インタビュー
「モンスターハンター フロンティアG」の大型アップデート「G5」直前インタビュー。アイルーが活躍する「パートニャー」や新たな古龍種モンスターなどの新要素について聞いた
今回4Gamerでは,本作の運営プロデューサーを務める関野亮央氏と,同じくディレクターの木本龍己氏にインタビューを実施。G5の新要素はもちろん,今年4月に実施された「GG」アップデートの反響を受けて,今後どのように運営するのかといったテーマで話を聞いてきた。
「モンスターハンター フロンティアG」公式サイト
「G5」アップデート プレビューサイト
穿龍棍を筆頭に好評だった「GG」アップデート
今後はさらなるバランス調整を重ねる
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
関野さんは,MHF-Gのプレイヤーにはお馴染みではありますが,4Gamerのインタビューは初登場です。そこで,簡単に自己紹介をお願いできますか。
はい。「モンスターハンター フロンティア オンライン」のフォワード.1から4,そしてMHF-Gの「G2」アップデートまでのプロモーションサイト制作に携わってきました。その後,アシスタントプロデューサーという形でイベントやキャンペーンなどの編成業務を行い,このたび運営プロデューサーに就任したという流れですね。
4Gamer:
ありがとうございます。
それでは,4月に実施されたGGアップデートを振り返っていただけますか。
関野氏:
全体的には,プレイヤーの皆さんに好評だったと捉えています。最大の目玉であった穿龍棍は多数のハンターに触れていただきましたし,とくに休眠プレイヤーの復帰を促すきっかけにもなりました。
4Gamer:
アップデートを受けて,プレイヤーからさまざまな意見が寄せられたかと思います。それらに対して,今後どのように対応するのでしょうか。
関野氏:
GGについては杉浦(MHF-Gプロデューサーの杉浦一徳氏)が以前にお話したように,G1アップデートの不評によって背負ってしまった借金をゼロに戻すことを目標にしていました。その点に関しては,プレイヤーの皆さんから良い評価をいただいています。
しかし,1つ1つのコンテンツに対しては厳しいご意見もありました。たとえば,穿龍棍は非常に強くて,爽快感の高い武器種であるという評価がある一方で,ほかの武器種──とくに同じ打属性のハンマーの立場を奪ってしまう,といった懸念が寄せられました。そこで,今後は穿龍棍を弱体化するのではなく,ほかの武器種の特徴や特性を伸ばす形で継続的にバランスを調整していこうと考えています。
4Gamer:
そのほかのコンテンツについてはいかがですか。
関野氏:
「パローネ大航祭」はリニューアル後も何度かリファインを行っていますが,まだまだ皆さんに満足していただけているとは思いません。狩人祭や極限征伐戦と同様に,今後も改善していき,満足していただける内容に仕上げていくつもりです。
もちろん,そのほかのコンテンツも寄せられたご意見を参考にしながら,間に合うようであればG5で,それが無理でも可能なかぎり迅速に対応していきます。
新システム「パートニャー」
アイルーがクエストに同行してサポートしてくれる
4Gamer:
G5で実装されるコンテンツのうち,最大の目玉となるパートニャーについて解説をお願いします。
パートニャーとは,クエストに同行するアイルーのことですが,さまざまな方法でハンターをサポートしてくれます。しかし,すでにラスタやパートナー,レジェンドラスタといった強力なノンプレイヤーキャラクター(NPC)が存在していますので,そこにパートニャーを加えるにあたって,どう差別化を図るのかが課題でした。たとえばパートニャーをクエストに連れて行ったときのメリットが,「強さ」というだけではほかのNPCとあまり変わらないですよね。
4Gamer:
確かにそうですね。それでは,パートニャーのメリットとは何でしょうか。
木本氏:
まずはアイテムポーチの拡張です。パートニャーがいくつかアイテムを持ってくれるので,ハンターはそのぶん多くのアイテムをクエストに持ち込めます。さらにパートニャーは率先して罠を仕掛けたり,大きな爆弾を使ったりしてハンターを助けます。
