プレイレポート
「MHF」プレイレポート後編:“シーズン2.0”で実装されたHR100以上の要素であるSP武器/防具,マイトレなどについて
後編となる今回は,シーズン2.0で開放されたHR100以上のプレイヤー向けコンテンツを紹介していこう。HR100以上の各コンテンツは,従来のモンスターハンターシリーズとは少々毛色の異なる要素も含まれており,独自色も強い。MHFのプレイヤーのみならず,シリーズが擁する多くのファンも注目しているのではないだろうか。
HR100以上のモンスターは“変種”,入手素材は“汎用”
しかし現段階では従来素材との差別化はできず
しかし変種モンスターとはいっても,新モーションの追加などはとくに見られず,体色や破壊可能部位なども原種と変わらない。HR71以上向けの古龍がそうであるように,目に見えない数値の部分で若干強化されている可能性はあるが,HR100を超えるプレイヤーともなれば装備も相応に充実しているため,上位原種と比較しても入手可能な素材以外での違いは認識できないだろう。今後のアップデートで,新たな変種が登場することに期待したい。
HR100以上のプレイヤーを対象とした変種クエスト。変種といっても,体色をはじめモーションや攻撃方法に上位原種との大きな違いはない |
8月の実装直後は最強モンスターと謳われたヴォルガノスも,現在は攻略方法が確立している。変種にもその攻略方法は通用する |
変種狩猟クエストの報酬は汎用素材となる。そのほか「ギルドチェック」「部位破壊保証書」「捕獲保証書」が手に入ることも |
HR100以上のプレイヤーが変種を狩り続ける動機は,報酬として得られる「汎用素材」にある。汎用素材は,変種(およびHR100以上対象のエスピナス)クエストで入手可能で,シーズン2.0で追加された,HR100以上向けの武器/防具の生産/強化に要求されるものだ。従来の素材同様,キー素材となるものは,若干入手確率が低目に設定されているようだ。筆者は,「変種モンスターを連続で十数匹狩ってやっと1個入手できた」なんてことを実際に経験している。
なお,汎用素材はいずれも「飛竜種の尾I」「牙獣種の毛皮III」といった感じで,モンスターの種類ごとに「タイプ+部位+レア度」というネーミングになっている。従来のモンスターハンターシリーズに見られた「盾蟹の尖爪」「翠水竜のヒレ」のように味のある(または読み方が難しい)ネーミングとは異なるため,シリーズのファンには残念な部分だろう。
ちなみに,現在どの汎用素材もI〜IIIまでしかないことから,もしかしたら,今後のアップデートでは“IV”以降が登場し,さらに強力な装備の生産/強化に必要となるのかもしれない。
汎用素材を使って生産/強化できるのは,SP武器/SP防具をはじめとしたHR100以上向けの武器/防具となる。生産には各種汎用素材と変種クエストのマップで採取可能なセンショク草,そして従来のクエストで入手する素材などが必要となる。
強化については,SP武器の場合はほぼ同様の素材を要求されるが,SP防具の強化は,各種「鎧玉」が必要になる。鎧玉は今のところ「大鎧玉」しか実装されておらず,変種クエストの報酬で入手する「玉のかけら」20個を納品する専用クエストの報酬となっている。
なおSP武器/防具ともに,入手可能な素材の関係で現在は3段階めまでしか強化できない。従来最強とされていたクラスの武器/防具と比較すると,際立って優れているわけではない程度のレベルであり,生産&強化したメリットはそれほど大きくない。
筆者の周囲にいるプレイヤーを見ても,目新しさやファッションとスキルの兼ね合いで1〜2か所SP装備を取り入れたり,今後のアップデートでのさらなる強化を見据えて準備していたりするケースが多いようだ。
生産は簡単だがクセが強いSP装飾品と
性能に優れるが生産困難なG装飾品
