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「手の届きやすいゲームPC」を実現する新ゲームPC「NEXTGEAR」の製造現場を訪ねる。安くても高い品質を実現する秘密とは?【PR】
BTO PCやゲーマー向けPCを手がける国内PCメーカーのマウスコンピューターは,2023年で創業30周年を迎えた歴史あるメーカーである。そのマウスコンピューターが,2023年7月に新しいゲーマー向けPCブランド「NEXTGEAR」(ネクストギア)を立ち上げて,第1弾製品の販売を開始した(関連記事)。
知っている人もいるだろうが,マウスコンピューターは,ゲーマー向けPCブランドとして「G-Tune」(ジーチューン)を長年展開しており,その点はNEXTGEARのスタート後も変わっていない。一方,新しいNEXTGEARブランドでは,ゲーマー向け製品として必要なスペックと,高いコストパフォーマンス(価格対性能比)を両立することで,同社が掲げる「さらに多くの皆様にゲームの喜びを提供する」を実現しようとしている。簡単に言えば,十分な性能を持ちつつ,価格は抑えたゲームPCを展開するブランドとして,NEXTGEARを用意したというわけだ。
NEXTGEARのラインナップをチェック
工場見学へ進む前に,まずはNEXTGEARにどのような製品があるのかを見ておこう。
本稿執筆時点のNEXTGEARからは,ミニタワー型筐体を採用する「NEXTGEAR JG」シリーズから,PC単体が22製品,周辺機器とのセットモデル「スターター5点セット」3製品が販売中だ。
NEXTGEARにおけるポイントのひとつは,すべての製品がCPUおよびチップセットに,AMD製品を採用するAMDプラットフォームベースとなっていることだ。
たとえば,NEXTGEAR JGシリーズの中でもスペックが高い「NEXTGEAR JG-A7G70」の場合,CPUには,Zen 4世代で8コア16スレッド仕様,大容量L3キャッシュの搭載で高い性能を発揮する「Ryzen 7 7800X3D」を採用する。
一方,エントリークラスの「NEXTGEAR JG-A5G1D」は,Zen 2世代で6コア12スレッド仕様の「Ryzen 5 4500」を採用している。最新世代のCPUというわけではないが,今どきのゲームをプレイするときに,CPU性能が足らなくて快適に遊べないということはない。
一方,ゲームにおいて重要なGPUについては,本稿掲載時点のラインナップでは,すべてNVIDIA製のGeForce RTX 40シリーズか,「GeForce GTX 1660 SUPER」を採用している。GeForceシリーズは,PCゲーマーの間で75%近いシェア(関連リンク)を有しており,GeForce固有の機能,たとえばGeForce RTXシリーズが対応する超解像技術「DLSS」を使うゲームタイトルも多い。
実際のグラフィックス性能は,製品価格によって異なるとはいえ,GPUの種類や仕様に詳しくない人でも安心して買えるものをNEXTGEARでは選んでいると言っていいだろう。
そのほかのスペックについても目を向けると,メインメモリ容量は最低でも16GBと,ゲーム用途でも十分な容量だ。内蔵ストレージ容量は,製品によって512GB,または1TBとなっている。512GBだけでは,さすがに今どきのゲームには物足りないこともあるが,その場合は1TBや2TBに容量を増やした構成で注文することも可能だ。
とはいえ,NEXTGEARは基本的に,標準構成でもゲームをきちんと快適にプレイできるようになっている。ゲームPCを購入するときには,ややこしいBTOメニューが付きもので,PCパーツに詳しくない人には,難しかったり不安を感じさせたりする面もあるだろう。NEXTGEARでもBTOメニューはあるが,標準構成のまま注文しても大丈夫なように構成が厳選されているので,そのまま購入しても安心だ。余計な物や有料サービスが,付いてくる心配もない。
NEXTGEARの標準構成では,キーボードやマウス,液晶ディスプレイなどは付属していない。すでにこれらを持っている人なら,今まで使っていたものを使い回せばいいので余計な出費がかからないのは嬉しいところ。
一方で,初めて自分用のPCを購入するという人は,キーボードもマウスも持っていないこともあるだろう。そういう人の場合,NEXTGEARでPCを選ぶときに,「スターター5点セット」と書かれた製品を選ぶのがお勧めである。
