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13.3インチ筐体にGTX 765M+i7-4700MQを搭載するノートPCは買いか。G-Tune「NEXTGEAR-NOTE i410SA1」レビュー
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印刷2013/09/17 01:00

レビュー

13.3インチ筐体にGTX 765M+i7-4700MQを搭載するノートPCは買いか

G-Tune NEXTGEAR-NOTE i410SA1

Text by 宮崎真一


 のっけから私事で恐縮だが,スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」(PC / PlayStation 4 / PlayStation 3,以下 新生FFXIV)のサービスが開始され,筆者は目下,永住したい勢いで冒険の日々を過ごしている。しかし悲しいことに,冒険だけで“食べて”いくことはできず,けっこうな頻度で,現実という修羅の国に帰ってこなくてはならない。

NEXTGEAR-NOTE i410SA1
メーカー&問い合わせ先:マウスコンピューター
BTO標準構成価格:13万9860円(税込)
画像集#002のサムネイル/13.3インチ筐体にGTX 765M+i7-4700MQを搭載するノートPCは買いか。G-Tune「NEXTGEAR-NOTE i410SA1」レビュー
 筆者のように,GPUやらCPUやらのベンチマークを日常的に行っていると,当然「ながら」プレイになるわけだが,その場合,デスクトップPCを脇に置いて,さらにディスプレイも使って……というのは,スペース的に厳しい。そこで,室内で使う前提でもノートPCが必要になる。そして,筆者手持ちのノートPCは,さすがに入手から時間が経過しすぎ,「新生FFXIVは,画質設定をとことん下げれば動かなくもない」というレベルになってしまっていた。

 そんななか,ゲームPCブランドである「G-Tune」を手がけるマウスコンピューターから,13.3インチワイドで解像度1920×1080ドットのノングレア(非光沢)液晶パネルを搭載し,GPUにKepler世代の「GeForce GTX 765M」(以下,GTX 760M),CPUにはHaswell世代の「Core i7-4700MQ」(以下,i7-4700MQ)を搭載し,BTO最低構成価格が11万9700円(税込)からというノートPCシリーズ「NEXTGEAR-NOTE i410」が登場してきた。調べてみると,BTO標準構成価格が13万9860円(税込)の「NEXTGEAR-NOTE i410SA1」がバランスに優れるようだ。
 なんてことを思っていたら,マウスコンピューターから「レビューしてみませんか」という話が来たので,これ幸いと,乗らせてもらうことにした。今回は,いつもの性能検証に加え,実際に新生FFXIVをプレイした使用感も交えつつ,購入を検討している人間の目線で製品を評価してみたいと思う。


「高いスペックを小型筐体に詰め込む」のに成功した半面,しわ寄せも目立つ


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 GTX 765Mやi7-4700MQがどんなプロセッサなのかは「ALIENWARE 14」の広告企画記事などに詳しいので,そちらを参照してほしいと思うが,本稿でも簡単にまとめておこう。

 GTX 765Mは,768基のCUDA Coreを集積したGPUで,その規模はデスクトップPC向けGPU「GeForce GTX 650 Ti」(以下,GTX 650 Ti)と同じだ。専用のグラフィックスメモリとして,総容量2GBのGDDR5 SDRAMを組み合わせている。動作クロックはベース797MHz,ブースト863MHzで,メモリ4008MHz相当(実クロック1002MHz)となっていた。
 一方のi7-4700MQは,4コア8スレッド対応のCPUで,動作クロックは定格2.5GHz,最大3.4GHzとなる。

本体を開いた状態で横から。厚みは閉じた状態で31.9mmあるため,決して薄いノートPCではないのだが,本体底面側の側面を内側へ切れ込ませるようなデザインによって,薄く見せることに成功している
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 さて,そんなi410SA1における最大の特徴であり,魅力でもあるのは,ノートPC向けのミドルクラスGPUを搭載しつつ,330(W)×227×31.9(H)mmという,コンパクトな筐体にまとめ上げてきているところである。重量は約2.1kgあるので,日本人の一般的な感覚からするとモバイル向けではないが,サイズがサイズなので,持って歩けないことはない。

