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[GC 2007#053]スパイ,スパイ,またスパイ。SOEのオンラインスパイアクション「The Agency」は開発順調
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印刷2007/08/25 16:29

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[GC 2007#053]スパイ,スパイ,またスパイ。SOEのオンラインスパイアクション「The Agency」は開発順調

■誰もがなりたいジェームズ・ボンドになれる
■オンラインゲーム


 ジャッケルとヘッケルが大活躍する「スパイvsスパイ」以来,スパイはゲームの主要なテーマの一つとなってきた。GC会場のビジネスセンターにあるSony Online Entertainment(SOE)のブース内で紹介された「The Agency」は,そんなスパイを全面的にフィーチャーしたオンラインゲームである。
 ワシントン州ベルビューのSOEのスタジオで開発中のThe Agencyは,プレイヤーがスパイとなって数々のミッションをクリアしていくオンラインアクションだ。ちなみに,SOEワシントンスタジオはオンラインゲームの開発を行うために最近新設されたスタジオ。そこでデベロップメントチームを率いるMatt Willson氏の言葉によれば,The Agencyの開発目的は「普通ではないオンラインゲームを作ること」にあるという。要するに,ファンタジーをテーマにしないということなのだろうが,剣と魔法の世界だってよく考えればなかなか普通ではないわけで,開発目標としてはかなり難しいものといえるかもしれない。
 というわけで,さっそく気になるゲームの内容だが,5月12日6月13日の記事でもお伝えしたように,The Agencyには「UNITE」と「ParaGON」と呼ばれる二つの秘密組織が存在する。UNITEは,ドライマティーニ(シェイクで。ステアはしないでくれ)を飲み,高級車を乗り回すジェームズ・ボンド的なスパイ組織であり,対するParaGONは,ジャック・ダニエルを好み,SUV(Sport Utility Vehicle )に乗る傭兵組織だ。プレイヤーはこのうちいずれかの組織を選び,スパイとしてのキャリアをスタートさせる。



The Agencyの開発を進めるMatt Willson氏。「普通じゃないオンラインゲームを作りたい」と語る
 今回のプレス向け解説では,ごく最初のミッションが紹介された。舞台はチェコの首都プラハだ。よからぬ地域にあるよからぬクラブ,「ザ・サキュバス」に置かれたトランクを回収するという簡単きわまりないミッションだ。
 颯爽と登場したのは,UNITEに属する男女二人のスパイ。高級スーツを着こなした男は,ファンション雑誌のモデルのように小粋で,イブニングドレスに身を包んだ女性もご同様。基本的に衣装はミッションのステージごとに自動的に切り替わるが,ゲームが進んでいくと自分でカスタマイズできるようにもなるとのこと。
 ロマンチックな夕暮れ,二人がモルダウ河畔にたたずんでいると,突然大型輸送ヘリコプターが現れて巨大な箱を落としていく。箱が開くと,中から現れたのは白いストライプの入った赤い高級スポーツカーだ。彼らをサポートする役目のNPC(Operativeと呼ばれる)がミッションのために用意してくれたわけだが,このハリウッド製スパイ映画のような,派手というか「ありえねー」という演出がこのゲームの特徴。後述するように,銃器を使った激しい撃ち合いも出てくるのだが,決してシリアスなものではなく,どこかしら大人っぽいユーモアの漂う作りになっているのだ。
 ボンドとボンドカーが切り離せないように,車などの乗り物はThe Agencyの重要な要素。シンプルな移動手段として,また数々の仕掛けでピンチをしのぐガジェットとして重宝するのである。こちらも最初はお仕着せだが,ゲームが進んでステータスが上がっていくにつれ,さまざまな車やボートなどを手に入れ,それらをカスタマイズできるようにもなるのである。

 ゲームの目的は,もちろん組織内での地位向上なわけだが,ミッションをクリアして名声を得るにしたがって数多くのNPCを集められ,自分のエージェンシーを持てるようになるという。NPCメンバーは武器や車といった任務に必要なものを調達したりと,プレイヤーの力を増大させてくれる。さらに,ほかのプレイヤーのエージェンシーと自分のものを合併させて,新しいエージェンシーを作るなどが可能になる。それにつれてプレイヤーをサポートしてくれるOperativeの能力も高まるが,彼らの任務はそれだけではない。なんと,プレイヤーがオフラインのときには,「さっさとミッションをクリアしろ」と連絡を入れてくるのである。
 連絡方法は携帯やファックス,メールなどが考えられているようだが,ゲームをサボっていると部下から怒られるというコンセプトはかなり面白い。そう,プレイヤーがそこにいなくても,ゲームの世界は動き続けているのだ。



■アクション映画もかくや,の迫力戦闘シーン

 やがて二人のスパイは目的地で,あるよからぬ地域のよからぬクラブに近づいていく。スポーツカーから降りた二人の姿は,先ほどとは打って変わって完全武装の戦闘スタイル。これもまた自動的に着替えるわけだが,要するにこれからちょっぴり荒事が始まるという合図だ。トランク一個を回収するミッションなのに,なんで? などと考えてはいけない。
 流れ弾に当たった通行人が倒れ,突然現れた数多くの敵相手に派手な大立ち回りが始まる。戦闘はなかなか本格的で,基本は一人称視点,つまりFPSだ。サブマシンガンで敵を倒し,狙撃手には狙撃銃で対抗する。
 戦いながらトランクに接近する二人。前方に現れた白いサインに飛び込むとシネマチックシーンに切り替わり,アクション映画よろしくポーズを決めた二人の満足げな姿が。
 このあたりは,話で聞くより目で見る方がはるかに分かりやすいので,掲載したムービーをダウンロードして観ていただきたい。これは実際の紹介に使われた画面を直撮りしたもので,掲載したムービーにはヘリによる車のデリバリシーンから,街中での戦闘場面まで収録されている。
 いずれにしろ,簡単(ではないかもしれないが)にヒーロー/ヒロインのような気分が味わえる,派手な戦闘もまた本作の大きな特徴の一つといえるだろう。
 ミッションの舞台となるのはアメリカやヨーロッパだけでなく,日本の東京を含む,アジア各国の都市が予定されている。スパイ映画にエキゾチックなロケーションは付きものなのである。よく知らないけど,たぶん。
 ゲームは基本的にロビーで仲間を集めてミッションに突入するというシステムだが,そのロビーはチャットだけなどの簡単なものではなく,カジノありシューティングレンジあり競技場ありのものになる予定だ。カジノで見ず知らずの相手とポーカーをプレイし,相手が気に入ったら「どう,オレと一緒に一つミッションをやらないか?」となるわけで,いかにもスパイっぽいような気がする。なんだったら,ミッションなんかやらないで,ずっとロビーで遊んでいてもいいんじゃないかと思うほどだ。


 現在のところゲームはまだαバージョン以前の段階で,今後さまざまなブラッシュアップが繰り返される予定だ。クローズド/オープンβテストの時期は現在のところ決まっておらず,もちろん日本でのサービスについても,なんともいえないところ。Willson氏が狙う,普通ではないオンラインゲームが実現するのかどうか,機会があればまた最新情報をお伝えする予定なので,ぜひ楽しみにしてほしい。(松本隆一)

→ムービーのダウンロードは「こちら」(4分2秒:WMV)
ダウンロード詳細:77.0MB(80,799,565バイト)





  • 関連タイトル:

    The Agency

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