インタビュー
「ELSWORD」初の大規模オフラインイベント直後を狙った運営スタッフインタビュー。12月のアップデートについて詳しく聞いてみた
イベントの終了直後に,運営チームのスタッフにインタビューを行う機会を得たので,その内容をここに掲載したい。話を聞かせていただいたのは,NHN JapanでELSWORDのプロデューサーを務める中村大祐氏と,ディレクターを務める坪田律紀氏のお二方だ。
「ELSWORDファン感謝祭2011」
「ELSWORD」公式サイト
大きく盛り上がったオフラインイベント
4Gamer:
今日はお疲れ様でした。
イベントを終えてみて,まずは率直な感想を聞かせてください。
ELSWORDにとって初となる大型のオフラインイベントということもあり,運営スタッフにとってはいろいろと苦労がありましたね。でもそれ以上に,来場されるお客様が緊張しないよう心掛けました。例えば会場の選定や,円卓を囲む客席のレイアウト,あとは催しもそうですね。
坪田律紀氏:
それだけに,イベントが大きく盛り上がったのを目にしたときは本当に嬉しかったですね。我々の司会もつたないものでしたが,逆にお客様からパワーを頂いて,なんだか助けられた気がします。
4Gamer:
来場客とスタッフの距離感とでもいいますか,双方ともに打ち解けた感じだったのが見ていて気持ちよかったです。
中村氏:
もともと私達は,「ハンゲームチャンネル」内でUstreamの配信番組「ELSTREAM」を担当しているのですが,番組のフレンドリーなノリをそのまま持ってきたいと思っていました。お客様との距離はサービス開始時から意識しており,それを今回のイベントで形にできたような気がします。
4Gamer:
イベントの準備をするにあたり,どういったところに苦労されましたか。
坪田氏:
ELSWORDはアップデートの頻度が高いタイトルで,そういった日常業務の合間を縫って,イベントの準備する時間を捻出するのが大変でした。あと,本当は今年の3月にイベントを行う予定で,ゲストの出演交渉などすべて終えていたのですが,震災などの影響で一度仕切りなおしてるんです。それだけに,ちゃんとイベントを迎えることができてほっとしています。
中村氏:
また,現状のELSWORDでオフラインイベントをやってもいいのかという,不安な気持ちもありました。例えば先日も,アップデートを急いだ結果,規模の大きい不具合が発生し,お客様にご迷惑をお掛けしているんです。それだけに,今日こうやってお客様が楽しんでくれている姿を見て感謝すると共に,期待してくれている人に向けて,これからも頑張っていかなくてはと,気持ちを改めました。
坪田氏:
私も,アップデート情報の公開に関しては遅れている部分があったので,発表時にブーイングが起こらないかと心配してました。なので,イベントの最中にお客様から,「やっと来ますね!」「待ってるぞ!」といった声を掛けられたのは嬉しかったなぁ……。
個人的には「お絵かき」の催しが,見ていて楽しかったですね。オフラインイベントとしてはなかなか珍しい光景でした(笑)
中村氏:
先ほども申し上げたように,今回のイベントはお客様が緊張せずに楽しんでくれることを第一に考えていました。そこで「カード交換」や「クイズ検定王」と共に,「お絵かき」を企画したんです。絵がうまい人がいれば下手な人もいるわけですが,それはそれで話のネタになるんじゃないかな,と。いざ蓋を開けてみると,狙いが的中した気がします(笑)
カード交換 |
クイズ検定王 |
12月に行われるアップデートの内容を再チェック
4Gamer:
イベントでは今後のアップデートについての情報がいくつか発表されましたが,それらについても聞かせてください。まずは,12月21日のアップデートで追加される“ラシェ”の3次職について,それぞれの見どころをお願いします。
坪田氏:
まずは「アイアンパラディン」ですが,従来の「フューリーガーディアン」よりもさらに,近接攻撃に特化したクラスになります。“大砲”を使ってぶん殴るアクションがいっそう派手になり,直接攻撃のバリエーションも増えます。また,自分自身の大砲にオーラのようなバフをまとい,粉塵をまき散らしての範囲攻撃も強力です。
とてもパワフルなクラスなのですが,その一方で髪が伸びて顔立ちが丹精になるなど,見た目はより女性らしくなります。そのギャップも見どころの一つになるかもしれませんね。
4Gamer:
もう一つの3次職「デッドリーチェイサー」についてはどうでしょうか。
坪田氏:
こちらは遠距離攻撃のスペシャリストです。2次職「シューティングガーディアン」の段階で,“シルバーシューター”という拳銃を所持しているのですが,それが2丁拳銃になります。大砲のイメージは薄くなってしまうのですが,敵を空中に浮かせてからバリバリ撃ち込んだりと,スタイリッシュなアクションが楽しめますね。
中村氏:
覚醒時の装備グラフィックスにも注目していただけると嬉しいですね。アイアンパラディンは重装備でデッドリーチェイサーは軽装備,マスクなど細かいパーツも大分違ってるんですよ。
では続いて「決闘システム」に関しても教えてください。こちらは大々的に変わるみたいですね。
坪田氏:
イベント会場ではあっさりとした説明でしたが,これは半ばリニューアルともいえる内容だと思います。まず,マッチング方法が一新されます。プレイヤーキャラは対戦結果に応じて,“決闘ランク”が上下するようになり,そのランクをもとに,対戦相手がオートマッチング形式で選出されるようになります。
あとインタフェースもリニューアルされ,今後は冒険のパーティを募集するような感覚で,決闘に参加できるようになります。
中村氏:
従来も“決闘ランク”はありましたが,上昇する一方でした。これからは負けると下がる可能性があるため,気が抜けませんよ。
4Gamer:
それによって今後は,自分と近い実力のプレイヤーと戦えるようになるというわけですね。
坪田氏:
はい。また,対戦相手も大きく変わってきます。これまでの決闘システムは,プレイヤーキャラ同士が戦うPvP系のコンテンツでしたが,今後は街の中にいる普通のNPCなどが,“エピックNPC”としてたまに出現するようになります。
4Gamer:
これまでは2Dの一枚絵でしか登場しなかったようなNPCもいると思いますが,どのように決闘システムに登場するのですか?
