イベント
「飛天Online」台湾プロデューサに聞く今後の展開
■今年中にはペットに乗れる?
4Gamer(以下4G):
よろしくお願いします。
まず,台湾側の話を伺いたいのですが,Softstarのサイトには,「飛天歴険」(飛天Onlineの原題)のリンクと「飛天歴険Free」のリンクがありますが,台湾では定額課金版と無料版の2種類があるのですか?
蔡明宏氏(以下,蔡氏):
いえ,台湾では最近になって基本無料のアイテム課金制に移行しました。現在は日本と同じアイテム課金制のサービスとなっています。
4G:
じゃあサービス形態も日本と同じになったわけですね。
蔡氏:
日本版は,最初の頃は台湾版とずいぶん違っていましたが,最近ではほとんど差がなくなってきています。
4G:
なるほど。ではその日本版ですが,2006年3月に日本で行われた発表会で同年の予定を聞いてから,現在までに多くの要素が実装されてきました。まだ若干実装されていないものもあるようですが,それらの予定など,残りの部分などについて話を聞かせてください。まず,ハウジングについてですが……。
蔡氏:
これは台湾でも実装されていません。ゲーム内で部屋を作っていろいろな家具を置けるようにする予定ですが,現在はほかの要素を開発していて,後回しになっています。
4G:
現在進められているのはなんですか?
蔡氏:
プレイヤーの要望を調査すると,「ペットに乗りたい」という声が多いので,現在はペットに乗れるシステムを全力で開発しています。
4G:
なるほど,それは楽しそうですね。では,ハウジングの企画自体がなくなったわけではないのですね?
蔡氏:
はい。開発の優先度の問題です。
分かりました。ところで,騎乗はいいのですが,無属性のペットっていますよね……。
蔡氏:
女の子型のペットですね。無属性ペットの場合は,乗れるようにすると問題があるので,手をつなぐとかほかの形で表現することになると思います。
4G:
第3段階のペットが近々導入予定と聞いていまして,かなり成長した女の子だと,ちょっと乗れませんよね(笑)。手をつなぐようになるわけですか?
蔡氏:
そういう案も出ていますが,具体的にどうするかはまだ決まっていません。もう少しお待ちください。
4G:
分かりました。ペットへの騎乗の実装はいつくらいになりそうですか?
蔡氏:
現状では2007年第3四半期を目標にしています。
楽しみにしています。次に,収妖システムですが……。
蔡氏:
はい。飛天Onlineでは,鏡や壷を使ってモンスターをペットにすることができます。これはすでに実装されています。
4G:
そうですね。以前,話を聞いたときには,収容したモンスターの合成もできるようにしたいということでしたが,それはその後どうなっていますか?
蔡氏:
飛天Onlineでは,まだ普通の収妖システムの様子を見ている段階ですが,「軒轅剣」(注:Softstarが発売しているスタンドアロン版のPCゲームタイトル。「けんしょうけん」と読むらしい。飛天Onlineのもとになったもの)では,収妖システムでのモンスター合成は実装されているんですよ。
4G:
なるほど。ただ,ボス級のモンスターまで収妖できて,さらにそれらを合体できるとなると,ちょっと強くなりすぎませんか?
蔡氏:
収妖したモンスターは,強力なものもいますが,強力であるほど裏切りやすくなっています。また,普通のペットは経験を積んでいきますが,収妖したモンスターにはそれがありません。台湾では,普通のペットを使う人のほうが多いですね。バランスについては,現在の収妖システムの評価を見ながら,また検討したいと思います。
4G:
導入が延期されていた職業の開発状況はどうなっていますでしょうか?
蔡氏:
台湾では,新しい職業「商人」がまもなく導入されます。日本では少し遅れて,3月くらいになる予定です。
4G:
商人は,戦闘用ではなく,平民の上位職のようなものだと聞いた覚えがあるのですが,商人のレベルを上げるには,やはり戦闘をしなければならないのでしょうか?
蔡氏:
はい。ほかの職業と同じく,レベルは戦闘で上げることになります。
4G:
商人というのはどういう戦い方をするのでしょうか?
蔡氏:
お金を払って攻撃力を上げるなど,商人らしいものを考えています。
4G:
財力で解決ですね。そのほかに商人のメリットはありますか? 以前の話では,税率が安くなるといったことも挙げられていましたよね。
蔡氏:
露店でたくさんのものを売れるようになっています。台湾版は露店では7%の税金がかかっていたのですが,そのあたりの仕様がなくなったので,税金での優遇というのはなくなりました。
4G:
あと,商人ともう一つの職業「蟲師」の追加も延び延びとなっていますが,こちらはどうなっていますか?
