連載
2007年10月9日に発売された,「ハーフライフ 2 オレンジボックス 日本語版」(以下,オレンジボックス)に収録された5本のゲームを楽しんじゃう連載,「アリックスの City17は恋の予感」。同じ「アリ」で始まるヒロインをピックアップした,「アリンの 恋はチップイン」に続くラブ連載第2弾という裏設定があるのだが,それ以外の接点はまったくないので一向に気にする必要はない。今すぐ忘れていただいて結構だ。
ともあれ,今回はいよいよ本命の「ハーフライフ 2 エピソード 2」を見ていくことにしよう。
ハーフライフ 2はゲーム性とともに,ストーリーも極めて重要な要素だ。とくに「新作のストーリー展開はどうなのか」については最重要であるとともに,ほとんど常にトップシークレット扱いである。つまり「ネタバレ」を嫌う作品であるのだ。それだけに,メディア上でハーフライフ 2のストーリーがじっくり語られたことはあまりなく,プレイしていない人にとっては,「主人公はヒゲメガネで,アリックスという女性がいて,なんかと戦ってる」ということぐらいしか知らないだろう。
今回はちょっと禁断ではあるが,エピソード 2のストーリーをじっくり追いつつ,ゲーム上の見せ場シーンを紹介していこう。ネタバレ嫌いの人は,この連載を読む前にとりあえずクリアしていただきたい。クリアしたあとに読んでも,あまり意味はないのだが。
前回も書いたが,「ハーフライフ 2」でコンバインとブリーン博士の支配下にあるシティ17に降り立ったゴードンは,反乱軍の手引きでうろちょろしているうちに,アリックスという女性と出会う。その後,二人は頑張ってコンバインの要塞に潜入し(とっ捕まった気もする),悪いブリーン博士をとっちめ,要塞ドカーン,というところで終わる。エピソード 1は,なぜか無事に要塞から脱出していたゴードンとアリックスが,手に手を取り合ってシティ17から脱出するお話だ。
そしてエピソード 2は,いよいよ郊外に出た二人が,北にある「ホワイト・フォレスト」なる反乱軍基地を目指すというお話が描かれる。エピソード1と2は,外伝や番外編ではなく,純粋にハーフライフ 2のお話の続きである。
ボーティガンツという,見た感じ敵っぽくて,視界に入った瞬間うっかり銃で撃ちたくなる連中がいる。彼らは「ハーフライフ」(第1作)の舞台であるXenという世界の住人達で,ハーフライフ 2のコンバイン兵と同じようにコンバインの改造を受け,敵として登場したこともある。
しかし彼らは知的で温厚で友好的な種族であり,ハーフライフ 2では地球で反乱軍に協力している。最初は反乱軍の一員としてたまにしれっと出てきては,ギョッとさせる程度の存在だったが,エピソード 1のオープニングあたりから物語上の根幹に位置する存在であることが匂わせられ,深く関わってくるようになる。そしてエピソード 2では,準レギュラー的な存在として大活躍することになる。
エピソード 2は,ハーフライフ 2本編と同じように列車の中から始まる。まぁこれに象徴的な関連性はなく,単なる偶然だろう。エピソード 1のラストでピカーンとなってしまったシティ17は,なんというか,もうひどい状況。無事に人気のない郊外まで出た二人は,ようやくのんびり逃避行をエンジョイできる日が来たってわけ。
空き家で見つけた通信機で,北のミサイル基地「ホワイト・フォレスト」にいるクライナー博士およびイーライ博士(アリックスの父)と連絡が取れた二人は,さっそく合流のため北を目指すことに。さあ行こうか,キャッキャッ,ウフフ! とはしゃいだところで,これまでずっと連れ添ってきたアリックスと別れることになる。
ひょんなことからアリックスと別行動を取ることになったゴードンは,反乱軍の仲間が待つ鉱山の地下シェルターを,地下ルートから独りで目指すことに。この鉱山,早い話がアントライオンの巣となっている。エピソード 2の前半は,あの凶暴なアントライオンのホームを強行突破するというステージなのだ。
アントライオンの巣というからには,あのぴょんぴょん虫1000体で埋め尽くされているのかというと,そうでもない。そこは主に無害な幼虫がいるばかりで,たまにアシッドライオンが強酸を撃ってくるが,普通のアントライオンと遭遇することはなぜかあまりない。