スターター5点セットには,マウスコンピューターのディスプレイブランドであるiiyama製のゲーマー向け23.8インチ液晶ディスプレイ「G-MASTER GB2470HSU-5」と,ゲーマー向け周辺機器では国内ナンバーワンのLogicool製キーボード「G213r」,ワイヤレスマウス「G304」,ヘッドセット「G331」が含まれているので,これさえ買えばPC本体と必要な周辺機器一式が,本体プラス4万円でまとめて手に入るのだ。
なお,セットモデルではないNEXTGEARを注文するときも,BTOメニューからゲーマー向けキーボードやマウスを追加できるので,周辺機器を選んで買いたいという人にも適している。
NEXTGEARはなぜ生まれて,どんな見どころがあるのか
冒頭でも触れたとおり,NEXTGEARは価格対性能比を重視した,新しいゲームPCブランドである。だが,G-Tuneというすでによく知られたブランドがあるマウスコンピューターが,なぜ新しいゲームPCブランドを立ち上げたのだろうか。
マウスコンピューターで,NEXTGEARの商品企画を担当するマーケティング本部 製品部 デスクトップ製品プロダクトマネージャーの林田奈美氏と,PCの設計・開発を担当する開発本部 製品開発部リーダーの横関昭浩氏に,詳しく話を聞いてみた。
4Gamer:
マウスコンピューターのゲーマー向け製品ブランドとしては,G-Tuneが定着していますが,それとは別に新しいブランドを立ち上げたのはなぜでしょうか。
林田奈美氏(以下,林田氏):
ゲーミングPCとしてG-Tuneを立ち上げたのは,2004年のことです。その頃に「ゲームのためにPCを買う」と言うと,驚かれる方もいらっしゃいましたが,今では全然普通に,当たり前のことになっています。とくに若年層の方を中心として,PCゲームをプレイするのがひとつの潮流になってきました。
そういった中で,これまでのゲーミングPC,高性能なPCでゲームをプレイすることを追求するというのは,お客様のニーズではありますし,今後も追求していく路線ではありますので,そこに向けたG-Tuneというブランドがあります。
一方で,G-Tune立上げ当時よりも,ゲーム自体が複雑かつ高精細になったことで,プレイするゲーマー向けPCも高性能が求められるようになり,(価格面で)ちょっと手に取りづらくなってきているところもあります。そこで,手に取りやすい価格の製品ラインナップを拡充して,さらに多くの皆様にPCでゲームを楽しむ喜びを提供したいと考えて,新しいNEXTGEARというブランドを立ち上げました。
4Gamer:
NEXTGEARという名称は,数年前までG-Tuneの製品名に使われていました。その名前を,あえて新ブランドの名称に使用したのはなぜでしょうか。まったく新しいブランド名を付けるという手もあったかもしれませんが。
林田氏:
我々も,まったく新しいブランド名にしようかといろいろ検討しました。NEXTGEARという名称を結構長いことを使っていたことで,NEXTGEAR,あるいは略して「ネクギ」という名称で検索して,弊社のWebサイトにたどり着いているお客様がけっこういらっしゃったんですね。
それだけPCのゲームをされている方に浸透しているというか,皆様に愛着持っていただいていた名前だったんだなと,改めて認識いたしました。そこで,今回の新ブランドで名称を復活させたのです。
4Gamer:
NEXTGEARとG-Tuneの住み分けの基準は,どこにあるのでしょうか。
林田氏:
弊社としては,お買い求めいただくユーザー層をとくに分けて考えているわけではないのです。「初心者の方はNEXTGEARで,プロゲーマーはG-Tune」というように分けたいわけではありません。こちらのスライドにまとめてみました。
弊社のゲームPCにおける王道がG-Tuneというところは変わらないのですが,価格がネックになっているのも事実ではあります。価格で及び腰になってしまう方に,低価格帯の選択肢を出していきたいということで,NEXTGEARを立ち上げました。ですので,NEXTGEARではコストパフォーマンスを最大に追求した製品をラインナップしていきます。
ただ,マウスコンピューターの製品でありますので,「安かろう悪かろう」は当然できません。製品としての品質は,他のブランドとなんら変わりなく,工場でも同じライン,同じメンバーで組み立てています。
とはいえ,クオリティを妥協せずに低価格の製品を販売するとなると,すべての商流に展開するのは難しい部分もあります。そこでNEXTGEARでは,弊社のECサイトのみでの専売で販売することにいたしました。
4Gamer:
G-Tuneは店頭販売も行われていますからね。
林田氏:
ダイレクト販売の強みを,価格面で生かせるかたちで新しいブランドを立ち上げたと考えていただければと思います。
