「クロスファイア」日本最強の座はどのクランに。今後のアップデート内容も発表されたオフライン大会をレポート

　アラリオは本日（2011年10月22日），東京・渋谷区のラフォーレミュージアム原宿にて，同社が運営中のオンラインFPS「クロスファイア」の公式大会「CFTL2011 Season2」を開催した。

　この大会は，2011年12月8日～11日にかけて，韓国・釜山で開催されるe-Sportsイベント「World Cyber Games 2011」のクロスファイア部門に，日本代表として出場するクランの選抜が行われるというもの。それと同時に，優勝したクランはクロスファイア日本最強クランの栄誉に輝くというわけだ。
　本大会の開催に先駆け，10月1日，2日，8日，9日の計4日間に分けて，オンライン予選も行われた。予選には64クランがエントリーし，そこで優秀な成績を収めた上位4クランが本大会に招待された。出場クランは以下のとおりだ。

• Vault
• Ast*
• HollowMellow
• Mistral

　CFTL2011 Season2では，日本代表の座をかけて，熱い戦いが繰り広げられたのはもちろん，今後のアップデートに関する発表も行われたので，合わせてレポートしていきたい。

新武器やアイテムは10月末～11月内に実装予定

　決勝戦を前に，アラリオ宣伝チームのシニアマネージャーである宮崎敦子氏が登壇し，今後のゲームのアップデートに関するプレゼンテーションが行われた。

　まず発表されたのは，10月26日に実装される「Halloween武器」だ。ラインナップは「GatLing Gun-Halloween」「Jack Hammer-Halloween」「Field Shovel-Halloween」の3種類となる。ハロフィーン仕様のデザインとなっているほか，通常バージョンより装弾数が多いとのことだ。

　さらに，11月に実装予定の新武器も2種類発表された。ラインナップは「M4A1-S Bandage」「S&W M66」となる。これらは韓国ではすでに販売されている武器になるが，プレイヤーからの人気が非常に高いそうだ。
　銃の特徴としては，M4A1-S Bandageは通常より装弾数が多いことや，重量が軽く反動も小さいことが挙げられる。S&W M66は初登場の武器で，サブ武器という扱いながら威力はなかなか高くなっているという。


　銃以外では，「機能性キャラクター」というアイテムも11月に実装される。こちらは「GLOBAL RISK」「BLACK LIST」という2種類が用意され，スモーク効果を減少させるという能力があるそうだ。これまではこういったキャラクターは期間制で販売していたものの，今回は永久に使用できるキャラクターになる予定だ。

　そのほか，実装されるかはまだ分からないものの，日本の運営チームから「クロスファイアならではのモードやマップを追加したい」と，韓国の開発会社への提案も行なっているという。「サバイバルゲームをイメージした，自然が舞台のジャングルマップ」「殲滅戦・チームデスマッチでのナイフ戦」「落下地点が複数あるマップ」などの今までになかったマップをはじめ，「陣笠」「兜」「般若・ひょっとこのお面」といった和を感じさせるアバターアイテム，自衛隊スキンなどを提案しているそうだ。


　また，クランを活性化させるための要素も提案されており，今後は大会を定期的に開催していく計画があるほか，ゲーム内で自動的に大会を行えるようなシステム追加の提案をしていると宮崎氏は述べていた。
　アップデートに関しては，今後も新たな情報が公開されると思われるので，続報に期待しよう。

WCG 2011出場権をかけた熱いバトル

優勝クランはMistral

　次は大会のレポートだが，その前に，ルールについて紹介しておこう。試合は5対5のチーム戦となり，どちらかが5ラウンド取った時点で，攻守交替となる仕組みだ。そして先に9ラウンド先取したクランが勝ちとなる。試合終了時に獲得ラウンド数が同数だった場合は，それまでのゲームでのチームの合計キル数が計測され，多い方が判定勝ちとなる。もし，合計キル数が同じならば，再戦という形で仕切り直しだ。
　決戦の舞台はとなるマップは，WCG 2011でも使用される新マップ「ANKARA」（アンカラ）。こちらは各所に抜け道が設置されており，チームワークが求められるという。

