テストレポート
HW短評:Kingston「HyperX Cloud Stinger」(2)マイク入力特性は良好ながら高周波ノイズが……
テストにあたっては,スピーカーの前にヘッドセットを置いて録音するという,従来からの方法を継続している。用いるのはスイープ信号で,第1回で使ったピンクノイズとは異なる。
というわけで,まずは周波数特性である。テスト結果は下に示したとおりだ。
しかもこのヒスノイズ,なぜかマイクを跳ね上げてミュートしても聞こえる。なので「ノイズキャンセリング機能搭載」という公式スペックは正直,疑わしい。ただし,本来なら聞こえるはずの,低周波を中心とした室内ノイズはまったくと言っていいほど聞こえなかったりもするので,何らかのノイズ対策は行われているはずだ。位相波形がキレイなことからしても,搭載しているのは,ノイズキャンセリング機能ではなく,ノイズリダクション機能ではなかろうか。
HyperX Cloud Stingerはコンデンサマイクを採用するとされているのだが,(※),録音した声を聴いてみても,高域が落ち込んだというよりは,ややロールオフした(=丸まった)ような音質傾向で,確かにコンデンサマイク系の音だと言える。ただ,中高域が高いことが生む,鼻づまり気味の聞こえ方と,あとはやはりどこまでもヒスノイズは気になった。もう少し抑えてあるといいのだが。
(ゲーマー向けヘッドセットが採用する)コンデンサマイクの宿命として,過入力――要するにマイク入力レベルが高い状態で大声で叫んだりする状態――に弱く,歪みやすいという点も,指摘しておく必要があるだろう。
なお,低周波は,明瞭度を損なわない程度の,なだらかな落ち込み方なので,何を言っているかは分かりやすい。
※ ヘッドセットや,安価な単体マイク製品で一般的に採用されるダイナミック型マイクと比べると,コンデンサ型はより感度が高く,より小さな音まで拾えるのが大きな特徴となっている。
次回述べるが,HyperX Cloud Stingerはその仕様上,本体側でマイクレベルを調整できないので,利用にあたっては,あらかじめPC側の「サウンド」コントロールパネルでマイクレベルを下げておく必要があるだろう。
また,ブローノイズ(=マイクを「吹いた」ノイズ)を避けるためにも,マイクは口元より低い位置へ配置するのを心がけたい。
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KingstonのHyperX Cloud Stinger製品情報ページ
※HW短評に関する注意
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