プレイレポート
EQIIの拡張パック第4弾,「EverQuest II Rise of Kunark」のプレイレポートを掲載
RoKはEverQuest II(以下,EQ2)の4本目の拡張パックで,これを導入することにより,ゲームには新たな冒険の舞台として「クナーク大陸」が追加される。クナーク大陸は,「EverQuest」(以下,EQ1)の第1弾拡張パック「The Ruins of Kunark」の冒険の舞台となっていた場所。オールドファンにはなつかしい冒険エリアが,EQ2の世界で再発見されることになるわけだ。
今回,製品のリリースに先駆けて,プレス向けに本拡張パックで追加される新ゾーンの体験ツアーが行われた。ツアー参加者がβサーバーにログインし,電話会議システムを使って担当者の説明を聞きつつ,新ゾーンを体験して回るという趣向である。ここではそのレポートをお届けしよう。
新種族「サーナク」と
新スターティングゾーン「ティモラス・ディープ」
最初に体験したゾーンは「ティモラス・ディープ」だ。ここはクナークの玄関口ともいえる島のゾーンで,本拡張によって追加される新プレイアブル種族「サーナク」のスターティングゾーンでもある。サーナクはオリジナルEverQuestにもNPCとして登場していた種族で,同じくこのクナークをルーツとするプレイアブル種族「イクサー」と,遙か昔から対立や戦争を繰り返している種族という設定だ。
ある程度キャラクターが育つと,本拡張の主要都市とも言える「ゴロウィン」まで足を伸ばせるようになる。このゴロウィンからは,フリーポートやケイノス,ブッチャーブロックマウンテンといった既存ゾーンへと移動可能だ。
拡張で追加されるクナークのメインランドは,すべてレベル65以上の冒険者を対象としたゾーンなので,サーナクの新キャラクターはゴロウィン到達後,既存ゾーンへと修行の旅に出て,強くなったらクナーク本大陸へ戻ることになりそうだ。
ティモラス・ディープはかなり高低差のあるゾーンとしてデザインされている。以前の拡張で導入された“クライミング”が可能なポイントが数多く用意されており,これを利用して隠された場所を探すのも,このエリアを冒険する楽しみの一つとなっている。
この島の基本的な景観は,どちらを向いても海か,生い茂る樹木が目に入る温帯風のもの。あたりを見回すと,EQ1プレイヤーにはなつかしい倒れたイクサー像が目に入る。建っている塔や小屋は現在この地域の主となっているサーナクの手によるものだ。
朱色の目立つ配色や,屋根/柱の形はなんとなくアジア風である。ひょっとしたらこのゾーンはアドベンチャーパック「フォーレン・ダイナスティ」を作ったSOE台湾スタジオによってデザインされたのかとも思ったが,そうではないらしく,アメリカ側のデザイナーの手によるものだという。
サーナクに関しては,これまでEQユニバースにおいてそのアートやカルチャーが具体的に語られなかった。そして,それを新たに考える際に発想のカギとしたのが,アジアンカルチャーだった,ということだそうだ。
新技術によって広大かつ変化に富んだ
フィールドゾーンが構築可能に
クナークを歩いてまわると実感するのだが,本拡張によって追加される冒険エリアはゾーン一つ一つが非常に広い。たとえば最も広いフィールドゾーン「フェンズ・オブ・ナスサー」は,旧エリアで最大級のゾーンであるコモンランドの,約3.5倍の広さがあるという。そしてクナークのフィールドゾーンは,旧ゾーンと違って同一ゾーン内にいくつも違う景観の土地を含んでいるという特徴がある。
それらの地域を違和感なく接続するために使われているのが環境ブレンドの技術だ。異なる特徴を持つ地域にさしかかると,空の色や大気の状態が自然に,かつ大きく変化して,同一のゾーンでありながらもまるで違う場所に移動したかのような印象を受ける。
今回RoKでは,クナークを再現する際にこの技術を使うことで,以前は別々だったゾーンを一つの広大なゾーンに仕上げることにも成功している。たとえば「フェンズ・オブ・ナスサー」には,かつてのイル・オーメンと思われる湖,ナーガ鉱山,今は遺跡となっているカビリス,フィールド・オブ・ボーン,カーンの塔などが含まれている。