 また,その筐体に採用されている13.3インチワイド,解像度1920×1080ドットの液晶パネルは,発色がなかなかいい。サイズの小ささが生む精細感もあって,少なくとも新生FFXIVの世界観は損なうことなく表現できている印象だ。

輝度設定最大で正面から見たところ(左)と,斜めから見たところ(右)。けっこう程度のいいTNパネルを採用しているようで,斜めから見たときの色変化は少ない
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 しかし,このスペックで約12万円というBTO最小構成価格を実現したことの“対価”も,i410SA1は――というかNEXTGEAR-i410シリーズ全体を通じてだが――かなり払わされている。

 たとえば本体側面のインタフェース群だ。i410SA1では,SD(SDXC,SDHC)とMMC両対応のカードリーダーを本体右前側に用意する以外,すべてのインタフェースを左右に散らしてある。左側面はUSB 2.0×1,ヘッドセット×1(3.5ミニピンサウンド×2),右側面はUSB 3.0×3,HDMI×1,アナログRGB(D-Sub 15ピン)×1,1000BASE-T LAN×1,ACアダプター接続用×1で,テキストで書くだけなら「サイズの割に充実した端子群」なのだが,4つあるUSBポートがすべて本体の前側に寄っているのである。

本体前面(左)と背面(右)。前面向かって右にカードリーダーが用意されている。向かって右は電源やストレージのアクセスといったインジケータLEDだ。背面はバッテリーパックが置かれるため,インタフェースは何も用意されない
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こちらは本体左側面(左)と右側面(右)。USBインタフェースが軒並み本体の前寄りとなっている点に注目してほしい
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マトモにゲームで使おうとすると,すぐワイヤードマウスの取り回しに苦労することになる
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 新生FFXIVは言うに及ばず,PCゲームをプレイするには基本的にマウスの利用が必須なわけだが,ゲーマー向けで一般的なワイヤードマウスを使おうとすると,ケーブルがかなり邪魔になる。さらに,転送速度の高いUSB 3.0を活かそうと,外付けのストレージデバイスなどを取り付けていたりすると,ワイヤレスマウスを使う場合でも,本体向かって右側のクリアランスはかなり妨げられることになるのだ。

 このUSBポート配置は,マウスでゲームをプレイする前提になっていないと言わざるを得ない。新生FFXIVをプレイする前提で話をするなら,USB 2.0ポートにワイヤレスレシーバーを装着して,ワイヤレスゲームパッドを使うのがベターだろう。

キーボードは,変態配列ではないのだが,右側で一部間延びしている
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 入力系に関して続けると,キーボードは日本語86キー仕様で,主要なキーのピッチは実測約19mm。キーストロークは約1.5mmと,いい意味で普通。ただし,写真を見てもらうと分かるように,[Enter]キーの近くにある[Back Space]キーなどがやたらと横に長くなっており,使っていると,何度も[Enter]キーと押し間違えそうになった。とことん慣れれば問題ないかもしれないが,懸念点としては指摘しておく必要がある。

キーボードには消灯を含めて明るさを3段階に切り替えられる白色LEDバックライトが埋め込まれており,強くない自己主張の割に暗がりでもしっかりとキーを視認できる。これはグッドだ
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使っていると,[Tab]キー周辺,そして[F10]〜[F12]キー周辺が熱を帯びてくる
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筐体の裏蓋を外したところ。2つのチップから,写真右端の放熱フィン部まで放熱フィンが伸びているのが分かる
 そして,そんなキーボードには,配列や使い勝手以外にも不満がある。何かというと,熱である。
 初期設定の新生FFXIVは,[Tab]キーと[Tab]+[Shift]キーの組み合わせで敵モンスターのターゲットを変更するようになっており,ファンクションキーを使えばパーティメンバーや敵モンスター,NPCと範囲を広げてターゲットを切り替えられるのだが,i410SA1だと,[Tab]キー周辺と,[F10]キから[F12]キー周辺がかなりの熱を持ってしまう。