地下シェルターに到着すると,そこには死にかけたアリックスと一人のボーティガンツ,そして二人のレジスタンスがいる。シェルターには4本の通路があり,ここからアントライオンが襲来した場合,「アントライオン・センサー」が点灯する。ただしシェルターは巣から離れているため,幼虫をむやみに踏み潰したりしない限り,わざわざ襲ってくることはあまりないそうだ。ははは。
ボーティガンツの仲間達が駆けつけるまで,アリックスを蘇生させることはできない。というわけで,2台しかないタレットを上手にやりくりしつつ,どういうわけか大挙して押し寄せてくるアントライオンから,アリックスとボーティガンツを守らなければならない。もちろん,ラストはどうしようもないくらいの大群が来て現場は大混乱になる。ゲーム的な,最初のヤマ場である。
この一連の騒動の後,ボーティガンツの皆さんによるアリックスの本格的な治療が始まる。ただしアリックスは思った以上に衰弱しており,「幼虫エキスが必要だ」とかなんとか,変なことを言い出す。かくしてゴードンはボーティガンツの一人と共に,巣の奥深くまで「幼虫エキス」を採りに行くことになる。
途中,アントライオンの大群vs.ゾンビの大群の中であたふたしたり,狭い巣の中でアントライオン・ガードに追い掛け回されたりと散々な目に遭いつつ,ついに巣の最深部に到達。エキスを手に入れ,ボーティガンツの謎めいた治療によってアリックスは一命を取り留める。
前述したがボーティガンツはもともとXenという世界の住人で,アントライオンもまたXenの生物であった。かつてボーティガンツの祖先はアントライオンを養殖していたそうだ。悪いが,コンバイン騒動が片付いたら一匹残らず連れ帰ってもらいたいものである。
また,ここでゴードンの現在のボスであるG-Manが,次なる指令を下しに登場。彼はボーティガンツと折り合いが悪いらしく,ボーティガンツがアリックスの治療で手が離せなくなる瞬間を待っていたのだ。そして,この物語はてっきりゴードンだけが重要な存在だと思ってきたのに,もしかしたらアリックスのほうが重要かもしれないといった内容の,不安になることを告白する。
ゴードン,アリックス,ボーティガンツの一行が鉱山を後にし,地上へ出ると,そこで鉄橋を渡るコンバインフォースの大軍,そして「アドバイザー」の姿を目にすることになる。距離があるので,いくら撃とうが連中に弾は届かず,また気づいてもくれない。その気があるならずっと眺めていてもいいが,渡橋はずっと続く。行軍の目標はほかでもない,ホワイト・フォレストである。
コンバインフォースより先にホワイト・フォレストに到着するため,まずは車を入手することに。「車持ってるダチいるから」とボーティガンツが言うので行ってみると,いつものようにダチは全員死んでいた。崩れかけた鉄橋の上に車の残骸が残っており,このうち1台を拝借することに成功。
ここからはホワイト・フォレストまで,アリックスと二人っきりの長い長いドライブとなる。もちろん,道中いろいろある。ホワイト・フォレストに到着したら,いよいよエピソード 2も終盤だ。このあたりでようやく,シリーズで初めて,ゴードンとアリックスの男女としての仲についての話題が出てくるのが,たいへん興味深い。
前回は主要な登場人物と一般的な武器について紹介したが,今回はエピソード2に登場する主な敵について見ていこう。ハーフライフ 2シリーズは敵の種類がそれほど多いわけではないが,シチュエーションや連携をうまく活用したアイデアが素晴らしく,いつでも戦闘が始まるとちょっとドキドキさせられる。常にまんべんなく敵が配置された,ひたすら無意味に敵を撃ちながら進んでいく一般的なFPSとは,なんか違うな,すごーい,と感心されられることだろう。
コンバイン兵士
農耕用機械のような名称だが,「コンバイン」とは侵略者の名称である。コンバイン兵も最初はブリーン博士の私兵だと勘違いしていたが,実はそうではなく,地球を侵略するコンバインの指揮下にある兵士だ。改造を受けているが元は地球人だったらしく,運動能力や装備もおおむね地球人に準ずる。真っ白いスーツのコンバイン・エリートなども存在する。
ヘッドクラブ
