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印刷2007/11/17 11:00

プレイレポート

EQIIの拡張パック第4弾,「EverQuest II Rise of Kunark」のプレイレポートを掲載

画像集#053のサムネイル/EQIIの拡張パック第4弾,「EverQuest II Rise of Kunark」のプレイレポートを掲載
 Sony Online Entertainmentは,「EverQuest II」の拡張パック「EverQuest II: Rise of Kunark」(以下,RoK)を,2007年11月13日にリリースした。
 RoKはEverQuest II(以下,EQ2)の4本目の拡張パックで,これを導入することにより,ゲームには新たな冒険の舞台として「クナーク大陸」が追加される。クナーク大陸は,「EverQuest」(以下,EQ1)の第1弾拡張パック「The Ruins of Kunark」の冒険の舞台となっていた場所。オールドファンにはなつかしい冒険エリアが,EQ2の世界で再発見されることになるわけだ。

 今回,製品のリリースに先駆けて,プレス向けに本拡張パックで追加される新ゾーンの体験ツアーが行われた。ツアー参加者がβサーバーにログインし,電話会議システムを使って担当者の説明を聞きつつ,新ゾーンを体験して回るという趣向である。ここではそのレポートをお届けしよう。

画像集#052のサムネイル/EQIIの拡張パック第4弾,「EverQuest II Rise of Kunark」のプレイレポートを掲載 画像集#054のサムネイル/EQIIの拡張パック第4弾,「EverQuest II Rise of Kunark」のプレイレポートを掲載


新種族「サーナク」と

新スターティングゾーン「ティモラス・ディープ」


 最初に体験したゾーンは「ティモラス・ディープ」だ。ここはクナークの玄関口ともいえる島のゾーンで,本拡張によって追加される新プレイアブル種族「サーナク」のスターティングゾーンでもある。サーナクはオリジナルEverQuestにもNPCとして登場していた種族で,同じくこのクナークをルーツとするプレイアブル種族「イクサー」と,遙か昔から対立や戦争を繰り返している種族という設定だ。

上段が男性サナーク,下段が女性サナークだ
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 ティモラス・ディープは,移動用グリフォンステーションが随所に存在するかなり広いゾーンだ。海辺にある中規模の集落から冒険を開始するサーナクキャラクターは,このゾーンでクエストを楽しみながら,レベル20まで冒険を続けることができる。
 ある程度キャラクターが育つと,本拡張の主要都市とも言える「ゴロウィン」まで足を伸ばせるようになる。このゴロウィンからは,フリーポートやケイノス,ブッチャーブロックマウンテンといった既存ゾーンへと移動可能だ。
 拡張で追加されるクナークのメインランドは,すべてレベル65以上の冒険者を対象としたゾーンなので,サーナクの新キャラクターはゴロウィン到達後,既存ゾーンへと修行の旅に出て,強くなったらクナーク本大陸へ戻ることになりそうだ。

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500年前は,大海原の間に小島が点在した「ティモラス・ディープ」。雰囲気を色濃く残しつつよりスマートになって,Spirocも健在だ
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 ティモラス・ディープはかなり高低差のあるゾーンとしてデザインされている。以前の拡張で導入された“クライミング”が可能なポイントが数多く用意されており,これを利用して隠された場所を探すのも,このエリアを冒険する楽しみの一つとなっている。
 この島の基本的な景観は,どちらを向いても海か,生い茂る樹木が目に入る温帯風のもの。あたりを見回すと,EQ1プレイヤーにはなつかしい倒れたイクサー像が目に入る。建っている塔や小屋は現在この地域の主となっているサーナクの手によるものだ。
 朱色の目立つ配色や,屋根/柱の形はなんとなくアジア風である。ひょっとしたらこのゾーンはアドベンチャーパック「フォーレン・ダイナスティ」を作ったSOE台湾スタジオによってデザインされたのかとも思ったが,そうではないらしく,アメリカ側のデザイナーの手によるものだという。
 サーナクに関しては,これまでEQユニバースにおいてそのアートやカルチャーが具体的に語られなかった。そして,それを新たに考える際に発想のカギとしたのが,アジアンカルチャーだった,ということだそうだ。