 なぜこのような事態が生じるのか。本体の裏蓋を外して内部構造を確認してみると,i410SA1では,GPU,そしてCPUからそれぞれ1本ずつ伸びるヒートパイプの先が1つの放熱フィンブロックになっており,これをブロワーファンで筐体外へ排気する仕様になっているのが分かる。放熱フィンブロックは筐体向かって左側の前後中央,つまりは[Tab]キーあたりの下にあることからするに,この小型放熱フィンブロックでは熱を冷却しきれず,筐体側に熱が伝わってしまっているという理解で正しいはずだ。
 また,同じ理由で,GPUとCPUの“上”に来るファンクションキー周辺にも,熱が伝わってしまっているのだと思われる。排気孔を本体後方に設置し,かつ,もう少し大きな冷却機構を用意できればよかったのではないかと思うが,13.3インチ筐体に詰め込むには,このデザインしかなかったのではなかろうか。

冷却機構を取り外したところ(左)。GPUとCPUを冷却するための冷却機構としてはかなり小さいのが分かる。右はGPUとCPUに寄ったところで,GTX 765Mには「N14E-GE-A1」という刻印があった
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※注意
 分解はメーカー保証外の行為です。分解した時点でメーカー保証は受けられなくなりますので,本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。分解によって何か問題が発生したとしても,メーカーはもちろんのこと,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。また,今回の分解結果は筆者が入手した個体についてのものであり,「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものではありません。

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スピーカーは本体底面奥の両サイドに埋め込まれている
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手前のスリットがスピーカー用。音はノートPCの設置面に対して出力される仕様になっている
 また,ゲームをプレイするうえで重要になるサウンド周りだが,i410SA1の底面両サイドに置かれたスピーカーはお世辞にも「いい音」とは言いづらく,かなり高音が“シャカシャカ”する。しかも,音が全体的に右寄りとなってしまうのだ。何も考えないでサブウーファを変なところへ置いたノートPCだとよくある症状なのだが,2chスピーカーで右寄りというのは変なので,ひょっとしたらこれは個体差かもしれない。
 いずれにせよ,i410SA1で手っ取り早くサウンドを楽しみたい場合は,アナログもしくはUSB接続でヘッドセットやヘッドフォンなどを接続するのが正解だ。

 外付けスピーカーは? と思うかもしれないが,ヘッドセットやヘッドフォンを勧める理由はもう1つある。というのも前述したファンの動作音が大きいのだ。
 i410SA1の内蔵ファンは,温度に応じて回転数が自動的に調整される……のだが,このファンはある閾値を境にして,一気に回転数が上昇する。そして,ゲームをプレイしていると,この高い回転数が維持されたままの状態となり,端的に述べて動作音はかなりうるさい。(密閉型の)ヘッドセットやヘッドフォンがあれば,このうるさい動作音が多少なりとも気にならなくなるというわけである。

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 ちなみにi410SA1ではサウンド関連のソフトウェアスイートとしてCreative Technologyの「Sound Blaster Cinema」がプリインストールされているため,標準でバーチャルサラウンドサウンド出力に対応している。新生FFXIVのように5.1chサラウンドサウンドをサポートしたゲームタイトルの場合,手軽にバーチャルサラウンドサウンドを楽しめるので,その意味でもヘッドセットやヘッドフォンのほうがオススメといえる。

 なお,本体の排気孔からはかなりの熱風が排出されるため,周辺の温度はかなり高くなる。ゲームをプレイするときにドリンクを飲みながらという状況も珍しくないと思うが,i410SA1の左に置いておくと,まず間違いなく温くなる(※経験者談)。冬場ならホットドリンクが冷めにくいというメリットもあるだろうが,やはりこのファン配置と制御法はなんとかならなかったのか,という気はする。