関野氏:
ハンターの皆さんは,NPCの攻撃力を重視される傾向がありますが,パートニャーは今後,サポート面をさらに伸ばす方向で能力を強化していく予定です。クエストに応じて,ほかのNPCと使い分けてほしいですね。
4Gamer:
パートニャーの雇用条件を教えてください。
木本氏:
G5の実装時点では最大3匹のパートニャーを雇用可能です。最初の1匹は誰でもすぐに雇用でき,パートニャーの名前や見た目などは自由に設定できます。
関野氏:
もう1匹の雇用条件は,猟団に加入しており,パートニャーを同行させた状態でクエストを達成することです。したがって,すでに猟団に加入しているハンターであれば,すぐに雇用できると思います。
もしくはパートニャーのランクが300に到達した場合にも,同様に1匹追加されます。ランクはパートニャーをクエストに同行させると徐々に上がっていきますので,ハンターの皆さんには頑張っていただきたいなと。
木本氏:
パートニャーの能力もクエストに同行させることで成長していきます。また,従来の「マイホルク」に代わる「マイサポート」のメニューでトレーニングさせると,さらなる成長が見込めるようになります。
関野氏:
パートニャーには専用の武具も用意しました。まずは30種類程度のラインナップを予定していますが,モンスターをモチーフにしたものが多いですね。
4Gamer:
パートニャーについては「成長要素のあるNPC」といった認識でよろしいでしょうか。
木本氏:
それも間違いではありませんが,ほかのNPCにはない要素として「派遣」があります。これはクエストに同行していないパートニャーを猟団に派遣し,ほかのプレイヤーのパートニャーと「トレジャー隊」を編成して,「猟団トレジャー」に送り出すというものです。
猟団トレジャーに出発すると,一定時間経過後にさまざまな素材や宝の地図を持ち帰ってくることがあります。この宝の地図には「密林の水辺の近く」といったように隠し場所のヒントが記されているのですが,実際に宝を発見できれば猟団全員に恩恵が得られます。
4Gamer:
どのような恩恵ですか。
関野氏:
ピアスなどの防具を生産できる特殊な素材を獲得できます。
4Gamer:
なるほど。パートニャーを猟団に派遣すれば,自動的に猟団トレジャーに出発するのでしょうか。
猟団のプレイヤーがパーティ(トレジャー隊)を編成する必要があります。最大5匹で編成できますが,パーティ内にはリーダーなどの役割が存在しますので,より多くの素材やレアな素材を獲得するためには,パートニャーの能力に応じて役割を選択したほうがいいというわけです。
4Gamer:
猟団トレジャーに送り出せるパーティ数はどうなりますか。
木本氏:
ハンター1人につき,1つのパーティを送り出せます。パーティに選ばれたパートニャーの雇用主には,もちろん見返りがありますよ。また,パートニャーには狩人祭で魂を多めに獲得できるという特殊な効果もあります。
ほかにも,メニュー周りがパートニャー仕様で可愛らしく仕上がっていますので注目してほしいですね。とくにパーティを送り出すシーンでは,アイルーが手を振りながら走り去って行くのですが,それをハンターが追い越せるようになっています。ぜひ試していただければと(笑)。
関野氏:
9月後半に予定している中間アップデートでは,パートニャーに専用装飾品を装備させて,スキルを発動できるようになります。スキルの効果は超特大爆弾など,クエストのサポートに特化したものになる予定です。
新たな古龍,雅翁龍「イナガミ」と金塵龍「ガルバダオラ」
4Gamer:
続いて,新モンスターについて教えてください。
G5では,2体の古龍種を実装します。
雅翁龍「イナガミ」は,G級および剛種クエストに登場するモンスターですね。当初は「肉食のキリン」といったイメージを想定し,キリンのデータをもとに制作していたのですが,やはり無理がありました(苦笑)。結局,全面的に作り直しています。
4Gamer:
イナガミはどのような特徴がありますか。
