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Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)
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印刷2021/01/18 00:00

業界動向

Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

画像集#001のサムネイル/Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 PlayStation 5Xbox Series Xが市場に投入され,ついに新世代に突入した2020年。ハードウェアの生産が需要に追い付かず,派手な宣伝が控えられたこともあってか,どこか盛り上がりに欠けたように感じられる年末商戦だったが,2021年に入れば大きく躍進するのは間違いない。というわけで,2021年初となる本連載では恒例の,“今年注目しておきたいゲーム”をピックアップしてみよう。今回はまず,15作品を紹介する。


2021年はどんな1年になるのか?


 今週は,年始恒例の記事である「2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ!」をお届けするのだが,その前に,2021年のゲーム業界を簡単に予想してみよう。
 4K解像度に対応するという「Nintendo Switch Pro」の噂も聞こえてくるが,2021年は,「ドンキーコング」誕生40周年,「ゼルダの伝説」誕生35周年,「ポケットモンスター」誕生25周年,そして「Pokémon Go」の正式サービス開始から5年という,人気の高い任天堂関連のIPの記念日が重なっており,ファンが大きく盛り上がそうだ。

まだ「昨年のゲーム」という感じのしない「サイバーパンク 2077」。スタートはトラブル続きだったが,CD Projekt REDの健闘によって問題は減り,2021年は良い作品に仕上がっていくだろう
画像集#002のサムネイル/Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 冬真っ只中の北半球では現在,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に歯止めがかからず,昨年,相次いでキャンセルされたゲームイベントやゲームトーナメント,メディアやファン向け各種イベントなどが,いつ頃,元の状態に戻るのかは今のところ見通しが立っていない。
 慣れないリモートワークによる開発遅延から,リリースの延期が発表されるタイトルも少なくないが,欧米の一部ではワクチンの接種も始まっているので,なるべく早い時期にPlayStation 5やXbox Series X,そしてそれら向けのタイトルが普通に購入できるようになっていてほしいと願っている。昨年,多くのゲームメーカーが業績を大きく伸ばしているだけに,社会情勢が落ち着けば,ゲーム業界はさらに活性化するはずだ。

Valveが公開した,「Steam−2020年を振り返って」関連記事)で公開されたインフォグラフィックス。公開された概要を見ただけでも,とんでもなく好調な1年だったことが分かる
画像集#003のサムネイル/Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 PCゲームだが,Steamの独自集計を行うSteamSpyによると,2020年は初めて5桁の大台を突破し,なんと1万74本の新作がリリースされたという。現時点ではまだ正確な集計が終わっていないのか,アクセスするごとに数値が微妙に変化しており,多少,正確さを欠くが,昨年より2000本以上も多くの新作がリリースされたことには驚きを禁じ得ない。
 また,Valveが年末に公開した「Best of 2020」では,「DOOM Eternal」「サイバーパンク 2077」「Fall Guys: Ultimate Knockout」などの新作が高い収益を挙げており,息の長い人気を誇る「Monster Hunter World」「Among Us」なども上位グループに入っていることが分かる。ただ,上記のSteamSpyによれば,2020年に発売されたタイトルの平均価格は9.93ドルとのことで,こうしたSteamのプラチナ/ゴールドセールスを達成したタイトルの多くがフルプライスであることを考えると,リリース作品の大部分を占めるインディーズゲームの価格崩壊が起きていると見ることもできる。多くのタイトルをエクスクルーシブにする戦略をとるライバル,Epic Gamesストアの現状も気になるところだ。

 さて,そんな2021年だが,もちろん,期待度の高い新作タイトルが例年のようにいくつも控えている。
 発売日のずれ込みにより,今年はやや新鮮味にかけるラインナップになってしまった気もするのだが,注目したい海外生まれの新作タイトルを2回に分けて紹介しよう。今週は,記事掲載時点で発売時期が発表されている作品を中心に,15作品をピックアップした。



暗殺者“エージェント47”(バーコード付)のサーガも,ついに最終章
■HITMAN 3
開発元:IO Interactive
販売元:IO Interactive
発売予定日:1月20日
プラットフォームPC / PS5 / Xbox Series X / Switch / PS4 / Xbox One / Stadia
公式URLhttps://hitman.com/global/