 そのほかi410SA1の主なスペックは表1のとおり。ストレージがSSD+HDDで,SSDにOSがインストールされる仕様だ。SSDの容量が128GB,HDDの容量が1TBなので,ゲームは基本的にHDD側へインストールすることになるはずだ。実際,筆者も今回はそうしている。

※SSDやHDDの型番は,今回入手した個体のものです。「すべての個体で共通であり,今後も変更はない」と保証するものであはありません
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i7-4770T+GTX 650 Ti/GTX 650と比較

新生FFXIVベンチ キャラ編のテストも実施


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 ここからは気になる性能検証に入っていこう。i410SA1のゲーム性能を推し量るには“デスクトップPC換算”でどれくらいなのかをチェックするのが一番だろうと考え,今回は表2に示すようなデスクトップPCを用意した。i7-4700MQと比較的スペックの近い省電力版CPU「Core i7-4770T」をベースとしたシステムに,GTX 650 Ti,あるいはその下位モデルとなる「GeForce GTX 650」と比較するイメージだ。
 GTX 650 Ti搭載カードのPalit Microsystems製「NE5X65T01301-1071F」は,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられたクロックアップ品であるため,MSIのオーバークロックツール「Afterburner」(Version 2.3.1)から,リファレンス相当にまでクロックを引き下げた状態でテストを行う。グラフィックスドライバはテスト開始時の最新版である「GeForce 326.80 Driver Beta」で統一した。

 なお,上の表1で示したとおり,i410SA1のシステムメモリはシングルチャネルの8GB×1だが,デスクトップPCでシングルチャネルアクセスは一般的でないという判断から,今回は総容量8GBで揃えている。

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 テスト方法は基本的に4Gamerのベンチマークレギュレーション14.0準拠。ただし,今回は新生FFXIV周りのテストを優先する関係で,「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)を追加する一方,「Crysis 3」と「SimCity」,それに「F1 2012」のテストは省略している。
 新生FFXIVベンチ キャラ編のテストでは,「グラフィック設定プリセット」として「最高品質」「標準品質(ノートPC)」を選択。解像度ごとに2回テストを実行し,平均値をスコアとして採用することにした。

 テスト解像度は,i410SA1でネイティブ対応となる1920×1080ドットと,16:9アスペクトで一段低い解像度となる1600×900ドットを選択。GTX 765Mの3D性能はデスクトップPCで言うところのエントリークラスに属することがスペックから想像できるため,レギュレーション準拠のタイトルでは「標準設定」およびそれに準じた設定でのテストを行う。


その3D性能はGTX 650以上,GTX 650 Ti以下

標準品質(ノートPC)なら新生FFXIVも快適


 以下,文中とグラフ中ともに,比較対象のデスクトップPCを「i7-4770T+GTX 650 Ti」および「i7-4770T+GTX 650」というように,CPU名+GPU名で表記するとお断りしつつ,テスト結果を見ていこう。
 グラフ1は「3DMark」(Version 1.1.0)の結果だが,「Fire Strike」でi410SA1はi7-4770T+GTX 650 Tiの約86%,i7-4770T+GTX 650の約126%というスコアを示し,ほぼ中間の位置に収まった。

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 気になるのは,Fire Strikeの「Extreme」プリセットでi410SA1がi7-4770T+GTX 650に対して約72%,i7-4770T+GTX 650 Tiに対して約56%と,いずれも圧倒するスコアを示していることだが,これは,スコアの詳細をまとめた表3を見てもらうと,その理由が分かりやすい。というのも,Extremeプリセットに限り,とくにメモリ負荷の高い「Graphics test 2」でスコアの逆転現象が起きているからだ。
 メモリインタフェースはGTX 765M,GTX 650 Ti,GTX 650とも128bitなので,これはGTX 765Mが2GBなのに対し,GTX 650 TiとGTX 650はいずれも1GBという,グラフィックスメモリ容量の違いが生んだものという理解でいいのではなかろうか。

