プレイレポート
「天上碑外伝」から「homage」へ――何が変わったのか? 先行テストプレイレポート
同作が昨年11月に行われたCBTのあと,その動向があまり分からなかったのだが,今年の6月に突如として発表されたのが,ロックワークスによる“自社コンテンツ”として再開発されるというニュースだ。そして,ティザーサイトの公開から間もなく「homage」という新しいタイトル名が発表された。それ以降,4Gamerの「注目タイトルランキング」で上位に位置していたこともあり,気になっていた読者も多いのではないだろうか。
CBT開始まで公開されている情報はわずかであり,その完成度が気になるところだったのだが,このたびCBT直前のhomageをプレイする機会が得られた。そこで,現在の状況から分かるhomageの方向性と,天上碑外伝βからの変更点を中心に,情報を整理していこう。本日から始まるテストに参加する人もそうでない人も,ぜひ一度読んでみてほしい。
基本的な世界観は継承。キャラクターモデルはイラストデザインにより近く
それぞれの種族は,タオ族とグラキア族による「ソルリス連合」,ウィキン族とエティカ族による「ルーメン連合」の2勢力に分かれており,この2勢力によるRvRがhomageの基本コンセプトとなっている。とはいっても,敵対勢力との戦闘が可能なのは,すべての勢力が集結する中立地帯のみであり,そのエリアへ行くまで,モンスターを狩りながらキャラクターを育てることを中心としたプレイになるのは,天上碑外伝βと変わっていない。
キャラクターは,敵を倒したりクエストを行ったりして得られる経験値によってレベルアップでしていくという,オーソドックスなものだ。それに加えて,homageの特徴的なシステムである神聖物という神の能力が封印されたアイテムを入手し,キャラクターへ能力を追加することで,強力な攻撃やスキルが使えるようになり,より強くなれるのだ。これらの要素により,シンプルになった職業システムでも,個々のキャラクターに個性を持たせられるようになっている。もちろんキャラクターのレベルアップによるステータスポイントの割り振りでもプレイヤーごとの個性は生まれるだろう。
クエストを絡めたテンポの良いレベルアップがポイント。レベルに応じてNPCから頻繁にクエストを受けられる |
死亡時のペナルティは経験値の減少と初期村での復活となる。復活スクロールを持っている場合のみ,その場での復活が可能だ |
また,見た目も大きく変わっているのは,これまで公開されたスクリーンショットなどを見れば一目瞭然だ。岡崎武士氏をイラストデザイナーとして起用したことは冒頭でも書いたとおりだが,天上碑外伝βの時点では,あくまで元のキャラクターからのイメージイラスト的なものとなっていた。それが,homageとして生まれ変わる時点で,岡崎武士氏のデザインがゲーム内に取り込まれ,イラストに忠実なキャラクターモデルへと一新されたのだ。(関連記事)
実際にスクリーンショットを見てみると,タオ族に至ってはまさにイラストのとおりで,立派な角や装飾,鎧のデザインや全体的なバランスなどがうまく再現されている。ウィキン族に関しても,ユミル族のころの華奢なイメージに比べて全体的なバランスが良くなり,繊細な強さを感じるようになったと言えるだろう。ほかの2種族に関しても,どのように変化しているのか,新しいキャラクターモデルの登場を期待して待ちたいところである。
新たに加えられたキーボード操作。ただし操作性の改善が急務?
まず,マウスによる移動や視点操作という基本的な操作は変わっていないが,天上碑外伝βの際にも多く寄せられたという“キーボードによる移動”が追加されている。キー配置はW/A/S/DのFPS配列だ。天上碑外伝のCBTレポートでも書いたのだが,マウスクリック移動に関してややぎこちなさがあり,それを補うためにもキーボード操作がほしかったので,これは嬉しい変更だ。
homageのシステム的特長である祈りシステム。祈る行為を行い,必要のないアイテムなどを奉納することで祈りポイントを得て,神聖物による力を発揮する |
それぞれの初期村には祈りの祭壇が設置されている。天上碑外伝では,ここで祈ることで連合,もしくは種族全体への恩恵のある効果が得られたがはたして…… |
ただ,キーボードでの移動が追加されたのは良いのだが,現状ではその操作感にまだ気になる点がみられた。例えば,前進のWキーを1回押したときに,普通の感覚でいえば1歩,もしくは本当に押している間のみ動くもの――と思うのだが,それが1回押すことで,まるで大きなマス目を移動するかのように,感覚的に2〜3歩移動してしまうのだ。しかも歩き始めるまでに若干時間のズレがあり反応の悪さが感じられた。これが,サーバ上の処理の問題かクライアントの問題かは分からないが,RvRをウリにした3D MMORPGにスムースな動きが求められるのは間違いない。立ち尽くして殴り合いという単調な戦闘にならないようにするためにも,こういった動作面はシビアに手を入れて改善して欲しい。
またプレイ感覚の違い以外にも,いろいろと天上碑外伝βで見られたゲーム内要素の違いについて注視していたのだが,天上碑外伝βに比べ,未実装のものが多くあるように感じられた。天上碑外伝βで,各ゾーンに見られたフィールド上のボスモンスターの存在や,中立地帯のRvR戦場であるマグの村での通常NPCの存在に関しても,現状では調整中とのことで姿は見えなかった。また,マグの村にはクエストに関するNPCもまだ実装されておらず,最低限の商人系NPCだけが存在していた。
このほかにも,モンスターとのバランスや,スキルの動作など,未調整だと思われるものが少なくなかったが,これらの調整はCBTまでに行われているはずだ。
そんなこんなもあって,現時点では,クライアントが「完全」というにはまだちょっと遠い印象を受ける。というのも,ゲームプレイ時に説明してくれたスタッフの話では,天上碑外伝がベースではあるものの,以前の状態から一新し,バランスはもちろん,ゲームエンジン部分を含め,さまざまな部分に手を加えている途中だという。つまりロックワークスとしては,まさにhomageという“新作”を開発しているという雰囲気なのだ。
なお,本日(8月1日)から行われるCBTではレベル25が上限となり,タオ族とウィキン族の2種族のみが使用可能という状態のため,ゲーム要素として体験できるものはそれほど多くない。テンポの良いレベルアップは健在だが,前述のようにこの種族はどちらも戦士タイプということもあり,回復を含めた戦いが確認できないことも,少し残念なところだ。さらに未調整である部分の多さを考えれば,どちらかといえば今回行われるCBTは,感覚的にαテストという位置付けのようになると思われる。本記事を読んでから参加する読者は,その辺も踏まえてテストに臨んでほしい。
本作は,ロックワークスが自社開発を行うタイトルとして生まれ変わる途上である。本日からのCBTに参加するテスターは,ぜひたくさんの忌憚なきフィードバックをしてほしい。ひょっとするとCBT開始当初には,筆者の受けたのと似た印象を持つテスターも現れるかもしれない。しかし,自社開発という強みを最大限に生かし,要素の追加や修正,調整などは文字どおり急ピッチに行われ,homageの完成度はすぐに高まって行くはずだ。
マップは天上碑外伝のものと大きく変更はないようだ。CBTでは初期村と2次マップ,RvRの舞台となるマグの雪原までの公開となる |
キャラクター作成では種族,職業,性別のほか,ヘアスタイルや顔の種類,顔のペイントなどの装飾タイプを選ぶことができる。選択肢は今後増える予定とのこと |
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