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Access Accepted第761回:Steam Nextフェスで注目すべきゲーム5選
現在,Steamの恒例イベント「Steam Nextフェス: 2023年6月エディション」が開催されている。Steam Nextフェスは,注目している作品を無料で遊べたり,知らないゲームに出会えたりと,ゲーマーにとっては嬉しいお祭りだ。筆者も気になるデモをプレイしてみたので,その中からユニークな作品5本を紹介しよう。
年に3回開催される「Steam Nextフェス」
欧米で開催される大型ゲームイベントでは,大きなパブリッシャや関連企業の賑やかなブースと離れた場所に“インディブース”などと呼ばれる一区画が存在することが多い。そこには,独立系パブリッシャや,自社販売する開発チーム,さらにはパブリッシャを見つけるべく政府の支援を受けたプロジェクトなどが,2メートル四方ほどの小さなスペースにゲームを出展している。
そんなインディーブースに100以上のタイトルが参加するGame Developers Conferenceやgamescomでは,聞いたことのないゲームに出会うこともある。もちろん,気になるゲームがあれば出展者に話を聞いたり,実際にプレイしてみたりして,記事でも紹介することが多い。
「Steam Nextフェス」は,このインディーブース出展をオンライン化したようなイベントで,インディーを中心とした新作ゲームのプレイアブルデモが公開されるだけでなく,開発者たちによる生番組の配信やQ&Aセッションなども行われる。ゲーマーは気になるゲームをダウンロードして遊び,面白かったらウィッシュリストに追加しておくことで,発売後の見落としをなくしたり,コミュニティに参加しやすくなったりもするのだ。
そんなフェスの最新版である「Steam Nextフェス: 2023年6月エディション」が,日本時間の6月20日から27日まで開催されている。今回はSummer Game Festの事後処理の時期と重なったことで掲載が遅れてしまったが,筆者が気になった5作品を紹介しよう。イベントの終了時間は迫っているが,いくつかのデモはイベント終了後もダウンロードできるほか,発売前に再び公開されるケースもある。気になるタイトルがあったら,今からでもダウンロードしたり,ウィッシュリストに追加したりしておくといいだろう。
■「Viewfinder」
写真を現実世界で形にするパズルアドベンチャー
最初に紹介する「Viewfinder」(PC / PS5)は,言葉での説明が難しい独特なゲーム性を持つ,ライター泣かせの1人称視点型パズルアクションだ。
Viewfinderは,土地が空中に分散している世界で,ポラロイドカメラの写真を利用して,新たな道や土台を作ることで先に進んでいく。自分で撮影したり,そのエリアで見つけたりした風景写真を画面上の上下左右,さらに前後へと移動させ,プレイヤーが目にしているゲーム内世界の風景に当てはめ,進むべき道を作っていくのだ。
道の作り方はさまざまで,写真を斜めに動かして段差のある場所にスロープを作ったり,何枚も複写して離れた場所にある目的地まで,同じ床の写真をつなげたりすることで進んでいく。言葉での説明では理解しづらいかもしれないが,直感的にプレイできるのでぜひデモ版をプレイしてほしい。なお本作は,スコットランドのSad Owl Studiosが7月18日(日本では19日)にリリースする予定だ。
■「El Paso, Elsewhere」
マックスばりのバレットタイムを発動してモンスターと戦え!
