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「WYD2」日本最強チーム“E・ROMAN”の韓国遠征に密着:「日韓最強WYD決定戦」レポート
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印刷2007/02/06 17:28

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「WYD2」日本最強チーム“E・ROMAN”の韓国遠征に密着:「日韓最強WYD決定戦」レポート

 去る2月3日,韓国・ソウルにあるPCバン(インターネットカフェ)メガウェブステーション麻浦区役所店にて,MMORPG「With Your Destiny II」の日韓最強WYD決定戦“2007 Japan VS Korea Championship”が開催された。

 4Gamerでも適時お伝えしてきたように,これは,2007年1月からスタートした日本最強チーム決定戦,「天上大戦」の優勝チームが韓国へ乗り込み,韓国最強チームと対決するというオフラインイベントだ(大会概要については「こちら」)。
 天上大戦で日本最強チームの座を勝ち取ったのは,E・ROMANチームの4名である。「こちら」でレポートしたように,天上大戦決勝戦および3位決定戦は,参加者の個人的な都合などにより,1試合も行われることはなかった。つまり,直接対決なしに1〜4位が決定してしまったのだ。イベントとしてはやや盛り上がりに欠ける展開ではあったが,運も実力のうち。合計35チームがエントリーした天上大戦で頂点に上り詰めたわけだから,その強さは本物といえよう。

 日韓最強WYD決定戦の当日,北海道,東京,大阪,九州から集まったE・ROMANのメンバー4人は,ハンビットユビキタスエンターテインメント(以下,HUE)マーケティングチームの平田雅一氏の激励を受けたのち,WYD2の名物GMであるGMツトム氏の引率によって韓国へ飛んだ。
 韓国到着後,ホテルに荷物を置いてすぐに会場へと向かったE・ROMANチーム。前日は遅くまで,大会で使用するキャラクターのステータス/スキルポイント配分を試行錯誤していたというのだが,移動中の車内でも疲れの色を見せることなく,韓国の食を楽しんだり,WYD2の会話で盛り上がったりしていたところは,さすが日本最強チームといったところか。

ハンビットユビキタスエンターテインメント マーケティングチームの平田雅一氏(左から2番目)から激励を受ける,E・ROMANのメンバー達


 日韓戦の舞台となるPCバン,メガウェブステーション麻浦区役所店では,当日,韓国Hanbit Soft主催のWYD2オフラインイベントが開催されていた。これには,韓国内で行われたWYD2対人戦イベントの8強を含む,50人以上のプレイヤーが集まっており,約50席のプレイスペースがある会場内は,異様な熱気に包まれていた。
 そのメインイベントに相当する日韓戦は,韓国のWYD2プレイヤーからもかなり注目されていたようで,E・ROMANチームが会場入りすると,周囲はさらなる熱気とざわめきに包まれたものだ。

 そんな中,日本/韓国両陣営の最強チームがステージに立ち,司会から紹介を受けた。その後,ステージに設置されたスクリーン上に両国の国旗が表示され,「君が代」「愛国歌」が流された。人によってはちょっとびっくりしてしまうような展開かもしれないが,サッカーや野球など,スポーツの日韓戦を考えてみれば,さほど違和感のあることではない。オンラインゲーム大国・韓国におけるゲームの立ち位置を,あらためて実感させられる出来事であった。

写真左/中央:50席以上のプレイスペースが設置されているPCバンだが,ステージの前は,ご覧のような混みよう。ほとんどが韓国のWYD2プレイヤーなのだから,その熱気は推して知るべし,といったところである 写真右:右手を胸にあて,国家に耳を傾ける韓国最強チームの4人。日韓戦にかける想いの強さがうかがえる


 さて,本題の日韓戦レポートに入るまえに,簡単にルールの説明をしておこう。

■競技ルール
使用アカウントは専用のものをHanbit Soft側が提供
使用キャラクターは,選手の意向を踏まえてセッティング済み
各チームは,競技時に同クラスのキャラクターを二つ以上接続してはならない
競技時間は1試合あたり10分
競技は日韓戦用の専用サーバーを利用(今後配布される予定)
競技は4vs.4/2vs.2/4vs.4/2vs.2/4vs.4の順で行い,先に3勝をあげたチームを勝利とする
使用キャラクターはすべて伝神355レベル。ナイアドス+7が支給済み
その他のルールは「天上大戦」のルールと同様

