連載
箱庭のように再現された広大な街の中を歩き回り,車で暴走して人を轢き,一般市民や警官を殴り倒し,撃ち殺す。そんな,不必要なほど極悪非道の限りを尽くせるクライムアクションというと,世界で何千万本も売れ,社会現象にまでなったという「グランド・セフト・オート」(GTA)シリーズを思い浮かべる読者が多いと思う。
だが,ちょっと待ってもらいたい。独創的なドライブアクションゲームを世に送り出している,イギリスのReflections Interactiveが放つ「ドライバー」シリーズも負けてはいない。こっちだって全世界で累計1200万本以上売れている化け物タイトルであり,そもそも今のクライムアクションの土台を作ったのは,何を隠そうドライバーシリーズなのだ。
そんなドライバーシリーズの最新作が「DRIVER PARALLEL LINES 日本語マニュアル付英語版」(ドライバー パラレルラインズ)だ。ドライバーシリーズはその名前からも分かるとおり,車を使ったさまざまなミッションをこなしていくゲームである。車ゲーといっても単なるレースゲームではなく,執拗に追走してくる敵車やパトカーを相手にド派手なカーチェイスを演じたり,運んだり逃げ回ったり追いかけたりと,そこは実にクライムアクションっぽい内容。
前作「ドライバー3」では,肝心なドライブアクションよりもシューティングアクションの味付けが(良い意味でも悪い意味でも)強かったが,今作ではドライブアクションに重点が置かれており,ドライバーシリーズの名にふさわしいゲーム性に戻ったといえる。
殴り倒すなり,車で轢くなり,銃で撃つなり,街の中で好き放題暴れまくり。PS2版では一般市民は死なない仕様で,倒れてもムクッと起き上がったので非常に気持ち悪かったが,PC版ではちゃんと(?)死んじゃう
そんな本作だが,2007年9月14日発売のPC版は日本語マニュアル付英語版で,当たり前だがゲーム中の音声,テキストはすべて英語のままである。割とストーリー展開を楽しむタイプのゲームなため,ストーリーやミッション内容をしっかり理解できないと,遊べないことはないが面白さは大きく変わってしまう。
そこで,ニューヨークは好きだが英語はトホホという人でも本作を楽しんでもらえるようサポートしていくのが本連載なのだ。これから数回にわたり,本作のストーリーやミッション内容,攻略情報などをお伝えしていくので,当連載をチェックしておけば「何をしていいのかサッパリだぜFxxK!」ということは,少なくなるはずである。
なお記事の性質上,ストーリー的にネタバレしてしまう部分もあるので,ご容赦のほどを。
1978年のニューヨーク。抜群の運転技術を持つ主人公T.K.(キッド)は,さまざまなヤバい仕事を引き受けながら大金持ちを目指す18歳だ。
派手なカーチェイスシーンや水着&下着(?)のお姉さんが登場するオープニングムービーをウキウキしながら眺めていたら,いきなり強盗の逃走を手助けするドライブミッションが始まった。こんな仕事は朝飯前だぜってなわけで,一般車の間をすり抜けながら,パトカーの追跡を振り切り,強盗を目的地まで送り届けるのだ。すると100ドルの報酬が得られる。こんな感じで,ヤバい仕事を次々にこなしていくわけだ。
ニューヨークでの寝床として世話になっているレイが,スリンクというヤツを紹介してくれるというのでバーに行ってみる。スリンクはアフロヘアーにチョビ髭,そして紫のスーツと,悪党というよりはチンピラみたいな男。というか,セクシーな踊りを披露しているダンサーばかりが気になって,スリンクの話は上の空だなぁ。
まずはこちらが本当に腕の立つドライバーなのか確かめたいらしく,ニューヨークに放置してあるスリンクの車を回収し,レイの修理工場まで運んでこいとのこと。放置場所に行ってみると,ボロボロのスリンクの車がある。「これ以上,壊すんじゃないぞ」なんて言っていたが,確かにこれ以上壊したら木っ端微塵だ。スリンクはあまり車の運転がお上手ではないらしく,腕の立つドライバーが必要なのも納得である。
オンボロ車を無事にレイの修理工場に運び込むと,車の手配度をゼロにする方法,修理やパーツを購入して車をアップグレード(ボディワーク,パフォーマンス,アクセサリ,スプレー塗装)する方法などのレクチャーが受けられる。これでオンボロだったスリンクの車も新車同様になるんだから,レイは本当に凄腕だ!
