テストレポート
SteelSeries「Sensei 310」「Rival 310」ファーストインプレッション。新機軸「1-to-1 tracking」対応マウス,形状違いの2モデルを使ってみた
4Gamerでは,国内発売に合わせて,短時間ながらSensei 310とRival 310をテストする時間が取れたので,BRZRK氏によるファーストインプレッションをお届けしてみたい。詳細なテストはあらためてお届けする予定だが,両製品が気になる人はチェックしてもらえればと思う。
なお,それに先だってお伝えしておくと,両製品の主なスペックは表のとおりである。
TrueMove3光学センサーを搭載した,2つのバリエーションモデル
TrueMove3は,最大トラッキング速度350IPS,最大加速度50Gという基本スペックを持つセンサーだが,なかでも,100〜12000の範囲を100刻みで設定できるCPI設定値のうち,100〜3500 CPIの範囲では,マウスの移動量と画面内におけるマウスカーソルの移動量を完全な比例関係にでき,ブレを極限まで抑えられるという「1-to-1 tracking」に対応するというのが,大きなアピールポイントになっている。
下に示したカットは,上段の3枚がSensei 310,下段の3枚がRival 310を,それぞれ4Gamerの比較用リファレンスマウスである「Gaming Mouse G500」(以下,G500)と並べたところだ。
Sensei 310はG500よりも平べったいデザインで少し小さい。一方のRival 310は,それと比べると明らかに背が高く,また,マウス手前側(=後方側)の斜面が急になっているのが分かる。本体後方右側に大きくせり出しているのも特徴で,Sensei 310とは対照的なデザインと言えるだろう。
もちろん,センサーホールの位置は本体形状や内部構造によって変わることがあるのだが,なぜ変えてあるのかは今のところ不明だ。その理由の考察は,レビューを行うときの宿題とさせてほしい。
オリジナルSenseiと似ているところも似ていないところもあるSensei 310
そのサイズは実測約70.3(W)
左右メインボタンがセパレート型になったSensei 310。メインボタンの先端部分はオリジナルSenseiと同様,かなり低い位置まで伸びている。一方,天板との間にある溝はけっこう大きく,ここはワンピース型だったオリジナルとの明らかな違いとなる |
メインボタンはスクロールホイール近くが盛り上がっていて,ガイドとして一定の機能を果たしている |
もっとも,セパレート型の割には,マウスの奥側(=ケーブルの付け根側)に近づくほど,ボタンスイッチをオンにするのに必要なボタンのストローク量が大きくなるのも,Sensei 310の特徴だったりする。
本体を分解して内部をチェックするまで,はっきりしたことは分からないものの,スイッチの位置よりも奥側(=ケーブルの付け根側)を押下するとき,ボタン側のプラ板がしなるような感覚があるので,これが奥側におけるストロークの長さを生んでいるのかもしれない。
ちなみにSensei 310のメインボタンにおける「ボタン全域で同じ押下感を得られるわけではない」というのは,セパレート型メインボタンのよさをスポイルする,マイナス要素になり得る。なのでここは人を選ぶと言わざるを得ないだろう。
ただ,「タップ撃ちや連打をしやすい,ちょうどいい硬さのスイートスポットを見つけられる可能性がある」というメリットもあるはずで,そのとき,この仕様はプラスに作用すると思われる。
側面は全体として,底面に向かってわずかに切れ込んでいくデザインで,これはオリジナルSenseiと変わらない印象だ。持ち方にかかわらず,指が触れるであろう場所には,逆Y字の溝が彫られたシリコンシートがグリップとして貼ってある。
また,(SteelSeriesがそう言っているわけではないが)シリコンシートは一般に耐久性の高い素材なので,ラバーシートを使った製品にありがちな「摩耗して凹凸が削られ,グリップ力が低下する」問題が起きにくいのではなかろうか。
実測の長さは奥側が約15mm,手前側が約21mmで,幅は同7mmと細め。本体から大きく突き出したようなデザインではないのだが,形状がくの字型なので,指先でボタンの存在を感じ取りやすい。