木本氏:
GGで実装したディオレックスは攻撃することで硬い甲殻を柔らかくしていくタイプでしたが,イナガミは逆にどんどん硬くなります。イナガミは攻撃を受けると,体内から分泌物が出て甲殻で覆われていきます。甲殻の部分が増えるにつれて動きが鈍くなるのですが,その代わりに攻撃は重くなるというわけです。
そして最終的に全身が甲殻で覆われると,やがて一斉に弾け飛んで,イナガミに隙ができるという流れです。当然,爆風に当たってしまうとハンターはダメージを受けますが,うまく回避できれば大きな攻撃チャンスになりますね。
4Gamer:
イナガミが登場するのは,新フィールドの「竹林奥部」のみでしょうか。
木本氏:
当面はそうですね。イナガミは竹林奥部の特徴を生かした攻撃を繰り出してきます。たとえば,イナガミの尻尾は竹の子状になっていますが,地面に突き刺すと無数の竹を生やしてハンターを攻撃します。そのほか,竹を咥えて攻撃したり,竹のしなりによって三角飛びを繰り出したりと,さまざまなアクションを用意しました。
4Gamer:
それでは,もう1体の金塵龍「ガルバダオラ」はいかがでしょうか。
木本氏:
ご覧になればお分かりかもしれませんが,金色のクシャルダオラに結晶をプラスしたイメージのモンスターです。登場するフィールドは「大型探査船」で,剛種と烈種のクエストを用意しています。つまり,これまでは大型探査船のクエストはG級専用でしたが,HR(ハンターランク)100でも登場するようになったというわけです。
4Gamer:
具体的な特徴を説明していただけますか。
木本氏:
イナガミとは対照的に,ガルバダオラはMHF-Gの流れを汲んだド派手な存在ですね。常に金粉をまとっているため,見栄えのするエフェクトや全体攻撃,さらに結晶化攻撃などが特徴です。
関野氏:
PlayStation Vita版「MHF-G ビギナーズパッケージ」のメインビジュアルを飾るモンスターということで,オープンβテストが開始となるタイミング(8月13日)で狩猟解禁になる予定です。
4Gamer:
剛種クエストが用意されているとはいえ,HR100に到達したばかりのハンターでは苦戦しそうですね。
確かに,初めての狩猟で討伐するのは容易ではないでしょう。もちろん,理不尽な強さにはならないよう配慮していますが。
木本氏:
さらに烈種のガルバダオラには,特有のモーションを追加しているんですよ。とくにガンナーだと「おおっ!」と驚かれるのではないかと。ただ,仕組みさえ分かってしまえば,そんなに苦労しないとは思います。
関野氏:
「はぁ?」ではなく,「おおっ!」となるのがポイントです。ともあれ,ガルバダオラはあえて事前の情報公開を控えていますので,ぜひ実際に挑んで確認してください。
4Gamer:
それは気になってしまいますね。
あとは特異個体モンスターとして,「ゲリョス亜種」と「エスピナス希少種」が登場します。
関野氏:
ゲリョス亜種は,ゲリョス自体が持っているいやらしさをさらに強調した感じですね。一方,エスピナス希少種については,カッコよさに注目してもらいたいなと。たとえば,エスピナス希少種は炎をまとって舞い上がるのですが,見入ってしまうくらいにとても見栄えがいいですよ。今回はそれぞれ特徴のある特異個体を用意できたと思っています。
ゲリョス亜種 |
エスピナス希少種 |
歌姫と新レジェンドラスタの関係とは
新しい属性とスキルも追加に
4Gamer:
それでは,新レジェンドラスタの「レイラ」について教えてください。
すごくパンチが効いた見た目というか,露出過多というか(苦笑)。レイラの防具は「キャロル」シリーズをカスタマイズしたものですが,ほかのレジェンドラスタではわざわざそんなことしていないんですよ。
レジェンドラスタは女性が多いので,個人的にはそろそろ男性キャラクターも追加したいところですが,とあるプロデューサー(杉浦氏のこと)が「やっぱり女の子がイイ!」と主張するのでこうなりました(笑)。案としては,オネエ系の男性キャラクターとかも考えていたんですけどね。
