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1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報
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印刷2008/01/10 21:09

テストレポート

1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報

タイトルメニューの右下にあるバージョン表記が「1.1.1.5879」になっていれば,1.1パッチは無事適用されている
画像集#002のサムネイル/1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報
 2007年11月中には出る,いや年内には……といわれながら,結局年が明けて北米時間2008年1月8日にリリースされた「Crysis」Version 1.1パッチ別記事にあるとおり,セットアップ周りに若干の不具合が出るケースもあるようだが,筆者の環境では問題なく適用できている。

 さてこの1.1パッチには,修正項目として「マルチGPUのアップデートフィックスを適応」(※リリースノートより原文ママ)というものがある。さらに海外のパッチ配布サイトでは

  • Improved SLI / Crossfire support and performance
  • Improved overall rendering performance (DX9 and DX10)

などと,パッチの適用によってパフォーマンスの向上する可能性が示唆されていた。また,1月9日の記事でお伝えしたように,NVIDIAはシングルカードおよびNVIDIA SLI(以下,SLI)構成時のパフォーマンスが向上する(※SLI動作時はForceWare 169.28 Betaグラフィックスドライバの利用が推奨される)としており,期待した人も多いのではないだろうか。
 描画負荷が高く,“重い”ことで知られるCrysisだけに,不具合が修正されると同時にパフォーマンスが向上するのであれば,それは大いに歓迎できる。実際のところどうなのかを,時間の許す限り調べてみたので,まずは速報としてお届けしたい。


現時点で“パッチによるパフォーマンス向上”は確認できず


画像集#003のサムネイル/1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報
 テスト環境はのとおり。理由は後述するが,今回は32bit版のWindows Vista Ultimate環境において,DirectX 10環境で検証を行っている。Crysisのテスト設定は4Gamerのベンチマークレギュレーション5.1準拠なので,「最高」ではなく「高」。1.1パッチで追加された「MOTION BLUR」設定に関しても「高」設定を行っている。


画像集#006のサムネイル/1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報

 また時間の都合で,今回はかなり変則的なテストとなっている。まずシングルカード時は,1024×768/1280×1024/1600×1200/1920×1200ドットの4解像度において,「標準設定」でスコアを取得。一方SLI構成時は,1600×1200/1920×1200ドット時について,「標準設定」と「高負荷設定」を切り替えながらテストを実行した。いずれも場合も,Crysisのバージョン1.1(1.1.1.5879)と同1.0(1.1.1.5767)のスコアを比較する。なおテストに当たっては,Windows Vistaの月例アップデートをすべて適用したうえ,NVIDIAが推奨するHotFixもすべて適用済みだ。

 というわけで,テスト結果をまとめたのがグラフ1,2である。シングルカードでは1.1パッチの適用によって平均フレームレートはやや低下。SLI構成時は,若干のスコア向上となった。

画像集#007のサムネイル/1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報
画像集#008のサムネイル/1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報

 実のところ,当初はWindows XP環境でテストを行っていたのだが,同じハードウェア構成において,解像度1920×1200ドット時の標準設定でSLI構成のスコアを取ると,1.1パッチ適用時のほうがスコアが下がってしまった(※1.1:36.94fps,1.0:37.39fps)。そこで,「ひょっとして,Windows Vistaでしかスコアが上がらないのではないか?」と考え,検証し直した結果が,上のグラフだったりする。

1.1パッチを適用すると,「Benchmark_CPU2」がCrysisのインストールフォルダに追加される。詳細は後日お伝えする予定だ
画像集#004のサムネイル/1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報
 このスコアだけだ判断すると「パッチの適用によるパフォーマンス向上はほとんどなく,あってもごくわずか」となるのだが,結論を出すにはサンプルが少なすぎる。実際,海外の掲示板などを見渡していると,64bit版のWindows Vistaではスコアが上がっていたりする例も見られるので,今回の結果だけをもって結論を急ぐべきではなさそうだ。
 さらにいえば,1.1パッチでは新たに「Benchmark_CPU2」というベンチマークテストが追加されており,これについても分析を行う必要があるだろう。グラフィックスカードメーカー筋からは,「NVIDIAは,より新しいバージョンの“Crysis用”ForceWareを用意している」という情報も聞こえてきているので,とにもかくにもより多くのデータを集めたうえで,近いうちにより詳細なレポートをお届けしたい。


DX10モードで起動したとき,設定画面でマウスフォーカスを失うことがあったCrysis。だがこの問題は1.1パッチでかなり改善している
画像集#005のサムネイル/1.1パッチで快適になるのか? 「Crysis」のパフォーマンス緊急速報
 ところで,パフォーマンス検証を行っている間に実感したが,確かにバグフィックスは進んでいる。例えば1.0だと,Windows Vista環境でベンチマーク実行後に画面が固まったかに見える状況がよく発生していたのだが,これは1.1パッチで(少なくとも筆者がテストした限り)解決を見ている。また,「DX10モードで起動すると設定画面などでマウスのフォーカスがズレる」現象も起きにくくなった印象だ。以前は2回に1度くらいは起きていたが,今回のパッチでは数回に1度あるかないか程度に留まっており,1.1パッチには相応の価値がありそうである。……ROM側のコピーガード機能やModなどに起因していそうな,アップデート時の不具合には気をつける必要はあるだろうが。

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    GeForce Driver

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