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男色ディーノのゲイムヒヒョー:其の五拾六「ツッコんだら負け」
ある年齢以上のサッカー経験者の多くは,幼少のみぎりに「キャプテン翼」を嗜んでいると言われていますが,男色ディーノ選手もその一人。プロレスラーになる前は,ゴールキーパーとして常にさまざまなものをキャッチしていたそうです。そんなディーノ選手が,気になって気になってたまらなかったのが,先日発売されたばかりの「イナズマイレブン」。発売後,早速遊んでみたところ……?
よりによって性教育の授業のときにズボンのチャックが全開だった小学生時代の先生。目の下にクマを作って「いやー昨日勉強しなかったんだ今日のテストやベーな」って触れ回る中学生時代の同級生。穴に落ちた友達を助けるために,別の友達が頑張って手を伸ばしていたらそいつも穴に落ちて,2人でもがいていたら先生がさっそうと助けに現れ,救いの手を伸ばしたらその先生も穴に落ちた……そんなエピソードを持つ高校生時代の教師。関西弁を駆使する外国人が身近にいた大阪での大学生時代。
なぜかここで小学生時代に戻るけど「嘘を吐いてはいけません」っていう祝辞を述べた偉い人がどうひいき目に見てもヅラだった式典etc……ツッコむにツッコめない状況というか,逆にツッコまないと失礼な状況というか,だけどそこでおとなしくツッコんだら負けっぽい状況というか,要するにそういったものが好きなのね私。だからゲイムが好きなのかも。現実にはないもの,ありえないものを楽しんでいるっていうかなんというか。
そして世界観の組み立て方に関していえば「キャプテン翼」っぽいちゃあぽいけど,私的には「少林サッカー」のほうが近いと思うわ。だって少林サッカーは嘘だと思って作ってるだろうけど,キャプ翼はいちいち本気だもん。そういう「分かってやっている」的な意味では,少林サッカーが持つ“バカ負けの世界観”に近いものを感じたわね。
一方で,ゲイム性に関しては限りなくキャプ翼っぽいわ。ニンテンドーDSでキャプ翼作ったらこんな感じになるかもしれないわね。一言で言えば「RPGなんだけど,戦闘はエフェクト効きまくりの技をぶち込み合うサッカーゲイム」ね(一言じゃないじゃん! ってツッコんだら負けな)。
そして,もう少しマニアックに表現するならば,このイナズマイレブンは,セガサターンで出た史上初のサッカーRPG「日本代表の監督になろう!」の完成版なのかもしれないわ。で,サッカー部分がタッチペンを駆使するキャプ翼と。たまに取られるファールの判定までキャプ翼っぽいし。なんで「ゴールずらし」が反則取られないのに普通のドリブル突破で審判は笛を……おっとあぶねえツッコむとこだったわ。
そして,何よりツッコみたいのがオープニングソング。歌詞までツッコみを待っておる。個人的にはかなりのツボだわ。なんだよ「リーヨ」って。超いいじゃん! キャプ翼でいうところの「チャンバも走る」みたいなもんかしら。そういうツッコミどころもキャプ翼っぽいかもね。かーもねハハイ!
あとリーヨに関して「がんばリーヨ!」「イナズマでんせつ! つくリーヨ」はまあいいとして,「じぶん しんじリーヨ」。……これはいくらなんでもやりすぎじゃね? さすがに何もかかってないしダジャレにもなってな……おっとあぶねえツッコ……イヤもういいや負けです私の。久しぶりにいいオープニングを見た気がするわ。
という感じで,エンターテインメントとして私はかなり楽しんだわよ,このイナズマイレブン。ストーリーも非常に少年ジャンプ的で,プレイヤーまでバカになれるいい作品よ。ただし,シャレが通じない人がプレイしたら怒るかもしれない。完全にリアルサッカー&リアル世界は捨ててるし,ストーリーも「ジャンプ的」と表現したけれども,言い換えれば「ご都合主義」でもあるわけだし。
だけどね,「何が起きてもツッコまない」と割り切ってプレイすれば,これほど楽しいゲイムもないわよ。興味がある人はプレイしたほうがリーヨ(←これが言いたかっただけとかそうでもないとか。あ,そうそう「リーヨ」って「○○しようよ!」っていう意味の博多弁なんですってね)
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イナズマイレブン
対応機種:ニンテンドーDSメーカー:レベルファイブ
発売日:2008年8月22日
価格:4800円(税込)
CEROレーティング:A
公式サイト:http://www.inazuma.jp/
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イナズマイレブン
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