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 続いてグラフ2は「Far Cry 3」の結果だ。ここでもi410SA1はi7-4770T+GTX 650 Tiとi7-4770T+GTX 650の間に位置している。ただし,i7-4770T+GTX 650 Tiに対して85〜87%程度のスコアを示し,i7-4770T+GTX 650には40〜41%程度のスコア差をつけているので,3DMarkを前にしたときよりもGTX 650 Tiに近い3D性能を発揮しているといえる。

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 「BioShock Infinite」だと,i410SA1のスコアは,i7-4770T+GTX 650 Tiの81〜82%程度,i7-4770T+GTX 650の18〜19%程度(グラフ3)。描画設定を落とし,プレイアブルなフレームレートの確保を優先すると,少しずつGPUの動作クロックやCPUのスペック差が“効く”ようになっていくので,この結果は妥当なところだ。

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 プレイアブルなフレームレートを得るべく,「エントリー設定」で実行した「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)のスコアがグラフ4で,ここでも傾向はBioShock Infiniteと同じような感じになっている。
 i410SA1のスコアは,i7-4770T+GTX 650 Tiの82〜83%程度,i7-4770T+GTX 650の9〜10%程度である。

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 グラフ5,6は新生FFXIVベンチ キャラ編のテスト結果だが,ここでもi410SA1は2つある比較対象の間に入るという位置関係に違いはない。なお,スクウェア・エニックスが示すスコア指標だと,スコア7000以上が最高評価の「非常に快適」だが,9388を示した標準設定(ノートPC)の1920×1080ドットでゲームをプレイしてみると,レベル30台のキャラクタで溢れかえる「コスタ・デル・ソル」でも動作はとても快適だった。
 ちなみに,グラフィック設定プリセットを「高品質(ノートPC)」に変更してみたところ,同解像度でのベンチマークスコアは5554となり,若干のカクつきが見られるようになったことも付記しておきたい。やはり,プレイヤーキャラクターが集中するような場所で快適な動作環境を維持したいのであれば,スコア7000以上は出しておきたいところである。

※いずれもグラフ画像をクリックすると,平均フレームレートのグラフを表示します
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 ゲーム以外のアプリケーションを前にしたときの性能もチェックしておこう。今回は,システム総合ベンチマーク「PCMark 8」(Version 1.0.0)の「Home」テストを実行したが,その結果はグラフ7のとおりで,あまり芳しくない。

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 その結果を探るべく,表4でスコアの詳細を見てみると,「Writing」と「Casual gaming」でi410SA1がスコアを落としているのが分かると思うが,Writingはメインメモリの帯域幅が利いたという理解でいいだろう。ではなぜCasual Gamingでスコアを落としたのかという話だが,これは,i410SA1でGTX 765Mが利用されていない可能性が高そうだ。
 一応,NVIDIAコントロールパネルから「優先するグラフィックス プロセッサ」に「高パフォーマンス NVIDIA プロセッサ」に指定しても,スコアは変わらなかったので,おそらく現時点では強制的にi7-4770Tで統合された「Intel HD Graphics 4600」が使用されてしまい,単体GPUに大きく水をあけられてしまうのだろう。
 NVIDIAの「Optimus」テクノロジーは,たまにこういうトラブルを引き起こすが,今回もそれが出たといったところか。

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アイドル時における消費電力の低さはさすが

小型筐体&小柄冷却機構がゆえに温度は高め


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取り外したバッテリーパック。11.1V 5600mAhという仕様だ
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付属のACアダプター
 ノートPCということで気になる消費電力もチェックしておこう。テストにはログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を利用。テストにあたっては,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時として,それぞれ,システム全体の消費電力で比較することにした。バッテリーがスコアに影響するのを避けるべく,i410SA1のバッテリーパックは,消費電力の検証時には取り外している。