生産に必要な素材は,いずれも変種クエストのマップに配置されている雑魚モンスターから剥ぎ取り可能なものが大半。したがって生産は比較的簡単だが,SP防具1か所につき1個しか装着できず,またスキルポイントの割り振りが極端でクセが強いため,性能を生かそうとすると,けっこう頭を悩ませることになる。
一方,G装飾品はすべての武器/防具に装着可能で,必要装着スロットが1,スキルポイントは従来品よりも多いという優れものだが,生産にはかなり苦労させられる。例えば,「仙人珠G」なら従来の仙人珠3個,変種モンスターの素材3種類×15個が必要となる。正直,SP装飾品とは比較にならないほど大変だ。G装飾品の性能は魅力的だが,こうした手間を考えると,数日で大量生産できるようなものではないだろう。次回以降のアップデートに向けて,ジックリ素材を集めるのが正解なのではないだろうか。以下に,存在を確認したG装飾品のリストを掲載しておく。
・仙人珠G:達人+5/特殊攻撃+5/耐震+3/攻撃−5
・防御珠G:防御+3/ガード性能+1
・斬空珠G:斬れ味+3/研ぎ師+1
・反動珠G:反動+3/装填数+2/底力−2
・断毒珠G:毒+5/回復速度+2/食事+2
・覚醒珠G:気絶+5/審判+1/回避性能+1/回復速度+1
・音無珠G:聴覚保護+5/底力−3
・万里珠G:千里眼+5/気まぐれ+5
またG装飾品には,シーズン2.0以降に実装された以下の新スキルを発動させるものもある。
・笛吹珠G:笛吹き名人+10
・逃足珠G:とんずら+10
・体術珠G:体術+10
・強肩珠G:強肩+10
・頭電珠G:ひらめき+10
・受身珠G:受け身+10
・交渉珠G:圧力+10
・捕獲珠G:捕獲上手+10
いずれも1個装着すればスキルが発動するが,生産は困難。この中での注目は,モンスター取引価格が上昇する「圧力」,モンスターがペットになる確率が上がる「捕獲上手」といったところだろうか。なお「笛吹き名人」は,演奏の効果持続時間が延びるという,実装前に発表された段階では狩猟笛使い待望のスキルという期待があった。しかし,効果持続延長は自分のみ有効というソロプレイ前提のものだった。
クエストメンバーを含めて演奏効果を切らさないようにするには,結局スキルなしのときと同じ間隔で演奏をする必要がある。演奏効果が持続しているかどうか確認するにはスキルがないほうが便利であることを考えれば,スキルを付ける意義を見いだせないと感じるプレイヤーのほうが多いだろう。公式サイトの要望対応状況ページでも,「クエストメンバーに効果が及ぶように検討中」となっているが,是非とも実現をお願いしたいところだ。
そのほかのスキルについては,個人的に「発動させたい!」と思うほどのものはあまりないのが残念なところ(実際に使ってみたら印象が変わるかもしれないが)。公式サイトのゲームデータ,スキル一覧にひっそりと追加された「胴系統倍加」スキルなどの実装を優先してほしかった気がする。
ガンナーに人気の反動珠G。しかし必要素材を揃えることが困難なので,当面は従来の反動珠で十分というプレイヤーも多いようだ |
新スキル「ひらめき」を発動可能にする頭電珠G。素材を集める苦労を考えると……悩ましいところだ |
加えて,従来装飾品の一部のバランスが調整されている。攻撃+4になった怪力珠,運気+6になった報珠などのおかげで,「攻撃力UP【大】」や「激運」をかなり発動させやすくなった。
また,ギャラリー大会の景品で,今まではあまり日の目を見なかった一連の特殊装飾品が必要スロット1になり,スキルポイントが上方修正されたものもあるため,かなり使い勝手が向上している点は見逃せない。
例えば,永氷珠を2個装着すれば,氷耐性+10/暑さ半減/耐雪が発動する。3個装着すれば氷耐性+20/暑さ無効にグレードアップする。これまで発動させづらかったスキルを発動できるので,攻撃スキルより防御/補助スキルを重視する人にとっては,非常に魅力的なものとなっている。
モンスターハンターにギャルゲー要素が登場?