 基本ルールは,日本でも行われた天上大戦に近いものだが,一部,日韓戦独自の仕様/ルールが盛り込まれている。ただし,4vs.4での対戦や,運営期間の差(韓国では5年以上も運営されている)から,経験/知識に関しては,韓国チームが圧倒的に上であることは確かである。その不利を,E・ROMANがどれだけ覆せるかが,勝負のポイントと言えるだろう。

 4対4の戦いとなる第1試合。両チームとも,WYD2の対人戦における基本戦術である「ポエマー(キャスタークラス)狙い」に徹した動きを心がけていたが,韓国チームのほうが徹底していた。どのような状況になっても,判断や操作のブレが生じず,E・ROMANのポエマーに対して激しい集中攻撃を繰り出していた。
 E・ROMANも序盤は善戦していたものの,韓国チームのリザレクションが決まったあたりからジワジワと押され,ポエマー,ハンター,トランスナイトと立て続けに落とされ,韓国チームの先勝となったのである。
 試合後,E・ROMANのメンバーに話を聞いたところ,「気づいたら3人やられていた」「フラッシュの効果が思いのほか長く,混乱した。フラッシュを使うタイミングも絶妙だった」「ターゲット合わせ,コンビネーションともにうまかった」「障害物でターゲットを外すテクニックが素晴らしかった」というコメントが得られた。また,韓国語が分からないので,スタートのタイミングなどが若干分かりにくかったという面もあったようだ。



日韓戦終了後,インタビューを受けるE・ROMANの面々。試合は残念な結果だったものの,その明るい表情からは,満足度の高さがうかがえる
 続く第2試合は,2対2の戦い。両陣営とも,トランスナイトとビーストマスターを操作しての対決となった。初戦を落としたE・ROMANだったが,第2試合では序盤からガンガンと押していき,中盤あたりまでは若干有利な状況が続いていたほどだ。
 ところが終盤,落ち着いた操作で堪え忍んでいた韓国チームが,徐々に勢いを取り戻し,形勢を逆転。最終的には2対1の戦いに持ち込まれ,韓国チームが粘り勝ちを収めた。
 「いい線はいっていたと思うが,相手の執拗なキャンセルで調子を狂わされた。追い込もうとすると,フラッシュを使われて逃げられてしまった」「召喚を使わなかった韓国チームに対し,こちらは召喚を使うことで,相手のミスを誘えていた。召喚を使わずに勝利したのは,さすがとしかいいようがない」「一人が欠けると,体勢を立て直すのが難しい。こちらのリザレクションが決まっていれば,結果は違っていたかもしれない」とのコメントの通り,実に惜しい戦いであった。

 韓国チームの2勝で迎えた第3試合。やや弱気になっていた印象のあるE・ROMANチームに対し,GMツトム氏の激励が飛ぶ。いつもにこやかなGMツトム氏だが,日本人として,そしてE・ROMANのセコンドとして,思わず力が入っていたようだ。
 しかし,韓国チームの強さは本物だった。E・ROMANチームも相手のポエマーに対し,徹底的に集中砲火を浴びせていたが,後退するポエマーに誘い出される形で陣形が乱れ,各個撃破されていってしまい,韓国チームが勝利。日韓戦は,韓国チームの圧倒的な強さを証明する形で,幕を閉じたのであった。

下段中央:会場には,HUEの取締役ソン ジンホ氏も訪れ,両チームの健闘を称えた


ゲーム中と変わらぬ(?)フレンドリーな対応で我々の面倒を見てくれたGMツトム氏。
 日韓戦自体は残念な結果に終わったが,E・ROMANチームは落ち込んだ様子もなく(もちろん悔しさはあるだろうが),その後の食事会や観光を楽しんでいた。
 日付が変わろうとする頃,ホテルに戻った一行に,約一時間にわたって話を伺ったのだが,今回の日韓戦の結果については,やはり「実践慣れ」「運営期間の長さによる知識量の違い」などを大きな敗因として挙げていた。
 GMツトム氏によると,日本語版WYD2をプレイしている人のうち,対人戦に積極的なのは,全体の5分の1程度の層だという。また日本では,レベルをカンストしているプレイヤー数がまだまだ少なく,装備の強さにもばらつきが見られるため,対人戦環境という意味では,まだまだ成熟していないというのだ。一方韓国では,多くのプレイヤーがレベルをカンストし,装備も充実している環境で対人戦を楽しんでいる。
 その問題に関しては,いずれ時が解決してくれるだろう。GMツトム氏によると,「すでに,次回の日韓戦の構想も決定しています。いずれは,日本や韓国だけでなく,WYD2が運営されている中国/台湾/ブラジル/マレーシアの最強チームを選抜し,世界最強決定戦を開催したいとも考えています」とのことなので,WYD2プレイヤーは,2007年の開発日程を踏まえつつ,キャラクターの育成計画を立てておくといいだろう。
 ちなみに,GMツトム氏の発言を受けたE・ROMANのメンバー達は,一様に「来年もここに来ます」「次はもう少しいい勝負をします」と,楽しそうに語っていた。1泊2日のハードなスケジュールではあったが,韓国のWYD2プレイヤーとの交流や,Hanbit Softの懇切丁寧な対応には,非常に満足だった様子である。

