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[TGS 2011]発売まで秒読み段階に入った「Rage」は,id Softwareの6年越しの新作FPS。開発スタッフに本作の魅力を改めて聞いた
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印刷2011/09/19 01:05

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[TGS 2011]発売まで秒読み段階に入った「Rage」は,id Softwareの6年越しの新作FPS。開発スタッフに本作の魅力を改めて聞いた

画像集#006のサムネイル/[TGS 2011]発売まで秒読み段階に入った「Rage」は,id Softwareの6年越しの新作FPS。開発スタッフに本作の魅力を改めて聞いた

 ゼニマックス・アジアからリリースされる予定のFPS「Rage」PC/PlayStation 3/Xbox 360)は,傘下のデベロッパであるテキサスのid Softwareが長い時間をかけて制作したFPSだ。メディアへの発表は2007年のことだが,開発はそれ以前からスタートしており,約6年の歳月を要したという。
 ゼニマックス・アジアのタイトルと聞くと,どうしても「The Elder Scrolls V: Skyrim」PC/PlayStation 3/Xbox 360)を思い浮かべがちだが,「DOOM」や「Quake」を制作し,FPSというジャンルそのものを築き上げたid Softwareの完全新規IPであり,銃で撃ち合うだけでなく,RPG的な要素や自由度の高さなど,新しいことに挑戦した意欲作でもある。また,使用されている独自開発のゲームエンジン「id Teck 5」は,メガテクスチャという新技術を使い,近景から遠景まで見事に描ききることができる。

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Matt Hooper氏
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Jason Kim氏

「Rage」公式サイト


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 今回の東京ゲームショウ2011に合わせて,そんなRageを開発したid Softwareから二人のスタッフが来日した。一人は,2011年4月19日に掲載したBFG 2011レポートでも話を聞いた,RageのDirectorであるMatt Hooper氏と,本作のSenior Producerを務めるJason Kim氏だ。今回はPlayStation 3用のRageをプレイしながら,彼らにゲームの説明をしてもらった。

 何度か書いてきたように,Rageの舞台となるのは,巨大隕石の落下で荒廃してしまった近未来の地球だ。災厄の接近を知った人類は,エリートを地下の施設で人工冬眠させ,隕石落下後の世界を復興させる「エデン計画」を発動するが,そこに選ばれた主人公が目覚めてみると,世界は災厄前の予想とはだいぶ違うものになっていた,というのがざっくりとしたストーリーだ。

 さて,デモンストレーションに使われたのは,完全日本語版。音声は日本語に吹き替えられ,テキストも日本語にローカライズされた製品と同等のバージョンだ。ここで,Hooper氏とKim氏が声を揃えて言うのが,「日本語版の音声が素晴らしい」ということ。声に感情が込められているので,日本語を理解しない彼らが聞いても,雰囲気がよく伝わるという。ちなみに,英語版ではハリウッドスターのジョン・グッドマンさんがキーパーソンの一人の声をあてているのだが,ぶっちゃけ,それよりもいいとKim氏は言う。

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 見せてもらえたのは,East Wastelandを舞台にしたミッションで,ゲームの中盤以降に登場する地域だという。ここでは,さまざまな武器の紹介がメインとなる。いろいろな要素が盛り込まれた本作だと上に書いたが,やはりDOOM以来の,一人称視点での銃撃戦がid Software作品の根幹部分にあるのは間違いない。今回は,武器の多彩さが群を抜いており,ショットガンからロケット砲,そしてid SoftwareタイトルファンにはおなじみのBFG9000まで,多彩に揃っており,しかも弾薬のアップグレードも可能。さらには,パーツを集めてセントリーガンやクモ型ボットなどを組み立てられるので,一度のプレイでは使い切れないほどの武器類が登場する。

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 デモプレイでは,クロスボウから射るMC弾がユニークだった。“MC”はマインドコントロールの略で,敵に命中するとしばらく相手をコントロールできるというもの。これを使ったトリックなどもありそうだが,こうした未来的なものから,普通の銃まで,数々のアップグレードパスが用意されており,同じ武器でもさまざまな使い方ができる。まあ,プレイを見ていて,いちばん嬉しいのは,やはりそういった名称がいちいち日本語化されていることで,さまざまなチョイスが素早くできる。

