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Games for Windows - LIVE 2.0
  • 日本マイクロソフト
  • 発売日:2007/04/25
  • 価格:シルバーメンバー:無料,ゴールドメンバー:5229円(年間)
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[Gamefest 08#10]Xbox LIVEの「実績」はいかに使われるべきか? 達人が語る「理想の実績」とは
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印刷2008/09/08 22:27

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[Gamefest 08#10]Xbox LIVEの「実績」はいかに使われるべきか? 達人が語る「理想の実績」とは

画像集#003のサムネイル/[Gamefest 08#10]Xbox LIVEの「実績」はいかに使われるべきか? 達人が語る「理想の実績」とは
 マイクロソフトのゲーム開発者向けイベント「Gamefest Japan 2008」でパートナーセッションの最終時間帯に行われたパネルディスカッションを紹介しよう。テーマは,「実績」についてだ。
 Xbox 360ユーザー以外分かりにくいかと思うが,ここでいう「実績」とは,Xbox Live独特のフィーチャーで,ゲーム内の所定の目標を達成するともらえるポイントのことだ。これらはWeb上で確認できるほか,Blogに取得状況を張り込んだりもできるなど,コミュニケーションツールの一つともなっているようだ。私は,あいにくXbox 360ユーザーではないので,なんとなくしか把握してないので申し訳ない。
 会場には,実績の達人が集まり,実績についての思いや,いかに実績を使っていくべきかなどが語られた。

画像集#002のサムネイル/[Gamefest 08#10]Xbox LIVEの「実績」はいかに使われるべきか? 達人が語る「理想の実績」とは

 この実績というものだが,パッケージゲームで最大1000ポイント,LIVE ARCADEのゲームで最大200ポイントの実績を最低で5個,最大で50個設定することが認められているという。基本的には,各メーカーが独自の実装を行う部分のようだが,マイクロソフトのガイドラインでは,最初の実績は,プレイ開始後数分で取れるものにするのが望ましいという。優れた行動をした際に,素早いタイミングで実績という報酬を与え,認知を深めるということだろう。
 2番目の実績は,最初の実績から30分以内が望ましいとされる。あまり難しいものだという意識を持たせないためだろうか。さらに次の実績は,数時間後にと,間隔は開きつつも継続的に実績を用意し,あまり早い段階で全クリにならないように,プレイ開始から30時間以上経過したあとでも実績が残っているようにすべきだとしている。
 こういった実績は,メーカーサイドには,ソフトウェア売り上げの原動力の一つとしての作用が期待されていたり,課金ビジネスへつながるものとして期待されたりしている。ユーザーサイドでは,ゲームをより面白くしたり,プレイの満足度を高めるものとして効果する。まあ,分かりやすい話ではある。
 ではどういった実績がダメな実績かというと,

  あまりに困難な実績
  あまりに容易な実績
  プレイパターンを限定するような実績
  プレイヤーに罰や失望を与える実績


が挙げられていた。最後のは少し分かりにくいかもしれないが,例えば,100回死んだら付く実績とか失敗し続けるともらえる実績といったプレイのマイナス要素を強調する実装はよくないという話だ。

 会場には達人達がそれぞれに思い出に残る実績などについて語っていった。
 同じゲームを何度も繰り返すことを要求されたり,「オンライン対戦で1000人集まったら」といった条件は,普段100人程度しか人のいないゲームではほぼ不可能に近く「よくない実績」ぽいのだが,みんなで寄ってたかって達成すると,それはそれで思い出深いものだという。

 ところで参加者の中央に,東京大学のTシャツを着たあからさまに怪しい人物がいるのが分かるだろうか。名前はX氏。肩書きは「某大手メーカーの開発者」である。この人が今回のメンバー中でも最高の実績となる10万点を誇る達人だ。
 氏によれば,実績とは「人生のすべて」だという。メーカーサイドの人なので,実際に実績を考案したり,そういった仕事もしてきているそうだが,実績は,マーケティングツールとしても非常に有用であると説く。どういった傾向の人がどういった実績をどのタイミングで取るかによって,ユーザーの性向を判定することもでき,製品開発などに反映できるという。マイクロソフトからは,各メーカーにそういった実績の情報が渡っているとのことで,これをうまく使えば,確かにマーケティングや製品開発で貴重なデータとなりそうだ。
 
 これらの人達の考える理想の実績の姿というのも語られた。曰く,「簡単すぎてはいけない」「対戦ゲームだと何回戦ったかなどはアリだが,対戦中にどれだけ木を壊したかなどというゲームに関係ない実績は邪魔でしかない」「プレイ時間など,ゲームの延命手段として使うのは逆効果だ。そういうのはダウンロードコンテンツなどで行うべき」などの声が聞かれた。
 件の達人,X氏によれば,実績というのは偉大な発明なのだが,それを生み出したマイクロソフトもそれをよく理解していないという。これまでのゲームでは,ゲームがうまい人だけが評価されていたのだが,実績は,ゲームのうまさ以外に,どれだけ多くのゲームをやったか,どれくらい長時間ゲームをやったかといった評価軸でもプレイヤーが評価されるようになっている。これが素晴らしいという。
 「実績は金品と交換できるようになったほうがいいか」という質問に対しては,参加者全員が否定的であった。すでにお金以上の価値があるというのが「実績厨」の認識のようだ。
 最後に,実際に実績を作る側でもあるX氏が社内資料のためにまとめたというガイドラインも披露された。「実績は50個全部使え」「実績の名前と解説は面白くしろ」「常人に無理なものは入れるな」といった,自身の経験に基づいたアドバイスが行われた。

 全体になかなか熱いラウンドテーブルだったのだが,なにぶん馴染みが薄い話題なので,10万点という数字がピンとこない。編集部のXbox 360ユーザーに聞くと「普通に遊んでいるだけだと1万点もいかないんじゃないですか?」とのこと。実績については「全然気にもしていません」とのことで,ちょっとつれない。
 メモを引っ張り出して調べると,9月4日に行われた基調講演ではLIVE登録者数が1200万人で実績の解除数が15億ということだったので,一人当たりで見ると125ポイントの実績解除が平均値となる。なるほど。なんとなく,普通の人達ではなかったのだなというのが,いまさらながら理解できた。
 同時に,実績自体の認知度はまだまだ低く,理想的なマーケティングツールとなるには遠い道のりを要するものとも思われる。マイクロソフトが先鞭をつけた意欲的な試みだが,うまく軌道に乗せるにはもっと実績そのものを盛り上げる仕掛けも必要ではないかという気がする。今回登場した「実績の達人」達は,そういった部分で活躍できそうな人材でもある。今後は,一般向けにもこのような催しが行われることに期待したい。
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