画像集#004のサムネイル/Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 「HITMAN 3」は,あらゆる人物に変装して敵地に潜入し,さまざまなターゲットをヒットしていくスキンヘッドの殺し屋「エージェント 47」を主人公とした三人称視点のアクションゲームシリーズの最新作で,2016年にリブートした三部作の完結編でもある。
 欧米ではエピソードごとにリリースされた過去2作だが,今回は中東の大都市ドバイとイギリス南部のダートムーア,中国の重慶,さらにドイツのベルリン,アルゼンチンのメンドーサ,そしてルーマニアのカルパチア山脈の合計6つのミッションが,ワンパッケージでリリースされる。グラフィックスが向上しただけでなく,PlayStation VRにも対応しており,さらに,前2作のミッションを本作にインポートすることも可能だという,遊びごたえのある1本だ。


2つのパラレルワールドを一画面に表示するサイコロジカルホラー
■The Medium
開発元:Bloober Team
販売元:Bloober Team
発売予定日:1月28日
プラットフォーム:PC / Xbox Series X
公式URLhttps://themediumgame.com/


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 「Layers of Fear」 「>observer_」など,多くのホラーゲームファンに支持されるBloober Teamの新作が「The Medium」だ。現実世界とそのパラレルワールドである霊界を同時に見られる霊媒師の女性を主人公に,廃墟となったホテルを舞台に殺人事件を追っていく。最大の特徴は,ゲーム画面が縦もしくは横に分割されて,現実世界と霊界が一画面に同時に表示される「二重現実」システムだろう。主人公の動きやマップの構造は同じだが,テクスチャやオブジェクト,カメラ位置などが異なっており,プレイヤーはその2つの世界を見比べながらプレイしていくことになる。
 霊界のアートワークは,ポーランドのシュルレアリスム画家であるズジスワフ・ベクシンスキー氏の退廃的な画風にインスパイアされたもので,細かい描き込みが独特の雰囲気を生み出している。また,「サイレントヒル」シリーズで知られる山岡 晃氏が楽曲制作に参加するなど,ホラージャンルに留まらず,注目点の多いゲームだろう。


無限ループが続く異世界から抜け出すことはできるのか?
■Returnal
開発元:Housemarque
販売元:Sony Interactive Entertainment
発売予定日:3月19日
プラットフォーム:PS5
公式URLhttps://housemarque.com/games/returnal


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 PlayStation 5のエクスクルーシブタイトルとなる「Returnal」は,PlayStation 4のローンチタイトルだった「Resogun」で高い評価を受けたHousemarqueの新作タイトルだ。死ぬと時間が巻き戻されるという不思議な現象が起きる惑星アポトロスに不時着した主人公が,脱出するために悪戦苦闘する姿を描く三人称視点のアクションゲームで,キルされるたびにポータルに戻り,そこで新たな武器や装備を得て再チャレンジするという,ローグライクなシステムがウリになっている。
 10種類の基本武器と3段階のレベルを持つ90種類の武器アタッチメント,そして10種類のセカンダリー攻撃と,さまざまなコンビネーションが用意されているが,手に持てる武器は1つだけなので,何度も挑戦して,どの武器を使うか,立ちはだかる敵の特性はどのようなものか,といったことを見きわめる必要がありそうだ。古代文明のアーティファクトらしき特殊装置がプレイヤーのパフォーマンスを記録し,進歩状況が十分に蓄積されることによって新しいアイテムが報酬として与えられるという仕組みが採用される。


2人のプレイヤーによる協力プレイが楽しいアクション
■It Takes Two
開発元:Hazelight Studios
販売元:Electronic Arts
発売予定日:3月26日
プラットフォーム:PC / PS4 / PS5 / Xbox One / Xbox Series X
公式URLhttps://www.ea.com/ja-jp/games/it-takes-two