ピカピカに生まれ変わったスリンクの車は,もらっちゃっていいようだ。どうせなら,もうちょっと格好いい車のほうがよかったなぁと思っていたら,この車で街の中に配置された三か所の計測ポイントを60マイル,70マイル,100マイルで通過しろとのこと。こんな簡単な腕試しでいいのだろうか?
腕を認められ,スリンクからの仕事を請け負うことになった。これでしばらく食いっぱぐれはなさそうだ。さあ真面目にコツコツ労働するぞ! とはいっても,車の運転だけウマくてもやっていける仕事ではなく,銃は必要不可欠である。早いとこ銃を使えるようになって,ギャングとか警官とか一般市民とかをバンバン撃つぞー。
銃の基本的な取り扱いはスリンクに教えてもらえる。こんなことまでやってくれるなんて,スリンクってば意外にマメなアフロだ。とはいえ指示通りにできないと,最初の訓練からやり直しさせられる。スリンクってば意外に厳しいアフロだ。まぁこんなところで足踏みしているようじゃ,この先が思いやられるけど。
世話になっているレイから,ラガーディアに返済する1500ドルが必要だという依頼があった。レイのためだ,面倒くさいが都合してやるしかない。金はレースやサイドミッションをこなして調達することになる。
手っ取り早く金を稼ぐにはレースがお勧め。一般車のいないクローズドサーキットで行われるサーキットレース,そして一般車が走る公道で行われるストリートレースがある。どちらも難度はイージー,ミディアム,ハードとあるが,車の強化に金を使っても仕方ないので(別にいいけど),簡単に勝てるイージーに挑戦しておけばいいだろう。1500ドルなんてあっという間だ。
レースのほかには高利貸しというサイドミッションがある。簡単にいえば取り立て屋だ。金貸しをボランティアと勘違いしているうっかり者の車を追いかけて,制限時間内に金を取り立てればオッケー。もちろん話し合いで解決するわけがないので,銃で説得するのだ。
相手を追いかけながら銃を乱射する“ながら運転”のため,なかなか難しい。あまり派手に暴れすぎると,手配度も上がりパトカーとのカーチェイスにもなる。取り立て屋も大変だ。無事に1500ドルを稼いでラガーディアに金を返せばミッション完了。レイには感謝してもらいたいものである。
うすうす気がついている人もいると思うが,今回紹介した冒頭のミッションは,いずれもチュートリアル要素を含んだミッションであり,かなり簡単である。とはいえ,本作にはストーリーを追って展開されるメインミッションがまずあって,たまにミニゲーム的なセカンドミッションが入り,ときにはミッションは気にせず自由気ままにニューヨークを走り回れる,という流れはお分かりいただけたと思う。
こんな感じで,次回以降もゲームのストーリーを追いながら,ミッションを紹介/攻略をしていく予定だ。
ニューヨークでの行動は自由だが,違法行為が見つかると「手配度」がアップして,警察に追われることになる。
本作では車の手配度(画面左下メーター横)とキッドの手配度(画面右下ミニマップ横)があり,車で犯罪を行うと車の手配度が,徒歩移動中に犯罪を行うとキッドの手配度が上がる。当然,手配度が高ければ高いほど警察の追跡も激化する。
この二つに分かれた手配度がゲームを面白くしており,例えば車の手配度は乗っている車に対しての手配度なので,警察が見ていないところで別の車に乗り換えてしまえば手配度はリセットされる。また,キッドの手配度が上がっていても,中が見えにくい車に乗っていれば気付かれずにやりすごせるというわけだ。
手配度は,警察に見つかると上がるということを覚えておこう。警察が見ていないところでは何をやってもおとがめなしなのだ。さすが自由の国アメリカ(?)である。
車の手配度は別の車に乗り換えれば消える。キッドの手配度が上がっている場合,すれ違いざまに顔が分かってしまうバイクやオープンカーなどは避けておいたほうが無難だ。中が見えにくい車であれば,キッドの手配度が高くても,画面左下メーター横の黄色いバーが最高になるまではパトカーの後ろを走っていても大丈夫
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DRIVER PARALLEL LINES 日本語マニュアル付英語版
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