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[Gamescom]id Softwareが久々に挑む完全新規タイトル「Rage」の詳細がElectronic Artsのブースで明らかに。Rageとはどんなゲームなのか?
とはいえ,どんな経緯があったのかは分からないが,Rageのパブリッシャがこれまでid Softwareタイトルの販売を一手に引き受けていたActivisionからElectronic Artsに変更されたり,そもそもid Softwareが,「Fallout 3」で知られるBethesda Softworksの親会社であるZenimax Mediaに買収されたりと,その身辺がこのところ慌ただしく,その勢いでRageの情報公開も進んだという印象だ。
本作については,id SoftwareのファンイベントであるQuakeCon 2009(8月19日〜16日)でも紹介されたようだが,実際に動いているところが一般のメディアに向けて公開されたのは,ほぼ初めてになる。
デモ版はPC上で動いており,それをXbox 360コントローラで操作するというスタイルで行われた。説明を担当してくれたのは,id SoftwareのLead Designer,Matt Hooper氏と,Creative DesignerのTim Willits氏だ。
余談ながら,6月に開催されたElectronic Entertainment Expo 2009で初公開されたSplash Damageの「BRINK」も,地球温暖化ですべての大陸が海に沈んだ世界が舞台。どうやらBethesdaファミリーは,ポストアポカリプスものが好きなようだ。
あ,そういえば,2K Gamesの「Borderlands」も似たような雰囲気の世界(地球ではないが)が舞台だ。となると,あちらではちょっとした流行なのかもしれない。
それはともかくデモは,一人の流れ者に扮したプレイヤーが「Wellspring」と呼ばれる街にやってくるところから始まった。あちこちに立っているNPCに話しかけると,たまに情報をくれるが,中の一人が「シェリフが会いたがっている」と教えてくれたので,保安官事務所に出かけることに。
保安官はプレイヤーに「ラジコン爆弾(RC-Bomb)を使ってバンディッツをやっつけてくれ」と依頼してくる。これを受ければミッションがスタート。Rageは基本的にこのようにしてゲームが進んでいく。
つまり,人と会い,ミッションを請け負い,それをクリアして金銭なり名声なりを獲得したのち,再び誰かと会ってミッションを引き受けるというサイクルの繰り返しで,ストーリーが展開していくわけだ。上述のBorderlandsと同様,こういう形で「FPSとRPGの融合」を目指しているのだろう。
その後の段取りもRPG的で,保安官からもらった設計図を持って街のガレージに行き,NPCから部品を購入してRC-Bombを作る。すると以降は,ミッション以外でもラジコン爆弾が使えるようになる。使える武器/アイテムは,こういった手順を踏んで増やしていくのである。
また,ガレージでは「Jetter」と呼ばれる小型四輪駆動車やバギーを購入したり,自分の車をパワーアップしたりすることも可能だ。
ここは,PC向け製品版のために改良が進められているところだが,ファイルの入出力はOSであるWindowsが受け持つので難しい部分もあるらしい。筆者は,Willits氏が「マイク●ソフトが悪い」と言ったのを聞き逃さなかった。
確認できた武器についても触れておこう。
バンディッツの本拠地に潜入したプレイヤーはボウガンで武装していた。ボウガンは遠距離の敵をこっそり倒すのに有効だが,見つかってしまった場合は,ショットガンやアサルトライフルに切り替えたりもしていた。
また,敵を自動的に攻撃するセントリーポッドを据え付けて,バンディッツがそちらに気を取られているスキに背後に回って攻撃することもできる。
バンディッツの中には分厚い装甲服をがっちり着込んでいるやつもおり,いくら銃弾を撃ち込んでも平気の平左で近づいてくる。こういう場合はRC-Bombを使って,人が入れないような狭い隙間を通って接近し爆発させれば,着ている装甲が吹き飛ぶので,あとは銃弾で始末できる。
また,クモのようなロボットは「DOOM 3」に出てきたセントリーロボットのような雰囲気で,勝手に敵に飛びついて攻撃したり,銃撃したりするので便利そうだ。
DOOM 3のときも「1000体ぐらいあれば,地獄の一つや二つ,簡単に制圧できそう」と思ったものだが,本作のクモロボットも強力で,こうした各種ハイテク小道具を使いこなすことで,一人でも多数の敵を相手にしていけるといったゲームバランスのようだ。
なお,Rageは基本的にソロプレイをメインとしたFPSであり,仲間に命令を下すといったタクティカルな要素はない。
また,敵と戦うだけでなく,ときにはスニークを駆使して目的を達成することも可能で,ミッションの攻略方法は一つではないとのこと。
デモを見た限り,車の挙動はかなりアーケードライクで,ひっくり返っても必ず元に戻るし,敵の銃撃にもかなり耐えられるなど,シミュレート性は低め。
そのほか,次々に襲いかかってくるミュータントを一定の数だけ撃ち倒すというミニゲームもあるが,これは人々の娯楽のためにテレビ中継されているという設定で,ミュータントが一人死ぬたびに「チャリーン!」というSEが流れたりして,荒んだ世界観によくマッチしている。
というあたりでデモは終了した。id Tech 5が作り出すグラフィックスはさすがにハイレベルで,とくに遠景のディテールが描き込まれているところが特徴だろう。ゲーム全体として,あっと驚くような要素は少ないものの,手堅くまとめられた作品だと思う。
DOOMシリーズやQuakeシリーズなど,過去の作品の続編を作り続けているという雰囲気のあるid Softwareが久々に挑んだオリジナルIPである本作。相変わらず発売日は正式発表されていないものの,かなり完成に近づいている感じを受けるデモンストレーションだった。
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