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 日本語で言うところの「二人三脚」(2人で協力して頑張る)というタイトルを掲げる「It Takes Two」は,同じくEA Originalsのタイトルとしてリリースされた「A Way Out」を開発したHazelight Studiosの新作で,「A Way Out」と同様,2人のプレイヤーによるCo-opをメインとしている。前作と異なり,アートワークはCGアニメを思わせるコミカルなものになっており,関係が冷め切っていたカップルのコーディメイが魔法でミニチュアサイズにされてしまい,さまざまなミニゲームに挑戦していくことになるという。
 ミニゲームとしては,時間内に目的地まで駆け抜けたり,パズルを解いたり,ソリで滑走したりしていくといったものが用意されており,ソロプレイも可能だが,2人で協力すればさらに楽しいものになる。「A Way Out」は2人のプレイヤーが同じ場所でプレイする,いわゆる「カウチCo-op」のゲームとしてデザインされていたが,今回はオンラインプレイが奨励されており,家を出づらい最近の状況でも,離れた友達や家族と一緒に楽しめるだろう。


未知の惑星で超人的な能力を得たアウトライダーズの冒険
■OUTRIDERS
開発元:People Can Fly
販売元:スクウェア・エニックス
発売予定日:4月1日
プラットフォーム:PC / PS4 / PS5 / Xbox One / Xbox Series X
公式URLhttps://www.jp.square-enix.com/outriders/


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 「OUTRIDERS」は,人類が地球を捨て,安住の地を求めて到達した惑星エノクを舞台としたアクションゲームだ。2076年,時空の歪みを伴う強烈な嵐に襲われ,惑星エノクの植民地化計画は無惨に失敗してしまうが,電磁波に晒された一部の人は超人的な能力を身につけることになった。少ない資源をめぐって,生き残りの人々による抗争も起こる中,未踏の奥地から発せられる謎の信号を追って調査隊「アウトライダーズ」が冒険の旅に出るというのが,大まかなストーリーだ。
 スピーディで小気味よいアクションが特徴の「バレットストーム」で注目されたPeople Can Flyが開発を担当しており,最大3人のプレイヤーによるCo-opをドロップイン&アウト形式で気軽に楽しめるのが特徴となる。基地となる大きな装甲車で仲間と旅を続け,お互いのスキルをうまく使って敵と戦ったり,4つのクラスが用意されたキャラクターを自由にカスタマイズしてゲームを進めていくのだ。


4人のプレイヤーで協力して狂暴なゾンビを蹴散らせ!
■Back 4 Blood
開発元:Turtle Rock Studios
販売元:ワーナー・ブラザース テレビジョン&ホームエンターテイメント
発売予定日:6月18日
プラットフォーム:PC / PS4 / PS5 / Xbox One / Xbox Series X
公式URLhttps://www.back4blood.com/ja-jp


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 Co-opシューターブームの火つけ役となった2008年の「Left 4 Dead」だが,そのデベロッパであるTurtle Rock Studiosの新作「Back 4 Blood」は,タイトルどおり,「Left 4 Dead」への回帰を図りつつ,これまで培ってきたノウハウを詰め込んだ最大4人のプレイヤーによるCo-opシューターだ。
 正体不明の寄生虫に多くの人々が感染し,リデンと呼ばれる狂暴なゾンビのような存在に変身して文明が崩壊した世界で,クリーナー(掃除屋)となったプレイヤーキャラクター達がリデンを掃討する任務を負って戦っていく。特徴は「Game Director AI」という学習機能を持ったAIシステムで,プレイヤーやグループのスキルレベルやミッション展開をチェックし,難度を調整する。例えば,プレイヤーのレベルが高いと敵の数を増やしたり,より強力な敵を登場させたりしてくるするため,常に緊張感の高いプレイを維持できるのだ。


人類悠久の歴史を独自にカスタマイズできるストラテジー
■HUMANKIND
開発元:Amplitude Studios
販売元:SEGA
発売予定日:4月22日
プラットフォーム:PC
公式URLhttps://humankind.game/


