プレイレポート
「化石プレイ」プレイレポート:単調かつ地味な作業を面白がれる人にオススメの,愛すべきクリックゲー
「化石プレイ」とは,そもそもどんなゲームなのか。公式サイトの解説を一通り読んでも,あまりピンとこないと思うが,一言でいえば「地面から古代生物の化石を掘り出す」,ただそれだけのゲームだ。
全部で八つのステージには,それぞれ1〜4種類のマップが用意されており,誰もが一度は名前を聞いたことのある,有名な古代生物/恐竜の化石パーツがばらばらに埋まっている。プレイヤーは,化石を掘り出すために必要な7つのアクション,「けずる」「ほる」「たたく」などを駆使して,貴重な化石を傷つけないよう注意しながら,すべてのパーツを掘り出していくこととなる。
操作はすべてマウス(ホイール操作含む)およびペンタブレットに対応しているが,キーボードによるショートカットも用意されている。地面をこつこつ掘るという作業には,ペンタブレットのほうがイメージ的にお似合いなのだが,マウス操作でもとくに不便なことはなかった。ちなみに,今回の執筆にあたっては,すべてマウスでプレイしている。
コリコリコリコリ……ひたすら化石を発掘するだけの,極めて地味なゲーム内容なのに,いったんプレイし始めると,一心不乱に画面を見つめて(ときには息を止めて),ただただ指を動かしてしまう。時間が経つのも忘れてしまう不思議で危険な魅力が,化石プレイには埋まっているのだ。
化石を発掘するための,五つのステップ/7つ道具を紹介
ここでは実際の発掘手順とともに,七つ道具の使い方をレクチャーしていこう。なお,化石の埋まっている位置はプレイするたびに微妙に異なっている。スクリーンショットを見てしまったからといって,化石プレイの楽しみが半減することはないので,その点は安心してほしい。
★ステップ1:さがす
★ステップ2:はらう&けずる
「はらう」で表面の砂を払ったら,次は「けずる」アクションに切り替え,化石が埋まっていそうなポイントを軽くクリック。けずるは,一度に大量の地層を削れる便利なアクションだが,調子に乗ると化石にダメージを与えてしまうので慎重に。なお「さがす」と「けずる」には使用回数制限が設定されており,アイコンの右下に残り回数が表示される。さがすは14回,けずるは99回で,一定時間ごとに使用回数は回復する
★ステップ3:ほる&たたく
「けずる」で化石の周囲をおおまかに削ったら,アクションを「ほる」に切り替えて,表面についた土を丁寧に除去しよう。指先でポリポリほじくると,土が少しずつはがれていくのが確認できるはずだ。ちなみに「ほる」はマウスホイールを回して操作するので,夢中になり過ぎると指を痛める可能性が……。そんなに夢中になるのは筆者くらいかもしれないが,一応注意してほしい。なお,ときには発掘の邪魔になる岩が地中で見つかることがある。その場合は「たたく」で岩を破壊してしまおう。化石を叩いてしまうと一発で大ダメージを与えてしまうので,これも慎重に。
★ステップ4:つかむ
マップ内にはお目当ての化石以外にも,スコアがアップする貝殻の化石「得点アイテム」と,衝撃を与えると青から黄,黄から赤へと色が変化する「バルーン」が埋まっている。バルーンはいわばお邪魔アイテムで,これを破裂させてしまうと真っ赤なインクが飛び散り,化石が汚れてしまうのだ。どちらのアイテムも,周囲の土をぐるっと取り除いたあとに「つかむ」で引っ張り出せば,スコアが加算される。地層は表面の砂も合わせて全部で5層あるのだが,この二つのアイテムはどの地層に埋まっているか分からない。油断は禁物だ。
★ステップ5:ふく
おまけ要素のミニゲームとアルバム
化石を無事に掘り出すと,古代生物の骨格シルエットに,化石パーツを当てはめていくミニゲームがスタートする。すべての化石パーツをが揃うと,完成した化石の名前や体の大きさ,生息地域,主な特徴などが「アルバム」に格納され,いつでも閲覧できるようになる。
シルエットにパーツをはめるミニゲーム。未発掘の化石の形が分かってしまうというデメリットがあるので,気になる人はご注意を |
アルバムには化石の情報だけでなく,初クリア日,ハイスコア,掘り出した総土砂量,クリア回数といったプレイ記録も表示される |
究極の自己満足プレイ。だが,それが楽しい「化石プレイ」
筆者の化石発掘における自己最短記録は,ステージ5のマップ3で17分38秒。もちろんミス点ゼロだ。我こそはという4Gamer読者は,これを一つの目標として発掘に励んでみるといいだろう |
そもそも,化石プレイのようなタイトルにあえて手を出す人は,梱包材のぷちぷち(エアキャップ)を見ると片っ端からつぶさずにはいられないタイプとか,1万ピース以上のジグゾーパズルを作るのが好きとか,MMORPGでは必ず「マゾい」といわれているクラスを選んでしまうとか,そんなタイプが多いのではないだろうか(筆者はすべてに当てはまる)。
手持ちのエアキャップはすべて潰してしまった。ジグゾーパズルも完成してしまって手持ち無沙汰。そんな時こそ化石プレイの出番だ。2回目以降の発掘では自己最短記録を狙ってみるとか,除去した土の量(QUANTITY)のぞろ目を狙ってみるとか,はたまた「けずる」アクションを自ら禁じ手にし,すべて「ほる」だけで発掘してみる……なんて苦行プレイも楽しいだろう。
少なくと筆者は,1ステージだけで1週間は楽しめる。最短記録を更新したところで誰がほめてくれるわけでもなく,Web上にランキングが残るわけでもないのだが,自分が記録を見てニヤリとできればいい。そんな自己満足プレイが,このタイトルにはよく似合う。
お昼休み限定の息抜きプレイによし,眠れない夜にじっくり取り組むもよしの化石プレイ。惜しむらくは,どのステージも難易度に変化がなく,発掘手順に慣れると,最初のドキドキ感が失われてしまう点。発掘の難度がほぼすべてのマップで変わらないというのが,ちょっと残念だった。
一つのマップから発掘できる化石パーツは多くて4点。パーツ個々の大きさや形の複雑さにさほど変化がないため,ステージ3をクリアするころには,さがして,はらって,けずって当たりをつけて,道具の使用制限を計算しつつ掘り返す……という行為が単純作業化してしまい,テレビを見ながらの片手間でも,ノーダメージで発掘できるようになるだろう。
緊張感ゼロで化石を掘り出しても,達成感はいま一つ低い。例えば,ステージ後半になるとパーツの一部をルーペで拡大し,骨と骨の間を掘らないとたちまち化石を傷めてしまうなど,プレイの緩急があればよかったのだが。
とはいえ,4000円弱実というお手ごろ価格のタイトルとしては,(非常にプレイヤーを選ぶゲームではあるが)十分に楽しめる内容となっている。少しでも興味が沸いたという人は,とにかく一度お試しあれ。もちろん,翌日に大切な用事がないことを確認してから試してくださいね。
- 関連タイトル:
化石プレイ
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(c)SEGA, 2007