蔡氏:
現在内部テストでバランス調整中です。商人を追加して,その反応を見ながらさらに調整していくことになると思います。
4G:
日本でも期待している人が多いので,よろしくお願いします。
4G:
以前伺った予定のものはこれくらいだと思うのですが,そのほかに予定しているものはありますか?
蔡氏:
台湾では競技場が導入されます。3月くらいの予定です。
4G:
それはどういうものでしょうか?
蔡氏:
競技場には5種類のゲームモードがあります。まず,人数は問わず2チームに分かれて,20分間対戦し,生存者が多いほうが勝ちというもの。次に,攻城戦があります。3番目は最初のと似ていますが,2チームでそれぞれ相手のチームのブタを倒すというものです。4番目は,みんなでボスを倒すというもの,最後は個人戦です。個人戦ではランキングも発表されます。毎週,ランキング最上位のプレイヤーには,アイテム「軒轅剣」が贈られます。このアイテムは,非常に強力な剣ですが,10日間しか使えません。
4G:
この剣を持った人が,次週も参加したら,その人がまた勝っちゃうんじゃないですか?
蔡氏:
チャンピオンは,次の週は出られないようになっていますので,その心配はありません(笑)。
4G:
なるほど,それなら問題ないですね。その競技場は,現在あるPvPエリアとは別で作られる場所ですか? それとも現在の場所が多機能になるのでしょうか?
蔡氏:
別の場所になります。
追加マップなどはどうでしょうか?
蔡氏:
台湾では1月に新マップ「龍棲山」が追加され,2月には「浮屠山」が追加されます。龍棲山はレベル50〜55,浮屠山はレベル60以上を想定しています。
4G:
かなりの高レベルエリアですね。高レベル用のマップが必要なのは分かるのですが,低レベル用のマップも追加できませんかね?
蔡氏:
低レベル用ですか?
4G:
飛天のシステムでは,ほかの職業を鍛えるために,何度もレベル1から同じマップをやり直しますよね。新しい職業が追加されますし,もう少しバリエーションがほしいところです。
蔡氏:
なるほど。検討してみます。
4G:
そのほかに今後の追加要素がありましたら聞かせてください。
蔡氏:
今後はボスの追加などが予定されています。レベルキャップの引き上げも検討中です。
4G:
どちらも,高レベルの人には嬉しいアップデートですね。期待しています。
では最後の質問です。台湾もアイテム課金制になったわけですが,日本と台湾で課金アイテムの傾向に違いなどはありますか?
蔡氏:
日本では外見を変えるアイテムの要望が非常に多いようですね。台湾では,戦闘で便利に使えるアイテムの要望が多くきています。
4G:
やはり傾向は少し違うようですね。本日はお忙しいところありがとうございました。
短い時間ではあったが,駆け足で今後の予定を聞くことができた。日本では,お金を多く払った人が有利になるシステムをよしとしない風潮が見られがちだが,海外ではそうでもないようだ。
2006年3月の発表会で新要素を聞いたときには,正直言って「そんなに詰め込めるの?」と思ったくらいたくさんの要素が並べられていたわけだが,気がつけばそれらも着々と導入され,残ったものについてもほぼ目処が立っていることが確認できた。このところ新要素の投入が滞ってはいるが,年間ベースで見れば,そこそこの更新といえるだろう。
ただ,台湾の開発サイドの問題ではないが,日本側のチェックの甘いような点も多々見受けられる。細かい誤訳などは放置せずに素早く対応してほしいところである。
全体的な感触としては,日本版で大幅な変更を加えていたバージョンに台湾側も追いつき,現状では台湾先行で開発が進められているようだ。日本への展開は1か月遅れくらいだろうか。ゲーム自体はもうほぼ同じものになっているという。この先の展開が気になる人は,台湾版の情報をチェックしておくのもよいかもしれない。(aueki)
(2007年2月10日収録)
- 関連タイトル:
飛天オンライン〜第三の季節〜
- この記事のURL:
キーワード
(C) 2003-2008 SOFTSTAR ENTERTAINMENT INC. All Rights Reserved. Publshed by Gamania Digital Entertainment Co., Ltd