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 「HUMANKIND」は,1つの拠点でプレイを開始し,地域の探索や開拓,生産,技術の発展,近隣文明との交渉や戦争をとおして自分の文明を発展させる比較的オーソドックスなストラテジーだ。
 このジャンルの金字塔である「シビライゼーション」シリーズを思わせるが,本作にはエジプトや日本といったさまざまな文明が60種類の「ひな型」として用意されており,時代を経て進化していくことによって,プレイヤーの好みの文明に育てていける。最終形には100万とおりのバリエーションがあり,リーダーの容姿なども変化させることができるようだ。
 勝利条件は,偉大な発明を成しとげたり,巨大なモニュメントを建設したりするという歴史イベントを達成することだが,それだけでなく,大きな戦いに勝利を収めることなどで「名声」を獲得し,それを溜めることでも達成できるとのこと。
 複数のユニットをスタックしてマップを移動し,敵勢力と接すると,そのままチェスのようなターン制のバトルが始まり,画面上では細かいアニメーションで動く兵士達の様子も満喫できる。ストラテジーファンなら,じっくりやり込める作品になるはずだ。


日本のターン制RPGへの愛が込められたキュートな1本
■Cris Tales
開発元:SYCK/Dream Uncorporated
販売元:Maximum Games
発売予定日:2021年初頭
プラットフォーム:PC / PS4 / Switch / Xbox One
公式URLhttps://modusgames.com/cris-tales/


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 アニメ調のキュートなキャラクター達が登場する「Cris Tales」は,「クロノトリガー」など日本のターン制RPGにインスパイアされた作品で,ファンタジー世界クリスタレスを舞台に,主人公の少女クリスベルが世界の制覇を目論むタイムエンペラスの野望を阻止するという物語が描かれる。クリスベルは4つの王国を旅しながら仲間と出会い,協力していくことになる。
 ユニークなのは,ゲーム画面が左から「過去」「現在」,そして「未来」に3分割されていることで,クリスベルらはティアリングという時空の裂け目を利用して,それぞれの時間に介入できる「過去から現在の状況を学び,良い未来を作っていく」というパズル的なシステムになっていることだ。現在は存在しないものが過去にあったりなど,同じ場所でも特定の時間でしか発見できないといった探索要素が散りばめられている。


1日で8人のターゲットを始末するまで抜け出せない主人公の物語
■DEATHLOOP
開発元:Arkane Studios
販売元:Bethesda Softworks
発売予定日:5月21日
プラットフォーム:PC / PS5
公式URLhttps://bethesda.net/game/deathloop


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 「Dishonored」シリーズで知られるArkane Studiosの新作アクション「DEATHLOOP」は,親会社のZeniMax MediaがMicrosoftに買収されて以来,初のゲームとなるはずの本格アクションだ。
 過去に軍部の秘密実験が行われていたリゾート島ブラックリーフで目を覚ました主人公コルトだが,この島には真夜中になると前日に戻ってしまうという時空の歪みが発生している。コルトがその無限ループから脱出するには,1日が終わるまでに8人のターゲットを仕留める必要があり,ターゲットをどの順番でどうやって倒していくかを試行錯誤しながらプレイしていくという,アイデアが光る作品に仕上がっている。
 攻略法がネットなどで漏れてしまうと意味がなくなるため,ターゲットの行動やキルする順番などはランダムに決まると思われるが,いずれにせよ,プレイヤーはそれぞれの目標を観察し,遠くから狙撃するか,銃撃戦を繰り広げるかといった選択を常時こなしていく。ライバルとしてプレイヤーの前に立ちはだかるキャラクターの存在も気になるところで,スタイリッシュなアートワークにも注目したい。


スピーディなガンプレイとキッチュなアジア感が特徴のぶっとびFPS
■Shadow Warrior 3
開発元:Flying Wild Pig
販売元:Devolver Digital
発売予定日:2021年内
プラットフォーム:PC
公式URLhttps://shadowwarrior.com/