4Gamer:
現時点でのNEXTGEARのラインナップは,AMDプラットフォームのみですが,これは今後も継続していくのでしょうか。
林田氏:
一方で,G-TuneからAMDのラインナップがなくなることは,考えていませんし,G-TuneのAMDプラットフォームがハイエンド製品だけになることもありません。G-TuneはG-Tuneのままで,NEXTGEARはNEXTGEARでやっていきます。
4Gamer:
G-TuneとNEXTGEARがそれぞれ存在する中で,製品開発にあたって何が異なる点になるのでしょうか
横関昭浩氏(以下,横関氏):
NEXTGEARの開発スタートにあたってのアプローチは,これまでの製品と違うものがありました。これまでの製品は,社内で議論して,「これで行こう」「あれで行こう」という形で決まっていくことが多かったのですね。一方で,NEXTGEARは,筐体のアンケートを実施しました。
NEXTGEARという製品を,誰に向けて届けると考えたとき,やはり若い人たちだったり,PCゲームを新しく始める人たちでも手の届くゲーミングマシンはどういうものなのか,というところからスタートしました。
であれば,使う人たち,買ってくれる人たちを対象に,アンケートのような形で意見を聞いてみるのもいいんじゃないか,というアイデアがありました。そこで実際にSNSでアンケートを実施したところ,最初の(PCケースの)形を決めるところで,社内で「これがいいんじゃないか」と考えたものとは違う結果が出たんですね。
4Gamer:
社内での議論で出た候補とは,違うものがアンケートでは支持されたと。
横関氏:
やはり,開発や製品企画のメンバーでは,どうしても技術よりの要素で決めようとしてしまうものですから,そういった「お客様の直感」みたいなところは,なかなかイメージしづらい部分でもあります。アンケートは以前にも実施したことがあるのですが,今回は,お客様からいただいたイメージを,より戦略的に取り入れて開発いたしましたので,とても新鮮でもありました。非常にいいことだなと思っています。
4Gamer:
NEXTGEARオリジナルPCケースを決めるに当たって,アンケート以外にどのような意見が寄せられたのでしょうか。
横関氏:
「動作音が静か」とか,「冷却能力が高い物」といった現実的な要望もあれば,「光らない」,あるいは逆に「すごく光ってほしい」といったご意見もありました。
そのほかにはカラーや価格面,「もうちょっと安い物が欲しい」という要望は多いですね。
林田氏:
あとはお掃除,メンテナンス性ですかね。ホコリがたまらないとか,「フィルターが付いててお掃除が楽だといい」というご意見を結構いただきました。
4Gamer:
デスクトップPCを使っていると,どうしても中にホコリは入ってきますからね。
林田氏:
たまに開けると,ビックリすることありますよね。そういうところのお手入れを楽にしてほしいというご意見はいただきました。
4Gamer:
掃除のしやすさ,メンテナンス性を求める声に応えた要素というのは,どのようなものがありますか。
横関氏:
基本的に,天面の(ホコリ取り用)フィルターは,今まで私どもの製品ではあまり採用してこなかったので,そこはちょっと新しい点です。もちろん底面にもフィルターがあります。
あとはPCケース内の配線ですね。配線を可能な限り裏側に持っていくとか,綺麗にまとめるというところで,内部がごちゃついてない状態で組み上げていますので,そういった点でもホコリがたまりやすい場所を減らせるというメリットもあるかと思います。
ただ,配線の工夫はNEXTGEARに限った話ではなく,今までの製品でも行っていましたし,これからも続けていきます。
林田氏:
そのほかには静音性ですね。デスクトップPCですと,いくつものファンが付いていますので,静かな物が良いというご意見もいただきますね。
横関氏:
今回苦労したのが,前面と天面,底面や背面もそうですけれど,今回,側面以外はほぼメッシュになっています。そうなると,イコール音も漏れやすいPCケースですので,ファンの設定には非常に苦労しました。
ファンを多数入れると,足し算ですので音はどうしても大きくなってしまいます。最終的にはパフォーマンス(=冷却)と動作音のバランスをどう取るかという点で難しい調整でしたが,お客様に満足いただけるレベルに仕上がったと思います。
林田氏:
4Gamer:
NEXTGEAR用の新しいPCケースで,ほかに見どころはありますか。現在製品化されているのは,ミニタワーの1種類だけですが,今後は大きい物や小さい物など,サイズのバリエーションの増やしていくのでしょうか。
林田氏:
