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連載「PCゲームを持ち出そう!」の第2回を掲載。今回はPSP版「Test Drive Unlimited」を紹介
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印刷2007/07/18 21:41

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連載「PCゲームを持ち出そう!」の第2回を掲載。今回はPSP版「Test Drive Unlimited」を紹介

 7月4日にスタートした本連載は,PCゲームと関連のあるNintendo DS/PlayStation Portable用タイトルを紹介していくというものだ。2回めとなる今回紹介するのは,PlayStation Portable(以下,PSP)用のレーシングゲーム「Test Drive Unlimited」(以下,TDU)だ。

■ハワイでの気ままな暮らしを楽しみつつ,
■ストリートレースでの勝利を目指す


 タイトルからも分かるように本作は,PC/Xbox 360用に販売されている「Test Drive Unlimited」をPSPに移植したタイトル。Test Drive Unlimitedは,ハワイのオアフ島をまるごと再現したレーシングゲームで,自由気ままな生活を送りながら,ストリートレーサーとしてのキャリアを積んでいくという内容だ。
 本作については4Gamerでも,連載記事「ああ,憧れのハワイ道路」で取り上げているので,どのようなゲームか知らない人は,ぜひご一読を。

 ここまで書いてきてなんだが,Test Drive UnlimitedのPSP版なんて聞いたことがない,と思っている人も少なくないのでは? 実はこのPSP版TDUは,2007年7月18日現在,国内では正規に販売されておらず,海外ゲームを取り扱う販売店で,並行輸入品を購入するなどの方法で入手できるものだ。編集部で試した限りでは,国内版のPSPでも動作した。ただし,ソフト自体は英語版となるのでご注意を。

 さて余談だが,筆者はかつて(数えてみると15年ほど前の話だ)Macintoshで,Spectrum Holobyteが開発したレーシングゲーム「VETTE!」にハマりまくっていたことがある。
 このゲームでは,サンフランシスコの街全体が再現されており,プレイヤーは走り屋として,並み居るライバル達とのストリートレースに挑む。

 かなり古いゲームなので,グラフィックス的にはたかが知れているのだが,一本道のレースコースを用意する代わりに,街全体を再現するという試みがとても斬新に感じられたものだった。
 また,街の構造を頭に叩き込み,ショートカットを見つけてライバルを出し抜いたときの喜びは,なんとも表現しがたいものがあった。
 島全体を再現するという,VETTE!に通じるコンセプトを持つTest Drive Unlimitedは,個人的にとても好きなゲームの一つ。このゲームのPSP版には,PC版とどのような共通点や相違点があるのだろうか。



■ゲームの基本的な流れはPC版とほぼ同じ

 PSP版TDUだが,ゲーム自体の流れは,PC版とおおよそ同じ。
 オアフ島に降り立った主人公(=プレイヤー)はまず,空港で車を借りる。借りた車で不動産屋に行き,そこで家を買い,続いて自動車販売店に移動してマイカーを購入。新しい生活をスタートさせるという流れだ。
 PC版では,ゲームの冒頭で,プレイヤーの分身となるキャラクターを選択することになるが,この要素はPSP版には用意されていない。また,PC版の「HOME」(マイホーム)で行えるキャラクターの着せ替えも,PSP版では省略されている。PSP版ではアバター的な要素を思い切って切り捨てたものと思われるが,せめてキャラクターの性別くらいは選ばせてくれてもよかったような気がする。

 島のあちこちに用意された多数の「Challenge」(レースやタイムアタックなど)に挑み,その結果に応じて獲得した資金でマシンをアップグレードしたり,新しいマシンを購入したりできる。
 本作では,賞金獲得を目指してChallengeに挑む→獲得した賞金で家,マシンを購入する→よりグレードの高いChallengeに挑むという一連の流れを繰り返すことになる。このこともまた,PC版との共通点といえるだろう。

 基本的には,Challengeをこなしつつストリートレーサーとしてのキャリアを積むことがゲームの大きな目的の一つだが,レースをするかどうかはあくまでもプレイヤー次第。レースのことなど忘れて気ままに走り回ったり,獲得したマシンでオアフ島を爆走したり,観光スポットを巡ったりと,自分の好きなように楽しめるのだ。



■PC版の魅力をしっかりと継承
■グラフィックス面もがんばっている


 PSP版TDUのゲーム画面について,かなり綺麗に描かれているという印象を持った。建物や木々などのオブジェクトはさほど緻密に作り込まれているわけではなく,その密度もさほど高くはない。とはいえ,やや大げさな表現かもしれないが,それが実にいい雰囲気を醸し出しており,オアフ島ののどかな風景をイメージさせてくれる。
 ディテールを高めようとして個々のオブジェクトを作り込み過ぎたり,数を多くし過ぎたりすれば,データ量が多くなり,ロード時間の増加や処理速度の低下につながるだろう。
 快適にプレイできることと,見た目の美しさのバランスがとてもよく取れているゲームではないかと思う。

 TDUをプレイしていると,とても良い気持ちになる。レース自体で感じられるスピード感や爽快さもあるが,ハワイのセレブリティになった気分で,自由気ままなドライブやストリートレースを楽しんだり,高級車のコレクションをしたりできるのだ。現実にはあり得なさそうなことを体験できるのは,とっても気持ちいい。
 PSP版は,そんなTDUの魅力をきっちりと受け継いでおり,いつでも好きな場所でオアフ島での走りを満喫できるのだ。そんなわけで筆者は,本作を手にしてから数週間が経過した今も,仕事を忘れて毎日楽しんでいる。



■PSP版TDUの「再現度」は?

 連載第1回を読んだ人ならご存じのように,この連載では,紹介するNintendo DS/PSP用ゲームが,ベースとするPCゲームをいかに忠実に再現したものであるかを独断と偏見で判定し,「再現度」という数字で示していく。
 この数字が100%であれば,PC版となんら変わらない完璧な移植であることを意味し,逆に0%であれば,PC版との共通点が一切見出せないほど異なるゲームにアレンジされていることを意味している。そのゲームの面白さ,ゲームとしての出来を示すものではないので注意してほしい。

 さて,今回紹介したPSP版Test Drive Unlimitedの再現度は,75%とする。高めに判定したのは,先ほども述べたように,PSP版には,TDUというゲームの魅力がしっかりと受け継がれていると思うからだ。
 今回PSP版のTDUを遊んでみて,PCゲームを携帯ゲーム機に移植するには,妥協すべき部分と妥協すべきでない部分を見極めることがとても重要だということを,あらためて思い知らされた。(山)

Test Drive Unlimited

再現度:75%

対応機種:PlayStation Portable
メーカー:Atari
発売日:2007年5月21日
価格:39.95ドル
公式サイト:http://www.testdriveunlimited.com/

(C)2005 Atari Interactive, Inc. All Rights Reserved. All trademarks are the property of their respective owners.

  • 関連タイトル:

    テストドライブ アンリミテッド 日本語版

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