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 前作から5年ぶりのシリーズ最新作となる「Shadow Warrior 3」は,日本と中国をごっちゃにしたような,キッチュなアジア感が満載のFPSだ。主人公の忍者,ロー・ワンが長い眠りについていた古代龍を誤って解き放ち,世界の終焉が訪れたことにより,前作で仲間になったオロチ・ジラと共に妖怪が巣くう山奥へ足を踏み入れ,再び古代龍を迷宮に閉じ込めるという物語が展開するという。開発チームがネオ・フューダルジャパン(Neo-Feudal Japan)と呼ぶアートスタイルは,とくに日本人にとっては興味深いところだが,登場する妖怪が日本の伝説上のものとはほとんど関係ない雰囲気に描かれたりなど,ぶっ飛びぶりは前作以上だろう。
 アクションにも磨きがかかり,銃器とカタナを自在に操りながらパルクールを駆使した機敏な動きで戦いを堪能できる。ダブルジャンプ,ウォールラン,エアダッシュなどに加え,新たにグラップリングフックによる移動も可能になり,敵のスキをついて必殺ワザを出したり,巨大な電ノコのようなオブジェクトを利用して相手を始末するといったド派手なキルに精を出せそうだ。


悪の天才が世界征服を目指すコミカルなストラテジー
■Evil Genius 2: World Domination
開発元:Rebellion Developments
販売元:Rebellion Developments
発売予定日:2021年内
プラットフォーム:PC
公式URLhttps://evilgeniusgame.com/en


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 「Evil Genius 2: World Domination」は,30年近い歴史を持つイギリスのデベロッパRebellion Developmentsが,2004年にリリースされた「Evil Genius」の版権を取得し,16年ぶりの復活を目指すストラテジーゲームだ。プレイヤーは,悪の天才イーブル・ジニアスとなり,押しかけてくる正義のエージェント達を抑え込みながら要塞を築いたり,カジノを経営したり,最終兵器を作ったりしていく。正義と悪をひっくり返した名作「ダンジョンキーパー」を思わせる,コミカルなタッチの作品だ。
 部下を訓練してさまざまな仕事を任せたり,右腕となるヘンチマンの率いる武装グループを世界に送り込んで財宝を盗んだりなど,100種類以上の悪事が用意されており,悪名が増えるにつれて,超有能な正義のスーパーエージェントや,Forces of Justiceという対テロチームがやってくるようになる。巨大送風機やサメの水槽が待つ落とし穴などの各種トラップを要塞に仕掛け,やってきた正義の味方を撃退することも本作の醍醐味の1つ。あの手この手で邪悪な目論みを達成しよう。


発見された新大陸で希少物資の獲得を目指すMMORPG
■New World
開発元:Amazon Game Studios
販売元:Amazon.com
発売予定日:2021年春(βテスト)
プラットフォーム:PC
公式URLhttps://www.newworld.com/en-us


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 ゲーム業界への進出を目指すAmazonの大きな足がかりになりそうな新作,「New World」は,16〜17世紀をモチーフとした世界観を背景に,戦争や疫病で荒廃した旧大陸から,新たに発見された新大陸エターナムに存在する希少な鉱物を目指して押し寄せる冒険者達を描くMMORPGだ。新大陸には危険もいっぱいで,闇の力に支配された動物やモンスターなどが跋扈している。プレイヤーは「Marauders」「Syndicate」,そして「Covenant」という3つの勢力のいずれかに属し,最大5人の仲間と連れ立ってクエストをこなしたり,レイドに乗り出していく。
 エターナムにはPvPゾーンセーフゾーンがあり,プレイヤーはほかの勢力との大規模な抗争に挑んだり,セーフゾーンで気の合う仲間とまったりプレイを楽めるという。農業や鉱物の採取はもちろん,皮革,宝石,調理,石切りなど多彩なクラフティングスキルが用意されているので,家具などを作ってインテリアに凝ってみるのも面白いだろう。
 開発にはAmazonの「Lumberyard Engine」が使われており,「サイレントヒル ホームカミング」を制作した旧Double Helix Gamesのメンバー達が開発を進めている。現在,クローズドβテストが始まっているとのこと。


シアトルの闇に潜む吸血鬼の魅惑的な世界
■Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2
開発元:Hardsuit Labs
販売元:Paradox Interactive
発売予定日:2021年中
プラットフォーム:PC / PS4 / PS5 / Xbox One / Xbox Series X
公式URLhttps://www.bloodlines2.com/