ホイールの幅は実測約8mmで,指が触れうる場所は(おそらく)ラバー素材を採用していた。シリコンとは謳われておらず,また触感も左右側面のシリコンシートとは異なるが,問題ないレベルの滑り止め感は得られていたので,よくあるラバーコート付きホイールという理解で大丈夫だろうと考えている。
その表面にはカタカナの「ソ」もしくは「ン」に近い模様が反転しながら連続して彫ってあり,溝となっていた。
スクロールホイールはLEDイルミネーション機能付き。1回転は24ノッチだった |
太さ実測約3mmのケーブルはビニール皮膜式で,柔らかめ。クセは指先で簡単になじませられる |
従来製品比で少し小さくなっているRival 310
その左右メインボタンは,先端に行くほど,押下に必要なストロークが長くなっていく印象があった。つまり押下感はSensei 310と変わらないということになるが,実のところ,厳密には微妙に違う。というのも,最も長い外周部で比較したとき,Sensei 310のメインボタンは長さが実測約50mmなのに対し,Rival 310では同60mmあるからだ。
この10mmの違いは存外に大きく,しなり具合,そして押下に要するストロークはいずれも,Rival 310のほうが大きい。
本体左側面は底面部に向かって緩やかに切れ込むタイプで,親指を立ててもベタ置きでも問題なく配置できる,十分なスペースがある。また,シリコンシートの貼ってある面積はSensei 310より広く,背の高さを活かして,持ち方を問わず,少しでもグリップ力を増そうとするSteelSeriesの狙いが見て取れる。
サイドボタンはラバーシートと天板パーツの間で,「メインボタンと天板の間にある溝を境として奥側と手前側のボタンが分かれる」仕様はSensei 310と同じ。
実測の長さは奥側が約24mm,手前側が約27mm,幅は最も長いところで約11mmと,Sensei 310と比べて明らかに大きい。くの字型に少し尖っているのはSensei 310と同じだ。
一方の右側面は,本体奥側から手前側にかけて膨らみ,薬指と小指を載せやすくするという,IE3.0クローンに多く見られる形状だ。シリコンシートはこちらにも貼ってあり,グリップ感の向上に一役買っている。
1-to-1 trackingの恩恵は体感できず。ただ,どちらもぱっと使えるとっつきやすさがある
本稿の序盤でも触れたとおり,Sensei 310とRival 310は,「TrueMove3センサーを搭載する,形状違いの兄弟モデル」的な存在であり,センサーレベルにおける最大の特徴は,1-to-1 trackingにある。
SteelSeriesはこの機能に相当な自信があるようで,わざわざ他社の具体的な製品名,「Razer DeathAdder Elite」や「G403 Prodigy Gaming Mouse」「FK1」を出して,これらを新製品が圧倒するとアピールしているほどだ。
本稿はあくまでファーストインプレッションであり,厳密なテストまでは行えていないので,あくまでも体感レベルの話をさせてもらうと,「正直,違いはあまり分からない」。
筆者はとりあえず,「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」と「Quake Champions」「Overwatch」で,3500CPI以下と3600CPI以上を切り換えながらいろいろ試してみたのだが,少なくともCPI設定値による違いは感じられなかった。ここはあらためて,踏み込んでテストする必要がありそうだ。
……こう書くとネガティブに感じられるかもしれないが,実際のところはむしろ逆で,1-to-1 trackingのテストであることを忘れるほど,Sensei 310もRival 310も自然に持つことができ,また操作することができた。なので現時点で数値抜きの評価を行うなら,「違和感なくゲームで使っていける形状とセンサー性能」ということになるだろう。
最終評価はテストをすべて終えてからお届けする予定だが,発売日の時点で“特攻”しても,後悔する可能性は低いのではないかと,筆者は思う。
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SteelSeriesのSensei 310製品情報ページ
SteelSeriesのRival 310製品情報ページ
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