プレイレポート
ガンホーの新作2タイトル「ドデカオンライン」「覇拳伝」,メディア先行プレイレポートを紹介
両タイトルは,ともに“基本プレイ料金無料+アイテム課金”のビジネスモデルで運営されることが決まっており,2月からのクローズドβテスト開始を予定している(※ドデカオンラインのCBT募集は締め切られているが,覇拳伝のアトラクションID登録は現在も行われている)。
4Gamerではこのたび,現在ローカライズ作業中の2タイトルに,ガンホー本社で直接触れる機会が得られた。本稿ではその際の模様を,先行プレイレポートとしてお届けしていく。CBTに参加する人は予習のために,またそうでない人も,新たなオンラインゲームとの出会いのために,本稿に目を通してみるといいだろう。
なお,今回触れたのは開発中のバージョンであるため,本稿に掲載されているスクリーンショットは一部文字化けしている。また,今後細かい文言などが修正される可能性があるので,その点はご了承を。
“超速”レベルアップで,早い段階でPvPに参戦できる
MMORPG「ドデカオンライン」
「ドデカオンライン」は,オリエンタルな世界観とファンタジーテイストが融合した,クリックタイプのMMORPGだ。これは,韓国CR-Space社が開発した「d.o. Online」をローカライズしたものだが,ただ単に日本語翻訳を施すだけでなく,ストーリーやゲームバランスも大幅に調整しているという。
ゲーム開始時にプレイヤーが選べる職業は,“武人”(タンク系),“隠密”(アタッカー系),“道士”(キャスター系),“法師”(ヒーラー系)の4種類。ゲームの基本システムや操作体系は,オーソドックスなクリックタイプのMMORPGを踏襲しており,韓国産のMMORPGに触れたことがある人なら,すんなりと理解できるはずだ(ちなみに,カーソルキーやW/A/S/Dキーによる移動には対応していなかった)。
実際にプレイしてみてまず驚かされたのは,キャラクターのレベルアップのテンポがやたらといいこと。例えば,キャラクター作成後に行えるチュートリアルエリアでは,ゲーム内で必要とする知識を,クイズ形式で学べるようになっている。そして,このクイズをクリアするたびにどんどんレベルアップしていき,チュートリアルを終える頃にはレベルが7になっていた。キャラクターの作成から,僅か5分足らずのことである。
このキャラ成長の速さはチュートリアルの終了後も同様で,モンスターを10体前後倒せばレベルアップできるというペースがしばらく続く。しかも,モンスターを倒したときに一定確率で,“獲得経験値が約40倍”&“ワンランク上のアイテムがドロップ”するというボーナス要素もあるのだ。これは“ドデカシステム”と呼ばれるものなのだが,初めてこのシステムが発動したときには,レベルが一気に「3」も上がってしまい,驚きを通り越し半ば呆然としてしまったほどである……。
近年のMMORPGは,レベルアップに要する時間/労力が比較的小さくなってきているが,それらの中でもドデカオンラインのレベリング速度は半端ではない。今回解説をしてくれたガンホーの「ドデカオンライン」開発チーム鳥山氏によると,レベルアップに必要となる経験値のバランスは,韓国版から大きく変えており,キャラクターを成長させる楽しみを前面に押し出しているとのこと。韓国版の「d.o. Online」の経験者が,ドデカオンラインをプレイしたらどんな印象を持つのか,ちょっと気になってしまった次第である。
本作のPvPモードを大きく分けると,1対1による「個人戦」,ギルド同士による「集団戦」,そして大規模バトル「龍派大戦」の3種類がある。最後の龍派大戦は,本作のメインテーマに深く関わっているので,ここで本作のバックグラウンドストーリーについて簡単に説明しておこう。
ドデカオンラインの世界には,かつて魔族がはびこっていたが,“十二神器”という特殊な武器の力により,長らく封印されていた。しかし,この十二神器による封印が解除され,魔族が再び猛威を振るいだしたのだ。
魔族との争いに終止符を打ちたいという願いは皆一緒だが,ここで人々は二つの派閥に分かれてしまう。神器を集め魔族を封印することを目的とする“白龍派”と,集めた神器で魔族を撃ち果たすことを目的とする“黒龍派”である。そして両者は思想のすれ違いにより,絶え間なき抗争を繰り広げている,というわけだ。この抗争をゲームシステム上で実現させたのが龍派大戦である。
ストーリーに直結している十二神器が,“武器”として登場するのが興味深い。実際に登場する神器の数としては,一クラスあたり3種類の武器種別が用意されており,これで12。さらに各神器は同じものが12個ずつあって,つまり合計で12×12=144個という内訳だ。総数が結構多いので,龍派大戦に参加していれば神器を装備して龍派大戦に参加することも,いずれはできそうだ。
今回のテストプレイでは実際に龍派大戦に触れることはできなかったものの,十二神器が戦局を大きく左右することになるのはほぼ間違いないだろう。神器を操ることによる痛快なプレイフィールや,これの奪い合いなどが本作の大きな醍醐味となるのではないだろうか。それにしても,魔族を封印するために作られた神器が,違う目的のために使われるのは皮肉としか言いようがないが……。