ひとつの見どころは,先述のようにファンの皆様に選んでいただいたデザインです。パッと見て「これ!」と分かるXのデザインかなと。
4Gamer:
PCケースは数ありますが,たしかにNEXTGEARのフロントは,あまりないデザインですよね。
林田氏:
本当にXのところを抜き出しただけでも,NEXTGEARだと分かるデザインだなと思っているので,そこがやっぱり一番の見どころと思っています。
そして,先ほども出たファンとエアフローのところ。昨今のPCに対する要求に合わせて,潤沢なエアフローを用意できるPCケースになっていますので,長い間,安定的に使える製品となっています。
サイズのバリエーションについては,今はまだ検討中です。
4Gamer:
NEXTGEARの現行製品ラインナップのなかで,とくにお勧め,アピールしたい製品はどれになりますか。
林田氏:
ひとつは,「10万円からのゲームPC」と言うことで,一番安価なモデルの「NEXTGEAR JG-A5G1D」(製品情報ページ)です。税込価格9万9800円でご用意しております。
4Gamer:
メインメモリを容量16GB積んで10万円未満は安いですね。
林田氏:
ゲーム側のグラフィックス設定は必要になるかとは思いますが,ちゃんとゲームを遊べるPCになっていると思います。
「ゲーム用のPCを買うのは初めてなんです」というお客様ですと,「これまではずっとノートPCを使っていたので,ディスプレイから何から,何も持っていないんだよね」という声をお聞きします。そうすると,ゲームをプレイするのにPC以外にも,用意しなければいけないものがたくさんありますので,この価格で頑張った,こちらのモデルがお勧めです。
もうひとつは,人気のグラフィックスカード「GeForce RTX 4060 Ti」と,それに相応しいリッチな性能のCPU「Ryzen 7 5700X」の組み合わせで,ゲーム用途でフル活用できる「NEXTGEAR JG-A7G6A」(製品情報ページ)が,今だとお勧めでしょうか。
横関氏:
スターター5点セットという,周辺機器が付属するセットモデルもございます。液晶ディスプレイも含んでいるので,製品が届いたら,すぐにゲームをプレイできるという構成です。
4Gamer:
付属の周辺機器は,キーボードとマウス,ヘッドセットがロジクール様の製品で,ディスプレイはiiyamaブランドの製品ですね。
横関氏:
(iiyamaは)当社のブランドですので,価格を抑えられますし,組み合わせ的にも安心していただけるかなと考えております。セットの製品を,お客様が全部自分で揃えるとなると……。
4Gamer:
2万円では難しいですね。3万円でもどうかな。
林田氏:
価格的な面もありますが,「ゲーミングって普通のと何が違うの?」というのがありますよね。PC本体を買ったうえで,デバイスもゲーミングの物を買わなきゃいけないとなると,種類もたくさんあるので,どれを選べばいいのか分からないという方もいらっしゃいます。そこで,「スタートで買うのはコレ」という形で提案させていただいております。
やはり,お客様からも「迷わず買える」ということで,セットモデルの人気は高いです。
4Gamer:
NEXTGEARの製造に当たって,なにか特別に配慮したことというのはございますでしょうか。逆に,G-Tuneから変えない方向で作られているのでしょうか。
横関氏:
そうですね。今までの知見もありますので,組み立てに関しては,特に心配することもなく,スムーズにいけたと思っています。先ほど挙げた天板のフィルターのように,工程が流れていく中で気をつけなければいけないパーツがありますし,新しいPCケースを使っていますので,製造開始から最初の1〜3か月くらいは,開発と製造現場との連携を強化して,どんな小さなことでも(製造側から)すぐ問い合わせてもらうようにしています。
販売したから開発もこれで終わり,というわけではありません。お客様からの要望があれば,できる範囲で製品に取り入れていかなくてはなりません。ここから別の意味でのスタートかなと思っています。
4Gamer:
品質面はいかがでしょうか。G-TuneとNEXTGEARで,組み立てや品質検査で,何か異なる面はございますか。
横関氏:
品質面に関しては,とくにNEXTGEARだからどうこうということはございません。マウスコンピューターの製品は,すべて同じレベルで同じチェックを行います。これは価格が高いモデルでも安いモデルでも変わりません。
林田氏:
工場を見ていただくと分かるかと思いますが,NEXTGEARだけ品質に関わる検査を省略するような工程を作るのは無理ですので(笑)。本当に同じレベルで組み立ても品質検査もしていますので,そこは安心して買っていただき,使っていただける製品になっているかと思います。