　今回出場する4クランはA～Dブロックに分かれて，上記のルールで競い合う。勝者は決勝戦進出，敗者は3位決定戦に臨むことになる。準決勝の組み合わせは以下のとおりだ。

• Vault VS. Ast*
• HollowMellow VS. Mistral

●準決勝第1試合
Vault VS. Ast*

　準決勝第1試合はVaultの攻めでスタート。両者出方を見るためか，膠着状態に陥っていたが，まずはAst*が先取点を獲得した。続く第2ラウンドはVaultが取り返し，結局前半ラウンドはシーソーゲームという展開になり，最終的に5対4でVaultがリードした状態で攻守交替となった。
　後半戦では，第10～12ラウンドをAst*が連取し，勢いに乗る。第13ラウンドでVaultが1ラウンド返すものの，彼らの反撃はここまで。第14，15ラウンドもAst*が勝利し，決勝戦に駒を進めた。


●準決勝第2試合
HollowMellow VS. Mistral

　準決勝第2試合は，波乱の展開となった。HollowMellowの先行で始まった前半戦はシーソーゲームとなったが，後半戦では勢いに乗ったHollowMellowが第10～13ラウンドを制し，8対4で王手をかける。しかし土壇場になったところで，Mistralが怒涛の追い上げを見せて，HollowMellowのスコアに追いつくという展開を見せる。これには試合を観戦していた来場者達からも，どよめきの声が挙がったほどだ。
　全ラウンドを終えたところで，ルールに従い勝負の結果は判定に持ち込まれたが，HollowMellowが全ラウンドで合計62キルをマークしたのに対し，Mistralは71キルと大きく上回り，決勝進出を果たした。
　今大会で唯一の判定勝利となった試合となったが，どちらが勝ってもおかしくないと思わせる，ハイレベルな戦いだった。

●3位決定戦
Vault VS. HollowMellow

　3位決定戦はVaultの勢いを感じさせるゲームとなった。Vaultは連携の取れた動きで前半戦を5対3でリードし，そのまま後半戦も第9～11ラウンドを連取。8対3という圧倒的有利な状況でマッチポイントを迎える。追いつめられたHollowMellowは，1ラウンド勝利し見せ場を作るものの，残念ながらあと一歩及ばず，続くラウンドでVaultが勝利を飾り，スコアは9対4でゲームセットとなった。


●決勝戦
Ast* VS. Mistral

　決勝戦は準決勝を制したAst*とMistralという組み合わせになった。両クランは大会に向けて練習試合を繰り返し行なっていた仲で，お互いの手の内を知り尽くしている様子。どのような試合展開になるか，会場中の注目が集まった。

　前半はAst*の攻撃でスタート。第1～3ラウンドをAst*が連取し，ワンサイドゲームになるかと思いきや，続く第4～6ラウンドをMistralが制し，お互い一歩も譲らない。手に汗握る非常に熱いゲームとなったが，最終的には5対4でAst*が1ラウンドリードして，後半戦となる。


　Mistralが攻めとなった後半戦では，Mistralが見事なチームワークを見せて第10～12ラウンドを連取する流れに。このままの勢いで突き進むものかとも思ったが，ここでAst*が1ゲーム勝利し，スコアは6対7と，どちらが勝つのか予想できない状態になる。しかし，そのまま乱れのない動きでMistralが2連勝し，日本最強クランという栄誉に輝いた。
　優勝と同時にWorld Cyber Games 2011への出場権を得たMistralは，「WCGで優勝するぞ！」とマイクアピールを行い，来場者から拍手喝采を浴びていた。ぜひ世界を舞台に活躍してほしいものと思う。


　決勝戦の後に行われた表彰式では，各クランに賞状と副賞が贈呈された。そして最後に，アラリオの宮崎氏が「Mistralの皆さんには日本代表として全力で勝ち抜き，WCG 2011で優勝してほしいです。期待しています」とエールを送り，イベントは無事に幕を閉じた。

「クロスファイア」公式サイト