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 開発の遅延により,発売時期の延期が続く「Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2」。人々が下級アンデッドにされてしまうという事件に巻き込まれながらも生き延びた主人公が,事件を起こした張本人と,その背後に潜む陰謀を追っていくうち,シアトルの裏社会で吸血鬼勢力同士の激しい抗争が勃発する,という物語を描くオープンワールドのアクションRPGだ。吸血鬼は人間の血を吸うことで力を得るが,吸った相手がそのとき持っていた感情によって得られる力が異なるという「Blood Resonance」システムなど,テーブルトークRPGをベースとする作品らしい,凝った内容になっている。
 本作には,地位の低い下級ヴァンパイアの総称である「Thinblood」,アナーキストタイプの「Brujah」,黒魔術に傾倒する「Tremere」,文化的エリート集団として地位の高い「Toreador」,企業をフロントに組織化された「Ventrue」,そして過去の遺産によって少数派ながら地位を保つ王族系の「Malkavian」の6つの勢力が登場する。どの勢力と協力関係を結ぶか,どのようなヴァンパイアパワーを求めるかはプレイヤー次第だ。多彩なキャラクターや,分岐の多い会話も特徴で,官能的でモダンゴシックな世界を堪能できる大人向けの作品に仕上がることが期待できる。


アジアンテイストなキャラクターが対戦するバトルロイヤル
■NARAKA: BLADEPOINT
開発元:24 Entertainment
販売元:24 Entertainment
発売予定日:2021年夏
プラットフォーム:PC
公式URLhttps://www.narakathegame.com/#/


画像集#017のサムネイル/Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 厳密には欧米産ではなく,中国生まれとなる「NARAKA: BLADEPOINT」は,最大60人のプレイヤーがオンラインで1つのマップに集い,最後の1人になるまで戦うという三人称視点のバトルロイヤルゲームだ。中国の桂林を思わせる高低差の大きな山間部で,プレイヤーはパルクールを駆使したり,鈎縄をうまく使って移動したりなどを繰り返しつつ,見つけた敵と剣や弓で戦いを進めていく。
 現時点でキャラクターとして6人がアナウンスされており,いずれも,中国や日本,さらには砂漠の遊牧民など,アジアンテイストを前面に押し出している。プレイヤーは,これらのキャラクターの武器やコスチュームをカスタマイズすることが可能だ。
 剣戟では,「通常攻撃」「鋼体攻撃」「崩しの構え」という3つの構えが用意されるなど,しっかりとした作り込みが行われており,3人1組でプレイするモード「トリオ」なども用意されている。開発力の向上が著しい中国のスタジオが作る海外展開を意識した新作だけに,今後,注目度は上がっていきそうだ。


欲望に突き動かされるクリーチャーが主人公のステルスアクション
■The Lord of the Rings: Gollum
開発元:Daedalic Entertainment
販売元:Daedalic Entertainment
発売予定日:2021年内
プラットフォーム:PC / PS4 / PS5 / Switch / Xbox One / Xbox Series X


画像集#018のサムネイル/Access Accepted第672回:2021年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 J・R・R トールキン氏の原作小説「指輪物語」の正式ライセンスを獲得した「The Lord of the Rings: Gollum」は,日本語版小説では「ゴクリ」(映画では英語原音に近いゴラム。本名はスメアゴル)という名前で知られる狡猾で残忍なホビットとしてプレイするアクションゲームだ。映画でも,協力者を装いながら物語の主人公フロドに近づき,強大な力を持つ「一つの指輪」を奪おうと画策していたキャラクターだけに,彼の知られざる物語を描く野心作として,ファンにとって興味深いものとなるはず。
 映画とは異なり,ゴクリの表情はどことなく愛らしい雰囲気に変えられており,ゲームの物語はそんなゴクリが幽閉されていたバラド=ドゥーア(暗黒の塔)から逃げ出すところから始まる。積極的に戦闘するようなキャラクターではないので,ステルスやパズルに比重が置かれたシステムになっているようだが,フロドを見つけて罠に嵌めたりできるのかは現時点では不明。これまでストーリー性の高い作品を制作してきたDaedalic Entertainmentだけに,ゴクリの二重人格性で生じるさまざまな選択を,プレイヤーが考えながら決定していくといったプレイが楽しめるはずだ。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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