レビュー
MMORPG「World of Warcraft」のプレビュー記事第二弾を掲載 | - 2004/04/22 18:09 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
●シングルゲーム以上にゲームの流れを意識した序盤のクエスト群 大抵のMMORPGで最初のハードルとなる序盤を,緻密な計算のもとにプレイヤーがつまづかないように,また単調な作業にならないようにしていることが,本作の地味でかつ大きな特徴。これによって序盤は,どのクラスでスタートしても非常にスムースに進展するわけだが,これはクエストの内容と配置,そしてモンスターの配置が絶妙になっているからこそ。プレイ開始から約10時間,なんらつまずきがなくサクサクと進行するのは,シンプルかつ魅力的なクエストシステムのおかげといえるだろう。 本作のクエストは,頭上に"!"マークがあるNPCに話かければ,簡単に請け負えるようになっている。クエストは"お使い"や"モンスター討伐","エリア探索"など一般的なものばかりで,それ自体は斬新ではないのだが,その適度な難度と所要時間,報酬のバランスには感嘆せざるを得ない。序盤では,クエストNPCとその内容の配置で徐々に強いモンスターを倒すように,徐々に未知のエリアを見せるように誘導がなされているので,知らず知らずのうちに,操作方法やマップ把握という序盤に必要なことを覚えていける。 クエストはツリー構造になっているらしく,あるクエストをクリアすると次のクエストが発生,または種族やクラスが合致するときのみ発生というように,発生条件が設定されている。クエストをクリアすると報酬がもらえるが,クエストによっては複数用意されてプレイヤーが選択できるものもある。例えば,WarriorならばMail(鉄製)の防具,PriestならばCloth(布製)の防具を選ぶなど,その時点で自分に必要なものを受け取れるというわけだ。 自分に使えないアイテムが報酬となっているクエストよりも,欲しいアイテムが報酬のクエストのほうがプレイ意欲が減退しないし,またクリアまでの意気込みも異なってくる。これは,よくいわれる"自由度の高さ"とは正反対の方向性なので,あらかじめ決められた道を進んでいくというスタンドアロンRPG的な雰囲気に近いと思うかもしれない。しかし,テストバージョンではそのあたりは考慮されているらしく,同時に受けられるクエスト数が多くなっていたり,少し強いモンスターを協力して倒していったりと,ユーザビリティとバランシングの両面でMMORPGの醍醐味を味わえるようにしてあるのだ。 しかし,このような悪く言えば"誘導"となるクエストシステムは,テストバージョンではレベル10付近で一段落する。そこからは自分のレベルにあったハンティングポイントを探すなど,自分の足であちらこちらを探索しなければならなくなる。いままでの流れに身を任せているとギャップが大きく,そこで途方に暮れてしまうかもしれない。おそらくこの部分は,どの方向に寄せるにせよ,クローズドβテストでの改善点となっていると思われる。 本作は,絶対的なキャラクターの強さの指標となる"レベル"のほかに,スキルベースの要素も用意されている。これは,武器の熟練度,回避の熟練度など表す基本的なスキルとトレードスキル,Talentスキルの3種類で,後者の2種はレベル制システムでのキャラクター成長の単一化を崩すためともいえる。前者の熟練度スキルは,EQのシステムと同様のもので,攻撃や魔法詠唱をするとじわりじわりと上昇していくというもの。キャラクターレベルで最大値が制限されているのもEQと同様だ。 テストバージョンでは,普通の行動をしていればすぐに最大まで上昇し,またスキルの上昇による効果があまりないように感じられる。現状での熟練度は,魔法やスキルの習得にのみ使われるようだ。 ・トレードスキル トレードスキルは,基本的にキャラクターがレベルアップするごとに1ポイントもらえる"SP"を使って習得する。トレードスキルは,Fishing,Herbalism,Mining,Skinningなどの採取系とBlacksmithing,Cooking,Tailoringなどの加工系がペアになっているので,この組み合わせを習得すると効率がよい。 トレードスキルは,スキルを実行することで熟練度が上がっていくが,最初に習得できるApprenticeランクではある程度の熟練度で頭打ちとなってしまう。ランクはApprentice,Jouneyman,Expertの3段階があり,上級ランクとなればさらに熟練度を伸ばしていけるという仕組みだ。上級ランクの習得はSPも多く必要(Apprenticeは1,Jouneymanは3,Expertは5)となるので,一つのスキルを極めるように伸ばしていくか,広く浅く覚えていくかはプレイヤー次第ということだ。 採取スキルは,分かりやすいシステムとなっている。使用すると画面右上のミニマップ上に採取ポイントが表示されるので,それを頼りに採取ポイントへと移動,そしてオブジェクトを右クリックして実行という流れとなる。例えば,Herbalismスキルを使うと,フィールドのあちらこちらに自生しているハーブの位置がミニマップ上に表示されるので,その場所へ移動して採取という感じ。なお,採取スキルを持っていないプレイヤーはハーブが生えている位置は分かるがマップへの表示はなく,また実際の採取は行えない。 採取スキルが上昇すると,より希少性の高いものが得られるようになる。例えば,Miningなら,最初はCopper(銅)しか掘れないが,スキルが上昇するとSilver(銀)などが掘れるようになる感じだ。 また,採取にはスキルの種類に応じたアイテム(Miningはつるはしなど)が必要になるが,スキル失敗時のアイテム破損がないことやスキルの上昇が速いことで,少しだけプレイした限りでは非常に面白く感じた。とくにFishingは,実行すると水面に"うき"が表示され,うきが沈む(当たりが来た)タイミングでマウスの右クリックをすれば釣り上げられるというミニゲームのような感じとなっている。釣れるものは魚だけでなく,武器や防具もあるので,楽しさと実益の両面を満足させてくれるのも嬉しいところ。 トレードスキルには,採取系,加工系以外にもSurvival,First Aid,Enchantingの3種があるので,キャラクターの個性を出すという意味では,かなり充実している。なお,スキルの習得は,各スキルのTrainerに話しかけ,スキルに応じた料金を支払うというシステム。これはクラスのスキル習得も同様となっている。 ・Talentスキル 一方,Talentスキルはキャラクターの能力を増大させるもので,Strength,Agility,Stamina,Intellect,Spiritの基本ステータス上昇や物理ダメージ上昇,魔法ダメージ上昇,特定種モンスターへの特効ダメージなどがある。Talentスキルは,キャラクターがレベルアップするごとに10ポイントもらえる"TP"を使って習得(スキル一つの習得には最低でも10TP必要)するので,ここでキャラクターの個性を出していけるというわけだ。Talentスキルの数と比較すると,獲得できるTP量は圧倒的に少ないので,どれを伸ばしていくかを考えるのが面白い。 本作のトレードスキル,Talentスキルのインタフェースは思い切って簡素化,そして種類や内容を深くという形で,プレイヤーが分かりやすくそして面白くさせているようだ。 次回は,基本的なゲームシステムと,クローズドβテストがPhase2へと移行したことでの新要素を紹介する予定だ。MMORPGファンはお楽しみに!(Seal) →「World of Warcraft」の当サイトの情報一覧は,「こちら」 ©2004 Blizzard Entertainment. All rights reserved. |
- 関連タイトル:
World of Warcraft(Macintosh)
- 関連タイトル:
World of Warcraft
- この記事のURL:
(C)2005 Blizzard Entertainment. All rights reserved.
(C)2005 Blizzard Entertainment. All rights reserved.