また「ケイロン・プレーン」というゾーンには,ドレッドランズ,カーノアの城,チャードックなど旧知のエリアに加えて,広大な雪の降る高地,木々の茂る海岸なども含まれている。
「ジャーサス・ウェイスト」には,再現されたハウリング・ストーン,スカイファイヤー山脈などのほか,新しい森林や荒れ地のゾーンなどが含まれている。
「クンザー・ジャングル」は,かつてのエメラルド・ジャングルやトラカノンの牙とおぼしき場所で,内部にシティ・オブ・ミストやセビリスの入り口などがある。
これはクナークでの冒険の初期段階で,クエストを通じて入手できるペットで,クナーク各所に設置されている発着用のポスト(柱)からポストへと,プレイヤーを背に乗せて飛んでくれる。ポストは比較的多めに設置されているようなので,活用すれば冒険が始まるまでのダウンタイム(無駄な時間)はかなり減らすことができそうだ。
オールドファンにはなつかしいダンジョンを
いくつも再現。あの「セビリス」も!
ロケーション的にも,各地からやってくる船が到着する桟橋から遠くない場所に位置しており,新ゾーンの感触を確かめる場所としてちょうど良さそうである。
とくにフログロックに関しては,フログロックがEQ世界でプレイアブルになる前の,「あの」丸っこい姿を模したモデルで表現されているものもおり,往時を知るプレイヤーはなつかしい気分になるはずだ。
このゾーンへは特定のクエストをこなしてフラグを立てたプレイヤーでないと,足を踏み入れることすらできない。内部は溶岩の海の上を細い橋のような通路が走る構造になっている。細く曲がりくねっているにもかかわらず,手すりのようなものがない通路は「さあ落ちろ」といわんばかりだ。
このリファインされたヴィーシャンズ・ピークには,7体ほどのレイドボスが待ち受けており,それを1体ずつ倒しながら攻略していく構造になっている。このゾーンは,すでにEQ2に導入済みである,「ダンジョンの攻略を後日に途中から再開できる」という“持続インスタンス”の仕組みが利用できる場所の一つなので,何日もかけてじっくり攻略していけるだろう。
RoKを購入すれば
過去の拡張コンテンツが一気に入手できる
レベル70以上のキャラクターを対象としているRoKは,すでにレベル70のキャラクターを持っている現役プレイヤーにとっては,実に嬉しい要素の多いエクスパンションだといえよう。
無論,そうではないプレイヤーにとっても見逃せない要素はある。新たな種族とスターティングゾーンの追加は,新規プレイヤーのみならず,以前にフリーポートやケイノスでキャラクターを育てたことのある人にとっても魅力的なはずだ。さまざまな改良によってサービス開始時よりも遊びやすくなったEQ2で,新鮮なプレイフィールが味わえるからだ。
RoKは先日,世界同時リリースされたばかり。ゲーム内文章の日本語ローカライズも,そのタイミングに間に合っている。日本ではダウンロード販売のみが行われており,価格は39.99ドル(約4480円)だ。これはオールインワンパックとなっており,RoKのみでなく,それ以前のすべてのEQ2コンテンツ(本体,拡張パック,アドベンチャーパック)が含まれているため,まったくの新規プレイヤーが購入しても,すべてのEQ2コンテンツが手に入る。
もちろん,RoKを機に復帰を考えている休止中のプレイヤーも,これを買うだけでほころびのない最新版EQ2のプレイ環境が整えられる。どちらにしても分かりやすく,またお買い得感が高い。年末年始に向けて,のめり込めるMMORPGを探しているという人は,EQ2を検討対象の一つに加えてみるといいかもしれない。
- 関連タイトル:
EverQuest II: Rise of Kunark
- 関連タイトル:
EverQuest II
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