インタビュー
「Episode 4.0」での新クラスに関する情報もチラ見せ。「AION」を取り巻く状況と今後について,運営チームにインタビュー
今,まさに大きな転換期を迎えているAIONだが,Episode 3.5の施策はプレイヤーにどう受け入れられたのか。また,ビジネスモデルの変更後,同作をどのように運営していくのだろうか。そのあたりについて,エヌ・シー・ジャパンのMCタナベ氏と,AIONのチームリーダーを務める石田哲也氏に話を聞いた。
「The Tower of AION」公式サイト
現行向けのコンテンツと新規/休眠向けの訴求が合致し
大いに盛り上がったEpisode 3.5
しかしEpisode 3.5では,利用可能レベルが60まで拡大され,全体の8割以上を占めるレベル51以上のプレイヤーが再び挑戦できるようになったこと,さらに時空の亀裂に配置されたガードNPCがAPアイテムをドロップするようになったことから,実装直前と比べて,最大30倍もの利用者数を記録することとなったのである。
「かつてプレイしたマップで再び遊べて,さらにPvPも楽しめますから,往年のプレイヤーからすると『おっ,このシチュエーションは燃えるね!』となるわけです。その一方では,新規プレイヤーや復帰プレイヤーが,レベル差のある現行プレイヤーに一方的に倒されてしまい,クエストを進行できないというケースも生じています。仮に深刻化するようであれば,対策を講じなければならないでしょう」(MCタナベ氏)
そして2位になったのは,Episode 3.5で登場した「ティアマト城砦」である。これまでの人気インスタンスダンジョンを押さえての2位だが,ここでドロップする「ティアマト防具」を狙うプレイヤーが多いことが理由だろう。
また,ティアマト城砦における10月23日から29日までのネームドモンスター討伐の増加率を見ると,入り口付近のものほど倒しやすく,奥に進むにつれて手強くなっていることが読み取れる。
「タハバタに関しては,ダメージを与える床の上で戦うこととなるので,戦闘が長引くほどプレイヤーが不利になるんです。初見だからと,じっくり攻略しようと考えた人達が,どんどん倒されてしまったということでしょう。逆に10月29日には,コミュニティを通じて攻略法が広まり,討伐に成功するケースが増えたと思われます」(石田氏)
続くインスタンスダンジョン利用数3位は,これまた新規実装の「第3テンペル 協力の闘技場」である。この結果は運営チームも意外とのことで,MCタナベ氏と石田氏はその人気の理由を,プレイヤーのペア3組が敵対するという,これまでにないPvPコンテンツであるからではないかと分析する。
「このインスタンスダンジョンでは,自分の強さをアピールできる『第3テンペル 栄光の闘技場』の入場チケットを獲得できるんです。したがって,それが人気の理由であるという解釈もできるのですが,そのわりには同じチケットを獲得できる『第3テンペル 混沌の闘技場』の利用数は変わっていないんですよ。そこで,ペア3組のPvPコンテンツという新鮮さが受けていると捉えています」(石田氏)
また,龍帝ティアマトのいる『龍帝の安息所』は,利用数7位でした。これは入場回数制限があるためで,決して上位のダンジョンより注目度が低いという意味ではないでしょう。全体に新しいダンジョンの利用数が高く,運営チームとしても手応えを感じています」(MCタナベ氏)
さて,MCタナベ氏のコメントにもあった龍帝ティアマトだが,実装初日は,挑戦した全フォースのうち,討伐に成功したのはわずか6%だったというから,その攻略難度の高さがうかがい知れるところだ。なお,その6日後には成功率が46%にまで上がっているが,全体的には,人口が多めの天族のほうが成功数が多いという。
「韓国での討伐動画がネット上で観られますし,公式にも動画を用意しましたが,結果はこのとおりで,多くのプレイヤーにとってかなり歯応えのあるボスだったと言えます。しかも日本では,PvEレーションの効果で,モンスターに対しては攻撃力30%増,防御力15%増になっていますから,韓国と同じ条件にしたらどうなってしまうのか,個人的に気になるところですね」(MCタナベ氏)
ちなみに,ティアマトがドロップする新たな最強グレードの「ミシック武器」は,10月29日の時点で6種類,総計15個しかゲーム内に存在していない。ちなみにハルバード/両手剣/ダガーは,10月29日時点で手にしているプレイヤーがいない状態であった。
「ミシック武器のドロップ率は,これまで見てきた限りだと最も低く,1〜2%となっています。案外高い確率と思われるかもしれませんが,自分のクラスが装備できる武器が出るとは限りませんから,体感の確率はもっと下がります。
またトレード不可なので,装備できない武器は砕いてしまうケースもあると思います。ここで挙げた全15個という数字は,残存しているミシック武器の数なので,実際にはもっとドロップしているかもしれません」(石田氏)
「今後も,ミシック武器の所持数が一気に増えることはないでしょう。その半面,性能はピカイチです。とくに,まだ出ていない武器種に関しては,誰がサーバー初ドロップを獲得するかで盛り上がってほしいですね」(MCタナベ氏)