ゴロウィン
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新技術によって広大かつ変化に富んだ

フィールドゾーンが構築可能に


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 本拡張パックのゾーン作成にあたって開発チームが最も力を入れた点の一つは,「冒険を可能な限りゾーニングなしで楽しめるようにすること」だという。そのために活用しているのが“環境ブレンド”の技術だそうだ。
 クナークを歩いてまわると実感するのだが,本拡張によって追加される冒険エリアはゾーン一つ一つが非常に広い。たとえば最も広いフィールドゾーン「フェンズ・オブ・ナスサー」は,旧エリアで最大級のゾーンであるコモンランドの,約3.5倍の広さがあるという。そしてクナークのフィールドゾーンは,旧ゾーンと違って同一ゾーン内にいくつも違う景観の土地を含んでいるという特徴がある。
 それらの地域を違和感なく接続するために使われているのが環境ブレンドの技術だ。異なる特徴を持つ地域にさしかかると,空の色や大気の状態が自然に,かつ大きく変化して,同一のゾーンでありながらもまるで違う場所に移動したかのような印象を受ける。

いくつもの違う景観をまとめる「フェンズ・オブ・ナスサー」。骨Iksarも健在で,移動してるだけで散々絡まれたあの日々が思い出される
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 今回RoKでは,クナークを再現する際にこの技術を使うことで,以前は別々だったゾーンを一つの広大なゾーンに仕上げることにも成功している。たとえば「フェンズ・オブ・ナスサー」には,かつてのイル・オーメンと思われる湖,ナーガ鉱山,今は遺跡となっているカビリス,フィールド・オブ・ボーン,カーンの塔などが含まれている。
 また「ケイロン・プレーン」というゾーンには,ドレッドランズ,カーノアの城,チャードックなど旧知のエリアに加えて,広大な雪の降る高地,木々の茂る海岸なども含まれている。

ドレッドランズ,カーノア,チャードックなど,有名どころてんこ盛りの「ケイロン・プレーン」。壁を背にしてよく戦ったdrachnidも,よりリアルに
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 「ジャーサス・ウェイスト」には,再現されたハウリング・ストーン,スカイファイヤー山脈などのほか,新しい森林や荒れ地のゾーンなどが含まれている。
 「クンザー・ジャングル」は,かつてのエメラルド・ジャングルやトラカノンの牙とおぼしき場所で,内部にシティ・オブ・ミストやセビリスの入り口などがある。

スカイファイヤーとおぼしき場所にドラゴンの姿。Talendorは引っ越ししてるし,この色はZordakalicus?
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ドラゴン型の飛行生物,Sokokar
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 その広さゆえに,徒歩でゾーン内を移動するのはかなり大変そうだが,歩けば今までになかった放浪感が満喫できる。他方,高速な移動手段もちゃんと用意されていて,それがSokokarという小型のドラゴンのような飛行生物だ。
 これはクナークでの冒険の初期段階で,クエストを通じて入手できるペットで,クナーク各所に設置されている発着用のポスト(柱)からポストへと,プレイヤーを背に乗せて飛んでくれる。ポストは比較的多めに設置されているようなので,活用すれば冒険が始まるまでのダウンタイム(無駄な時間)はかなり減らすことができそうだ。

500年前になにかとお世話になったゾーンがまとまる「クンザー・ジャングル」。Erollisiの食虫植物っぽさがずいぶん増している
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オールドファンにはなつかしいダンジョンを

いくつも再現。あの「セビリス」も!


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 ツアーで最初に訪れたダンジョンは「カーノアの城」だった。これもオリジナルEQ時代から存在したダンジョンの一つだ。EQ2ではレベル72〜76程度のキャラクター用のダンジョンとなっている。かなり高レベル向けだが,そもそもクナークのメインランドはすべてレベル65以上のキャラクターを対象としてデザインされており,このカーノアの城は,その中では最も攻略可能レベルが低いダンジョンとのことだ。
 ロケーション的にも,各地からやってくる船が到着する桟橋から遠くない場所に位置しており,新ゾーンの感触を確かめる場所としてちょうど良さそうである。