中村氏:
ラインナップのNPCは全部で10程度となり,プレイヤーキャラのアバターアイテムを調整して,それらしい姿にするケースもあります。しかし,特別なモデリングのNPCもいます。例えば最初の村ルーベンにいる「ロウ」というキャラクターと,ハーメルに出てくる「フェネンシオ」の2名は,今まで街中で立っているだけだったNPC用のモデリングを調整し,決闘用にモーションを追加しています。
坪田氏:
一部のNPCは専用のスキルも繰り出すなど,相手にとって不足はないと思いますよ。難度は高いですが,倒すと特別な装備品が得られるので期待していてください。
4Gamer:
それとは別に,決闘システムを通じて“アリーナポイント”(AP)を獲得し,それを集めて交換できる報酬品もあるんですよね。
中村氏:
はい。ただし交換条件として,APに加え一定の決闘ランクが必要になるものもあります。これらはPvPに特化した装備群となっており,例えば決闘システム時に特別なオプションが付いたり,一部のスキルの効果が強力になったりします。この装備品は100種類以上が一気に追加され,1キャラクターあたり3セット以上はありますね。
4Gamer:
ちなみに,従来の決闘ランクや所持するポイントは,リニューアル時にどうなるのでしょうか。
中村氏:
今回のリニューアルを機に,決闘システムに関して全プレイヤーのスタートラインを横一列に設定させていただきます。ですので,今まで頑張ってこられた方にとっては申し訳ないのですが,決闘ランクはリセットという形を採らせていただきます。これまで溜めていたVPに関しましては,リニューアル後のAPに変換するイベントを検討しています
来年以降もアップデートが続々と
4Gamer:
イベントの際に,2012年1月以降のアップデートについてもいくつか発表されていました。これらについても,ざっと確認させてください。まずはハーメルダンジョンに関してお願いします。
中村氏:
ハーメルダンジョンの推奨レベルは,「マグマンタの洞窟」が59〜61,「凍りついた水の神殿」が61〜63,「水の聖堂」が63〜65となっております。実装時はレベルキャップをも上回る難度で,ハイエンドな方には存分にやりがいのあるダンジョンだと思います。
4Gamer:
「ベルダー秘密ダンジョン」についてはどうでしょうか。
中村氏:
念のため説明しますと,“秘密ダンジョン”とは,既存のダンジョンを上級者向けにアレンジしたものです。これまで3種類の秘密ダンジョンがあり,4番目として登場するのが今回のベルダーですね。
詳しくはムービーを見ていただきたいのですが,今まで登場したボスが巨大化して,背景と一体化するなど,演出がとにかく派手になっていますね。
4Gamer:
各コンテンツの実装時期に違いはありますか。
坪田氏:
現時点では2012年の1月中旬に,レベルキャップの開放とハーメルダンジョン3種の追加を行います。ベルダー秘密ダンジョンについては,1月中の予定となっております。
4Gamer:
会場ではアバターコンテストの結果が発表されましたが,あのグラフィックスがゲーム内に実装されるのは,いつ頃になりますか。
中村氏:
2011年内の実装を目標にしています。
4Gamer:
次に,エルスとレイヴンに実装される新システムについて,導入経緯を教えてください。
中村氏:
以前ラシェのキャラクターを実装した際,「スーパーアーマー」「覚醒」など特殊なシステムを盛り込んでいたのですが,それらの反響が良かったです。ですので,ほかのキャラクターに関しても随時盛り込んでいければ,というのが狙いですね。
4Gamer:
エルスの「剣の道(仮)」は,具体的にどういったシステムなのでしょうか。
坪田氏:
各攻撃に応じて,赤または青のゲージが溜まっていきます。そしてゲージが最大まで溜まると,強力な攻撃が行えるようになる,というものです。
ただし赤と青のゲージは,一度に片方しか伸ばすことができません。そのためゲージを最大まで溜めようとすると,ある程度プレイスタイルに制限が課せられてしまいます。
4Gamer:
レイヴンの「怒り(仮)」についてはどうでしょうか。
レイヴンは体の半分が機械で,その中心には“ナソードコア”があるというキャラクター設定です。レイヴンが覚醒すると,このナソードコアが外に出て,戦闘に参加してくれるというシステムですね。
ナソードコアは例えば,攻撃を自動でガードしてくれたり,追加ダメージを与えたり,電磁波で近距離の敵に持続ダメージを与えたり,といったサポートをしてくれます。
4Gamer:
これらのシステムの実装時期は,いつ頃を予定されていますか。
中村氏:
「剣の道(仮)」は2012年の2月,「怒り(仮)」は,その後という予定で現在調整しています。
4Gamer:
最後にちょっとだけ発表があった,「赤い髪のナイト」についてはどうでしょう。
中村氏:
そ,それだけはコメントを控えさせてください……。
発表できる時期になりましたら,正式にお知らせいたします。今回お見せしたのは,ファン感謝祭に来ていただいた方へのちょっとしたヒントといったものですので……。
4Gamer:
分かりました(笑)
今日はお疲れ様でした。
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