 その結果はグラフ8のとおりで,アイドル時における,液晶パネル込みで31Wという消費電力はさすがの一言。ただ,アプリケーション実行時にはi7-4770TGTX 650とそう大きなスコア差がついていないのも確かで,GTX 765Mは相応に電力を食うということなのだろう。

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 なお,PCMark 8に用意されている「Battery life」のテストを実行してみたところ,2時間23分38秒という結果が出た。
 このテストは,バッテリー残量が100%から18%になるまで,PCMark 8のHomeテストを実行し続け,バッテリー持続時間の算出を行うもの。上の表4で分かるとおり,3D描画負荷の非常に高いテストは含まれないため,実際にゲームをプレイし続けたときのバッテリー持続時間は,当然,それよりも短くなるものと思われる。おそらく,2時間に届かないくらいではなかろうか。

 ところで,小型で高回転のファンを備えた冷却機能の冷却能力はどれくらいなのだろうか。今回はアイドル時と3DMark時,そして,システムに100%の負荷をかけ続けるストレスツール「OCCT」(Version 4.4.0)と,3DMarkを同時実行し,3DMarkが完走するまでの間に最も高い消費電力値が記録された時点(以下,高負荷時)の3パターンで,CPUとGPUの温度を取得した。
 テスト時の室温は24℃。i410SA1はバッテリーを装着し,ACアダプターで給電した状態,比較対象のデスクトップPCは,PCケースに組み込まない状態でそれぞれ机の上に置き,検証する。

 その結果はグラフ9,10のとおりだ。i410SA1のCPU温度とGPU温度は,主に負荷のかかる対象がGPUか,GPUとCPUの両方かを問わず,非常に高い消費電力になってしまっている。消費電力のスコアからすると温度は高すぎるほどで,小型筐体に搭載し,小型の冷却機構でクーリングを行うことのデメリットが,はっきりと出てしまっている印象だ。
 また,OCCTを実行して初めて分かったのだが,冷却ファンの回転数は,新生FFXIVをプレイしたときの「うるさい状態」よりもさらに上の段階があったようで,OCCT実行中に“本気を出した”ファンは,轟音と言っていい音を立てていた。もちろん,通常のゲームプレイ時にここまでの負荷状況に陥ることはまずないので,轟音状態に突入することはないはずだが,冷却ファンの回転数制御には,もう少し配慮が欲しかったとは述べておきたい。

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その小型さと3D性能は大いに魅力

あとは露見したマイナス要素をどう捉えるか


 ベンチマークテストから分かるi410SA1の性能は,十分に高い。13.3インチワイド液晶パネルを搭載した小型ノートPCで,ここまで3Dゲームが動いてくれて,しかもBTO標準構成価格は13万9860円(税込)なのだから,価格対性能比は上々と述べていいだろう。

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 ただし,その魅力的な小型さを実現するための代償が,i410SA1では間違いなく支払われている。インタフェースの配置や,キーボード部にまで伝わる熱,そして大音量の冷却ファン……。見た目は悪くなく,液晶パネルの品質も良好なのに,どうしてもツメが甘い印象をぬぐいきれないのだ。これらの問題さえなければ,この記事が上がる前に筆者は私物用として1台注文していたと思うだけに,本当に残念だと言わざるを得ない。

 ただ,ファンの音などは,ヘッドフォンやヘッドセットの装着によって対策できる可能性がある。また,今回は試していないが,アクティブ型のノートPC冷却台があれば,ファンの回転数はともかく,熱の問題は多少改善されるかもしれず,マイナス要素を軽減する手立てがないわけではない。
 よい部分とそうでない部分が同居しているだけに,あとはそれをどう判断するかだろう。マイナス要素に対策できる,もしくは気にならない人には,勧められる製品だ。

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