さいなら,さいなら。
|
- 関連タイトル:
銃声とダイヤモンド
- 関連タイトル:
ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」
- この記事のURL:
キーワード
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
(C)Sony Computer Entertainment Inc.