本作をざっとプレイした印象としては,シンプルなゲームシステムながらも,新規プレイヤーでも短時間で大規模PvPに参加でき,ド派手なスキルを繰り出す気持ちよさを手軽に満喫できる。そのための環境がしっかり整備されているのが,大きな魅力だと思えた。最近では日本でも,PvPやRvRをテーマとしたタイトルが次第に人気を博してきているので,興味を持った人はこれからの続報にも注目してほしい。
オンラインならではの機能を重視した
本格派3D対戦格闘ゲーム「覇拳伝」
オンラインの対戦格闘ゲームは過去にも何本かリリースされているが,いずれもコミカルなキャラクターを使ったカジュアルな内容のものであった。しかし「覇拳伝」は,いうならば「バーチャファイター」や「鉄拳」シリーズに代表される,8頭身キャラクターを使った“本格派”の3D格闘アクションである。
それでいて,オンラインゲームならではの醍醐味であるキャラクターのカスタマイズや,コミュニティ関連の機能にも力を入れている。これまでありそうでなかった,“オンライン本格派格闘オンラインゲーム”といえるものに仕上がっているのだ。
まずはゲームのコアとなる“格闘”の部分からチェックしていこう。現在用意されている格闘スタイルは,“テコンドー,ムエタイ,八極拳,太極拳,柔道”の5種類。大まかな方向性としては,テコンドーとムエタイは中距離戦が得意で初心者でも比較的プレイしやすいスタイル。八極拳と太極拳は,近距離からの打撃やカウンターなどを得意とする,上級者向けのスタイル。最後の柔道は,相手の動きの隙を狙って投げ技を繰り出すという,一発逆転性を秘めたスタイルだ。
ゲーム中の基本操作方法は,上下左右の他に“パンチ,キック,ガード,ヒーロースキル”の四ボタンがある。最後のヒーロースキルは,試合中にダメージを受けることでゲージが溜まっていき,これがフルになると使えるという,いわゆる“超必殺技”的なもの(感覚としては,ワンボタンで出せる鉄拳の10連コンボ的なもの)。そして,これらのキー入力を組み合わせて繰り出す“PP+K”や“→P+G”などといったお馴染みのコマンド技が,スタイル毎に多数用意されている。中にはかなり複雑なコマンド技もあるが,スキルショートカットに登録すれば,ダメージは半分になるもののボタン一発で繰り出すことも可能だ。
肝心の格闘アクションは,率直に言って想像を大幅に上回る出来栄えである。今回はガンホーの社内サーバーを介してプレイしている点も影響しているかもしれないが,各操作に対するレスポンスが非常に早く,またグラフィックスのクオリティも高い。本作をジョイパッドで操作していると,コンシューマ機の格闘ゲームをプレイしてるのとほとんど同じ感触なのだ。
プレイフィールとしては,“パンチ,キック,ガード”というボタン配置もあってか,どちらかというと「鉄拳」よりは「バーチャファイター」シリーズに近く,バトル中にスタンスを変えたりと,かなり細かなアクションが用意されている。このクオリティの格闘ゲームを,“基本プレイ料金無料のオンラインゲーム”で楽しめるというのは,時代の流れを感じてしまった。本作のアクションについては,あれこれ文章で説明するよりも,もうとにかく動いている所を一度でいいから実際に見てほしい,という気持ちだ。
コマンド技の数は各スタイルによって微妙に異なるが,初期状態でも30〜40前後の数を使える。それが最終的には,70〜80種類にまで増えるとのこと。初期状態でもそれなりの種類の技を繰り出せるので,ワンパターンな戦術に陥ることはあまりなさそうである。
ここで注目してもらいたいのは,たとえレベルアップをしても,例えばパンチ一発で与えるダメージ量などといったステータスは変化しない,という部分である。また例えば,コマンド技のランクを上げて,一度に与えるダメージを増やすといったことも不可能である。
要するに初心者と上級者は,コマンド技をはじめとした戦術の幅こそ違うものの,基本的にはフラットな環境で戦えるのだ。本作はあくまでもRPGではなく格闘ゲームなので,ゲームバランス面で公平さが意識されているのは,大きなポイントといえるだろう。
ちなみに,対コンピュータ戦のゲームモードも充実しており,コマンド技を練習したり,GPを稼ぐといったこともできるようだ。
キャラクターのカスタマイズについても触れておこう。キャラクターの作成時は,3種類の体型,6種類の髪型,5種類の顔,5種類の肌色の中から選べる。そしてスタイル毎に,男女別々のモデルが用意されている。
アバターアイテムは“上半身,下半身,腕,頭,足,装飾品”のジャンルがあり,カスタマイズ関連についてはかなり幅広く用意されている,といえるだろう。
今回はプレイできる時間が短かったが,「覇拳伝」についてはかなりの好感触を得られた。そういえば2008春には「ストリートファイター オンライン マウスジェネレーション」のサービスも予定されており,今年の前半は,PCの対戦格闘ゲームがちょっとしたムーブメントを起こすかもしれない。そんな期待を抱かせてくれた今回の先行プレイであった。
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