そのほか,Episode 3.5で追加された要素の影響を見ると,まずレギオンレベルが従来のレベル5からレベル8まで拡張された。10月29日の時点で最高レベルに達したレギオンは,天族と魔族それぞれ1ずつという結果となっている。さらに詳しくデータを見ると,レベル6になっているレギオンが日に日に増えているが,レベル7では1ケタ台に留まっていることから,そこに大きな障壁が存在していると分析できる。
「レベル6にする時点で,“あるインスタンスダンジョンのボスをレギオン全体で42回討伐する”という条件がありますので,レベル7以降はもっと厳しい条件になっています。もうマゾいというか,面倒くさいというか(笑)。ただ,レギオン倉庫のキューブ数が増えたり,高レベルのレギオンクエストを受託できるようになったりと,メリットが大きいですから,レベルを上げたいと考えるプレイヤーは少なくないはずです」(MCタナベ氏)
「AIONの場合,人数の多さより,少数でも精鋭が集うレギオンが強いんです。ただそういったレギオンにとって,反復クエストは結構厳しかったんじゃないでしょうか。ダンジョンの入場回数制限があるので,人数が少ないと1日のボス討伐数が限定されてしまうんですよね」(石田氏)
その一方で,ほかのダンジョンではほとんどサーバー間マッチングの影響は見られないとのことで,今までどおりの募集方法でパーティ編成を行っているものと思われる。
「ドレドギオンは,これをプレイするためだけにレベル50のキャラクターキープするという人もたくさんいた,かつての人気コンテンツです。今回,サーバー間マッチングで新しい空気が持ち込まれたことにより,利用率が大幅に増えたということは,やはりある意味で“古きよき”AIONが求められているということなのかもしれません」(MCタナベ氏)
また住宅エリアの村にレベルの概念が導入され,レベルが高くなるにつれて,古代の遺物を交換するNPCなど各種機能が充実していくようになった。各サーバーには,天族/魔族合わせて50の村が存在するが,10月29日の時点で,そのほとんどが最高のレベル5に達している。そのコンテンツ消費速度の理由は,もちろん利便性の向上にあるが,レベルが上がるごとに村の外観が変わっていくことも多少影響しているのではないかと,MCタナベ氏は語る。
以上,Episode 3.5の目玉となるコンテンツがどのように受け入れられていったかを,両氏が分析していったわけだが,実際のところ,プレイヤーのログイン率などは上昇しているのだろうか。
「2012年10月に実施した,60日間無料クーポンの配布(関連記事)と重なって,ログイン率は目に見えて増えました。新規の方や,休眠している方からのお問い合わせも増えましたね。面白いのは,掲示板などに『どのサーバーと種族がいいですか?』という質問が書き込まれると,現役プレイヤーの新規勧誘合戦が始まるところですね。いつの間にか,お互いの罵り合いになって,質問者が置いてきぼりになってしまうこともあるという(笑)」(石田氏)
「プロモーション的には,キャッチコピーにもこだわりました。“死”という言葉を使うことにはかなり悩みましたが,やはり『龍帝死す。』で行こうと。これで休眠プレイヤーの皆さんの関心を,グッと惹きつけられたんじゃないでしょうか。
それに加えてこのアップデートでは,現行プレイヤーを燃えさせるような,まさにAIONというコンテンツも多かったので,全体的なバランスがよかったと言えます」(MCタナベ氏)
2013年春実装予定のEpisode 4.0には
新たに3種類のクラスが登場
両氏は,2013年春実装予定のEpisode 4.0についても,少しだけ語ってくれた。このアップデートの目玉となるのは「ガンナー」(仮)と「楽士」(仮),そして名称は伏せられているが,ロボットを思わせるシルエットの新クラス3種である。
「楽士は,吟遊詩人タイプですね。ロボットは……なんかシルエットは『しなやかマン』っぽいですが,実態はまだ分かりません(笑)。日本の運営チーム的には,積極的に押していきたいクラスですね」(石田氏)
「ガンナーは超カッコいいですよ。韓国のムービーを観たのですが,最初は二丁拳銃で戦っていて,途中から右手が大砲に変わるんです。それがパカーンパカーンと開いてホーミングミサイルをドカンドカン撃つんです。これ本当にAION? って思うのですが,とにかく変形がカッコいいんですよ。リロードもいちいちガッチャンコってやって……いやあ厨二心をくすぐられます」(MCタナベ氏)
最後に,石田氏から今後のAIONについて語ってもらった意気込みを掲載し,本稿の締めとしよう。
「2012年11月20日,AIONはレベル50までのプレイが無料となります。お話してきたとおり,Episode 3.5は,狩りもPvPも熱い内容となりましたので,ぜひ,これまでプレイしてこなかったという方,あるいは事情で休眠されていた方に,プレイしていただきたいです。60日無料クーポンでプレイされている方には,無料期間が終了しても楽しんでいただけるようイベントやキャンペーンを企画していきます。また,Episode 4.0の新クラス情報も,これから実装までに随時公開していきますので,ぜひ期待してください」(石田氏)
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