映画「エイリアン」のフェイスハガーのように,人間の顔に寄生しようとする動物。こいつに寄生されると,ゾンビになってしまう。足の速いヘッドクラブ,強力な毒を持ったヘッドクラブもおり,それぞれ寄生されると違った特徴のゾンビになる。ヘッドクラブがいるところには,「1. ミサイルの残骸が地面に突き刺さっている」「2. ゾンビがいる可能性が高い」といった特徴がある。
ゾンビ
「ああー,ヤバいー」と嘆きながらのろのろ接近し,殴りかかってくる。世間一般のゾンビみたいに噛み付いてきたりはしない。普通のゾンビ,干からびて動きの素早いゾンビ,ポイズンヘッドクラブを何匹も投げてくるゾンビがいる。頭のヘッドクラブを狙って攻撃しないと,ヘッドクラブだけ生き残って飛び掛ってきたりする。
ゾンバイン
エピソード 1から登場の敵。コンバイン兵のゾンビで,アリックスがゾンバインと命名した。普通のゾンビと比べて足が速く,しかも手榴弾を持って突っ込んでくるという即死級の攻撃手段を持った,実に迷惑なやつ。
アントライオン
地中に暮らす大きめの虫で,地面から這い出て人間を襲う。ものすごい跳躍力を持ち,集団でぴょんぴょん襲ってきやがる。ストンパーという装置を嫌っている。映画「スターシップ・トゥルーパーズ」を観た人は,どうしてもこいつらの実力を過大評価せずにいられない気がする。
アントライオン・ガード
アントライオンのでっかいやつ。飛ばないが,巨体で突進してくる。タフで,とにかく倒すのに時間がかかる敵であり,だいたい中ボスとして節目に出てくる。
アントライオン・ワーカー(アシッドライオン)
エピソード 2で初登場の敵。アントライオンのような跳躍力で飛び回り,酸性のツバっぽい腐食性体液を飛ばして攻撃してくる。敵としてはそれほど面白い存在ではないが,倒したときにグシャッではなくバラバラになる姿は,ちょっと気持ち悪くて面白い。
アントライオンの幼虫
エピソード 2で初登場の敵(敵じゃないかも)。攻撃手段は持たず,ただ光っているだけの無害な存在。それどころか,踏み潰すと栄養たっぷりのエキスをポロリする(拾うとヘルス回復)。たぶん調子に乗って踏みまくるはずだが,ストーリー上,こいつらのせいで途中で少し気まずい思いをすることになるだろう。
バーナクル
主に天井からぶら下がる形で棲息し,ロープのような触手を垂らして獲物を待っており,引っかかった獲物を触手で吊り上げて捕食する。例えば人間が捕まると,ぐいぐい天井に引っ張られ,頭をガブっとやられて即死する。こいつらが出てくるたびに,その配置のいやらしさから,Valveの人の頭の良さと性格の悪さに戦慄を覚える。
ハンターチョッパー
コンバインの武装ヘリ。固定武装である機銃のほか,球形の地雷投下による地上攻撃が可能。腹立たしいのは地雷の搭載能力で,たまに猛烈な勢いでバラ撒いてくる。いくらゲームだからって,その開き直り方はどうだろう。
ストライダー
ハーフライフ 2における恐怖の象徴的な,コンバインの大型兵器。どこかの星の巨大な節足動物を改造し,武装して兵器に仕立て上げたものと思われる。機銃のほか,凄まじい出力のレーザー砲を持つ。ハーフライフ 2本編の後半,数体のストライダーと市街地で対決するシーンがあるが,このときのストライダーがあまりに強くて怖い。
ハンター
エピソード 2で初登場の敵。ちっちゃいストライダーといった感じだが,動きは素早く,建物の中にも入り込んでくるなど機動力は高い。青い軌道を残す時限式の小型ロケットをバシバシ撃ってくるほか,突進という攻撃オプションも持つ。初遭遇時からアリックスにとっては天敵となる。
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- 関連タイトル:
ハーフライフ2 エピソードパック【日本語版】
- 関連タイトル:
ハーフライフ2 オレンジボックス
- 関連タイトル:
ポータル【日本語版】
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Team Fortress 2
- 関連タイトル:
ハーフライフ 2
- 関連タイトル:
ハーフライフ 2 エピソード 1
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