Strange Scaffoldによる新作アクション「El Paso, Elsewhere」(PC / Xbox Series X|S)は,西部開拓時代から歴史の続くテキサス州のエルパソにあるモーテルを舞台にしたTPSだ。何の変哲もない3階建てのモーテルには,時空の歪みによってできた46階も続く地下があり,そこにはゾンビや人狼,堕天使といったクリーチャーが巣食っている。そのラスボスが,世界征服を企む元カノの吸血鬼という設定で,彼女の陰謀を阻止する主人公ジェームス・サーベッジの奮闘が描かれる。
「El Paso, Elsewhere」は,「Max Payne」をかなり意識しているようで,PS2風のローポリで描かれたキャラクターが,二丁拳銃やマシンガン,そして杭を手にして激しいドンパチを繰り広げていく。もりろんバレットタイムも実装している。スムーズなアニメーションとアクションが見どころで,リリースが待ち遠しい1作だ。
■「World's Worst Handyman」
経験もないのに,何でも屋になったダグが大奮闘
2023年内のリリースが予定されているステルスアクション「World's Worst Handyman」は,動物保護シェルターの費用を捻出するために立ち上がった町のお人好し”ダグ“が,何でも屋としてトイレの水漏れ修理から庭の大木の切り出しまで,さまざまな仕事をDIYでこなしていく。
ダグには何でも屋の経験はなく,道具の使い方は分からないし,雑な動きですぐに家具を壊してしまう。しかも蛇口をひねったり冷蔵庫を開けたりと,与えられた任務以外のことをして家人に見つかると,追いかけ回されて乱暴されたあげくにゲームオーバーという,ハチャメチャでコミカルな内容となっている。
トップダウン型のカメラ視点でプレイしやすく,プレイヤーキャラクターは物陰に隠れてやり過ごすこともでき,かくれんぼ的なゲームプレイは十分に表現されている。それぞれのステージには保護すべき動物たちが隠れているので,愛する動物たちのため,たとえ危険を冒してでもしっかり探索したいところだ。
■「New Heights: Realistic Climbing and Bouldering」
手足を別々に操作して,ロッククライミングをリアルに表現
オランダのWikkl Worksが7月6日(日本では7日)にリリース予定の「New Heights: Realistic Climbing and Bouldering」は,ロッククライミングやボルダリングのリアル表現にこだわったらこうなったというシミュレーションゲームだ。
左右の手足それぞれをマウスでコントロールし,ヨーロッパの名峰をアルパインクライミングできるだけでなく,城跡や競技施設で体だけを使ったボルダリングにも挑戦できる。
腕は左右のマウスクリック,そして足はマウスクリックとシフトボタンの同時押しという少しトリッキーな組み合わせで,いずれかを長押ししながら接地に良さそうな場所を探していくプロセスを繰り返していく。手足の3点以上を接地させていないと,体力を消耗して落下してしまう。時間を気にせず登るだけなら慎重にプレイしていくのがベターで,3Dフォトグラメトリを利用したリアルな大自然に何度も挑戦してみたくなる。ちなみに個人的には,「オクトダッド -タコと呼ばないで-」を彷彿させる体のグニャグニャ感がツボだった。
■「HAELE 3D - Feet Poser Pro」
血管まで表現された,素足フェチしか思いつかなそうな足ポーズシム
Ige Olwen氏が開発している「HAELE 3D - Feet Poser Pro」は,これをゲームと呼んでいいのかは疑問だが,今回のSteam Nextフェスで公開されたデモの中でも最も風変わりな作品の1つなのは間違いない。足首から下しかない足をさまざまにポージングし,背景画に合わせて角度を変えたり,光の当たり具合を変化させたり,肌の色を設定したりし,それを3つのスタジオ照明を調整したうえで撮影できる。
足の甲に浮かび上がる血管や,皮膚の紋理までもがリアルに表現されており,モーフオプションで形を微調整し,プリセットのアニメーションやポーズを適用。人間味のあるシワだけでなく,ラフネス,メタリック,スペキュラー,ディテールなどの素材(?)変化も楽しめる。
模写して自分のアートに活かすというようなアーティストにとってのリファレンスツールとして開発されたのだろうが,足フェチが作った足フェチのためのアプリと言ってもよさそうだ。6月26日(日本では27日)にはPro版が正式リリースされる予定で,今後はコンテストの開催なども企画されている(Lite版は6月14日にリリース済み)。
著者紹介:奥谷海人
4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
- 関連タイトル:
Steam
- 関連タイトル:
Viewfinder
- 関連タイトル:
Viewfinder
- 関連タイトル:
El Paso, Elsewhere
- 関連タイトル:
El Paso, Elsewhere
- 関連タイトル:
World's Worst Handyman
- 関連タイトル:
New Heights: Realistic Climbing and Bouldering
- 関連タイトル:
HAELE 3D - Feet Poser Pro
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(C) 2022 Sad Owl Studios. Published by Thunderful Publishing AB
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(C)2023 Strange Scaffold
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