テストレポート
HW短評:Kingston「HyperX Cloud」(2)出力音質傾向を確認してみる
HyperX Cloud メーカー:Kingston Technology 問い合わせ先:00531-88-0018(平日9:00〜19:00) 実勢価格:1万円前後(※2015年3月26日現在) |
合皮素材(左)と起毛素材(右)のイヤーパッド。HyperX Cloudではこれらを好みに合わせて付け替えられる |
というわけでまずはiTunesを用いて音楽を試聴してみたが,結果は以下のとおりだ。
- 合皮素材イヤーパッド取り付け時:シャリの強い,軽めのドンシャリ
(53mmドライバーなのに低強高弱ではなく,高域が少し強め。中高域はまずまずのバランスだ。一方,中低域が凹んでいるため,クリアな音質傾向になっているのだが,「クリアに聞こえてほしくない音までクリアに聞こえる」きらいはある。音量を小さくすると高域の強さは気にならなくなるので,メーカーとしては“爆音”を想定しないで音質傾向を設計したのかもしれない) - 起毛素材イヤーパッド取り付け時:低音が抜ける
(案の定,低域は弱く,中低域はさらに弱くなり,高域が相対的に強く聞こえる。「低域がドンと出てくるのは嫌い」という人も)いるので全否定はしないが,音楽用としてお勧めもしない)
まずは,サラウンドの音源を「点」で認識しやすい「Call of Duty 4: Modern Warfare」だが,中高域が強すぎないため,銃声が耳に痛かったりすることはなく,それでいて高域は強調されているので,音源の移動が分かりやすい。中低域が削られたことで,クリアさが増しているのも,音源の定位をはっきりさせるのに貢献しており,総じてバーチャルサラウンドサウンドとの相性がとてもよい。
一方の-起毛素材イヤーパッドだが,5.1chのようなマルチチャネルスピーカーセットからサブウーファを抜いたような音になる。低域の迫力がまったくないので,そこは人を選ぶが,「情報」としての音のみを必要とする場合には,悪くない選択肢となりそうだ。
起毛イヤーパッドだと,さすがにもともと低域がたっぷりあるため,それほど低域がスカスカに抜けた感じはしない。ただ,やはり抜けてはいるので,強い低域でマスクされてしまって聞き取りづらいNPCの無線ボイスもよく聞こえる。
全体としては,バランスを求めるなら合皮素材のイヤーパッド,音楽鑑賞などを切り捨てて,エクストリームに音情報を収集したいなら起毛素材イヤーパッドといったところだ。どちらも音源移動の感じやすさは変わらない。
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Kingston TechnologyのHyperX Cloud製品情報ページ(英語)
※HW短評に関する注意
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