新たなパーソナルスペース「マイトレ」
さて,ある意味シーズン2.0における最大の追加要素が「マイトレ」である。最初に書いておくと,実装前にお伝えした以上の効能は実感できていない。というのもマイトレに通うともらえる「マイトレポイント」は1日につき1ポイントで,最初の拡張要素であるプーギーの飼育には30ポイントが必要だからだ。すなわち大きな変化を体験するには最低でも1か月かかるというわけである。
しかしこれだけでは何なので,一応これまでの筆者のマイトレ体験を記しておこう。まずHR100になると,マイハウス入り口にマイトレの項目が表示されるようになる。初めてマイトレに入ると,ギルドから派遣された竜人お姉さんが待っており,プレイヤーに質問を投げかけてくる。質問は「はい」「いいえ」で答える形式。その答え次第で,マイトレ3姉妹のうち誰が管理人になるか決まる。3姉妹の誰が来て欲しいのか希望があるプレイヤーは,入念な下調べをしておいた方がよさそうだ。ちなみに筆者のもとに派遣されたのは長女だった。
マイトレにおける1日の区切りは0:00AM(現在は不具合で9:00AM)となっており,マイトレポイントの支給基準も同様。数日ログインできなかった場合には,その期間のポイントをまとめてもらえることもある。ポイントは現在のところプーギーにしか使い道がないうえ,飼育可能な30ポイントにたどり着けるプレイヤーはいないため,できることといえば管理人との会話およびプレゼントである。
会話の中で,特定のアイテムを要求される場合もある。いつも同じものを求められるようなので,あらかじめ準備しておくといい。ちなみに長女はランポス系,次女はゲネポス系の素材を要求される |
マイトレポイントは,当面プーギーを増やすためにしか使い道がない。空欄をすべて埋めなければならないので,プーギー以外の拡張要素はまだまだ先の話。ほかの要素の実装を見据え,現在はポイントを貯めておくのが賢明かも? |
会話では,ハンターライフや3姉妹などについて他愛のない内容の会話が交わされるのだが,中には「はい」「いいえ」で答えなければならない質問も挟まれる。うまく答えられれば調合成功の効果音が流れて好感度アップ,調合失敗の効果音ならダウン。また会話にも回数制限が課されており,1日のうちに大きく好感度を上げることはできない。なお,好感度が高い場合は管理人の口調が親しげになる。
プレゼントは1日に2個まで,任意のアイテムを管理人に渡すことができる。アイテムボックスから直接プレゼントを選ぶことはできないので,あらかじめマイハウスなどで取り出して準備しておこう。プレゼントの内容によっては反応が異なり,そのあとに会話をすると,お返しに秘薬や栄養剤,「乙女の心【体】」「 乙女の心【避】」「乙女の心【気】」といったアイテムがもらえることがある。ただ,こちらも検証期間が短いため,条件としてプレゼントしたアイテムの種類が重要なのか,それとも好感度が関連しているのか,そもそも関係するパラメータを好感度と呼んでいいのかどうかすらハッキリしない状態だ。
上記の内容から,よくマイトレは恋愛シミュレーションにたとえられるが,そう言い切るには今のところ本格度が足りない感じ。筆者個人の感想をいえば,従来のモンスターハンターシリーズのように管理人をアイルーにしても成立したのではないかと思うのだが,まだ判断を下すには時期尚早だろう。
なにしろプレイヤーがリアルタイムの1日で行えることにかなり制約があるため,全貌を把握するにはまだまだ時間がかかるからだ。機会があれば,プーギー以降のマイトレ拡張要素と合わせてレポートしてみたい。
なお,猟団機能に関しても“追加依頼”などの要素が実施されているが,今回の原稿執筆時にランクアップが間に合わなかったため見送っている。別途レポートする予定なので,猟団がランクアップするとどうなるのか気になる人はお楽しみに。
前後編にわたってシーズン2.0を実際にプレイしたレポートしてみた。繰り返しになるが,HR99までは初心者〜中級者向けのコンテンツが充実してプレイしやすくなっている。またHR100以降ではSP装備やマイトレなど,今後のさらなる展開を予感させる要素が徐々に姿を現し,たやすく全貌を見極められないため,プレイヤーの期待を上手に煽っている感を受ける。
半面,一部モンスターの部位破壊判定の異常など,シーズン2.0実装以前には見られなかった不具合も発生しており,いろいろな意味でMHFはまだまだ伸びしろがあり改善の余地があるタイトルであると感じた。
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