レイラは穿龍棍使いということで,レジェンドラスタの中でも相当強い部類に入ります。また,歌姫と深い因縁があり,そのあたりのストーリーは歌姫の関連クエストで描いていきます。
関野氏:
G5で実装する歌姫のクエストを進めると,新たな歌姫武器を入手できますが,この武器には新たに実装される「響」属性が付与されています。
4Gamer:
響属性はどのような効果がありますか。
関野氏:
「水」と「龍」の複属性です。すでに奏属性は人気がありますが,どちらが上ということはないので,2つの属性をうまく使い分けていただければと。
4Gamer:
響属性のほかにも,「風」属性が新登場します。
木本氏:
風は「氷」と「雷」の複属性で,ガルバダオラの素材から生産できる武器に付与されます。
4Gamer:
2種類の新スキルについても教えてください。
関野氏:
まず「巧流」はイナガミの防具で発動するスキルです。モンスターの攻撃を回避すると,武器の斬れ味が回復していくという独特の効果があり,双剣や穿龍棍との相性が良いのではないでしょうか。
もう1つの「支援」は一定範囲内にいるハンターに対して,攻撃力と防御力の上昇,回復速度の上昇,絶倫,状態異常無効化の効果をもたらします。攻撃力と防御力の上昇に関しては,自分にも効果が及びます。従来の「鼓舞」に近いイメージですね。
4Gamer:
あとはギルドマスターが女性に変更になるようですが……。
もちろん,とあるプロデューサーの強い希望によるものです(笑)。どんどんロビーが女性だらけになっていきますね。古風な口調と凝ったモーションで,眺めているだけでも飽きないと思います。
ちなみに先代のお爺さん(ギルドマスター)はリストラされたわけではなく,ある理由でメゼポルタ広場を離れたという設定です。
4Gamer:
つまり,いずれは再登場するということですか。
木本氏:
ええ。今後のアップデートに期待してください。
関野氏:
実は,新ギルドマスターはガルバダオラの登場にも関係があり,大型探査船に乗ってメゼポルタ広場に到着したという背景があります。今後,こうしたNPCのバックストーリーを公式サイトで公開していこうと準備しているところなんです。先ほど木本が話したように,いきなり新しいコンテンツを実装するよりも,なぜ先代のギルドマスターがメゼポルタ広場を離れたのかを知ることで,より深く世界観に入り込めるのではないかと考えています。
これまでのMHF-Gでは,そのような説明はほとんどありませんでしたが,やはりあるとないとでは世界観の深さが変わりますので,今後は力を入れていこうかなと。
4Gamer:
なるほど。
話は変わりますが,7月24日からスタートする「英雄伝説 閃の軌跡II」(PS3/PS Vita)とのコラボレーションが発表されました。
関野氏:
武器に関しては,太刀のエフェクトがいい感じに仕上がりました。
防具では,とくに女性キャラクター用のものが人気になりそうですね。堀江由衣さんのイメチェンボイスを利用していただければ,そのままアリサ(英雄伝説 閃の軌跡IIの登場キャラクター)を再現できます。
4Gamer:
性能面はいかがでしょうか。
関野氏:
人気の高いスキルを押さえているので,フルセットはもちろんのこと,ほかの防具と組み合わせてもかなり使えると思います。
4Gamer:
それでは,最後にMHF-Gのハンターにメッセージをお願いします。
関野氏:
8月はPS Vita版のサービス開始,また中間アップデートとして「G5.1」「G5.2」を予定しています。そして10月にも新要素を発表できると思いますので,年末の「G6」アップデートに向けて,MHF-Gは1か月に1回のペースで何かしらの新たな展開をご用意できるように準備を進めています。まずは,その先駆けとなるG5に期待してほしいですね。
木本氏:
ほとんど関野がお話したとおりですが,G6以降も手を緩めるつもりはまったくありません。常に攻めの姿勢でハンターの皆さんを楽しませつつ,驚かせていきますので覚悟してください。
4Gamer:
期待しています。ありがとうございました。
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