 日本では,トッププレイヤー秋葉原店やNecca秋葉原店が閉店するなど,イベントスペースとしてのインターネットカフェが減ってきている印象を受ける。しかし,昨年行われた「リネージュIIバトルトーナメント2006 Party」や,今月中旬に開催予定の「ゲットアンプドR世界大会2007」,そしてラグナロクオンラインの日本最強チームを決定する「RAGNAROK ONLINE Japan Championship 2007」など,大規模なオフラインイベントに関しては徐々に増えてきている。「気の合う仲間と好きなゲームを楽しんでいたら,(韓国や海外に限らず)パブリッシャが旅行に招待してくれた」という,まさにプレイヤー冥利に尽きるような体験が,今後さらに増えていくかもしれない。とくに競技性の強いオンラインゲームをプレイしている人は,そういった希望や目標をもって努力してみると,ちょっと新鮮な気持ちでゲームが楽しめそうだ。

ホテルに戻ったあとは,GMツトム氏の部屋で日韓戦の印象などを伺った。翌朝7時にはチェックアウトしなければならなかったのだが,WYD2談義は,深夜1時過ぎまで続いた


JoyImpact「WYD2」開発チームの企画担当 アン・ソンジュ氏(右)と,サーバープログラム担当のユ・テソン氏(左)
 先日,WYD2の2007年開発日程がハンビットユビキタスエンターテインメントから発表されたが,今回の取材中,同作の開発元であるJoyImpactの開発者二人から,アップデートに関するコメントが得られたので,紹介しておこう。

WYD2開発チーム 企画担当
アン・ソンジュ

 2007年のアップデート計画で,最も注目してほしいのは,レイドボスの追加と王国戦の導入についてです。
 これまでのボス狩りは,アイテム獲得が第一の目的であり,ボスモンスター自体も,単純にパラメータが高いだけの存在でした。今後投入するレイドボスは,多種多様なスキルを駆使してくるし,パラメータも高いので,より緊張感のあるプレイが楽しめるはずです。当然,得られる報酬も高いですしね。一人では絶対に倒せない存在なので,ギルドやパーティのみんなで,攻略法をあれこれ考えつつ,討伐にチャレンジしてみてください。
 王国戦は,これまで権力の象徴だった「城」よりも,さらに上位の象徴である「チャンネル」を支配することを目的とした,大規模戦闘システムです。ギルドやサーバーだけでなく,チャンネルへの所属感をも生み出す仕様なので,大勢のプレイヤーとの協調を楽しんでください。



WYD2開発チーム サーバープログラム担当
ユ・テソン

 王国戦は,最大600人程度が入り乱れて戦う,非常にスケールの大きな対人戦システムです。チャンネルをまたいだ大規模戦闘というのは,まだまだ珍しいかもしれませんが,WYD2では,王国戦専用のイベントサーバーを別途用意して楽しんでもらうことになります。
 またWYD2のクライアントは,軽量化/最適化に関して突き詰められているのが特徴です。サーバープログラムにも自信があるので,600人規模の対人戦でも,とくに問題は発生せず,快適に楽しんでもらえる自信があります。
 大きなシステムアップデート以外にも,ペットの拡充や傭兵システムの強化など,その他のコンテンツもどんどん投入していきます。コミュニティやパーティプレイを意識しつつ,そういった要素も楽しんでもらえたら嬉しいです。




 来年の日韓戦にも注目したいところだが,まずは,2007年中に行われる数々のアップデートが,ゲームにどのような変化をもたらすのかについて,見守っていきたい。開発者の思惑通り,アップデートによってパーティプレイの魅力が増し,コミュニティが強化されていけば,日本語版WYD2の,競技としての問題点(先に挙げた,プレイヤー全体のレベル差の問題など)も,徐々に解決されていくことだろう。(大路政志)

  • 関連タイトル:

    WYD: EPISODE II

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