まったりレベルを上げるのに最適だった「カーノアの城」。城内の池もちゃんと残ってるし,より強そうになったDrolvargがカッコいい
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 「セビリス」は,日本のEQプレイヤー達の間でとくに人気の高かったダンジョンだ。数百年の時が流れたEQ2の時代にもまだ存在していたようで,ジメッとした遺跡の雰囲気は当時のまま残っていた。フログロックやゴーレムといったモンスターも健在である。
 とくにフログロックに関しては,フログロックがEQ世界でプレイアブルになる前の,「あの」丸っこい姿を模したモデルで表現されているものもおり,往時を知るプレイヤーはなつかしい気分になるはずだ。

EQ1プレイヤーなら一度は通ったであろう「セビリス」。あのfroglok達もBroggも健在で,もしかして一番左に見えるのはEmperor Chottal?
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画像集#044のサムネイル/EQIIの拡張パック第4弾,「EverQuest II Rise of Kunark」のプレイレポートを掲載
 溶岩の川が流れるスカイファイヤー山脈を,大きなワームやトンボのような羽を持つドレイクを避けながら進んでいくと,巨大な門が見えてくる。それが「ヴィーシャンズ・ピーク」への入り口だった。ここはKoRで追加されるゾーンの中で最も攻略が難しい場所の一つで,レベル80以上のワームやドラゴンが住むレイドゾーンとなっている。
 このゾーンへは特定のクエストをこなしてフラグを立てたプレイヤーでないと,足を踏み入れることすらできない。内部は溶岩の海の上を細い橋のような通路が走る構造になっている。細く曲がりくねっているにもかかわらず,手すりのようなものがない通路は「さあ落ちろ」といわんばかりだ。
 このリファインされたヴィーシャンズ・ピークには,7体ほどのレイドボスが待ち受けており,それを1体ずつ倒しながら攻略していく構造になっている。このゾーンは,すでにEQ2に導入済みである,「ダンジョンの攻略を後日に途中から再開できる」という“持続インスタンス”の仕組みが利用できる場所の一つなので,何日もかけてじっくり攻略していけるだろう。

500年前にもハイレベルコンテンツだった「ヴィーシャンズ・ピーク」。一番右のドラゴンは,このギザギザしたツノと歯から見て,Nexonaか
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RoKを購入すれば

過去の拡張コンテンツが一気に入手できる


クナーキアン・ライノセロス
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 RoKの導入によって,EQ2のキャラクターレベルとギルドレベルのキャップは,これまでの70から80に上昇する。またキャラクターの特性をカスタマイズするためのアチーブメントポイントの最大量も,100から140ポイントに増加する。さらに,プレイヤーマウントとしてサイのようなクナーキアン・ライノセロスも追加される。
 レベル70以上のキャラクターを対象としているRoKは,すでにレベル70のキャラクターを持っている現役プレイヤーにとっては,実に嬉しい要素の多いエクスパンションだといえよう。

 無論,そうではないプレイヤーにとっても見逃せない要素はある。新たな種族とスターティングゾーンの追加は,新規プレイヤーのみならず,以前にフリーポートやケイノスでキャラクターを育てたことのある人にとっても魅力的なはずだ。さまざまな改良によってサービス開始時よりも遊びやすくなったEQ2で,新鮮なプレイフィールが味わえるからだ。

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 RoKは先日,世界同時リリースされたばかり。ゲーム内文章の日本語ローカライズも,そのタイミングに間に合っている。日本ではダウンロード販売のみが行われており,価格は39.99ドル(約4480円)だ。これはオールインワンパックとなっており,RoKのみでなく,それ以前のすべてのEQ2コンテンツ(本体,拡張パック,アドベンチャーパック)が含まれているため,まったくの新規プレイヤーが購入しても,すべてのEQ2コンテンツが手に入る。
 もちろん,RoKを機に復帰を考えている休止中のプレイヤーも,これを買うだけでほころびのない最新版EQ2のプレイ環境が整えられる。どちらにしても分かりやすく,またお買い得感が高い。年末年始に向けて,のめり込めるMMORPGを探しているという人は,EQ2を検討対象の一つに加えてみるといいかもしれない。
  • 関連タイトル:

    EverQuest II: Rise of Kunark

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    EverQuest II

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