品質管理に重点を置いたNEXTGEARの製造現場を拝見
インタビューでも触れたとおり,NEXTGEARの製造は,G-Tuneを含むマウスコンピューターのデスクトップPCやノートPCを製造しているのと同じ,長野県飯山市にある飯山事業所の工場内で行われている。
飯山事業所には,製造を行う工場だけでなく,同社製PCの開発を担当する製品開発部や,開発に用いる各種試験設備もある。開発側と製造側が同じ施設内で迅速な情報交換を行うことで,製造の効率や品質を高める努力をしているわけだ。
ここでは,そんな飯山事業所の内部を取材して,組み立て前の部品管理から,実際の組み立て,製品検査に至るまでの過程を見ていきたい。
飯山事業所内には,第1から第3まで,3つの工場エリアがあり,今回取材したのは,最も広い主力の第1工場だ。ここでは,デスクトップPCとノートPC両方の組み立てを行っている。
第1工場の手前には,広い「資材・部材倉庫」があり,納品された大量の部材が一時保管されている。PCの部材と言っても,大はタワー型のPCケースから,小はPCに貼り付けるシールまで多種多様だ。
さらに,キーボードやマウスといった付属品はもちろん,説明書や保証書,付属ソフトのライセンス証といった各種紙類も,正しいものを製品ボックス内に入れなくてはならない。マウスコンピューターのようにBTO方式でPCを受注,製造している企業の場合,PC 1台ごとに使う部材も異なってくるので,1台ごとに正しい部材を工場に渡すための部材管理は,非常に重要なプロセスだ。
ちなみに,納品された部材に問題があることもあるので,検品の作業も倉庫の一角で行われている。
部材が用意できたら組み立て開始だ。一般的なPC工場の場合,流れ作業で複数人のスタッフが1台のPCを組み立てていく「ライン方式」と,1人のスタッフが1台を完成まで組み立てる「セル方式」といった2通りの組み立て方法がある。同じ仕様のPCを大量に製造する場合は,ライン方式のほうが効率的だ。しかし,BTO方式のように1台1台仕様の異なるPCを組み立てる場合や,同じ仕様でも製造数が少ない場合といった少量多品種の製造は,セル方式のほうが効率的なことが多い。一言でPC製造といっても,ビジネスの違いが製造方式にも現れるわけだ。
第1工場でのPC組み立ては,すべてセル方式で行われている。ここで作られるNEXTGEARのPCも,経験を積んだスタッフが1台1台,注文のとおりに組み立てていくのだ。
今回は,実際にNEXTGEARの1台が組み立てられる様子を見学できた。240mmサイズの液冷CPUクーラーを組み込んだ,比較的組み立ての手間がかかる製品だったが,さすがに熟練したスタッフによる作業はスムーズだ。目の前で取材されていることもあり,スタッフの方はだいぶ緊張されていたようだが,手際よく組み立てて完成までに1時間はかからなかった。
写真で実際の組み立て工程を見ていこう。
組み立てが終わると,完成したPCは機能検査と負荷試験のエリアに回されて,品質検査が行われる。検査用ソフトウェアでPCにさまざまな負荷をかけたり,正常に動作するかを確認するわけだ。NEXTGEARもG-Tuneも,まったく同じ試験が行われており,当然,ここを正常に通過しないと,そのPCは出荷できない。NEXTGEARだからといって,品質に関わる検査を省いているということはないのが見てとれよう。
抜取検査を行うのは,PCの製造を担当するのとは別の「品質管理本部」であるため,一切の忖度抜きでランダムに抜取が行われて,PCの動作から製品ボックス内の付属品まで,不備や問題がないかどうか洗い出す。当然ながら,少しでも問題があれば,これまた出荷はできない。抜取検査の実施は,製品の納期を遅らせる可能性もあるが,「それを許容してでも製品の品質を上げたほうが,最終的なお客様の満足度を上げられる」という判断で,マウスコンピューターは品質管理を行っているわけだ。
インタビューと工場紹介でかなりのボリュームになってしまったが,マウスコンピューターがNEXTGEARにかけた「ゲームPCを手が届きやすいものに」というコンセプトと,製造現場での取り組みについて,理解してもらえたかと思う。
初めてのゲームPCを買おうという人はもちろん,買い換えや買い足しを検討している人も,NEXTGEARを忘れずに候補に入れてみるといいだろう。
マウスコンピューターのNEXTGEARブランドページ
- 関連タイトル:
G-Tune,NEXTGEAR
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