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 続いては,これもまた本作の特徴の一つであるバギーレース。デモでは,Subway Townという,かつて地下鉄駅だったような場所でNPCに話しかけることによって参加できるものだ。ちなみに,Subway Townに限らず,Rageに登場する街のいたるところで,ミニゲームが用意されていて,小銭を稼ぐことができるのだ。Kim氏がちょっとだけ見せてくれたのは,広げた手の指の間をナイフで素早く突いていくというミニゲームで,失敗するとキャラクターが「痛っ!」と叫ぶ。まあ,当然ですね。これ以外にも,トランプなど,4〜5種類が用意されていて,これで金を稼いで弾丸を買ったりすることができるのだ。

 話がそれたが,バギーの操作そのものは,レースゲームとしてはカジュアル寄りに設定されているので,レースゲームビギナーでも楽しめるレベルだ。搭載武器を強化したり,好きなペイントを楽しんだりと,カスタマイズ要素も充実している。
 ご存じだと思うが,Rageのマルチプレイはこのバギーレースを使った対戦レースと,Co-opがあるものの,id Software伝統のデスマッチやチームデスマッチなどは用意されていない。これについて,従来のファンが不満を持つ可能性もあるだろう。

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 Hooper氏によれば,Rageはシングルプレイをメインにした作品であり,id Softwareの新しい挑戦となる。これまでのようなリニアなシューターではないことを目標としたので,それについては,プレイヤーのフィードバックを待ちたいとのこと。もし,希望が多ければダウンロードコンテンツとしてマルチプレイ対戦を用意する可能性もあるが,現在のところは,プレイヤーやメディアの評価を楽しみにしている段階だ。

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 デモの最後は,ストーリーの鍵を握る謎の組織,オーソリティの本拠地に乗り込んでの戦いだ。上記の最初のミッションの目的もそうだったのだが,Kim氏の話によれば,過去に起きた出来事を記録したデータを戦いの末に回収し,解読機にかけて世界がこうなった秘密を追いかけるというのが物語の根幹にあり,その結果,レジスタンスになったプレイヤーは最終的にオーソリティと戦うことになるようだ。知らなかった。

 オーソリティの本拠地は,キャピタルプライムという場所にあるようで,何かをするために,プレイヤーは次々に現れてくる敵と戦い続けるのだ。もちろん,この段階ではほとんどの武器を保有しているため,BFG 9000が唸りを上げたり,クモ型ボットが活躍したり,セントリーガンが火を噴いたりするわけだ。プレイヤーはオーソリティの本拠を奧へ奧へと進んでいく。この荒廃した世界で最も強力な軍隊だけあって,オーソリティも簡単には倒せない。バリア防御したり強力な兵器で応戦してくるので,戦闘はかなり白熱する。もっとも,最後に何がどうなるのか,例えば,ボスキャラっぽい相手が出てくるのかなどは,まあ,当然ながら見せてもらえなかった。これは,ゲームをプレイしてのお楽しみだ。

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 試遊が終わったところで,簡単な質疑応答が行われた。やはり気になるのは,Rageに対して北米のファンがどのような反応を示しているかで,2011年8月上旬に行われたファンイベント,「QuakeCon 2011」の様子を聞いてみた。Hooper氏によると,いくつかの試遊台が置かれたが,いずれも長い列ができ,来場者のレスポンスも悪くなかったとのこと。

「QuakeCon 2011」の模様
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 現在の心境を聞くと,Hooper氏もKim氏も「ほっとしている」という。ストーリー中心のゲーム性や,キャラクター造形など,id Softwareとしては初となるたくさんの挑戦があり,正しい道を見つけ出すのに苦労したというわけだ。ただ,出来上がりには自信があるようで,日本のプレイヤーにもぜひ見てほしいと強く訴えた。
 Hooper氏自身は,例えば「FINAL FANTASY」シリーズなど,日本のゲームに強く影響を受けたと語る。Rageについて,とくに日本のゲームを意識したということはないが,やはり日本のプレイヤーの反応はかなり気になるとのこと。id Softwareのこれまでのタイトルのようなシンプルなものではなく,武器にせよ,バギーにせよ,戦い方にせよ,たくさんの選択肢を用意し,さらに数多くのNPCが物語を彩るゲームになっているから,ぜひ遊んでほしいとHooper氏とKim氏は語った。

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 Rageは欧米で2011年10月4日,日本ではPlayStation 3/Xbox 360版が10月6日に,またPC版が10月27日にリリースされる予定だ。現在のところゴールデンマスター宣言は出ていないが,それも時間の問題だろう。老舗デベロッパが長い時間と予算をかけて制作したタイトルはどのような内容なのか。それが明らかになるのもすぐ先だ。

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